JP3023041B2 - 新規16員環マクロリド誘導体 - Google Patents

新規16員環マクロリド誘導体

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JP3023041B2 JP16941893A JP16941893A JP3023041B2 JP 3023041 B2 JP3023041 B2 JP 3023041B2 JP 16941893 A JP16941893 A JP 16941893A JP 16941893 A JP16941893 A JP 16941893A JP 3023041 B2 JP3023041 B2 JP 3023041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラム陽性菌に有効な1
6員環マクロリド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】グラム陽性菌、マイコプラズマ、クラミ
ジア等に有効なマクロリド系抗生物質は、経口投与が可
能であり、かつ毒性が低いなどの理由により臨床上重要
な抗菌剤に分類される。とりわけ天然の化合物に比べ体
内動態に優れ、苦みの少ないミオカマイシン(ジャーナ
ル・オブ・アンチビオチックス, 29(5), 536(1976)、ジ
ャパニーズ・ジャーナル・オブ・アンチビオチックス,
35(6), 1462(1982))が半合成16員環マクロリド抗生
物質として小児科領域等を中心に臨床で盛んに用いられ
ている。本発明者らは、耐性誘導されにくいこと、
他の薬剤との相互作用が少ないこと、腸管に与える影
響も少ないことなどの理由から16員環マクロリド抗生
物質を研究対象に選択し、各種グラム陽性菌に有効な化
合物の合成化学的及び生化学的探索研究を重ねてきた。
【0003】第一に、新しく発見した事実の一例とし
て、in vitroの抗菌活性を増強させる方法論としては、
16員環マクロリドの3"位の3級水酸基にメチル基を導
入する合成化学的戦略に基づく発明を特許出願した(特
願平5-3545)。この戦略が、エリスロマイシンの構成糖
であるL-クラジノースの化学構造を基礎に構築されたこ
とは、同特許において記載した。そこで本願は、16員
環マクロリドの構造活性相関(ジャーナル・オブ・アン
チビオチックス, 21(9), 532(1968))より得られた知見
を参考にして、L-クラジノースに標的を絞った本戦略を
さらに展開して得ることができた発明について記載して
いる。一方、本発明者らとは異なるグリコシル化法を用
いて合成した3"位の水酸基がメチル化された16員環マ
クロリドに関して、もう一つの報告がある(ケミストリ
ー・レターズ, 769(1977))。当報告によれば、3"-O-メ
チルカルボマイシンBは、ある種の特定の菌、例えば抗
酸菌の一種に対して、カルボマイシンBよりも抗菌活性
が増強されたと記載されている。しかしながら、これら
二つの方法において調製された3"位の水酸基がメチル化
された誘導体の9位は、いずれもカルボニル基、即ちsp
2炭素であった。事実現在までに、9位がsp3炭素であ
り、同時に3"位の3級水酸基がメチル化された16員環
マクロリド誘導体は知られていない。
【0004】第二に、16員環マクロリドの9位のカル
ボニル基を天然型の立体配置を有する水酸基へと還元す
る微生物変換法に関する発明については、既に本発明者
らが特許出願している(特願平4-291438)。ところで、
16員環マクロリドの構造活性相関の解明・生合成研究
および構造解析等を目的として、9位のカルボニル基を
水酸基に還元する方法に関しては、合成化学的アプロー
チ(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,
39(16), 2474(1974)、ジャーナル・オブ・アンチビオチ
ックス, 34(12), 1577(1981)、同誌, 39(12), 1784(198
6))及び生化学的アプローチ(特開昭50-126880、ジャ
ーナル・オブ・アンチビオチックス, 32(7), 777(197
9)、特開昭54-8793、ジャーナル・オブ・アンチビオチ
ックス, 33(8), 911(1980))等が知られている。
【0005】第三に、16員環マクロリドのラクトン環
の3位水酸基に結合したアシル基を特異的に切断して遊
離の水酸基へと誘導する微生物変換法に関する発明につ
いて、本発明者らは既に特許出願した(EP 526,906、特
願平3-197694)。一方、ある種の枯草菌(あるいは、そ
れが生産する酵素)による同様の生化学的反応が既に報
告されている(ジャーナル・オブ・ファーメンテーショ
ン・テクノロジー, 57(6), 519(1979)、特開昭54-2889
2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】副作用の少ない16員
環マクロリド抗菌剤は、一般に14員環のそれと比較し
in vitroの抗菌活性が弱いことが報告されている(ア
ンチミクロビアル・エイジェンツ・アンド・ケモテラピ
ー, 32(11), 1710(1988))。そこで、臨床において重要
な上気道感染症の主な起因菌のひとつであるStreptococ
cus属、及びMRSAとの複数感染症における起因菌のひと
つであるEnterococcus faecalis(日本抗生物質学術協
議会第461回特別会員会合, 1991.2.22)に対する抗
菌活性が増強された16員環マクロリド抗生物質の出現
が期待されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の期待
に応えるべく合成化学的研究および生化学的研究を重
ね、本発明者らによって合成された、エリスロマイシン
の構成糖であるL-クラジノース修飾糖がα-グリコシド
結合した16員環マクロリド誘導体である、3"-O-メチ
ルミデカマイシンA3(特願平5-3545)に対して、合目的
的な種々の変換機能を有する微生物を用いて生化学的反
応を行なうことにより、9位がsp3炭素であり、同時に
3"位の3級水酸基がメチル化された各種16員環マクロ
リド誘導体を調製することに成功した。しかもこれらの
誘導体は、臨床上重要なグラム陽性菌、特にStreptococ
cus属、Enterococcus faecalis、及びある種のエリスロ
マイシン耐性菌の発育を強く阻止することを見い出し、
本発明を完成した。
【0008】本発明の要旨とするところは、新規化合物
としての次の式(I)
【化2】
【0009】 [式中、Rは水素原子又は式COR
の基(但しRは炭素数1〜3の直鎖のアルキル基)で
あり、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルカノイル基
置換された又は置換されていない水酸基であり、R
は水素原子、炭素数1〜4のアルカノイル基で置換され
た又は置換されていない水酸基であり、但しR及びR
のいずれか一方は水素原子であり、Rは水素原子又
は式C0Rの基(但しRは前記と同じ意味を持つ)
であり、Rは水素原子、置換された又は置換されてい
ない炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アシル
