JP3023359U - 電気温水器用ヒータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱効率を向上してエネルギーコストを低減
化し、加温された熱湯の膚触りを良好にして快適性を
得、長時間に亙り臭いの付着もないようにする。 【解決手段】 所定の加熱温水槽Ｈの周壁面に取り付け
られる取付フランジ１と、基部に形成してある電源接続
部が加熱温水槽Ｈの周壁外部に突出配置され、発熱部が
加熱温水槽Ｈ内に配置される平面でほぼＵ字形を呈して
いて取付フランジ１に固定される発熱管３とを設ける。
発熱管３の発熱部に放熱体６を付設するもので、この放
熱体６は、発熱管３の左右側面に端縁が固定されるほぼ
平坦状の取付部片７と、この取付部片７に連続されてい
て断面で波形状を呈する上向き傾斜の放熱部片８とを備
え、これらの取付部片７、放熱部片８の少なくともいず
れか一方に対流用スリット９を開穿し、また、表面にセ
ラミックス材１０を被装して形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、熱効率を向上させてエネルギーコストを低減化し、加温された熱 湯の膚触りを良好にし、長時間に亙り臭いの付着も少なくなるようにした電気温 水器用ヒータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の電気温水器用ヒータは、例えば特公平４−８１１１７号公報、 実開平５−６６４５８号公報にあるように、加熱温水槽内に突出される平面でほ ぼＵ字形を呈する金属パイプ製の発熱管内にニクロム線等の発熱体を絶縁体で覆 った状態で封入して成り、水中に浸漬されたままの発熱体に通電することで発熱 された発熱管を介して水を加熱し温水化しているものである。また、実開平１− １４４７５０号公報にあるように、内部に配置されたヒータとは別に、タンクの 内面にセラミックス粉末を固着することで遠赤外線放熱特性を向上させたものも 提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前二者のように水中に浸漬された状態の発熱する発熱管によると、 水に接触する発熱管周囲の接触面積はそれほど大きくないから加熱効率が悪く、 そのためのエネルギーコストも他の発熱源例えば灯油、ガス等によるものに比し 高価なものとなっている。また、水を単に接触加熱するのみであるから沸き上が った湯に対する膚触りの感触が堅く、例えば入浴用水として使用する場合には皮 膚への刺激が大きいままであり、快適な入浴は期待できないものであった。

【０００４】 一方、後者のようにセラミックス粉末による遠赤外線の放射によっては、この セラミックス粉末を直接に加熱させることなく、加温される熱水での温度上昇の みによる放射であるために十分な遠赤外線量を確保できず、その効果も乏しいも のであった。

【０００５】 そこで、この考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、 加熱効率を向上させてそのエネルギーコストを低減化し、加温された熱湯を軟水 化することで膚触りを良好にし例えば入浴用水として使用する場合に快適性を得 ることができ、しかも、長時間に亙り使用しないことで加熱温水槽内で貯留され ていても臭いの付着も少なく、常時安心、快適に温水を使用できるようにした電 気温水器用ヒータを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した目的を達成するため、この考案にあっては、所定の加熱温水槽Ｈの周 壁面に取り付けられる取付フランジ１と、基部に形成してある電源接続部２が加 熱温水槽Ｈの周壁外部に、発熱部が加熱温水槽Ｈの内部に夫々配置されて取付フ ランジ１に固定される発熱管３とを備えたものにおいて、表面にセラミックス材 １０が被装されている断面で波形状の放熱体６を発熱管３に付設したことを特徴 とする。 放熱体６は、発熱管３の左右側面に端縁が固定されるほぼ平坦状の取付部片７ と、この取付部片７に連続されていて断面で波形状を呈する上向き傾斜の放熱部 片８とを備え、これらの取付部片７、放熱部片８の少なくともいずれか一方に対 流用スリット９を開穿して構成することができる。

