JP3023559B2 - 磁気軸受の制御装置 - Google Patents
磁気軸受の制御装置Info
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- JP3023559B2 JP3023559B2 JP1299095A JP29909589A JP3023559B2 JP 3023559 B2 JP3023559 B2 JP 3023559B2 JP 1299095 A JP1299095 A JP 1299095A JP 29909589 A JP29909589 A JP 29909589A JP 3023559 B2 JP3023559 B2 JP 3023559B2
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- control device
- axis
- circuit
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C32/00—Bearings not otherwise provided for
- F16C32/04—Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
- F16C32/0406—Magnetic bearings
- F16C32/044—Active magnetic bearings
- F16C32/0444—Details of devices to control the actuation of the electromagnets
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- Engineering & Computer Science (AREA)
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- Mechanical Engineering (AREA)
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- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高速回転機等に使用する高速回転用磁気軸
受の制御装置に関するものである。
受の制御装置に関するものである。
従来、この種の磁気軸受の制御装置においては、プリ
セッション(後回りのコニカル振動)とニューテーショ
ン(前回りのコニカル振動)を安定させるために、ロー
タの傾き角度θを検出し、プリセッションはこれをクロ
スフィードバックし、ニューテーションは位相進み回路
でθの微分値を近似的に求めこれを通常のフィードバッ
クして行なわれている。
セッション(後回りのコニカル振動)とニューテーショ
ン(前回りのコニカル振動)を安定させるために、ロー
タの傾き角度θを検出し、プリセッションはこれをクロ
スフィードバックし、ニューテーションは位相進み回路
でθの微分値を近似的に求めこれを通常のフィードバッ
クして行なわれている。
しかしながら、磁気軸受のニューテーションを制御す
るためには位相進み回路等の微分回路を使用するため、
高域でゲインが上がりノイズが増えたりパーワーアンプ
を構成するトランジスタが飽和する等の負担をかけるこ
とになり、発熱等の問題が発生する。
るためには位相進み回路等の微分回路を使用するため、
高域でゲインが上がりノイズが増えたりパーワーアンプ
を構成するトランジスタが飽和する等の負担をかけるこ
とになり、発熱等の問題が発生する。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、磁気軸受
のプリセッション及びニューテーションを位相進み回路
等の微分回路を使用することなく安定させることができ
る磁気軸受の制御装置を提供することにある。
のプリセッション及びニューテーションを位相進み回路
等の微分回路を使用することなく安定させることができ
る磁気軸受の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明は、ロータの傾き角度
信号がセンサ等により得られ、更に制御コイルにより重