基、又は芳香族アシル基]で表される化合物、又はその
薬学的に許容し得る塩に関するものである。本発明によ
る一般式(I)で表される化合物は、次の式(II)
【0010】
【化3】
【0011】[式中、R1は式COR6の基(但しR6は炭素数
1〜3の直鎖のアルキル基)であり、R5は置換された又
は置換されていない炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖の
脂肪族アシル基、又は芳香族アシル基]で表される化合
物、又はその塩に対し、単独の微生物を用いて、或は複
数種の微生物を連続的に用いて生化学的変換を行ない、
その後必要とあらば9位及び/又は2'位の水酸基に選択
的合成化学反応を実施することによって製造される。
【0012】式(II)で表される化合物は、糖成分導入
反応、即ちグリコシル化反応によって合成することがで
きる。さらに詳細には、16員環ラクトンの5位の水酸
基にD-マイカミノースがβ-グリコシド結合している保
護された合成中間体を糖成分受容体(グリコシル・アク
セプター)として、L-クラジノース等より誘導した糖成
分供与体(グリコシル・ドナー)をグリコシル化反応
し、続く合成化学的反応を経て製造される。即ち式(I
I)で表される化合物は、本発明者らが特許出願したチ
オ糖を用いたグリコシル化を経由する製造法(特願平5-
3545)によっても、或は既に報告されているグリカール
を用いたグリコシル化を経由する合成法(ケミストリー
・レターズ, 769(1977))によっても調製し得る。前者
の方法によれば3"-O-メチルミデカマイシンA3(式(I
I)において、R1がプロピオニル基で表され、R5がプロ
ピオニル基で表される化合物)等を、後者の方法によれ
ば3"-O-メチルカルボマイシンB(式(II)において、R1
がアセチル基で表され、R5がイソバレリル基で表される
化合物)等を合成することが可能である。しかも式(I
I)で表される化合物をいずれの方法によって調製する
場合も、グリコシル化反応に用いる際の糖成分受容体の
3位および糖成分供与体の4位(グリコシル化後の4"
位)のそれぞれのアシル側鎖を適当に選択することによ
り、式(II)で表される化合物における3位側鎖R1及び
4"位側鎖R5には所望のアシル基を導入することが可能で
ある(但し3位側鎖R1に関しては、天然型のアシル基で
あることが望ましい)。
【0013】ここで、一般式(I)で表される化合物の
うち式(III)〜式(VI)で表される主要な4種類の化
合物を、式(II)で表される化合物を出発物質として、
微生物変換により調製する具体的な反応経路を工程図1
に示す。
【0014】
【化4】
【0015】はじめに、新規化合物としての次の式(II
I)
【化5】
【0016】[式中、R1は式COR6の基(但しR6は炭素数
1〜3の直鎖のアルキル基)であり、R2は水素原子又は
水酸基であり、R3は水素原子又は水酸基であり、但しR2
及びR3のいずれか一方は水素原子であり、R5は置換され
た又は置換されていない炭素数1〜10の直鎖又は分枝
鎖の脂肪族アシル基、又は芳香族アシル基]で表される
化合物、又はその塩を、式(II)で表される化合物、又
はその塩より製造する方法として、本発明者らにより特
許出願した放線菌の一菌種であるストレプトミセス・マ
イカロファシエンス SF2772株(特願平4-291438)によ
る微生物変換法を選択した。即ち式(II)で表される化
合物をSF2772株で微生物変換し、その9位のカルボニル
基を天然型の立体配置を有する水酸基へと還元し、式
(III)で表される化合物を効率よく調製した。例え
ば、3"-O-メチルミデカマイシンA3(式(II)におい
て、R1がプロピオニル基で表され、R5がプロピオニル基
で表される化合物)はSF2772株による当該生化学的変換
反応を受け、3"-O-メチルミデカマイシンA1(式(III)
において、R1がプロピオニル基で表され、R2が水素原子
で表され、R3が水酸基で表され、R5がプロピオニル基で
表される化合物(1))に変換される。なお16員環マ
クロリドの変換において、9位のカルボニル基を生化学
的反応により水酸基へと還元する方法それ自体は公知で
ある(特開昭54-8793他、「従来の技術」参照)。
【0017】本微生物変換法に関する詳細は、後述する
実施例において記載した。ところで、この様な変換機能
を有する生化学的反応としては、SF2772株を用いた微生
物変換法に限定されるものではなく、SF2772株以外の微
生物を用いた変換はもとより、微生物以外の変換機能を
利用した生化学的反応もまた活用することが可能であ
る。なお、ストレプトミセス・マイカロファシエンス S
F2772株は、FERM P-13227として工業技術院生命工学工
業技術研究所に寄託されている。
【0018】新規化合物としての式(III)で表される
化合物を式(II)で表される化合物より製造する方法と
しては、生化学的手法、例えば微生物変換あるいは生体
が生産する酵素を作用させる等の方法に限定されるもの
ではなく、18位のアルデヒド基の保護・脱保護工程を
含む合成化学的手法(ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー, 39(16), 2474(1974))によっても製造
する事が可能である。しかしながら合成化学的手法によ
り9位のカルボニル基を天然型の立体配置を有する水酸
基へ還元する場合、当該反応の立体選択性および上記の
保護・脱保護工程(特に18位のアセタール化工程)の
収率を考慮すると、必ずしも満足し得る結果が得られる
とは限らない。そこで本発明者らは生化学的手法による
9位の還元を用いて新しい誘導体の調製をさらに進め
た。
【0019】次に、新規化合物としての次の式(IV)
【化6】
【0020】[式中、R2は水素原子又は水酸基であり、
R3は水素原子又は水酸基であり、但しR2及びR3のいずれ
か一方は水素原子であり、R5は置換された又は置換され
ていない炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アシ
ル基、又は芳香族アシル基]で表される化合物、又はそ
の塩を、式(III)で表される化合物、又はその塩より
製造する工程は、本発明者らが発見したカビの一菌種で
あるフィアロフォーラ属PF1083株(EP 526,906、特願平
3-197694)を用いた公知の方法である微生物変換を実施
することにより達成された。即ち式(III)で表される
化合物をPF1083株で微生物変換し、ラクトン環の3位水
酸基に結合したアシル基を特異的に切断して3位を遊離
の水酸基へと誘導し、式(IV)で表される化合物を効率
よく調製した。例えば、3"-O-メチルミデカマイシンA1
(式(III)において、R1がプロピオニル基で表され、R
2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され、R5がプロ
ピオニル基で表される化合物(1))はPF1083株による
当該生化学的変換反応を受け、3"-O-メチルロイコマイ
シンA7(式(IV)において、R2が水素原子で表され、R 3
