JP3021293B2 - 平軸受の取付構造 - Google Patents

平軸受の取付構造

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JP3021293B2
JP3021293B2 JP6185117A JP18511794A JP3021293B2 JP 3021293 B2 JP3021293 B2 JP 3021293B2 JP 6185117 A JP6185117 A JP 6185117A JP 18511794 A JP18511794 A JP 18511794A JP 3021293 B2 JP3021293 B2 JP 3021293B2
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crown
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metal
mounting structure
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博志 力丸
好幸 阿部
春夫 原田
定男 吉原
勝彦 阪口
徹 中村
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は舶用大型ディーゼル機
関、各種回転機械等に使用されるホワイトメタル軸受等
の平軸受の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】舶用大型ディーゼル機関の主軸受は、通
常、機関の台板に設けた軸受取付面に半円形の下軸受メ
タルを嵌合し、該下軸受メタルの上端合せ面に上軸受メ
タルを合わせ、該上軸受メタルの外周面を軸受冠の取付
面に嵌合し、該軸受冠を締付ボルトにて台板に締め付け
ることにより、軸受冠→上軸受メタル→上下軸受メタル
の合せ面→下軸受メタルの順にボルトの締付力を伝達
し、上下軸受メタルを機関の台板に強固に固定する構造
となっている。
【0003】前記舶用大型ディーゼル機関用主軸受にあ
っては、近年機関の高過給、高出力化や機関の大口径化
に伴い、軸受メタル自体の材質や形状の改良とともに、
軸受メタルの取付部の剛性の向上を目的とした種々の改
良がなされてきている。
【0004】図10に舶用大型ディーゼル機関用主軸受
の取付構造の1例を示す。図10において1aは上軸受
メタル、1bは下軸受メタル、2は機関の台板、3は軸
受冠、4は締付ボルト、5はナット、6は機関のクラン
ク軸であり、前記上下軸受メタル1a,1bは、軸受冠
3を締付ボルト4及びナット5にて台板2に締付けるこ
とにより台板2の取付面2aに固定されている。1cは
上下軸受メタルの合せ面、Sは主軸受の中心である。
【0005】前記主軸受の組立時において、軸受冠3
は、その側面Aと台板2の案内面Bとの間に隙間Cを存
して該台板2の案内面に沿って組立てられる。
【0006】図12に従来の舶用大型ディーゼル機関用
主軸受の他の1例を示す。図において1aは上軸受メタ
ル、1bは下軸受メタル、21は軸受ハウジング本体、
3は軸受冠、4は締付ボルト、5はナット、6はクラン
ク軸であり、前記ハウジング本体21を機関の台板に固
定し、該ハウジング本体21に軸受冠3を締付ボルト4
及びナット5により固定している。
【0007】前記図12に示す主軸受において、軸受冠
3の側面Aとハウジング本体21の案内面B1との間に
は軸受冠3の嵌脱のため、微小隙間Cが設けられてい
る。
【0008】図12に示す主軸受において、締付ボルト
4の締付力Fは、軸受冠3から上軸受メタル1aの外周
に面圧P1 として伝達され、さらに該面圧P1 は上軸受
メタル1aと下軸受メタル1bとの合せ面1cに力F1
を発生させ、この力F1 は下軸受メタル1bとハウジン
グ本体21との間に上下軸受メタル1a,1bを固定す
るための所要面圧P2 を発生させる。
【0009】このような締付状態の許で機関が燃焼運転
せしめられると、クランク軸6に加わる荷重は、上下軸
受メタル1a,1b及び両メタルの合せ面1Cの摩擦力