心回りに制御トルクを発生することのできる磁気軸受装
置において、角度信号Sをローパスフィルタに通して角
運動量ベクトルHの傾き角の推定値Heを求め、この推定
値HeにゲインKPを乗じて後回りのコニカル振動を安定化
する信号を得る回路と、推定値Heから角度信号Sを減算
してHe−Sを求め、該He−SにゲインKnを乗じて前回り
のコニカル振動を安定化する信号を得る回路を具備し、
得られた2つの安定化信号を加算し、ロータのラジアル
2軸であるx軸及びy軸間をクロスしてフィードバック
することを特徴とする。
信号がセンサ等により得られ、更に制御コイルにより重
心回りに制御トルクを発生することのできる磁気軸受装
置において、角度信号Sをローパスフィルタに通して角
運動量ベクトルHの傾き角の推定値Heを求め、この推定
値HeにゲインKPを乗じて後回りのコニカル振動を安定化
する信号を得る回路と、推定値Heから角度信号Sを減算
してHe−Sを求め、該He−SにゲインKnを乗じて前回り
のコニカル振動を安定化する信号を得る回路を具備し、
得られた2つの安定化信号を加算し、ロータのラジアル
2軸であるx軸及びy軸間をクロスしてフィードバック
することを特徴とする。
また、推定値Heを角運動量ベクトルHの傾き角へより
近づけるためローパスフィルタによって生じた位相遅れ
(α)を補正する回路を具備することを特徴とする。
近づけるためローパスフィルタによって生じた位相遅れ
(α)を補正する回路を具備することを特徴とする。
また、位相遅れ(α)を回転数に応じて変化すること
のできる補正回路を具備することを特徴とする。
のできる補正回路を具備することを特徴とする。
磁気軸受の制御装置を上記の如く構成することによ
り、後に詳述するように、位相進み回路等の微分回路を
使用することなく、ローパスフィルタにより角運動量ベ
クトルHの傾き角を推定することで、プリセッション及
びニューテーションを安定させることができる。
り、後に詳述するように、位相進み回路等の微分回路を
使用することなく、ローパスフィルタにより角運動量ベ
クトルHの傾き角を推定することで、プリセッション及
びニューテーションを安定させることができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の磁気軸受の制御装置の動的補償回路
を含むシステムのブロック線図である。同図において、
11は磁気軸受であり、センサ(図示せず)より、磁気軸
受11のロータのX軸及びY軸の傾き角度信号Sx=θy,Sy
=−θxが得られる。
を含むシステムのブロック線図である。同図において、
11は磁気軸受であり、センサ(図示せず)より、磁気軸
受11のロータのX軸及びY軸の傾き角度信号Sx=θy,Sy
=−θxが得られる。
制御装置は、この傾き角度信号Sx,Syから角運動量ベ
クトルの傾き角Hx,Hyの推定値Hex,Heyを求めるローパス
フィルタ12−1,12−2と、この推定値Hex,Heyを角運動
量ベクトルHx,Hyへより近づけるため前記ローパスフィ
ルタ12−1,12−2によって生じた位相遅れ(α)を補正
する位相遅れ補正回路13と、この位相遅れ補正回路13の
出力である推定値Hex,HeyにゲインKpを乗じて後回りの
コニカル振動を安定化する信号を得る第1の安定化回路
14−1,14−2と、推定値Hex,Heyから傾き角度信号Sx,Sy
を減算して減算値Sx−Hex,Sy−Heyを求め、該減算値Sx
−Hex,Sy−HeyにゲインKnを乗じて前回りのコニカル振
動を安定化する信号を得る第2の安定化回路15−1.15−
2と、第1の安定化回路14−1,14−2の出力と第2の安
定化回路15−1.15−2の出力とを加算し、ラジアル2軸
間をクロスしてフィードバックする回路16−1,16−2か
らなる。以下上記構成の磁気軸受の制御装置の動作を説
明する。
クトルの傾き角Hx,Hyの推定値Hex,Heyを求めるローパス
フィルタ12−1,12−2と、この推定値Hex,Heyを角運動
量ベクトルHx,Hyへより近づけるため前記ローパスフィ
ルタ12−1,12−2によって生じた位相遅れ(α)を補正
する位相遅れ補正回路13と、この位相遅れ補正回路13の
出力である推定値Hex,HeyにゲインKpを乗じて後回りの