が水酸基で表され、R5がプロピオニル基で表される化合
物(2))に変換される。
【0021】本微生物変換法に関する詳細は、後述する
実施例において記載した。ところで、この様な変換機能
を有する生化学的反応としては、PF1083株を用いた微生
物変換法に限定されるものではなく、PF1083株以外の微
生物を用いた変換はもとより、微生物以外の変換機能を
利用した生化学的反応もまた活用することが可能であ
る。しかしながら、16員環マクロリドのラクトン環の
3位水酸基に結合したアシル基を特異的に切断する生化
学的反応はあまり知られていない。なお、フィアロフォ
ーラ属 PF1083株は、FERM P-12281として工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託されている。
【0022】新規化合物としての式(IV)で表される化
合物を式(III)で表される化合物より製造する方法と
しては、これまでに述べてきた様な生化学的手法に限定
されるものではないが、16員環マクロリドにおいてラ
クトン環の3位水酸基に結合したアシル基を合成化学的
手法により特異的に、かつ収率よく切断する方法に関し
ては、タイロノリド骨格類を有する化合物での脱アシル
化を除き殆ど報告されていない。
【0023】続いて、新規化合物としての次の式(V)
【化7】
【0024】[式中、R1は式COR6の基(但しR6は炭素数
1〜3の直鎖のアルキル基)であり、R2は水素原子又は
水酸基であり、R3は水素原子又は水酸基であり、但しR2
及びR3のいずれか一方は水素原子]で表される化合物、
又はその塩を、並びに新規化合物としての次の式(VI)
【化8】
【0025】[式中、R2は水素原子又は水酸基であり、
R3は水素原子又は水酸基であり、但しR2及びR3のいずれ
か一方は水素原子]で表される化合物、又はその塩を、
それぞれ式(III)で表される化合物、又はその塩、並
びに式(IV)で表される化合物、又はその塩より公知の
生化学的反応(特公昭48-29148)を用いて製造した。即
ち式(III)で表される化合物、並びに式(IV)で表さ
れる化合物を、接合菌亜門ケカビ目の一菌種であるけか
び属等でそれぞれ微生物変換し、それらの4"位(中性糖
の4位)水酸基に結合したアシル基を(特異的に)切断
して4"位を遊離の水酸基へと誘導し、式(V)で表され
る化合物、並びに式(VI)で表され化合物を、それぞれ
効率よく調製した。例えば、3"-O-メチルミデカマイシ
ンA1(式(III)において、R1がプロピオニル基で表さ
れ、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され、R5
プロピオニル基で表される化合物(1))、並びに3"-O
-メチルロイコマイシンA7(式(IV)において、R2が水
素原子で表され、R3が水酸基で表され、R5がプロピオニ
ル基で表される化合物(2))は、それぞれけかび属等
による当該生化学的変換反応を受け、3"-O-メチルミデ
カマイシンM1(式(V)において、R1がプロピオニル基
で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され
る化合物(3))、並びに3"-O-メチルロイコマイシンV
(式(VI)において、R2が水素原子で表され、R3が水酸
基で表される化合物(4))に、それぞれ変換される。
本微生物変換法に関する詳細は、後述する実施例におい
て記載した。
【0026】16員環マクロリド化合物の中性糖の4位
(4"位)水酸基に結合したアシル基を生化学的に切断す
る反応については多くの報告がある(発酵と工業, 37
(8),749(1979))。ミデカマイシンA1(メデマイシン)
(ジャーナル・オブ・アンチビオチックス, 24(7), 452
(1971))に関する当該変換反応についても古くから研究
されており(特公昭48-29148)、天然に存在するかなり
の種類の微生物、特にカビが、本脱アシル化能を有して
いることが報告されていた。
【0027】一方、3"位の3級水酸基がメチル化された
16員環マクロリド誘導体での生化学的4"位脱アシル化
反応については、本発明者らによる報告(特願平5-354
5)以外には今まで全く知られていなかったが、本発明
者らは、さらに複数種のカビで所望とする当該変換反応
が効率よく進行することを確認した。ところで、この様
な変換機能を有する生化学的反応としては、けかび属等
を用いた微生物変換法に限定されるものではなく、カビ
以外の微生物を用いた変換はもとより、微生物以外の変
換機能を利用した生化学的反応もまた活用することが可
能である。
【0028】今まで述べてきた様に、式(III)〜式(V
I)で表される化合物、又はその塩は、式(II)で表さ
れる化合物、又はその塩を出発物質として工程図1に示
した反応経路により調製した。ところで目的とする変換
機能を有する複数種の微生物を連続して使用する際、そ
の変換順序に関しては必ずしも工程図1に示した反応経
路に限定されるものではなく、ある種の規制(例えば基
質特異性等)を受ける可能性は有るものの、その順序は
比較的自由に設定し得る。例えば式(VI)で表される化
合物は式(IV)で表される化合物より変換されるだけで
はなく、式(V)で表される化合物を変換基質としても
また製造することが可能である。
【0029】これまでに式(II)で表される化合物に対
し、単独の、或は連続的に複数種の微生物を用いて生化
学的反応を行ない、式(III)〜式(VI)で表される化
合物を効率よく調製したが、こうして得られた9位がsp
3炭素であり、同時に3"位の3級水酸基にメチル基が導
入された16員環マクロリド誘導体には、9位がsp3
素である通常の16員環マクロリド誘導体に対して実施
することのできる選択的/非選択的合成化学反応の大部
分を応用することが可能である(但し3"位に対する反応
に関してはこの限りではない)。
【0030】例えば、式(III)〜式(VI)で表される
化合物、又はその塩に対しては、9位又は2'位の水酸基
を選択的にアシル化する公知の方法(発酵と工業, 37(1
2),1171(1979))又は希薄な酸の存在下に9位の水酸基
を11位又は13位へアリル転位させる公知の方法(ケミカ
ル・アンド・ファーマシューチカル・ブレタン, 18(8),
1501(1970)、明治製菓研究年報, 12, 85(1972)、ジャ
ーナル・オブ・アンチビオチックス, 35(11), 1521(198
2))或は9位の水酸基を選択的に酸化する公知の方法
(ジャーナル・オブ・アンチビオチックス, 24(8), 526
(1971))等を実施して、本発明を基軸とした新規有用物
質を造出することが可能である。その一例として、化合
物(1)並びに(2)のラクトン環の9位水酸基を、公
知の方法(特開昭48-13380)を用いて選択的にアセチル
化し、化合物(5)並びに(6)をそれぞれ合成した。
【0031】以下に本発明化合物を得るための実施例
と、本発明化合物の理化学的性状を示す。本実施例によ
って、ストレプトミセス属、フィアロフォーラ属、或は
けかび属に属する微生物を用いる16員環マクロリド化
合物の9位の還元法、3位の脱アシル化法及び4"位の脱
アシル化法に関する有用性が示されたので、これに基づ
