JP3023405B2 - 水蒸気加熱装置付き食品 - Google Patents

水蒸気加熱装置付き食品

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JP3023405B2
JP3023405B2 JP7151999A JP15199995A JP3023405B2 JP 3023405 B2 JP3023405 B2 JP 3023405B2 JP 7151999 A JP7151999 A JP 7151999A JP 15199995 A JP15199995 A JP 15199995A JP 3023405 B2 JP3023405 B2 JP 3023405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発生する水蒸気により
食品を加熱するようにした水蒸気加熱装置付き食品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生石灰等の発熱剤と水との接触に
よって生起する発熱反応による発熱で水蒸気を発生させ
る水蒸気加熱装置が食品を加熱するために用いられて、
種々の水蒸気加熱装置付き食品が実用化されている。
【0003】従来の水蒸気加熱装置付き食品は、図9
(a)に示すように、箱35の底部に発熱剤が封入され
た発熱剤袋と水が封入された水袋とからなる水蒸気加熱
装置31が載置され、その上に食品を食べるための容器
32、袋に密封された米などの主食品33、同様に袋に
密封されたカレーや牛丼等の副食品34が収納されてい
る。そして、食品を加熱する際には、図9(b)に示す
ように、主食品33や副食品34を袋から取り出して容
器32に入れた状態で発熱剤袋及び水袋を同時に開封し
て発熱反応を開始させるようにしている。
【0004】ところで、従来の水蒸気加熱装置付き食品
に用いられる容器32は、図10(a)に示すように底
壁に多数の比較的小さい孔が穿設されたものや、図10
(b)に示すように底壁や側面に所要数の比較的大きい
孔が穿設されたものが用いられていた。そして、このよ
うに穿設された孔を水蒸気が通過することにより、主食
品33や副食品34などの食品がよく加熱されるように
構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のような孔が穿設された容器32では、水蒸気加熱
装置31で発生する水蒸気の通過が不十分であった。一
般に、主食品33としてアルファ化米がよく用いられる
が、アルファ化米は、米をアルファ化した後で水分を除
去する際に、各々の米粒で含水率にばらつきが生じる場
合があった。この場合には、上記従来例の容器32では
水蒸気が十分に行き渡らないために、加熱終了後でもぱ
らぱらで硬い米粒が残っている場合が多かった。
【0006】また、上記従来例のような孔が穿設された
容器32では、食品の液汁成分が容器から漏出するため
に、副食品34が牛丼やおでん等のような液汁成分を多
く含む食品の場合には容器として用いることが不適であ
った。
【0007】本発明は、上記問題を解決するもので、食
品全体にむらなく水蒸気を行き渡らせて好適に加熱する
水蒸気加熱装置付き食品を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、液汁成分を多く含む食品
の場合でも、食品全体にむらなく水蒸気を行き渡らせて
好適に加熱する水蒸気加熱装置付き食品を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内部を密封可能な蓋付きの箱の底部に水
蒸気加熱装置を収納し、その上に食品容器を載置し、食
品を袋等から取り出して上記食品容器内に入れた状態で
上記水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気を箱内に充満
させて上記食品容器内の食品を加熱するようにした水蒸
気加熱装置付き食品において、上記食品は、液汁成分を
含む食品であり、上記食品容器は、底壁及び側壁を有す
るとともに、上面に開口を有する箱体で、少なくとも上
記底壁が、透湿性及び遮水性を兼有するシートで形成さ