を介してハウジング本体に伝達される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図10に示される従来
の主軸受においては、前記のように、軸受冠3の側面A
と台板2の案内面Bとの間に隙間Cを設けて組立ててい
るこのため機関の運転中にクランク軸6から上下軸受メ
タル1a,1bに図11に示すF1 ,F2 のような荷重
が加えられた場合、軸受冠3はその荷重の作用方向に変
形する。
【0011】この変形は、前記荷重F1 ,F2 が大きく
なると、軸受冠3は、図11の鎖線に示すように、その
側面Aが台板2の案内面Bに接触するまで移動あるいは
変形する。かかる変形により、上軸受メタル1aと下軸
受メタル1bとの合せ面1c近傍には、図11に鎖線で
示すような、主として水平方向の変形が生じ、これによ
り、上下軸受メタル1a,1bの内面に変動応力(曲げ
応力)σが発生し、この応力により軸受メタル1a,1
bが破損するという不具合の発生をみることがある。
【0012】一方、図12に示される従来の主軸受にお
いて、軸受冠3の側面Aとハウジング本体21の案内面
Bとの隙間Cは、ハウジング本体21の台板への締付け
等による変形により機械加工時の寸法差による隙間より
も大きくなることがある。
【0013】また、該隙間Cが存在するため、軸受冠3
のハウジング本体21への取付け時における中心が左右
にずれ、図13(A)及び図13(B)に鎖線で示され
るように、上下軸受メタル1a,1bの端縁間に凹みD
や突出しEが発生するという状態になることが多い。
【0014】このような状態の許で、上下軸受メタル1
a,1bに図12に示されるような水平分力f3 ,f4
が作用すると、上下軸受メタル1a,1bの突出した部
分(図13(A),(B)参照)に過大な面圧が発生す
る。
【0015】また、図12において、締付ボルト4の締
付力Fと、軸受冠3から上軸受メタル1aの外周面に加
わる面圧P1 の反力P3 は、軸受冠3に曲げモーメント
1を生ぜしめ、この曲げモーメントM1 が軸受冠3を
内側方向に曲げて隙間Cを拡大するように作用する。
【0016】一方、前記締付力Fによって生じた下軸受
メタル1bの外周とハウジング本体21の取付面21a
との間の面圧P2 は、ハウジング本体21に曲げモーメ
ントM2 を生ぜしめ、ハウジング本体21を外側に向け
て曲げ、隙間Cを大きくせしめるように作用する。
【0017】この状態で機関を運転し、図12,14に
示すように、斜め方向荷重f7 が作用した場合、これの
水平方向分力f4 に抗する軸受側の力は、締付ボルト4
の横荷重に対する剛性による反力と上下軸受メタル1
a,1bの合せ面1cの摩擦力μF1 (μは摩擦係数で
0.1〜0.2程度)である。
【0018】しかしながら、締付ボルト4の横荷重に対
する剛性は小さく、前記荷重f4 は主として摩擦力μF
1 が受け持つこととなり、前記荷重f7 が過大になると
軸受冠3及び上軸受メタル1aは前記隙間C内を左右に
移動せしめられる。これにより次のような不具合が発生
する。
【0019】このため、図13(A)及び(B)に示
されるように、上下軸受メタル1a,1bの合せ面1c
に凹みD、突出しE等のずれが発生し、前記軸受荷重が
上下軸受メタル1a,1bにて均等に負担できなくな
り、前記下軸受メタル1b側の面圧P2 のうち合せ面1
c近傍の面圧P2 ´が過大となる。
【0020】図14に示すように、上下軸受メタル1
a,1bの合せ面1cに生ずる摩擦力μF1 により、下
軸受メタル1bに曲げモーメントM3 が作用し、曲げ応
力σ1を生ずる。従って、図12に示される従来のもの
においては、前記のような合せ面1c近傍の過大面圧P
2 ´及び過大曲げ応力σ1 が単独にあるいは複合して作
用することにより、上下軸受メタル1a,1bが破損を
起こすことがある。
【0021】本発明の目的は、舶用大型ディーゼル機関
の主軸受等に使用される上下2つ割りの平軸受におい
て、機関等からの横方向の軸受荷重に対する軸受冠及び
上下軸受メタルの取付部の剛性を増加せしめることによ
り、上下軸受メタルに作用する過大面圧及び過大曲げ応
力の発生を阻止して、軸受の耐久性を向上せしめること
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る平軸受の取