き同種の生化学的手法による当該物質の製造法を種々考
案することができる。一方、異種の生化学的方法、例え
ば直接発酵により、或は本発明において実施しなかった
種類の生化学的変換反応を利用して当該物質の製造法を
種々考案することができる。さらに合成化学的手法によ
ってもまた当該物質、化合物(1)〜(6)等の製造法
を種々考案することが可能である。従って本発明は実施
例に限定されるものではなく、実施例の修飾手段は勿
論、本発明によって明らかにされた一般式(I)で表さ
れる化合物(1)、(2)、(3)、(4)、(5)及
び(6)の性状に基づき、公知の手段を施してこれらを
合成、生産、抽出、精製する全ての方法を包括する。
【0032】
【実施例】
実施例1化合物(1)(一般式(I)において、R1がプロピオニ
ル基で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表
され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル基で表
される化合物)(3"-O-メチルミデカマイシンA1)の製
造法 培地として、グルコース 2.0%、ポリペプトン 1.0%、リ
ン酸水素二カリウム 0.05%、硫酸マグネシウム・7水和
物 0.05%、塩化ナトリウム 0.3%の組成からなるものを
用い、殺菌前 pH 7.0に調整して使用した。前記の培地
100 mlを分注した 500 ml容三角フラスコ40本を120℃で
30分間殺菌し、各三角フラスコに ストレプトミセス・
マイカロファシエンス SF2772株(FERM P-13227)の凍
結シード 2.0 mlをそれぞれ接種し、28℃で24時間振盪
培養した。これに、式(II)において、R1がプロピオニ
ル基で表され、R5がプロピオニル基で表される化合物
(3"-O-メチルミデカマイシンA3)472 mgのメタノール
溶液 60 mlを、三角フラスコ1本あたり 1.5 mlずつ添
加して28℃で20時間振盪培養した。培養終了後培養液を
3000 rpmで10分間遠心分離し、透明培養液 3.5 Lを
得、菌体等の固形分を除去した。固形分に水 2.0 Lを加
え攪拌後遠心分離を行ない、得られた洗液を先の透明培
養液に合わせた。これを pH 9に調整後、変換物質を酢
酸エチル 5.5 L次いで 2.8 Lで2度抽出し、酢酸エチル
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過した。濾液
を減圧濃縮して得られた残さを分取用TLC(展開系:
クロロホルム-メタノール(10:1))で精製して、粗化合
物(1) 321 mgを得た。これをセファデックスLH-20カ
ラムクロマトグラフィー(1.0 L,メタノール)で精製し
て、化合物(1) 223 mgを得た。 化合物(1)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4269NO15 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 828 (M+H)+ (4) 比旋光度 : [α]D 15 -65°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、116〜120℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.24(br d, 2-H), 2.76(dd, 2-H), 5.14(br
d, 3-H), 3.26(br d, 4-H), 3.57(s, 4-OCH3), 3.88(br
d, 5-H), 0.92(br ddd, 7-H), 1.54(br dt, 7-H), 1.8
9(m, 8-H), 4.07(dd, 9-H), 5.61(dd, 10-H), 6.67(dd,
11-H), 6.08(br dd, 12-H), 5.79(ddd, 13-H), 2.15(d
t, 14-H), 5.03(ddq, 15-H), 1.26(d,16-H3), 2.32(br
dd, 17-H),2.86(br dd, 17-H), 9.63(br s, 18-H), 0.9
8(d, 19-H3), 2.51(dq, 3-OCOCH 2CH 3), 2.64(dq, 3-OCO
CH 2CH3), 1.22(t, 3-OCOCH2CH3 ), 4.52(d, 1'-H), 3.22
(dd,2'-H), 2.42(t, 3'-H), 3.44(t, 4'-H), 3.29(dq,
5'-H), 1.16(d, 6'-H3), 2.57(s, 3'-N(CH3)2), 4.92
(d, 1"-H), 1.66(dd, 2"-Hax), 2.29(d, 2"-Heq), 4.72
(d, 4"-H), 4.54(dq, 5"-H), 1.07(d, 6"-H3), 1.10(s,
7"-H3), 3.26(s, 3"-OCH3), 2.42(apparent q, 4"-OCO
CH 2CH3), 2.43(apparent q, 4"-OCOCH 2CH3), 1.17(t,
4"-OCOCH2CH3 )
【0033】実施例2化合物(2)(一般式(I)において、R1が水素原子で
表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され、
R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル基で表される
化合物)(3"-O-メチルロイコマイシンA7)の製造法 前培養のための培地として、スターチ 2.0%、グルコー
ス 1.0%、小麦胚芽 0.6%、ポリペプトン 0.5%、粉末酵
母エキス 0.3%、大豆粉 0.2%及び炭酸カルシウム0.2%の
組成からなるものを用いた。また変換培地として、グル
コース 3.0%、スターチ 1.5%、大豆粉 1.25%、小麦胚芽
0.8%、塩化ナトリウム 0.125%及び炭酸カルシウム 0.1
5%の組成からなるものを用いた。なお、殺菌前 pH 7.0
に調整して使用した。前記の前培養のための培地各 20
mlを分注した 100 ml容三角フラスコ5本を120℃で30分
間殺菌し、これにフィアロフォーラ属 PF1083株(FERM
P-12281)の斜面寒天培養の1白金耳を接種し、26℃で
2日間振盪培養して前培養液とした。次いで前記の変換
培地各100 mlずつを分注した 500 ml容三角フラスコ15
本を120℃で30分間殺菌し、これに、式(III)におい
て、R1がプロピオニル基で表され、R2が水素原子で表さ
れ、R3が水酸基で表され、R5がプロピオニル基で表され
る化合物(1)(3"-O-メチルミデカマイシンA1) 393
mgのメタノール溶液 22.5mlを、三角フラスコ1本あた
り 1.5 mlずつ添加した後、同1本あたり前培養液各 5
mlずつをそれぞれ接種して、26℃で10日間振盪培養し
た。培養終了後、3000 rpmで10分間遠心分離し、透明培
養液 1.1 Lを得、菌体等の固形分を除去した。固形分に
水 900 mlを加え攪拌後遠心分離を行ない、得られた洗
液を先の透明培養液に合わせた。これをpH 9に調整後、