れている(請求項1)。
【0010】また、上記シートは、撥水剤で撥水加工さ
れた不織布からなる(請求項)。
【0011】また、上記シートは、撥水剤で撥水加工さ
れた紙からなる(請求項)。
【0012】また、上記撥水剤は、フッ素樹脂を主体と
して構成されている(請求項)。
【0013】また、上記撥水剤は、シリコーン樹脂を主
体として構成されている(請求項)。
【0014】また、上記箱は、上面に開口を有する箱形
状で開口端の周囲に内壁面、底面及び外壁面からなる上
向きに開口する断面コ字状の蓋嵌合溝が形成されたケー
ス本体と、周囲に上記ケース本体の蓋嵌合溝と相対応す
る断面形状を有する係止部が形成された蓋とから構成さ
れ、上記蓋の係止部が上記ケース本体の蓋嵌合溝に内嵌
することにより上記ケース本体が上記蓋によって閉塞さ
れるものである(請求項)。
【0015】また、内部を密封可能な蓋付きの箱の底部
に水蒸気加熱装置を収納し、その上に食品容器を載置
し、食品を袋等から取り出して上記食品容器内に入れた
状態で上記水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気を箱内
に充満させて上記食品容器内の食品を加熱するようにし
た水蒸気加熱装置付き食品において、上記食品容器は、
底壁及び側壁を有するとともに、上面に開口を有する箱
体で、少なくとも上記底壁が、透湿性を有するシートで
形成され、上記箱は、上面に開口を有する箱形状で開口
端の周囲に内壁面、底面及び外壁面からなる上向きに開
口する断面コ字状の蓋嵌合溝が形成されたケース本体
と、周囲に上記ケース本体の蓋嵌合溝と相対応する断面
形状を有する係止部が形成された蓋とから構成され、上
記蓋の係止部が上記ケース本体の蓋嵌合溝に内嵌するこ
とにより上記ケース本体が上記蓋によって閉塞されるも
のである(請求項)。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によれば、底壁及び側壁を
有するとともに、上面に開口を有する箱体からなる食品
容器の底壁を透湿性及び遮水性を兼有するシートで構成
することにより、水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気
は、食品容器の底壁を透過して上昇し、これによって、
加熱水蒸気が食品容器内の食品に十分供給されるととも
に、食品全体にむらなく行き渡り、好適に加熱される。
また、食品容器内の食品の液汁成分が食品容器から漏出
しないから、おでんや雑炊等の水分の多い食品の加熱に
適した容器が得られる。
【0017】また、請求項記載の発明によれば透湿性
及び遮水性を兼有するシートは撥水剤で撥水加工された
不織布からなり、請求項記載の発明によれば透湿性及
び遮水性を兼有するシートは撥水剤で撥水加工された紙
からなり、それぞれ請求項記載の発明と同様の作用を
有する。
【0018】また、請求項記載の発明によれば上記撥
水剤はフッ素樹脂を主体として構成され、請求項記載
の発明によれば上記撥水剤はシリコーン樹脂を主体とし
て構成され、それぞれ請求項記載の発明と同様の作用
を有する。
【0019】また、請求項6、7記載の発明によれば、
ケース本体の開口端の周囲に形成された上向きに開口す
る断面コ字状の蓋嵌合溝に、この蓋嵌合溝と相対応する
断面形状を有する蓋の係止部が内嵌することによりケー
ス本体が蓋によって閉塞されるように構成することによ
り、箱内から箱外へ抜ける加熱水蒸気の通路は、蓋嵌合
溝の内壁面に沿って一旦下降し、底面で水平に進んだ
後、外壁面に沿って上昇するように形成されるので、上
昇する性質を有する加熱水蒸気の箱内から箱外への漏出
が抑制され、加熱水蒸気は箱内に充満して、食品が効率
良く加熱される。また、箱内に充満した加熱水蒸気の一
部が漏出したとしても、その加熱水蒸気は蓋嵌合溝の外
壁面に沿って上昇して箱外へ出るので、下向きに吹き出
した場合のように箱が置かれたテーブルの表面を熱で変
色させるなどの損傷を与えることがない。
【0020】
【実施例】図1(a)は本発明に係る水蒸気加熱装置付
き食品の第1実施例の収納物を示す内部構成図、(b)
は同実施例の外観を示す斜視図である。図2は同第1実