コニカル振動を安定化する信号を得る第1の安定化回路
14−1,14−2と、推定値Hex,Heyから傾き角度信号Sx,Sy
を減算して減算値Sx−Hex,Sy−Heyを求め、該減算値Sx
−Hex,Sy−HeyにゲインKnを乗じて前回りのコニカル振
動を安定化する信号を得る第2の安定化回路15−1.15−
2と、第1の安定化回路14−1,14−2の出力と第2の安
定化回路15−1.15−2の出力とを加算し、ラジアル2軸
間をクロスしてフィードバックする回路16−1,16−2か
らなる。以下上記構成の磁気軸受の制御装置の動作を説
明する。
上記構成の磁気軸受の制御装置の動作を説明する前
に、剛体回転体のコニカル運動に付いて第2図を用いて
説明する。
に、剛体回転体のコニカル運動に付いて第2図を用いて
説明する。
軸対称剛体回転体(以下、「ロータ」と称する)の角
運量ベクトルをH,外部トルクをTとすると、姿勢運動の
基本となる一般運動方程式は、 dH/dt=T (1) であるから、角運量ベクトルHは外部トルクTによって
容易に制御可能である。しかし角運量ベクトルHは目に
見えず、直接見えるのは回転軸Sである。Sはロータの
回転軸そのものを表すと同時に傾き角をも表現するもの
とする。一般に磁気軸受においては、併進運動又は非回
転時に対する安定性の要求条件から、回転軸Sの傾き角
θ(微小とする)に比例した復元トルク(比例係数K)
が与えられている。比較係数Kによる復元トルクは、回
転軸Sを第2図のZ軸に戻す方向で、HがSの近傍にあ
るときは、Sの回転の正方向から見て、時計回りの接線
方向トルクである。そのためHは時計回りの円錐運動を
することになる。これをプリセッション(歳差)と称す
る。Sは各瞬間におけるHを中心に、その瞬間のSとH
との角度を半頂角とする、半頂角の大きさとは無関係
の、慣性空間から見た一定の章動角速度h=σω(σは
ロータの縦横の慣性モーメント比、ωはSの軸回転速
度)で反時計回りの円錐運動をする。これをニューテー
ション(章動)と称し、このニューテーションを抑制制
御するにはHをSに近付けるように外部トルクを加える
ことである。一方、歳差を抑制制御するにはHをZ軸に
持って行くようトルクをHからZ軸方向に選んでやるこ
とである。
運量ベクトルをH,外部トルクをTとすると、姿勢運動の
基本となる一般運動方程式は、 dH/dt=T (1) であるから、角運量ベクトルHは外部トルクTによって
容易に制御可能である。しかし角運量ベクトルHは目に
見えず、直接見えるのは回転軸Sである。Sはロータの
回転軸そのものを表すと同時に傾き角をも表現するもの
とする。一般に磁気軸受においては、併進運動又は非回
転時に対する安定性の要求条件から、回転軸Sの傾き角
θ(微小とする)に比例した復元トルク(比例係数K)
が与えられている。比較係数Kによる復元トルクは、回
転軸Sを第2図のZ軸に戻す方向で、HがSの近傍にあ
るときは、Sの回転の正方向から見て、時計回りの接線
方向トルクである。そのためHは時計回りの円錐運動を
することになる。これをプリセッション(歳差)と称す
る。Sは各瞬間におけるHを中心に、その瞬間のSとH
との角度を半頂角とする、半頂角の大きさとは無関係
の、慣性空間から見た一定の章動角速度h=σω(σは
ロータの縦横の慣性モーメント比、ωはSの軸回転速
度)で反時計回りの円錐運動をする。これをニューテー
ション(章動)と称し、このニューテーションを抑制制
御するにはHをSに近付けるように外部トルクを加える
ことである。一方、歳差を抑制制御するにはHをZ軸に
持って行くようトルクをHからZ軸方向に選んでやるこ
とである。
次に、微小角近似複素変数運動方程式を用いてコニカ
ル運動について説明する。慣性座標系として、ロータの
重心を原点0とし、鉛直上方をZ軸、水平直交軸をX及
びYとする。姿勢を表現する運動座標系として非スピン
座標系を採用し、原点はロータの重心、回転軸Sがz
軸、その直交軸x及びy軸はそれぞれX及びY軸の近傍
にある座標軸系で、z軸以外はロータに固定されない。
微小傾き角θは、x,y成分に分解され、θx及びθyと
して表現し、微小傾き角θ(Tも同様)を複素表示して
下線を付けて用いると、即ち 1次及び2次の時間微係数を「′」及び「″」で表現