変換物質を酢酸エチル 1.5 L次いで 1.0 Lで2度抽出
し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを
濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さを分取用T
LC(展開系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア
水(400:40:1))で精製して、化合物(2) 102 mgを得
た。またこの時、化合物(1)を 63 mg回収した。 化合物(2)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C3965NO14 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 771 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -79°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、111〜113℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.22(d, 2-H),2.70(dd, 2-H), 3.79(br d, 3
-H), 3.09(br d, 4-H), 3.54(s, 4-OCH3), 4.11(br d,
5-H), 0.95(br ddd, 7-H), 1.60(br dt, 7-H), 1.90(m,
8-H), 4.10(dd,9-H), 5.68(dd, 10-H), 6.26(dd, 11-
H), 6.03(br dd, 12-H), 5.61(ddd, 13-H), 2.12(dt, 1
4-H), 2.51(br dt, 14-H), 5.29(ddq, 15-H), 1.30(d,
16-H3), 2.34(br dd, 17-H), 2.87(br dd, 17-H), 9.80
(br s, 18-H), 0.99(d, 19-H3), 4.58(d, 1'-H), 3.22
(dd, 2'-H), 2.42(t, 3'-H), 3.45(t, 4'-H), 3.28(dq,
5'-H), 1.19(d, 6'-H3), 2.57(s, 3'-N(CH3)2), 4.93
(d, 1"-H), 1.66(dd, 2"-Hax),2.29(d, 2"-Heq), 4.72
(d, 4"-H), 4.54(dq, 5"-H), 1.07(d, 6"-H3), 1.10(s,
7"-H3), 3.26(s, 3"-OCH3), 2.42(apparent q, 4"-OCOC
H 2CH3), 2.43(apparentq, 4"-OCOCH 2CH3), 1.17(t, 4"-
OCOCH2CH3 )
【0034】実施例3化合物(3)(一般式(I)において、R1がプロピオニ
ル基で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表
され、R4が水素原子で表され、R5が水素原子で表される
化合物)(3"-O-メチルミデカマイシンM1)の製造法 前培養のための培地として、スターチ 2.0%、グルコー
ス 1.0%、ポリペプトン0.5%、小麦胚芽 0.6%、酵母エキ
ス 0.3%、大豆粕 0.2%、炭酸カルシウム 0.2%の組成か
らなるものを用い、殺菌前 pH 7.0に調整して使用し
た。この培地 20 mlを分注した 100 ml容三角フラスコ
3本を120℃で30分間殺菌し、この三角フラスコにムコ
ール・スピネッセンス IAM 6071株の凍結シード 1.0 ml
を接種し、26℃で24時間振盪培養し前培養液とした。次
いで微生物変換のための培地として、グルコース 1.8
%、スターチ 0.9%、大豆粕 1.25%、小麦胚芽 0.8%、塩
化ナトリウム 0.125%、炭酸カルシウム 0.15%の組成か
らなるものを用い、殺菌前 pH 7.0に調整して使用し
た。この培地各 100mlを分注した 500 ml容三角フラス
コ7本を120℃で30分間殺菌し、これに、式(III)にお
いて、R1がプロピオニル基で表され、R2が水素原子で表
され、R3が水酸基で表され、R5がプロピオニル基で表さ
れる化合物(1)(3"-O-メチルミデカマイシンA1) 88
mgのメタノール溶液 10.5 mlを、各三角フラスコ1本
あたり1.5 mlずつを添加した。次いで IAM 6071株の前
培養液各 5.0 mlをそれぞれ接種し、26℃で8日間振盪
培養を行ない微生物変換を実施した。培養終了後培養液
を pH 9に調整した後、酢酸エチル 600 mlを加えた。混
合物を激しく振盪した後、3500 rpmで10分間遠心分離
し、酢酸エチル層を分取した。除去された菌体等の固形
分及び水層に酢酸エチル 600 mlを加え、再び激しく振
盪した後、3500 rpmで10分間遠心分離し、得られた酢酸
エチル層を先の有機層に合わせた。酢酸エチル層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過した。濾液を減圧濃
縮して得られた残さを分取用TLC(展開系:クロロホ
ルム-メタノール-濃アンモニア水(100:10:1))で精製し
て、化合物(3) 32 mgを得た。またこの時、化合物
(1)を24 mg回収した。 化合物(3)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C3965NO14 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 771 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -56°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、120〜122℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.24(br d, 2-H), 2.76(dd, 2-H), 5.14(br
d, 3-H), 3.26(br d, 4-H), 3.58(s, 4-OCH3), 3.88(br
d, 5-H), 0.92(br ddd, 7-H), 1.54(br dt, 7-H), 1.8
9(m, 8-H), 4.07(dd, 9-H), 5.61(dd, 10-H), 6.67(dd,
11-H), 6.08(br dd, 12-H), 5.79(ddd, 13-H), 2.15(d
t, 14-H), 2.46(br dt, 14-H), 5.03(ddq, 15-H), 1.26
(d, 16-H3),2.32(br dd, 17-H), 2.86(br dd, 17-H),
9.63(br s, 18-H), 0.98(d, 19-H3),2.51(dq, 3-OCOCH 2
CH3), 2.65(dq, 3-OCOCH 2CH3), 1.22(t, 3-OCOCH2CH3 ),
4.51(d, 1'-H), 3.21(dd, 2'-H), 2.39(t, 3'-H), 3.4