施例に用いられる食品容器を示す図で、(a)は未使用
状態を示す斜視図、(b)は蓋を開けた状態を示す斜視
図、(c)は(b)のC−C断面図である。図3は同実
施例の箱のケース本体を示す図で、(a)は平面図、
(b)は(a)のB−B断面図である。図4は同実施例
の箱の蓋を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)
のB−B断面図である。図5は同第1実施例における食
品加熱時の状態を示す内部構成図である。
【0021】この水蒸気加熱装置付き食品は、箱1の底
部に水蒸気加熱装置2が載置され、その上に主食品3及
び副食品4が収納された食品容器5が載置されてなるも
のである。
【0022】箱1は、それぞれ例えばポリプロピレンや
ポリスチレン等の合成樹脂製のケース本体11と蓋12
とから構成される。
【0023】ケース本体11は、側壁111及び底壁1
12からなり、上面に開口を有する箱状に形成されてい
る。側壁111の上端には、外側に向けて水平に折り曲
げられてなる所要幅の平坦部113が形成され、この平
坦部113の外側には、断面コ字状の溝部114が形成
されている。溝部114は、平坦部113から下方に延
設されてなる内壁面114a、所要幅の底面114c及
び内壁面114aより多少上方まで延設されてなる外壁
面114bからなる。
【0024】溝部114の外壁面114bの4隅の上部
には、多少内方向に突き出た凸部115が所要寸法に亘
って形成されている。また、溝部114の外壁面114
bの2隅の上端は、多少広い平面の広縁部116が形成
されている。
【0025】蓋12は、側壁121及び天板122から
なり、下面に開口を有する箱状に形成されている。側壁
121の下端には、外側に折り曲げられてなる小幅の平
坦部123が形成され、この平坦部123の外側には、
上記溝部114と略同一の断面形状の溝部124が形成
されている。溝部124は、平坦部123から下方に延
設されてなる内壁面124aと、上記溝部114の底面
114cより多少幅狭の底面124cと、内壁面124
aより多少上方まで延設されてなり、かつ上記溝部11
4の外壁面114bより高さ寸法が多少低い外壁面12
4bとからなる。また、外壁面124bは、多少外方向
に傾斜して形成されている。
【0026】そして、ケース本体11を蓋12で閉塞す
る際には、平坦部113及び上記内壁面114aの境界
で形成されるコーナー部と、平坦部123及び上記内側
面124aの境界で形成されるコーナー部とが対向して
重なるとともに、溝部114に溝部124が内嵌する。
このとき、溝部124の外側面124bが外方向に傾斜
して形成されているので、溝部114の外壁面114b
によって内方向に押圧されたときに生じる外方向への弾
性力によって、外壁面114bの上端が凸部115から
外れることなく係止される。これによって、ケース本体
11が蓋12によって閉塞されるようになっている。
【0027】水蒸気加熱装置2は、図1(a)に示すよ
うに、例えば、上面に開口を有する合成樹脂製のケース
21と、ケース21の内部に積層状態で収納された発熱
剤袋22及び水袋23と、両袋の周囲に引き回されたひ
も24と、ケース21の上面開口を覆うシート部材25
とから構成されている。発熱剤袋22は、例えばアルミ
箔に樹脂製フィルムを貼着積層したラミネート構造を有
するシート材料で形成され、内部に生石灰等の水と反応
して発熱する発熱剤26が封入されている。水袋23
は、例えばポリ塩化ビニル製で、内部に水27が封入さ
れている。
【0028】ひも24は、一端がケース21に固定さ
れ、発熱剤袋22及び水袋23の周囲を引き回されて他
端がケース21から箱1外に引き出されている。シート
部材25は、例えばアラミド繊維等からなる耐熱性不織
布で形成され、ケース21の周縁部211に溶着または
接着されて、ケース21内で発生する加熱水蒸気を上方
に透過するものである。また、発熱反応部を覆うことに
よって過剰な熱が上方に伝達されるのを防止する断熱シ
ートとして作用するものである。
【0029】主食品3は、例えば米飯のような食品で、
アルファ化された米からある程度水分を取り去った状態