し、(2)式を用いると(1)式は、 θ″−ihθ′+kθ=T (3) となる。但しk=K/Id(Idはロータの回転軸と直交する
軸回りの慣性モーメント)、T=(Tx+iTy)/Idであ
る。(3)式でT=0のときの近似特性根は +ih(章動モード) −ik/h(歳差モード) の二つのモードである。
ル運動について説明する。慣性座標系として、ロータの
重心を原点0とし、鉛直上方をZ軸、水平直交軸をX及
びYとする。姿勢を表現する運動座標系として非スピン
座標系を採用し、原点はロータの重心、回転軸Sがz
軸、その直交軸x及びy軸はそれぞれX及びY軸の近傍
にある座標軸系で、z軸以外はロータに固定されない。
微小傾き角θは、x,y成分に分解され、θx及びθyと
して表現し、微小傾き角θ(Tも同様)を複素表示して
下線を付けて用いると、即ち 1次及び2次の時間微係数を「′」及び「″」で表現
し、(2)式を用いると(1)式は、 θ″−ihθ′+kθ=T (3) となる。但しk=K/Id(Idはロータの回転軸と直交する
軸回りの慣性モーメント)、T=(Tx+iTy)/Idであ
る。(3)式でT=0のときの近似特性根は +ih(章動モード) −ik/h(歳差モード) の二つのモードである。
ここで姿勢を視覚的に表現するために、平面Z=1上
に複素平面を想定し、X軸を実軸、Y軸を虚軸とし、ベ
クトルSやHがこの平面と交わる点をそれぞれS,Hと表
現する。この複素平面はθのそれとは異なり S=θy−iθx=−iθ (4) である。本実施例ではωが一定の場合のみ論ずるので、
Hのスピン軸成分Isω≒|H|は不変である。従って、そ
れと直交する成分はIdθ′であるが、Sに対するHの角
度(章動の半頂角)は Idθ′/|H|=θ′/h (5) となり、 H−S=(θx′+iθy′)/h=θ′/h (6) と表現される。
に複素平面を想定し、X軸を実軸、Y軸を虚軸とし、ベ
クトルSやHがこの平面と交わる点をそれぞれS,Hと表
現する。この複素平面はθのそれとは異なり S=θy−iθx=−iθ (4) である。本実施例ではωが一定の場合のみ論ずるので、
Hのスピン軸成分Isω≒|H|は不変である。従って、そ
れと直交する成分はIdθ′であるが、Sに対するHの角
度(章動の半頂角)は Idθ′/|H|=θ′/h (5) となり、 H−S=(θx′+iθy′)/h=θ′/h (6) と表現される。
次に角運動量ベクトルHの推定について説明する。制
御信号を作るためにはHを推定する必要がある。Hの推
定値Heをもとめるには普通はレート情報が必要となる。
御信号を作るためにはHを推定する必要がある。Hの推
定値Heをもとめるには普通はレート情報が必要となる。
ωの増大とともに章動と歳差の両モードの周波数は分
離するから、ローパスフィルタにより章動モードをかな
り除去できる。
離するから、ローパスフィルタにより章動モードをかな
り除去できる。
本実施例では伝達関数 (1+τs)-1=F (7) で表わされる1次ローパスフィルタ(第1図の12−1,12
−2)を使った場合のみを論ずる。
−2)を使った場合のみを論ずる。
Sは可測であるとして、そのラプラス変換量SSにまず
FSSという処理を行なう。ここでFの折点周波数1/τは
次のように選ぶことが望ましい。
FSSという処理を行なう。ここでFの折点周波数1/τは
次のように選ぶことが望ましい。
k/h<1/τ<h (8) FSSの処理によって歳差モード成分もゲインと位相の影
響を受けるはずであるが、ここでは前者の影響を無視し
て後者のみを問題とする。即ち遅れ位相角をαとすると
(7)、(8)式から α=tan-1(τk/h) (9) だけ複素平面での位置を時計回りに進めるとHeのラプラ
ス変換量HeSは真の値Hのラプラス変換量に近くなる。
響を受けるはずであるが、ここでは前者の影響を無視し
て後者のみを問題とする。即ち遅れ位相角をαとすると
(7)、(8)式から α=tan-1(τk/h) (9) だけ複素平面での位置を時計回りに進めるとHeのラプラ
ス変換量HeSは真の値Hのラプラス変換量に近くなる。
従って HeS=e−iαFSS (10) とする。なお、不等式(8)の左側の条件は逆であって
も、右側の条件さえ満足していれば(9)式の 位相のほかにゲインを補正すればよいと思われる。