4(t, 4'-H), 3.27(dq, 5'-H), 1.16(d, 6'-H3), 2.55
(s, 3'-N(CH3)2), 4.88(d, 1"-H), 1.57(dd, 2"-Hax),
2.23(d, 2"-Heq), 3.01(br t, 4"-H), 4.18(dq, 5"-H),
1.23(d, 6"-H3), 1.22(s, 7"-H3), 3.22(s, 3"-OCH3)
【0035】実施例4化合物(4)(一般式(I)において、R1が水素原子で
表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され、
R4が水素原子で表され、R5が水素原子で表される化合
物)(3"-O-メチルロイコマイシンV)の製造法 前培養のための培地として、実施例3において使用した
ものを用い、殺菌前 pH 7.0に調整して使用した。さら
に、実施例3において記載した方法により、ムコール・
スピネッセンス IAM 6071株の前培養液を調製した。次
いで微生物変換のための培地としても、実施例3におい
て使用したものを用い、殺菌前 pH 7.0に調整して使用
した。この培地各 100 mlを分注した 500 ml容三角フラ
スコ7本を120℃で30分間殺菌し、これに、式(IV)に
おいて、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表され、
R5がプロピオニル基で表される化合物(2)(3"-O-メ
チルロイコマイシンA7) 82 mgのメタノール溶液 10.5
mlを、各三角フラスコ1本あたり 1.5 mlずつを添加し
た。次いで IAM 6071株の前培養液各 5.0 mlをそれぞれ
接種し、26℃で9日間振盪培養を行ない微生物変換を実
施した。培養終了後培養液を pH 9に調整した後、酢酸
エチル 600 mlを加えた。混合物を激しく振盪した後、3
500 rpmで10分間遠心分離し、酢酸エチル層を分取し
た。除去された菌体等の固形分及び水層に酢酸エチル 6
00 mlを加え、再び激しく振盪した後、3500 rpmで10分
間遠心分離し、得られた酢酸エチル層を先の有機層に合
わせた。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後こ
れを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さを分取
用TLC(展開系:クロロホルム-メタノール-濃アンモ
ニア水(100:10:1))で精製して、化合物(4) 17 mgを
得た。またこの時、化合物(2)を 14 mg回収した。 化合物(4)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C3661NO13 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 715 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -74°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、117〜122℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.23(d, 2-H),2.70(dd, 2-H), 3.80(br d, 3
-H), 3.10(br d, 4-H), 3.55(s, 4-OCH3), 4.11(br d,
5-H), 0.95(br ddd, 7-H), 1.60(br dt, 7-H), 1.91(m,
8-H), 4.11(dd,9-H), 5.69(dd, 10-H), 6.27(dd, 11-
H), 6.04(br dd, 12-H), 5.61(ddd, 13-H), 2.12(dt, 1
4-H), 2.51(br dt, 14-H), 5.29(ddq, 15-H), 1.31(d,
16-H3), 2.34(br dd, 17-H), 2.88(br dd, 17-H), 9.80
(br s, 18-H), 0.99(d, 19-H3), 4.58(d, 1'-H), 3.23
(dd, 2'-H), 2.40(t, 3'-H), 3.44(t, 4'-H), 3.26(dq,
5'-H), 1.19(d, 6'-H3), 2.56(s, 3'-N(CH3)2), 4.89
(d, 1"-H), 1.57(dd, 2"-Hax),2.24(d, 2"-Heq), 3.01
(br t, 4"-H), 4.18(dq, 5"-H), 1.23(d, 6"-H3), 1.22
(s, 7"-H3), 3.22(s, 3"-OCH3)
【0036】実施例5化合物(5)(一般式(I)において、R1がプロピオニ
ル基で表され、R2が水素原子で表され、R3がアセトキシ
基で表され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル
基で表される化合物)(9-O-アセチル-3"-O-メチルミデ
カマイシンA1)の製造法 式(III)において、R1がプロピオニル基で表され、R2
が水素原子で表され、R 3が水酸基で表され、R5がプロピ
オニル基で表される化合物(1)(3"-O-メチルミデカ
マイシンA1) 30 mgの無水トルエン溶液 1.5 mlに、無
水ピリジン 13 μl及び塩化アセチル 11 μlを順次加
え、室温で1時間攪拌した。トリエチルアミン 19 μl
を加えた後、酢酸エチル 15 mlを用いて抽出した。酢酸
エチル層を水15 mlで2回洗浄した後、酢酸エチル層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過した。濾液を減
圧濃縮して得られた残さを分取用TLC(展開系:クロ
ロホルム-メタノール(12:1))で精製して、化合物
(5) 18 mgを得た。 化合物(5)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4471NO16 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 869 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 24 -60°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、118〜121℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.26(br d, 2-H), 2.74(dd, 2-H), 5.12(br
d, 3-H), 3.25(br d, 4-H), 3.57(s, 4-OCH3), 3.93(br
d, 5-H), 0.93(br ddd, 7-H), 1.57(br dt, 7-H), 5.0
8(dd, 9-H), 5.57(dd, 10-H), 6.74(dd, 11-H), 6.09(b
r dd, 12-H), 5.88(ddd, 13-H), 2.17(dt,14-H), 4.98
(ddq, 15-H), 1.26(d, 16-H3), 2.58(br dd, 17-H), 2.
