JP3021861U - 嵩高不織布巻取用巻込治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵩高不織布の巻始め端から約２〜３周分を確
実に巻き込み、紙管の空転を生じることなく、均一な巻
径にする。 【解決手段】 合成樹脂で以て略コ字状に一体成形し
て、角形紙管に取着可能にした嵩高不織布巻取用巻込治
具であって、連結体（２）と挟持体（３）（３）とを結
ぶ肩部に略つの状の引掛部（４）（４）を夫々突設する
と共に、上記引掛部（４）（４）間の連結体（２）上面
に補強部（５）を一体に形成して成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、不織布製造工程や空調機器においてシート状の嵩高不織布を角形紙 管（以下、単に紙管という）に空転せずに確実に巻き取るための嵩高不織布巻取 用巻込治具（以下、単に巻込治具という）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エアーフィルタ、中綿、クッション材等の嵩高不織布は、その巻始め端 に導布を接続し、導布を紙管に粘着テープで止着して巻取装置で以て巻き取って いた。しかし、導布の接続と粘着テープの止着とに手数を要し、作業性が低下す るばかりか、時にテープが外れて、紙管が空転することがあった。

【０００３】 そこで、最近は、図３、４に示すような、巻込治具が用いられている。即ち、 図３の巻込治具６は、紙管の外周長よりも長いワイヤで以て紙管と略同形状の環 状体を形成し、略直角に交差したワイヤの両端部の外側の一端を環状体の水平面 より下方になるように屈曲して交差折曲部を形成し、かつ他端を環状体よりも外 側に突出して突起部７を形成したものであり、この巻込治具６は、紙管の一端よ り嵌装して、突起部７で以て嵩高不織布の巻始め端に突き刺して巻き取り可能に したものである（実公平５−１５５０３号公報）。 また、図４に示す巻込治具８は、合成樹脂で以て略コ字状に一体成形し、その 連結体中央に突起９を形成したものであり、この巻込治具８は、紙管の側方より 取着して、突起９で以て嵩高不織布の巻始め端を引っ掛けて巻き取り可能にした ものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術のうち、図３の巻込治具６は、紙管を巻取装置のシャフトから取 り外さなければ着脱できず、また紙管を垂直に取り付けてフィルタを左右に巻き 取るようにした空調機器の場合、巻込治具が紙管の変形によって下方に移動して 巻き取り不良を生じることがあった。

【０００５】 また、図４の巻込治具８は、その着脱が簡単になり、作業性が向上するが、突 起が連結体中央にあるため、紙管の回転トルクが突起に十分にかからず巻き込み 不足となり、その結果、巻径のばらつきが生じたり、ときに巻径が大きくなって 製品不良を生じることがあった。

【０００６】 本考案は、従来技術の上記課題に鑑み、図４の巻込治具を更に改良したもので 、巻始め時に嵩高不織布を確実に把持して、紙管の回転トルクが十分にかかって 嵩高不織布の巻始め端から数周部分を確実に巻き込むことができ、巻径のばらつ きが生じることがなく、確実に巻き取り可能にした嵩高不織布巻取用巻込治具の 提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の嵩高不織布巻取用巻込治具は、合成樹脂 で以て略コ字状に一体成形して、角形紙管に取着可能にした嵩高不織布巻取用巻 込治具であって、連結体と両挟持体とを結ぶ肩部に略つの状の引掛部を夫々突設 し、かつ上記引掛部間の連結体上面に補強部を一体に設けて成る。 また、上記補強部は連結体を断面略凸状にし形成したり、また挟持体より厚肉 にして形成することもある。