も、右側の条件さえ満足していれば(9)式の 位相のほかにゲインを補正すればよいと思われる。
次に、ふれままわり減衰のためのフィードバックトル
クについて説明する。ラプラス変換量HeSがわかれば、
歳差及び章動の両モードの減衰フィードバックトルクゲ
インをIdで割った値をそれぞれKp及びKnとすれば、制御
トルクをIdで割ってラプラス変換した値TSは、次のよう
に与えられる: TS=−KpHeS−Kn(HeS−SS) =−(Kp+Kn)HeS+KnSS =−KpnHeS+KnSS (11) 但し Kpn=Kp+Kn (12) (4)式と(10)式を用いると Ts=(−Kpne−iαF+Kn(−iθs) (13) 但しθsはθのラプラス変換量である。この(13)式は
明らかにクロスフィードバックとなっている。ローパス
フィルタの位相遅れ角αが、α≠0の場合には自軸と他
軸の両角度を利用するが、α≒0の場合には完全に他軸
のみの角度を利用する形となる。
クについて説明する。ラプラス変換量HeSがわかれば、
歳差及び章動の両モードの減衰フィードバックトルクゲ
インをIdで割った値をそれぞれKp及びKnとすれば、制御
トルクをIdで割ってラプラス変換した値TSは、次のよう
に与えられる: TS=−KpHeS−Kn(HeS−SS) =−(Kp+Kn)HeS+KnSS =−KpnHeS+KnSS (11) 但し Kpn=Kp+Kn (12) (4)式と(10)式を用いると Ts=(−Kpne−iαF+Kn(−iθs) (13) 但しθsはθのラプラス変換量である。この(13)式は
明らかにクロスフィードバックとなっている。ローパス
フィルタの位相遅れ角αが、α≠0の場合には自軸と他
軸の両角度を利用するが、α≒0の場合には完全に他軸
のみの角度を利用する形となる。
次にフィードバック制御自の特性根について説明す
る。
る。
(3)式をラプラス変換し、(7)式と(13)式を代
入し、通分すると3次の特性方程式が得られる: τs3+(1−iτh)s2+[τk+i(τKn−h)]
s +k−Knpsin α+i(Kn−Kpncos α)=0(14) 不等式(8)の条件下で、Kn及びKpが微小な範囲での3
個の特性根の近似値は次のようになる: 章動モード:−(Kn/h)+ih(1−Kn/(τh3)) (15) 歳差モード:−(Kp+ik)/(h−τKn) (16) τモード :−(1/τ)+((Kp+Kn)/h) −(τKpKn/h2)+i[τk(Kp+Kn)/h2](17) (15),(16)式から、明らかに章動と歳差の両モード
はそれぞれKn,Kpに比例して減衰が増大している。
入し、通分すると3次の特性方程式が得られる: τs3+(1−iτh)s2+[τk+i(τKn−h)]
s +k−Knpsin α+i(Kn−Kpncos α)=0(14) 不等式(8)の条件下で、Kn及びKpが微小な範囲での3
個の特性根の近似値は次のようになる: 章動モード:−(Kn/h)+ih(1−Kn/(τh3)) (15) 歳差モード:−(Kp+ik)/(h−τKn) (16) τモード :−(1/τ)+((Kp+Kn)/h) −(τKpKn/h2)+i[τk(Kp+Kn)/h2](17) (15),(16)式から、明らかに章動と歳差の両モード
はそれぞれKn,Kpに比例して減衰が増大している。
(16)式から歳差モード安定のためには h>τKn (18) が絶対に必要となる。従ってこのことから回転数に無関
係にフィードバックゲインを固定することはできない。
また、両ゲイン、特にKpを増大し過ぎると、新たに加わ
った(17)式のモードが次第に不安定に近付くので注意
を要する。KnとKpを別個に又は同時にゼロから増大して
いくと第3図のような根軌跡が得られる。同図におい
て、lmは虚軸Reは実軸を示し、同図(a)はKpのみを変
化する場合、同図(b)はKnのみを変化する場合、同図
(c)はKp,Knを同時に変化した場合を示す。
係にフィードバックゲインを固定することはできない。
また、両ゲイン、特にKpを増大し過ぎると、新たに加わ
った(17)式のモードが次第に不安定に近付くので注意
を要する。KnとKpを別個に又は同時にゼロから増大して
いくと第3図のような根軌跡が得られる。同図におい