で透明なポリエチレン等で形成された袋内に密封されて
おり、加熱するだけで食べられるようになっている。副
食品4は、カレーや牛丼などの食品で、アルミ箔等で形
成された袋内に密封されており、加熱するだけで食べら
れるようになっている。
【0030】食品容器5は、図2に示すように、底壁、
側壁51及び蓋部52からなり、箱状に形成されてお
り、内部に主食品3及び副食品4を収納するものであ
る。側壁51及び蓋部52は、例えばポリプロピレン製
で、側壁51は下端に外側に折り曲げてなる多少肉厚を
有する所要幅のリブ511が形成され、蓋部52は、一
辺側適所に孔521が穿設されている。
【0031】そして、側壁51及び蓋部52は、例えば
一体成形後に図2(a)のA1〜A8で示す8箇所以外
が切断されてなり、蓋部52の孔521に指を引っ掛け
て引っ張ることにより、容易に蓋部52を側壁51から
切り離すことができるようになっている。
【0032】上記食品容器5の底壁は、端部が上記リブ
511に溶着または接着されてなる水蒸気透過シート5
3で形成されている。水蒸気透過シート53は、例えば
アラミド繊維を主成分とする耐熱性不織布等の透湿性を
有する材質からなり、水蒸気を透過するものである。
【0033】以上の構成により、図5に示すように主食
品3及び副食品4を袋から取り出して食品容器5に入
れ、ケース本体11を蓋12で閉塞した状態で、使用者
が箱1外からひも24を引っ張ることによって発熱剤袋
22及び水袋23を同時に開裂して発熱反応を開始させ
ると、発生する水蒸気がシート部材25を介して上昇
し、食品容器5内の主食品3及び副食品4を加熱する。
【0034】その際に、食品容器5の底壁が水蒸気透過
シート53で形成されているので、食品容器5の底壁全
体から水蒸気が上昇し、水蒸気が主食品3及び副食品4
全体にむらなく行き渡ることとなる。そして、加熱後は
そのまま食品容器5から食べられるようになっている。
【0035】このように、主食品3及び副食品4を袋か
ら取り出して食品容器5に入れて加熱を開始するように
した水蒸気加熱装置付き食品において、食品容器5の底
壁を透湿性を有する水蒸気透過シート53で形成したの
で、主食品3及び副食品4を好適に加熱することができ
ることから、食品をおいしく賞味することができる。
【0036】特に、主食品3が、米をアルファ化した後
で水分を除去する際に、各々の米粒で含水率にばらつき
が生じて含水率が不足した米粒が存在する米飯の場合で
も、各々の米粒にむらなく加熱水蒸気を行き渡らせるこ
とができるので、パラパラになることなく粘り気のある
状態に加熱することができる。このように、加熱水蒸気
により熱及び水分を加えることによって、老化したデン
プンの若返りを図ることができ、食品を非常においしく
賞味することができる。
【0037】また、ケース本体11を蓋12で閉塞した
状態では、平坦部113及び上記内壁面114aの境界
で形成されるコーナー部と、平坦部123及び上記内側
面124aの境界で形成されるコーナー部とが対向して
重なるとともに、溝部114に溝部124が内嵌するの
で、箱1内から箱1外へ抜ける水蒸気の通路は、嵌合す
る溝部114,124の内壁面114a,124a間の
隙間で一旦下降する。従って、箱1内で発生する加熱水
蒸気は上昇する性質を有するので、箱1外への加熱水蒸
気の漏出を抑制することができる。
【0038】また、例えば、ケース本体側を包んで上か
ら蓋を覆い被せるような一般的な蓋の構成、すなわち上
記実施例において上下を逆にしてケース本体11を蓋
側、蓋12を本体側として構成したような場合には、加
熱水蒸気が下向きに漏出することとなり、本簡易食品加
熱器が置かれたテーブルなどの表面を熱によって変色さ
せる等、テーブルに損傷を与える虞れがある。しかしな
がら、上記実施例によれば、箱1内から箱1外へ抜ける
水蒸気の通路は、嵌合する溝部114,124の内壁面
114a,124a間の隙間で一旦下降し、底面114
c,124c間で水平に進んだ後、外壁面114b,1
24b間の隙間で上昇して箱1外へ抜ける。従って、加
熱水蒸気の一部が箱1から漏出したとしても、その加熱
水蒸気は上向きに漏出することとなり、その熱によって
テーブルに損傷を与える等のような事態を確実に防止す
