JP3022086B2 - 電気自動車のバッテリ固定構造 - Google Patents

電気自動車のバッテリ固定構造

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JP3022086B2
JP3022086B2 JP5233563A JP23356393A JP3022086B2 JP 3022086 B2 JP3022086 B2 JP 3022086B2 JP 5233563 A JP5233563 A JP 5233563A JP 23356393 A JP23356393 A JP 23356393A JP 3022086 B2 JP3022086 B2 JP 3022086B2
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厚 波入
徹雄 槇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数個のバッテリを動力
源とする電気自動車のバッテリ固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車にあっては車載バッテリが可
成りの重量および搭載スペースを占めるため、従来では
例えば、特開平5−208617に示されているよう
に、フロアパネルの下側に専用の剛体構造のバッテリフ
レームを配設し、このバッテリフレーム上に複数個のバ
ッテリを搭載して、該バッテリをフロアパネルとバッテ
リフレームとの間に密閉、格納するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】バッテリは専ら個々に
クランプ手段でバッテリフレーム上に固定するようにし
ているが、工数が非常に多くなり、また、クランプ手段
も多数必要となることからコスト的に不利となってしま
う。
【0004】また、バッテリはその保護および保安上、
バッテリフレームとフロアパネル下面のフロアメンバと
の間にシール材を介装してこれらバッテリフレームとフ
ロアメンバとを結合し、バッテリをフロアパネルとバッ
テリフレームとの間に密閉、格納することが好ましいの
であるが、バッテリフレームのフロントフレーム、リア
フレームに近接したバッテリは、これらフロントフレー
ム、リアフレームの面上にクランプするようになること
から、バッテリフレームとフロア下面との整合性が悪く
なってしまうことも否めない。
【0005】そこで、本発明は作業工数、部品点数を削
減できてコストダウンに大きく寄与できることは勿論、
バッテリフレームとフロア下面との整合性を良好にでき
て、より一層安全にバッテリを搭載することができる電
気自動車のバッテリ固定構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】フロアパネルの下面に接
合配置したフロア下面に有底のバッテリフレームを結合
し、該バッテリフレーム上に複数個のバッテリを搭載し
て、該バッテリをフロアパネルとバッテリフレームとの
間に密閉、格納する構造において、前記複数個のバッテ
リを縦列毎にそれらの上方に前後方向にベルトを架け渡
して、該ベルトを前後のバッテリ間でバッテリフレーム
の底壁上に締結固定すると共に、ベルトの前後端部をバ
ッテリフレームのフロントフレーム、リアフレームの各
内側壁に形成した開口部に挿入し、これらフロントフレ
ーム、リアフレームの各内部に形成したリブ上に締結固
定してある。
【0007】
【作用】複数個のバッテリは前後方向に縦列した状態で
それらの上方から前後方向に架け渡されたベルトで固定
され、バッテリ個々の慣性移動が拘束される。
【0008】ベルトの前後端部はフロントフレーム、リ
アフレームの各内側壁の開口部に挿入されて、各内部に
形成されたリブ上に締結固定されるため、フロントフレ
ーム、リアフレームのフロアメンバとの結合面を平滑面
に維持でき、該フロア下面との整合性を良好にすること
ができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面と共に詳述す
る。
【0010】図8は本発明の構造を採用した車体フロア
の構造を示すもので、1はフロアパネル、2はフロアパ
ネル1の下面に接合されてフロア骨格を構成するフロア
メンバで、一対のサイドメンバ3と複数個のクロスメン
バ4,5およびガセットメンバ6等から構成されてい
る。
【0011】7は複数個のバッテリ8を搭載する有底の
バッテリフレームで、一対のサイドフレーム9と、フロ
ントフレーム10、リアフレーム11を有し、これらサ
イドフレーム9、フロントフレーム10、リアフレーム
11を、前記フロアメンバ2の各対応するサイドメンバ
3、クロスメンバ4、およびクロスメンバ5とガセット
メンバ6に図外のボルト・ナット等により結合される。