83(br dd, 17-H), 9.65(br s, 18-H), 0.96(d, 19-H3),
2.51(dq, 3-OCOCH 2CH3), 2.67(dq,3-OCOCH 2CH3), 1.21
(t, 3-OCOCH2CH3 ), 2.02(s, 9-OCOCH3), 4.51(d, 1'-
H), 3.20(dd, 2'-H), 2.41(t, 3'-H), 3.45(t, 4'-H),
3.28(dq, 5'-H), 1.16(d, 6'-H 3), 2.57(s, 3'-N(C
H3)2), 4.93(d, 1"-H), 1.67(dd, 2"-Hax), 2.30(d, 2"
-Heq), 4.72(d, 4"-H), 4.54(dq, 5"-H), 1.08(d, 6"-H
3), 1.10(s, 7"-H3), 3.26(s, 3"-OCH3), 2.43(apparen
t q, 4"-OCOCH 2CH3), 2.44(apparent q, 4"-OCOCH 2C
H 3), 1.18(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0037】実施例6化合物(6)(一般式(I)において、R1が水素原子で
表され、R2が水素原子で表され、R3がアセトキシ基で表
され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル基で表
される化合物)(9-O-アセチル-3"-O-メチルロイコマイ
シンA7)の製造法 式(IV)において、R2が水素原子で表され、R3が水酸基
で表され、R5がプロピオニル基で表される化合物(2)
(3"-O-メチルロイコマイシンA7) 28 mgの無水トルエ
ン溶液 1.4 mlに、無水ピリジン 12 μl及び塩化アセチ
ル 9.1μlを順次加え、室温で2時間攪拌した。トリエ
チルアミン 17 μlを加えた後、酢酸エチル 10 mlを用
いて抽出した。酢酸エチル層を水 10 mlで2回洗浄した
後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを
濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さを分取用T
LC(展開系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア
水(240:20:1))で精製して、化合物(6) 15 mgを得
た。 化合物(6)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4167NO15 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 813 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 25 -68°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、110〜113℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.22(d, 2-H),2.71(dd, 2-H), 3.79(br d, 3
-H), 3.09(br d, 4-H), 3.54(s, 4-OCH3), 4.14(br d,
5-H), 0.98(br ddd, 7-H), 1.62(br dt, 7-H), 5.18(d
d, 9-H), 5.60(dd,10-H), 6.40(dd, 11-H), 6.03(br d
d, 12-H), 5.66(ddd, 13-H), 2.12(dt, 14-H), 2.51(br
dt, 14-H), 5.29(ddq, 15-H), 1.31(d, 16-H3), 2.46
(br dd, 17-H), 2.83(br dd, 17-H), 9.81(br s, 18-
H), 0.99(d, 19-H3), 2.00(s, 9-OCOCH3), 4.57(d, 1'-
H), 3.21(dd, 2'-H), 2.42(t, 3'-H), 3.45(t, 4'-H),
3.28(dq,5'-H), 1.20(d, 6'-H3), 2.57(s, 3'-N(C
H3)2), 4.93(d, 1"-H), 1.66(dd, 2"-Hax), 2.30(d, 2"
-Heq), 4.72(d, 4"-H), 4.54(dq, 5"-H), 1.08(d, 6"-H
3), 1.10(s, 7"-H3), 3.26(s, 3"-OCH3), 2.43(apparen
t q, 4"-OCOCH 2CH3), 2.44(apparent q, 4"-OCOCH 2C
H3), 1.18(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0038】
【発明の効果】本発明で得られる一般式(I)で表され
る化合物(1)、(2)、(3)及び(4)はそれ自
体、臨床上重要なグラム陽性菌及びマイコプラズマに対
して強い抗菌力を有している。化合物(1)及び(2)
in vitroの抗菌活性を表1に、化合物(3)及び
(4)の同活性を表3に示した。
【0039】はじめに、9位がsp3炭素であり、同時に
3"位の3級水酸基がメチル化されており、さらに4"位の
水酸基がアシル化されている化合物(1)及び(2)
は、相当する3"位の3級水酸基が遊離である化合物、即
ちミデカマイシンA1(メデマイシン、MDM)及びロイコ
マイシンA7(LM-A7)(ジャーナル・オブ・アンチビオ
チックス, Ser. A, 20(4), 234(1967))と比較して、全
般にin vitroの抗菌活性がそれぞれ倍増しており、中で
も臨床において重要な上気道感染症の主な起因菌の一つ
であるStreptococcus pneumoniaeに対する抗菌活性が著
しく増強された。
【0040】次いで本発明で得られた化合物のin vitro
の抗菌活性を他の抗菌活性の優れたマクロリド抗菌剤と
比較するために、参考値としてロキタマイシン(RKM)
(ジャーナル・オブ・アンチビオチックス, 34(8), 100
1(1981))及びクラリスロマイシン(CAM)の抗菌活性を
表2に示した(化合物(2)と同時測定)。本発明化合
物(2)のMICは、市販の16員環マクロリド抗生物
質(医薬品)の中ではin vitroの抗菌活性が最も強い部
類に属するロキタマイシンと比較しても、一部のグラム
陰性菌(Branhamella catarrhalis)を除き全般に良好
であった。さらに化合物(2)は、14員環ニュー・マ
クロリドであるクラリスロマイシンと比較しても耐性St
aphylococcusに対しては明らかに優れており、Branhame
lla catarrhalisに対しては劣るものの、Enterococcus
faecalis及びHaemophilus influenzaeに対して同等か僅
かに優っていた。即ち本発明化合物(2)は、グラム陽
性菌については、全マクロリド中最も抗菌活性の優れた
部類の誘導体に属することが明かとなった。
【0041】次に化合物(3)及び(4)に加え、比較
のためにミデカマイシンM1(MDM-M1)(ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー, 174(15), 5141(1992)、特開昭4
8-10288)及びロイコマイシンV(LM-V)(ジャーナル・
オブ・アンチビオチックス,28(6), 401(1975))の抗菌
活性を表3に記載した。9位がsp3炭素であり、同時に
3"位の3級水酸基がメチル化されており、さらに4"位が