ることができる。
【0039】なお、本実施例では、水蒸気透過シート5
3はアラミド繊維を主成分とする耐熱性不織布としてい
るが、本発明はこれに限られず、その他の不織布等、同
様に透湿性を有する材質で形成したものであれば、同様
の効果が得られる。
【0040】また、水蒸気透過シート53は、肉じゃが
や、豆ごはん、味付けごはん等の米飯のように液汁成分
の少ない食品にあっては水蒸気を透過するだけの機能が
あれば十分であるので1枚あるいは2枚の不織布でよい
が、不織布を3枚以上重ねて形成するようにすれば、液
体の浸透が抑制できるので、副食品4の食品容器5から
の漏出をある程度防止することができることから、副食
品4としてカレー、ハヤシライスやスパゲティミートソ
ース等のように多少の液汁成分を含む食品を用いること
ができる。従って、種々の食品を簡便に、しかもおいし
く賞味することができる。
【0041】また、上記実施例では食品容器5は蓋部5
2を有する構成としているが、蓋部52が取り外された
状態のもの、すなわち側壁51と、水蒸気透過シート5
3からなる底壁とを有し、上面に開口を有する構成のも
のでもよい。
【0042】図6は本発明に係る水蒸気加熱装置付き食
品の第2実施例に用いられる食品容器を示す図で、
(a)は未使用状態を示す斜視図、(b)は蓋を開けた
状態を示す斜視図、(c)は(b)のC−C断面図であ
る。
【0043】第2実施例では、食品容器5は、図6に示
すように、底壁が水密性シート54で形成されている。
なお、その他の構成は第1実施例と同様なので説明を省
略する。
【0044】水密性シート54は、例えばアラミド繊維
を主成分とする不織布が撥水剤で撥水加工されてなるも
ので、透湿性及び遮水性を兼有し、水蒸気を透過すると
ともに液体の通過を抑制するものである。
【0045】不織布への撥水剤による撥水加工は、撥水
剤の液中に1本1本の繊維を浸漬して被覆した後で不織
布を形成したり、不織布を撥水剤の液中に浸漬して被覆
する浸漬被覆法(dip coating)を用いることによって行
われる。また、撥水剤を不織布の表面に塗布したり噴霧
するようにしてもよい。
【0046】また、水密性シート54は、例えばグラシ
ン紙等の紙が撥水剤で被覆などの撥水加工されてなるも
のでもよい。
【0047】また、上記撥水剤は、例えば、フッ素樹
脂、フッ素樹脂を主体としてプロピレングリコール類等
の添加物が添加されてなるフッ素系樹脂、シリコーン樹
脂、シリコーン樹脂を主体として他の添加物等が添加さ
れてなるシリコーン系樹脂や、シリコーン油からなるも
のである。なお、上記撥水剤は、これらに限られず、被
覆等の撥水加工を行うことにより不織布や紙に対して透
湿性及び遮水性を兼有する性質を持たせるものであれば
よい。
【0048】また、シリコーン樹脂で撥水加工されたグ
ラシン紙には、例えば本州製紙株式会社で製造され、ラ
イオン株式会社から販売されている「リードホットクッ
キングシート」(登録商標)があり、これを用いて水密
性シート54を形成してもよい。
【0049】以上の構成により、第1実施例と同様にし
て発熱反応を開始させると、発生する水蒸気が上昇して
食品容器5内の主食品3及び副食品4を加熱する。その
際に、食品容器5の底壁が透湿性及び遮水性を兼有する
水密性シート54で形成されているので、食品容器5の
底壁全体から水蒸気が上昇し、水蒸気が主食品3及び副
食品4全体にむらなく行き渡る一方で、副食品4の液汁
成分が食品容器5の底壁から漏出するのが抑制される。
【0050】このように、主食品3及び副食品4を袋か
ら取り出して食品容器5に移して加熱を開始するように
した水蒸気加熱装置付き食品において、食品容器5の底
壁を透湿性及び遮水性を兼有する水密性シート54で形
成したので、主食品3及び副食品4を好適に加熱すると
ともに、副食品4として、米飯などの液汁成分をあまり
含まない食品だけではなく、カレー、ハヤシライスやス
パゲティミートソース等のように多少の液汁成分を含む
食品や、牛丼やおでん等の液汁成分を多く含む食品を用
いることができる。従って、種々の食品を簡便に、しか
もおいしく賞味することができる。
【0051】また、主食品3が含水率の不足した米粒が