【0012】サイドフレーム9、フロントフレーム1
0、リアフレーム11は何れも閉断面に形成されてお
り、かつ、底壁12には複数個のバッテリ8の収容部を
個々に隔成する突出高の低い補強フレーム13を格子状
に設けてあって、バッテリフレーム7をこれらバッテリ
8の荷重に十分に耐えられるように剛体構造としてあ
る。
【0013】複数個のバッテリ8は前記格子状の補強フ
レーム13で隔成された収容部分に整然と搭載され、そ
して、前後方向に縦列配置した複数個のバッテリ8上に
金属製のベルト14を前後方向に架け渡して、該ベルト
14によりバッテリフレーム7の底壁12上に固定され
る。
【0014】ベルト14は各縦列毎の複数個のバッテリ
8の上側部に嵌合し得るように凹凸状に予備成形してあ
り、前後のバッテリ8,8間で図1に示すように補強フ
レーム13の上面にボルト15およびナットプレート1
6により締結固定してある。
【0015】フロントフレーム10およびリアフレーム
11の各ベルト14端に対向する各内側壁10a,11
aには、図1〜6に示すようにベルト14の端部を挿入
する開口部17を形成してあり、ベルト14の前後端部
をこれら開口部17に挿入して、フロントフレーム10
およびリアフレーム11の各内部に形成したリブ18上
で、前述と同様にボルト15およびナットプレート16
によって締結固定してある。
【0016】フロントフレーム10、リアフレーム11
での前記ボルト15、ナットプレート16の締結は、そ
れらの閉断面内で行われるため、これらフロントフレー
ム10、リアフレーム11の上壁およびその面上に貼着
したシール部材19を貫通してツールTを挿入するため
の作業孔20を形成してある。
【0017】一方、補強フレーム13の上壁およびフロ
ントフレーム10、リアフレーム11の各内部のリブ1
8は、ナットプレート16のプレート部16aを収容し
得るように2重壁構造としてあり、かつ、それらの下壁
にはナットプレート16のナット16bを車幅方向から
挿入するためのスリット22を形成してある。
【0018】ナットプレート16は、この実施例では図
7に示すように複数個のナット16bを、複数本のベル
ト14の車幅方向固定間隔毎に溶接した長尺に形成して
あって、フロントフレーム10、リアフレーム11、お
よび補強フレーム13の接合組付けの前工程で、前述の
2重壁部分に車幅方向から挿入、セットされる。
【0019】また、このナットプレート16のプレート
部16aの挿入側と反対側の端末にはフック部16cを
曲折成形して、該フック部16cがフロントフレーム1
0、リアフレーム11、補強フレーム13の各車幅方向
端面と係合することにより、ナット16bとボルト挿入
孔21との位置決めを行えるようになっている。
【0020】補強フレーム13およびリアフレーム11
の各ベルト14のボルト15、ナットプレート16締結
部分には、例えば図1,5,6に示すように各バッテリ
8の前面を前方の補強プレート13側面およびフロント
フレーム10側面に当接、定置させて、そのずれ動きを
阻止するためのスプリングブラケット23が共締め固定
されると共に、これら補強フレーム13、リアフレーム
11のボルト15、ナットプレート16締結部分と、フ
ロントフレーム10のボルト15、ナットプレート16
締結部分に、ベルト14に所要のテンションを付与する
スプリングワッシャ24が共締め固定されている。
【0021】図3はベルト14の前端部分の固定工順を
示しており、バッテリ8を一旦スプリングブラケット2
3のばね力に抗して後方へずらしてフロントフレーム1
0の内側壁10aとの間に所要の作業空間を確保し、こ
の作業空間の上方斜め前方よりベルト14のL字状に形
成された前端部を挿入して、該前端部をスプリングワッ
シャ24と共に内側壁10aの開口部17に挿入する。
【0022】そして、バッテリ8を内側壁10aに当接
する正規位置に前方へずらした後、該ベルト14の前端
部をスプリングワッシャ24と共にリブ18上にボルト
15、ナットプレート16によって締結固定する。
【0023】以上の実施例構造によれば、バッテリフレ
ーム7上で前後方向に縦列配置された複数個のバッテリ
8は、それらの上方に単一のベルト14を前後方向に架
け渡して、該ベルト14でしっかりと固定できて、バッ
テリ8相互の慣性移動を確実に拘束することができる。
【0024】また、ベルト14はその中間部分を各前後
のバッテリ8,8間で補強フレーム13の上面にボルト
15、ナットプレート16により固定し、ベルト14の
前後端部をフロントフレーム10、リアフレーム11の
各内側壁10a,11aに形成した開口部17に挿入し
て、各フレーム内のリブ18上にボルト15、ナットプ
レート16により固定すればよく、従って、従来、バッ
テリ8の個々をクランプ手段で固定していたものと較べ
て、作業工数および部品点数を大幅に削減することがで