【０００７】 以上のように構成されたこの考案に係る電気温水器用ヒータにあって、水中に 浸漬状態にあるままで通電されると、発熱した発熱管３によって熱伝達された放 熱体６の発熱及びその表面のセラミックス材１０から放射される遠赤外線にて水 を加熱させる。 放熱体６自体は、断面で波形状を呈することで遠赤外線の放射角度を拡大広域 化させ、しかも、水との接触面積を増大させて加熱効率を向上させ、放射される 遠赤外線は水に吸収されてその加温を効率的に行なわせると同時に軟水化させ、 例えば膚触りを柔らかくさせて皮膚に対する刺激を弱めさせる。 また、放熱体６における対流用スリット９は、放熱部片８が上向きに傾斜して いること相俟ち放熱体６の上下で貫挿状に案内連通させる熱水の対流を促進させ 、加熱温水槽Ｈ内全体における加温を効率的に行なわせる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照してこの考案の実施の一形態を説明するに、図において示さ れる符号１は所定の加熱温水槽Ｈの周壁面、例えばその外側面にネジ止め等によ って当接状態で取り付けられる取付フランジであり、この取付フランジ１は正面 から見て例えば楕円形、矩形状その他の適宜な形状にした所定肉厚のステンレス 板等によって形成されており、周壁面に沿うように対応した平板状、湾曲状その 他の形状を呈している。

【０００９】 そして、この取付フランジ１には平面でほぼＵ字形を呈する金属パイプ製の発 熱管３が固定されており、この発熱管３は基部に形成してある電源接続部２が加 熱温水槽Ｈの周壁外部に突出配置され、Ｕ字形の発熱部が加熱温水槽Ｈの内部に 配置されるものとし、図示にあっては加熱温水槽Ｈの周壁面に開口された取付孔 の周縁外部に周壁面外部から取り付けられた取付フランジ１によって発熱部が加 熱温水槽Ｈ内に配置されるものとしてある。この発熱管３の発熱部は図２に示す ように、絶縁体４によって覆われたニクロム線の如き発熱体５を内部に収納して あり、発熱体５によって発熱管３外部が発熱されるようにしてある。

【００１０】 また、発熱管３には、これの左右で翼状に広がっている断面で波形状の放熱体 ６が付設されており、図示にあっての放熱体６は発熱管３における直管部分にの み配置構成してあるも、図示を省略したが発熱管３の全域にあるいは曲管部分に 配置構成することもでき、これらは任意に選定できる。

【００１１】 放熱体６は、発熱管３の左右側面に溶接その他によって端縁が固定されるほぼ 平坦状の取付部片７と、この取付部片７に連続されていて断面で波形状を呈する 放熱部片８とを備え、これらの取付部片７、放熱部片８の少なくともいずれか一 方に対流用スリット９を開穿してある。放熱部片８は、発熱管３における長手方 向に沿った凹凸形状を呈した状態で、左右端縁に至るに従い次第にやや上方に向 けられた上方傾斜のものとしてあることで、これの下方における加温された水が 放熱部片８の下面に沿って上昇されることで対流が促進されるように配慮してあ る。また、放熱部片８自体は発熱管３の左右で対称的に形成される場合に限らず 非対称のものであってもよいものであり、要は、放射角度を拡大して放射方向を 広域化させたものとし、更に放熱面積が可能な限り増大されるものとなっていれ ばよいものである。対流用スリット９は、図示のように放熱部片８の基部である 発熱管３との固定縁部に矩形状にして開穿してある場合に限らず、その開穿部位 、開穿形状その他は適宜に選定されるもので、取付部片７、放熱部片８の上下相 互間における水の滞留を防止して円滑な対流作用が得られるものとされていれば 足りるものである。

【００１２】 また、この放熱体６には、その表面に望ましくは表面全域に水に吸収されやす い遠赤外線を放射するセラミックス材１０を例えば溶射によって被装してある。 もとより、このセラミックス材１０の溶射は発熱管３表面にも施されてよく、水 に対する加熱が効率的に行なわれるようになっている。