存在する米飯の場合でも、第1実施例と同様に各々の米
粒にむらなく加熱水蒸気を供給できるので、粘り気のあ
る状態に加熱できる。
【0052】なお、食品容器5の底壁は、図7(a)
(b)に示すように、水蒸気透過シート53及び水密性
シート54を重ねて構成するようにしても、同様の効果
が得られる。
【0053】また、食品容器5は、図8に示すように、
底壁及び側壁が水密性シート54で形成され、上面に開
口を有する箱形状としても、同様の効果が得られる。
【0054】また、上記各実施例において、水蒸気加熱
装置2のケース21と食品容器5とを同程度の大きさに
形成し、ケース21の周縁部211と食品容器5のリブ
511とを、固着するようにしてもよい。食品容器5と
水蒸気加熱装置2との位置がずれると、水蒸気加熱装置
2で発生する加熱水蒸気が食品容器5内の食品に十分伝
達されない虞れがあるが、固着することによって、食品
容器5と水蒸気加熱装置2との位置がずれるのを防止す
ることができるので、食品の加熱を確実に行うことがで
きる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5の
明によれば、底壁及び側壁を有するとともに、上面に開
口を有する箱体からなる食品容器の少なくとも底壁を透
湿性及び遮水性を兼有するシートで形成するようにした
ので、水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気は、食品容
器の底壁を透過して上昇し、加熱水蒸気を食品全体にむ
らなく行き渡らせることができる。特に、食品が含水率
の不足した米粒が存在する米飯の場合でも、各々の米粒
にむらなく水蒸気を供給できるので、粘り気のある状態
に加熱できる。従って、食品を簡便に、しかもおいしく
賞味することができる。また、加熱後はそのまま食品容
器から食品を食べることができる。
【0056】また、食品の液汁成分が食品容器から漏出
することを防止できる。従って、液汁成分を多く含むよ
うな種々の食品を簡便に、しかもおいしく賞味すること
ができる。
【0057】また、請求項6、7の発明によれば、ケー
ス本体の開口端の周囲に形成された上向きに開口する断
面コ字状の蓋嵌合溝に、この蓋嵌合溝と相対応する断面
形状を有する蓋の係止部が内嵌してケース本体が蓋によ
って閉塞されるように構成することにより、箱内から箱
外へ抜ける加熱水蒸気の通路は、蓋嵌合溝の内壁面に沿
って一旦下降し、底面で水平に進んだ後、外壁面に沿っ
て上昇するように形成されるので、箱内で発生する加熱
水蒸気の箱外への漏出を抑制することができ、食品を効
率良く加熱することができる。また、箱内に充満した加
熱水蒸気の一部が漏出したとしても、その加熱水蒸気は
蓋嵌合溝の外壁面に沿って上昇して箱外へ出るので、下
向きに吹き出した場合のように箱が置かれたテーブル表
面に熱による変色等の損傷が生じるのを確実に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る水蒸気加熱装置付き食品
の第1実施例の収納物を示す内部構成図、(b)は同実
施例の外観を示す斜視図である。
【図2】同第1実施例に用いられる食品容器を示す図
で、(a)は未使用状態を示す斜視図、(b)は蓋を開
けた状態を示す斜視図、(c)は(b)のC−C断面図
である。
【図3】同実施例の箱のケース本体を示す図で、(a)
は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図4】同実施例の箱の蓋を示す図で、(a)は平面
図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図5】同第1実施例における食品加熱時の状態を示す
内部構成図である。
【図6】本発明に係る水蒸気加熱装置付き食品の第2実
施例に用いられる食品容器を示す図で、(a)は未使用
状態を示す斜視図、(b)は蓋を開けた状態を示す斜視
図、(c)は(b)のC−C断面図である。
【図7】同第2実施例に用いられる食品容器の他の例を
示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B断