きる。
【0025】そして、前述のようにベルト14の前後端
部は、フロントフレーム10、リアフレーム11の各内
側壁10a,11aに形成した開口部17に挿入して、
各フレーム内部のリブ18上に固定するから、これらフ
ロントフレーム10、リアフレーム11の上面に突起感
が全くなく、フロアメンバ2との結合面を平滑面に維持
することができるから、該フロアメンバ2との整合性が
良好となって、シール材19によるシールを完璧に行
え、バッテリ8の保護は勿論、保安性を一段と向上する
ことができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、バッテリ
フレーム上に配置された複数個のバッテリは、縦列毎に
それらの上側部に前後方向に架け渡したベルトでまとめ
て固定できて、相互の慣性移動を確実に拘束することが
できる。
【0027】しかも、このベルトは各前後のバッテリ間
でバッテリフレームの底壁上に締結固定し、前後端部を
フロントフレーム、リアフレームの各内部のリブ上に締
結固定すればよいから、バッテリ個々をクランプ手段で
固定するものと異なって、作業工数、部品点数を大幅に
削減できて、コストダウンに大きく寄与することができ
る。
【0028】更に、ベルトの前後端部はフロントフレー
ム、リアフレームの各内側壁の開口部に挿入して、各フ
レーム内部のリブ上に締結固定してあるので、これらフ
ロントフレーム、リアフレームの上面に突起感がなく、
フロア下面との結合面を平滑面に維持できて、該フロア
下面との整合性を良好にすることができ、従って、バッ
テリフレーム、フロア下面の結合部分のシール性を十分
に確保できて、バッテリの保護はもとより保安性を一段
と向上することができるという実用上多大な効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す図8のC−C線
に沿う断面図。
【図2】図1のA範囲部の拡大図。
【図3】ベルト前端部の固定工順を示す断面図。
【図4】図1のA範囲部の分解斜視図。
【図5】図1のB範囲部の拡大図。
【図6】図1のB範囲部の分解斜視図。
【図7】ナットプレートの組付工順を示す斜視説明図。
【図8】本発明の構造を採用したフロア構造の分解斜視
図。
【符号の説明】
1 フロアパネル 2 フロアメンバ 7 バッテリフレーム 8 バッテリ 10 フロントフレーム 11 リアフレーム 12 底壁 14 ベルト 17 開口部 18 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 康城 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−208617(JP,A) 特開 平5−193376(JP,A) 特開 昭52−35023(JP,A) 特開 平6−115357(JP,A) 実開 平5−56546(JP,U) 実開 平5−28728(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロアパネルの下面に接合配置したフロ
    ア下面に有底のバッテリフレームを結合し、該バッテリ
    フレーム上に複数個のバッテリを搭載して、該バッテリ
    をフロアパネルとバッテリフレームとの間に密閉、格納
    する構造において、前記複数個のバッテリを縦列毎にそ
    れらの上側部に前後方向にベルトを架け渡して、該ベル
    トを前後のバッテリ間でバッテリフレームの底壁上に締
    結固定すると共に、ベルトの前後端部をバッテリフレー
    ムのフロントフレーム、リアフレームの各内側壁に形成
    した開口部に挿入し、これらフロントフレーム、リアフ
    レームの各内部に形成したリブ上に締結固定したことを
    特徴とする電気自動車のバッテリ固定構造。
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JP4515757B2 (ja) * 2003-12-25 2010-08-04 富士重工業株式会社 バッテリ保持構造
JP2005193697A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Nissan Motor Co Ltd 電源モジュールを搭載する車体構造
FR2956072B1 (fr) * 2010-02-10 2012-02-24 Renault Sa Dispositif pour le remplacement d'une batterie d'alimentation d'un moteur d'entrainement d'un vehicule automobile

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