て、lmは虚軸Reは実軸を示し、同図(a)はKpのみを変
化する場合、同図(b)はKnのみを変化する場合、同図
(c)はKp,Knを同時に変化した場合を示す。
次に、第1図の制御装置をの下記の条件でシミレーシ
ョンした例を説明する。
ョンした例を説明する。
σ=In/Id=0.5,h=σω=1000[rad/s],k=1.51×1
05[s-2],τ=2.73[ms],1/τ=366[rad/s],α=
22.4[deg],k/h=151[rad/s] 第4図はKp=Kn=0の場合のSとHの軌跡を示す図で
あり、当然のことながら、収束も発散もしない。
05[s-2],τ=2.73[ms],1/τ=366[rad/s],α=
22.4[deg],k/h=151[rad/s] 第4図はKp=Kn=0の場合のSとHの軌跡を示す図で
あり、当然のことながら、収束も発散もしない。
第5図は歳差だけの制御で、Kn=0.Kp=3.15×10
-4[s-2]の場合である。歳差だけ減衰して章動はその
まま残っている。
-4[s-2]の場合である。歳差だけ減衰して章動はその
まま残っている。
第6図は第5図の逆の場合、Kp=0,Kn=3.15×104[s
-2]で、章動は減衰し、歳差はわずかながら発散してい
る。
-2]で、章動は減衰し、歳差はわずかながら発散してい
る。
第7図は両者を同時に制御した場合、Kn=Kp=3.15×
104[s-2]で、両者が同時に減衰しているが、Hの軌跡
は章動が減衰した分、角が取れている。
104[s-2]で、両者が同時に減衰しているが、Hの軌跡
は章動が減衰した分、角が取れている。
第8図はゲインを第7図の場合の5倍にしたときの軌
跡である。章動も歳差を急速に減衰している様子が分か
る。
跡である。章動も歳差を急速に減衰している様子が分か
る。
次に、位相遅れαの補正の効果について説明する。
位相遅れαの補正の効果をここでは前述の具体例につ
いて、αを変化させた場合の特性根の変化により示す。
まず歳差モードの変化を第9図に示す。上記(9)式か
ら求めたノミナル値は、減衰時定数から見てほぼ最適の
位置にあることがわかる。これを増大し過ぎると不安定
となる。
いて、αを変化させた場合の特性根の変化により示す。
まず歳差モードの変化を第9図に示す。上記(9)式か
ら求めたノミナル値は、減衰時定数から見てほぼ最適の
位置にあることがわかる。これを増大し過ぎると不安定
となる。
章動モードの変化を第10図に示す。ノミナル値よりも
っと増大させた方が減衰が良くなる。しかしながら、こ
の時の実数部は歳差モードのそれと殆ど同じ値になって
いる。
っと増大させた方が減衰が良くなる。しかしながら、こ
の時の実数部は歳差モードのそれと殆ど同じ値になって
いる。
τモードは大きな負の実数部を持つので相対変化量は
小さく、αの効果を論じてもあまり意味がない、第11図
に示すように、この場合には虚数部を多少減らしてい
る。
小さく、αの効果を論じてもあまり意味がない、第11図
に示すように、この場合には虚数部を多少減らしてい
る。
以上のことから、上記(9)式から定めたαの値は適
当であり、このαを補正することにより章動・歳差の両
モードの減衰を約3割改善している。
当であり、このαを補正することにより章動・歳差の両
モードの減衰を約3割改善している。
以上説明したように本発明によれば、位相進み回路等
の微分回路を使用することなく、ローパスフィルタによ
り角運動量ベクトルHを推定することで、プリセッショ
ン及びニューテーションを完全に減衰させることがきる
から、従来の微分回路を使用したもののように、高域で
ゲインが上がってノイズが増えたり、パーワーアンプに
負担をかける等の問題点が解決できるという優れた効果
が得られる。
の微分回路を使用することなく、ローパスフィルタによ
り角運動量ベクトルHを推定することで、プリセッショ
ン及びニューテーションを完全に減衰させることがきる
から、従来の微分回路を使用したもののように、高域で
ゲインが上がってノイズが増えたり、パーワーアンプに
負担をかける等の問題点が解決できるという優れた効果
が得られる。
第1図は本発明の磁気軸受の制御装置の動的補償回路を
含むシステムのブロック線図、第2図は剛体回転体のコ
ニカル運動を説明するための図、第3図(a),