面図である。
【図8】同第2実施例に用いられる食品容器の他の例を
示す斜視図である。
【図9】(a)は従来の水蒸気加熱装置付き食品の収納
物を示す斜視図、(b)は(a)の食品加熱時の状態を
示す内部構成図である。
【図10】(a)(b)は従来の水蒸気加熱装置付き食
品に用いられる食品容器の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 箱 11 ケース本体 114 溝部(蓋嵌合溝) 114a 内壁面 114b 外壁面 114c 底面 12 蓋 124 溝部(係止部) 124a 内壁面 124b 外壁面 124c 底面 2 水蒸気加熱装置 3 主食品 4 副食品 5 食品容器 53 水蒸気透過シート 54 水密性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 - 36/00 B65D 25/20 B65D 81/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を密封可能な蓋付きの箱の底部に水
    蒸気加熱装置を収納し、その上に食品容器を載置し、食
    品を袋等から取り出して上記食品容器内に入れた状態で
    上記水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気を箱内に充満
    させて上記食品容器内の食品を加熱するようにした水蒸
    気加熱装置付き食品において、上記食品は、液汁成分を
    含む食品であり、上記食品容器は、底壁及び側壁を有す
    るとともに、上面に開口を有する箱体で、少なくとも上
    記底壁が、透湿性及び遮水性を兼有するシートで形成さ
    れており、上記箱は、上面に開口を有する箱形状で開口
    端の周囲に内壁面、底面及び外壁面からなる上向きに開
    口する断面コ字状の蓋嵌合溝が形成されたケース本体
    と、周囲に上記ケース本体の蓋嵌合溝と相対応する断面
    形状を有する係止部が形成された蓋とから構成され、上
    記蓋の係止部が上記ケース本体の蓋嵌合溝に内嵌するこ
    とにより上記ケース本体が上記蓋によって閉塞されるも
    のであることを特徴とする水蒸気加熱装置付き食品。
  2. 【請求項2】 上記シートは、撥水剤で撥水加工された
    不織布からなることを特徴とする請求項1記載の水蒸気
    加熱装置付き食品。
  3. 【請求項3】 上記シートは、撥水剤で撥水加工された
    紙からなることを特徴とする請求項1記載の水蒸気加熱
    装置付き食品。
  4. 【請求項4】 上記撥水剤は、フッ素樹脂を主体として
    構成されていることを特徴とする請求項2または3記載
    の水蒸気加熱装置付き食品。
  5. 【請求項5】 上記撥水剤は、シリコーン樹脂を主体と
    して構成されていることを特徴とする請求項2または3
    記載の水蒸気加熱装置付き食品。
  6. 【請求項6】 内部を密封可能な蓋付きの箱の底部に水
    蒸気加熱装置を収納し、その上に食品容器を載置し、食
    品を袋等から取り出して上記食品容器内に入れた状態で
    上記水蒸気加熱装置で発生する加熱水蒸気を箱内に充満
    させて上記食品容器内の食品を加熱するようにした水蒸
    気加熱装置付き食品において、上記食品容器は、底壁及
    び側壁を有するとともに、上面に開口を有する箱体で、
    少なくとも上記底壁が、透湿性を有するシートで形成さ
    れ、上記箱は、上面に開口を有する箱形状で開口端の周
    囲に内壁面、底面及び外壁面からなる上向きに開口する
    断面コ字状の蓋嵌合溝が形成されたケース本体と、周囲
    に上記ケース本体の蓋嵌合溝と相対応する断面形状を有
    する係止部が形成された蓋とから構成され、上記蓋の係
    止部が上記ケース本体の蓋嵌合溝に内嵌することにより
    上記ケース本体が上記蓋によって閉塞されるものである
    ことを特徴とする水蒸気加熱装置付き食品。
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