遊離の水酸基である化合物(3)及び(4)はそれ自体
強い抗菌力を有しており、それらのMICは、相当する
3"位の3級水酸基が遊離である化合物、即ちミデカマイ
シンM1及びロイコマイシンVと比較して、全般にそれぞ
れ2〜3管以上改善されている。
【0042】一般に経口抗菌剤が優秀な臨床成績をあげ
るためには、単にin vitroの抗菌活性が優れているだけ
では十分ではなく、薬剤の示す固有のADMEや実際の
薬動力学等が臨床効果に少なからぬ影響を与えることは
言うまでもない。ところで天然の化合物と比較して臨床
での治療効果の優れている16員環マクロリド抗菌剤で
あるミオカマイシン及びロキタマイシンでさえ、生体へ
の経口投与後は複雑な代謝が進み、生体の種差により代
謝のパターンこそ異なるものの、投与された薬剤の中性
糖部分のアシル基は経時的に切断され、薬剤本体の抗菌
活性は次第に減弱されることが報告されている(薬学雑
誌, 102(8), 781(1982)、第31回日本化学療法学会総会
新薬シンポジウムIV TMS-19-Q, P.109)。
【0043】現在までに、3"位の3級水酸基がメチル化
されており、同時に4"位の水酸基がアシル化された16
員環マクロリド誘導体の代謝に関する報告はなされてい
ないが、仮定として式(III)並びに式(IV)で表され
る化合物に対しても、ミオカマイシン及びロキタマイシ
ンにおいて報告された4"位の水酸基に結合したアシル基
を切断する代謝が同様に働くとすれば、代謝物の一つと
して式(V)並びに式(VI)で表される化合物がそれぞ
れ生成してくると想定される。即ち本発明化合物(2)
の中性糖部分が他の16員環マクロリド誘導体と同様な
4"位脱アシル化の代謝を受けると想定すると、未代謝の
原体である化合物(2)のin vitroの抗菌活性はロキタ
マイシンよりも幾分優れており、さらに(2)の中性糖
部分の最終代謝物であると想定される化合物(4)の抗
菌活性は、ロキタマイシンの同最終代謝物であるロイコ
マイシンVと比較しておよそ4〜8倍優れている。この
ことは化合物(2)の突出した感染治療効果を示唆して
いることに他ならない。また化合物(2)が仮に当該代
謝を受けないとすれば、(2)の有する優れた抗菌活性
は生体内でも比較的長く持続されることが想定され、何
等問題は生じない。
【0044】一方、化合物(1)並びに(2)のラクト
ン環の9位水酸基がアセチル化された化合物(5)並び
に(6)のin vitroの抗菌活性は、原体である(1)並
びに(2)と比較して若干低下するものの、それ自体強
い抗菌力を有している。
【0045】これまで述べてきた様に、ミデカマイシン
類及びロイコマイシン類16員環マクロリド誘導体にお
いては、3"位の3級水酸基をメチル化することによりin
vitroの抗菌活性が全般に改善され、 特にStreptococcu
s pneumoniaeに対する抗菌活性が著しく増強されること
を初めて明らかにした。 即ち、エリスロマイシンの構
成糖であるL-クラジノースの化学構造を基礎に構築した
誘導体の合成戦略を、16員環マクロリドの構造活性相
関より得られた知見をもとに展開することにより、一般
式(I)で表される優れた抗菌活性を有する種々の誘導
体を創製することができた。
【表1】
【表2】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 健一 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明治製菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 柴原 聖至 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明治製菓株式会社薬品総合研究所内 審査官 吉住 和之 (56)参考文献 特開 昭48−10288(JP,A) 特開 昭54−8793(JP,A) Chemistry Letter s,No.7,p.769−772(1977) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 17/08 A61K 31/7048 A61P 31/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式(I) 【化1】 [式中、Rは水素原子又は式CORの基(但しR
    は炭素数1〜3の直鎖のアルキル基)であり、Rは水
    素原子、炭素数1〜4のアルカノイル基で置換された又
    は置換されていない水酸基であり、Rは水素原子、
    素数1〜4のアルカノイル基で置換された又は置換され
    ていない水酸基であり、但しR及びRのいずれか一
    方は水素原子であり、Rは水素原子又は式COR
    基(但しRは前記と同じ意味を持つ)であり、R
    水素原子、置換された又は置換されていない炭素数1〜
    10の直鎖又は分枝鎖の脂肪族アシル基、又は芳香族ア
    シル基]で表される化合物、又はその薬学的に許容し得
    る塩。
  2. 【請求項2】 請求項1の式(I)において、R1がプロ
    ピオニル基で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸
    基で表され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル
    基で表される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  3. 【請求項3】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表
    され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル基で表
    される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  4. 【請求項4】 請求項1の式(I)において、R1がプロ
    ピオニル基で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸
    基で表され、R4が水素原子で表され、R5が水素原子で表
    される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  5. 【請求項5】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2が水素原子で表され、R3が水酸基で表
    され、R4が水素原子で表され、R5が水素原子で表される
    化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  6. 【請求項6】 請求項1の式(I)において、R1がプロ
    ピオニル基で表され、R2が水素原子で表され、R3がアセ
    トキシ基で表され、R4が水素原子で表され、R5がプロピ
    オニル基で表される化合物、又はその薬学的に許容し得
    る塩。
  7. 【請求項7】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2が水素原子で表され、R3がアセトキシ
    基で表され、R4が水素原子で表され、R5がプロピオニル
    基で表される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
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