(b),(c)はゲインKP,Knの特性根の変化の状態を
示す図、第4図乃至第8図はそれぞれのゲインKP,Knを
ある値に設定した場合の角運動量ベクトルHの軌跡と回
転軸Sと軌跡を示す図、第9図乃至第11図はそれぞれ位
相遅れαの補正の歳差モード,章動モード,τモードへ
の影響を示す図である。
含むシステムのブロック線図、第2図は剛体回転体のコ
ニカル運動を説明するための図、第3図(a),
(b),(c)はゲインKP,Knの特性根の変化の状態を
示す図、第4図乃至第8図はそれぞれのゲインKP,Knを
ある値に設定した場合の角運動量ベクトルHの軌跡と回
転軸Sと軌跡を示す図、第9図乃至第11図はそれぞれ位
相遅れαの補正の歳差モード,章動モード,τモードへ
の影響を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】ロータの傾き角度信号がセンサ等により得
られ、更に制御コイルにより重心回りに制御トルクを発
生することのできる磁気軸受装置において、 前記角度信号Sをローパスフィルタに通して角運動量ベ
クトルHの傾き角の推定値Heを求め、この推定値Heにゲ
インKPを乗じて後回りのコニカル振動を安定化する信号
を得る回路と、 前記推定値Heから前記角度信号Sを減算してHe−Sを求
め、該He−SにゲインKnを乗じて前回りのコニカル振動
を安定化する信号を得る回路とを具備し、 前記得られた2つの安定化信号を加算し、前記ロータの
ラジアル2軸であるx軸及びy軸間をクロスしてフィー
ドバックすることを特徴とする磁気軸受の制御装置。 - 【請求項2】前記推定値Heを角運動量ベクトルHの傾き
角へより近づけるため前記ローパスフィルタによって生
じた位相遅れ(α)を補正する回路を具備することを特
徴とする請求項(1)記載の磁気軸受の制御装置。 - 【請求項3】前記位相遅れ(α)を回転数に応じて変化
することのできる補正回路を具備することを特徴とする
請求項(1)又は(2)記載の磁気軸受の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1299095A JP3023559B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 磁気軸受の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1299095A JP3023559B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 磁気軸受の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03163215A JPH03163215A (ja) | 1991-07-15 |
JP3023559B2 true JP3023559B2 (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17868095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1299095A Expired - Fee Related JP3023559B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 磁気軸受の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3023559B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3533014B2 (ja) * | 1994-08-22 | 2004-05-31 | 株式会社荏原製作所 | 磁気軸受支持回転体のデジタル制御方法及び制御装置 |
-
1989
- 1989-11-17 JP JP1299095A patent/JP3023559B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03163215A (ja) | 1991-07-15 |
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