付構造は、前記問題点を解決するもので、その第1の特
徴とする点は、台板、ハウジング本体等の軸受台に設け
られた取付面に上下軸受メタルを嵌合し、締付ボルトに
て軸受冠を前記軸受台に締め付けることにより前記上下
軸受メタルを固定するようにした平軸受装置において、
前記軸受冠の側面と、該側面に対向する前記軸受台の案
内面との間に銅、銅合金等の軟質金属からなるライニン
グ材を介装したことにある。
【0023】また第2の特徴とする点は、前記ライニン
グ材が、前記軸受冠とは別個に製作され、該軸受冠の側
面に溶接、ろう付け等により固着されてなることにあ
る。
【0024】また第3の特徴とする点は、前記ライニン
グ材が、前記軸受台の案内面に対向する外面を、前記軸
受冠の締付後における側面の形状に対応した勾配面に形
成してなることにある。
【0025】また第4の特徴とする点は、前記軸受台の
案内面が、機関の台板上に固着される架構の側面に構成
されてなることにある。
【0026】さらに第5の特徴とする点は、台板、ハウ
ジング本体等の軸受台に設けられた取付面に上下軸受メ
タルを嵌合し、締付ボルトにて軸受冠を前記軸受台に締
め付けることにより前記上下軸受メタルを固定するよう
にした平軸受装置において、前記軸受冠の上部の軸受中
心の両側に形成された締付面上に締付金物を載置し、該
締付金物の前記締付面との当接部よりも軸受中心から
離れた部位に前記締付ボルトを夫々挿通し、該締付ボル
トの締付力を前記締付金物を介して前記軸受台の締付面
に伝達するように構成されたことにある。
【0027】
【作用】本発明は前記のように構成されており、請求項
1の発明によれば、軸受冠の側面と軸受台の案内面との
間にライニング材が介装されているので、軸受冠に加わ
る荷重によるこれの水平方向の移動は殆ど無くなって、
軸受冠の側面と軸受台の案内面とが接触可能となり、従
って上下軸受メタル合せ面の変形量が微小となって該合
せ面における曲げ応力も極めて小さくなる。従ってかか
る曲げ応力の過大による軸受メタルの破損の発生が防止
される。
【0028】また、ライニング材を銅、銅合金等の軟質
金属で構成しているので、ライニング材と軸受台との接
触面の耐フレッティング性、耐スカッフィング性を向上
せしめることができる。
【0029】また請求項3のようにライニング材の外面
を勾配面に構成すれば、ライニング材と軸受台との間の
受圧面積が増大するので該接触面における受圧力が低減
し、耐フレッティング性、耐スカッフィング性がさらに
向上する。
【0030】さらに請求項5のように、締付金物を介し
て軸受冠を締め付けるように構成することにより、締付
ボルトの締め付け時の軸受冠への着力点を軸受中心と締
付ボルト中心との間において自由に選択して設計可能と
なり、締め付け時における軸受冠の外側へ向かう変形を
充分大きくとって軸受冠と軸受台との隙間を小さくする
ことができるとともに該隙間の消滅時においても、軸受
冠と軸受台との間に最適面圧を保持することができる。
【0031】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。図1〜図2に本発明の第1実施例に係る舶用
大型ディーゼル機関の主軸受取付構造のクランク軸心に
直角方向に視たる図を示す。
【0032】図1〜図2において、6は機関のクランク
軸、2は軸受台である台板、1aは主軸受の上軸受メタ
ル、1bは下軸受メタル、3は軸受冠、4は締付ボル
ト、5はナットであり、前記上下軸受メタル1a,1b
は軸受冠3を前記締付ボルト4及びナット5にて台板2
に締付けることにより台板2の取付面2aに固定され
る。
【0033】前記軸受冠3の両側面Aとこれに対向する
台板2の案内面Bとの隙間Cには、銅、銅合金等の、鋼
あるいは鋳鉄に較べて耐フレッティング性、耐スカッフ
ィング性の大なる軟質材料からなるライニング材11が
介装されている。
【0034】前記ライニング材11は、図2に示すよう
に、軸受冠3の両側面Aに、溶接による肉盛り、あるい
は別個に製作したものをろう付けすること等により固着
されるとともに、台板2の案内面Bとの当接面11aを