【０００８】

【作用】

上記のように構成された嵩高不織布巻取用巻込治具を用いると、紙管の隅部に 引掛部が突出しているようになるため、引掛部が嵩高不織布の巻始め端を確実に 把持して、巻始め時の紙管の回転トルクが十分にかかって嵩高不織布の巻始め端 から数周部分がきっちりと巻き込まれる。 更に、引掛部が略つの状に二個あるため、巻始め時の回転トルクが分散されて 、一方の引掛部に必要以上の負荷がかからず、また連結体に補強部を有するため 、連結体が湾曲せず挟持体の拡開が防止されると共に、挟持体の挟持力が向上し て、紙管の多少の変形によっても移動せず、嵩高不織布は確実に巻き取られる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１において、１は合成樹脂で以て略コ字状に一体成形した巻込治具で、連結 体２の両端に、下端を内側に屈曲して紙管Ｐの隅部に係合可能な係合片を設けた 挟持体３、３を一体に設けて成る。

【００１０】 上記連結体２と挟持体３、３とを結ぶ肩部には、略切頭円錐形の引掛部４、４ を略つの状に夫々突設する。また、この引掛部４、４間の連結体２の上面には、 補強部５を一体に設けて成る。

【００１１】 上記補強部５は、図では連結体２を略凸状にして形成したが、引掛部４、４間 の連結体２を挟持体３よりも厚肉にして形成することもある。 また、連結体２及び挟持体３、３の厚みと幅、引掛部４、４の高さと角度は、 適用する嵩高不織布の種類に応じて適宜変更する。

【００１２】 本考案に係る巻込治具１は使用に際して、挟持体３、３間を紙管Ｐに当接して 押し込むと、挟持体３、３の弾性と挟持体３、３の一端に形成した係合片とで以 て、紙管Ｐの所定位置に簡単に取着され、紙管Ｐの隅部より斜方向に、巻込治具 １の引掛部４、４が突出する。

【００１３】 次に、上記紙管Ｐを巻取装置のシャフトに通して嵩高不織布を巻き取ったとこ ろ、引掛部４、４が嵩高不織布の巻始め端に食い込んでしっかりと把持して、嵩 高不織布の巻始め端から数周部分をきっちりと巻き込み、紙管が空転することな く確実に巻き取り、均一な巻径の製品を得ることができた。

【００１４】 本考案の巻込治具は、ロール状態で使用又は出荷されるエアーフィルタ、クッ ション材、マット状物、中綿等の嵩高不織布の巻取装置やロール状物を収納する 巻取り部を有する装置（例えば、空調機器）等に利用して確実な巻取りを行うこ とができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の嵩高不織布巻取用巻込治具は、略つの状の引掛部を有し、かつ引掛部 間の連結体に補強部を有するため、嵩高不織布の巻始め端を確実に把持してきっ ちりと巻き込むことができると共に、巻始め時に回転トルクが分散されて挟持体 間が拡開せず、紙管の空転を防止でき、嵩高不織布を確実に巻き取って均一な巻 径にすることができる。また、紙管を垂直状態で使用するときにも、紙管の変形 が発生しても下方に移動することなく、確実に巻き取ることができ、更に、紙管 をシャフトより外すことなく、側方より押し込むことで簡単に着脱できる等の効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す嵩高不織布巻取用巻込
治具の斜視図である。

【図２】本考案に係る巻込治具を紙管に装着した状態を
示す要部斜視図である。

【図３】従来例を示す斜視図である。

【図４】他の従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１．．．巻込治具 ２．．．連結体 ３．．．挟持体 ４．．．引掛部 ５．．．補強部 ６．．．巻込治具 ７．．．突起部 ８．．．突起 Ｐ．．．紙管

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂で以て略コ字状に一体成形し
   て、角形紙管に取着可能にした嵩高不織布巻取用巻込治
   具であって、連結体（２）と挟持体（３）（３）とを結
   ぶ肩部に略つの状の引掛部（４）（４）を突設すると共
   に、上記引掛部（４）（４）間の連結体（２）上面に補
   強部（５）を一体に設けたことを特徴とする嵩高不織布
   巻取用巻込治具。
2. 【請求項２】 連結体（２）を断面略凸状にして補強部
   （５）を形成した請求項１記載の嵩高不織布巻取用巻込
   治具。
3. 【請求項３】 連結体（２）を挟持体（３）より厚肉に
   して補強部（５）を形成した請求項１記載の嵩高不織布
   巻取用巻込治具。