【００１３】 次に、この考案に係るヒータの取り付け、使用を説明すると、所定の加熱温水 槽Ｈの周壁面に取付フランジ１を当接状態にすることでネジ止め等によって水密 的に取り付け、外部に突出した発熱管３の電源接続部２に電源を接続するのであ る。そして、加熱温水槽Ｈ内に注入された水によって浸漬状態にあるままで通電 されると、発熱管３が発熱することで熱伝達された放熱体６の発熱及びその表面 のセラミックス材１０を介して放射される遠赤外線にて水を加熱する。加熱され ることで温水化された熱湯は適宜場所に送水して温水として使用するのである。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成されており、これがため、発熱される放熱体６か ら放射される遠赤外線によって水に対する加熱効率を向上させることでそのエネ ルギーコストを低減化でき、また、遠赤外線によって加温することで軟水化され 、その刺激を弱めて熱湯の膚触りを良好にして快適性を得ることができ、しかも 、長時間に亙り使用せずに加熱温水槽内で貯留されていても臭いの付着も少なく なり、常時安心、快適に温水を使用できるものである。

【００１５】 すなわち、これはこの考案において、取付フランジ１に固定される平面ほぼＵ 字形の発熱管３に、表面にセラミックス材１０が被装されている断面で波形状の 放熱体６を付設したからであり、これによって熱効率の向上、加熱軟水化される ことでの温水における皮膚に対する刺激の緩和、臭いの不付着性等が得られるも のである。

【００１６】 また、放熱体６は、発熱管３の左右側面に端縁が固定されるほぼ平坦状の取付 部片７と、この取付部片７に連続されていて、断面で波形状を呈する放熱部片８ とを備えて成るから、その表面の加熱されたセラミックス材１０から放射される 遠赤外線によって水を加温することができる。しかも、このときの遠赤外線の放 射角度は広域拡大化されることとなってあらゆる方向に向けられたものとなるか ら極めて効率的であり、しかも、水との接触面積も増大されている放熱体６表面 によって一層の加熱効率化が得られるものである。

【００１７】 更には、この放熱体６における取付部片７、放熱部片８の少なくともいずれか 一方に対流用スリット９を開穿してあるから、放熱部片８が上向きに傾斜してい ること相俟ち放熱体６の上下で貫挿状に熱水を案内連通させることができ、加熱 温水槽Ｈ内全体における熱水の対流を促進することで加温を一層効率的に行なわ せることができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の一形態における斜視図であ
る。

【図２】同じく要部の断面図である。

【図３】同じく側面図である。

【符号の説明】

Ｈ…加熱温水槽１…取付フランジ
２…電源接続部 ３…発熱管 ４…絶縁体 ５…発熱体 ６…放熱体 ７…取付部片 ８…放熱部片 ９…対流用スリット １０…セラミッ
クス材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の加熱温水槽の周壁面に取り付けら
   れる取付フランジと、基部に形成してある電源接続部が
   加熱温水槽の周壁外部に、発熱部が加熱温水槽の内部に
   夫々配置されて取付フランジに固定される発熱管とを備
   えた電気温水器用ヒータにおいて、表面にセラミックス
   材が被装されている断面で波形状の放熱体を発熱管に付
   設したことを特徴とする電気温水器用ヒータ。
2. 【請求項２】 放熱体は、発熱管の左右側面に端縁が固
   定されるほぼ平坦状の取付部片と、この取付部片に連続
   されていて断面で波形状を呈する上向き傾斜の放熱部片
   とを備え、これらの取付部片、放熱部片の少なくともい
   ずれか一方に対流用スリットを開穿して成る請求項１記
   載の電気温水器用ヒータ。
3. 【請求項３】 所定の加熱温水槽の周壁面に取り付けら
   れる取付フランジと、基部に形成してある電源接続部が
   加熱温水槽の周壁外部に、発熱部が加熱温水槽の内部に
   夫々配置されて取付フランジに固定される発熱管とを備
   えた電気温水器用ヒータにおいて、発熱管の左右側面に
   端縁が固定されるほぼ平坦状の取付部片と、この取付部
   片に連続されていて断面で波形状を呈する上向き傾斜の
   放熱部片とを備え、これらの取付部片、放熱部片の少な
   くともいずれか一方に対流用スリットを開穿し、また、
   表面にセラミックス材が被装されている放熱体を発熱管
   に付設したことを特徴とする電気温水器用ヒータ。