平滑面に仕上げている。尚、前記ライニング材11は加
工あるいは組立上支障がなければ台板2側に固着しても
よい。
【0035】次に図1〜図2に示す第1実施例の作用に
つき説明する。機関の運転時において、クランク軸6か
ら上下軸受メタル1a,1bにF1 ,F2 で示されるよ
うな軸受荷重が作用した場合、この力は上下軸受メタル
1a,1bを介して軸受冠3を左右に移動あるいは変形
せしめようとする。
【0036】しかしながら、軸受冠3の両側面A,Aに
銅、銅合金等の軸受なじみ性の良好な軟質金属からなる
ライニング材11が固着され、軸受冠3側面Aと台板2
の案内面Bとの隙間Cを該ライニング材11で埋めた形
になっているので、軸受冠3の荷重方向(主として水平
方向)への移動あるいは変位は極く微小となり、両面は
接触する。
【0037】従って、上下軸受メタル1a,1bの合せ
面1cの変形量も極めて小さくなり、上下軸受メタルの
曲げ応力(変動応力)が低減される。
【0038】またライニング材11を前記のように銅又
は銅合金等の軸受適性大なる軟質材料とし、異種材料で
ある鋼材からなる台板2と接触せしめるようにしたの
で、接触面の耐フレッティング性、耐スカッフィング性
を向上せしめることができる。
【0039】尚、前記ライニング材11を溶射、メッ
キ、爆着、熱間静水圧加圧法(HIP)等により軸受冠
3又は台板2に固着することも可能である。
【0040】図3に本発明の第2実施例を示す。この実
施例においては、ライニング材110の台板2の案内面
Bへの接触面110aを、主軸受の締付ボルト4による
締付時において軸受冠の側面Aに発生する変形量に対応
して設定した勾配t/hを有するように形成している。
このライニング材110も図1、2に示す第1実施例と
同様、軸受冠3の側面に溶接肉盛により固着するか、あ
るいは別個に製作したものをろう付けにより固着する。
【0041】即ち、前記ライニング材110の勾配t/
hは、図3の右半分に示すように、締付ボルト4にて軸
受冠3を所定量締め付けたとき、該ライニング材110
の接触面110aが台板2の案内面Bと平行になるよう
な値に設定される。
【0042】前記勾配t/hを有するライニング材11
0を用いれば、機関の運転中に荷重が負荷される受圧面
積が増大し、接触面110aの受圧力を低減することが
可能となり、ライニング材110と台板2の案内面Bと
の接触部の耐フレッティング性、耐スカッフィング性を
向上せしめることができる。その他の構成は図1に示す
第1実施例と同様である。
【0043】図4に本発明の第3実施例を示す。この実
施例においては、軸受冠3の両側面A,Aに固着したラ
イニング材11が、台板2上にボルト12にて固着され
た架構13即ち軸受台に設けられた案内面Bに対向して
おり、該ライニング材11が、図1に示す第1実施例と
同様、機関の運転中に前記案内面Bに当接可能としてい
る。その他の構成は図1に示す第1実施例と同様であ
る。
【0044】図5に本発明の第4実施例を示す。図にお
いて1aは上軸受メタル、1bは下軸受メタル、21は
台板(図示せず)に固定された軸受台即ちハウジング本
体、3は軸受冠、4は該軸受冠3をハウジング本体4に
締め付けるための締付ボルト、5はナットである。
【0045】51は、前記軸受冠3の上部の締付面3a
に当接される平板状の締付金物であり、該締付金物51
はその下面51aを前記軸受冠3の上面である締付面3
aに当接せしめられている。そして、締付ボルト4及び
ナット5を締付力Fにて締め込むことにより、前記締付
面3a中心である着力点WにF2 なる締付力が作用し、
締付金物51及び軸受冠3がハウジング本体21に締め
付けられ、上下軸受メタル1a,1bがハウジング本体
21の取付面2aと軸受冠3の内周面との間に所要の面
圧で固定される。
【0046】前記軸受冠3の側面Aとハウジング本体2
1の案内面B1との間は、締付ボルト4による締付前に
おいて、図5に示すように、隙間Cが形成され、締付ボ
ルト4を所定量締め込んだ後は、隙間Cが“0”に近づ
くように構成される。
【0047】図5〜図6に示す第4実施例において、締
付ボルト4を締付力Fにて締め付けると、該締付力は締
付金物51を介して締付ボルト4の中心Yよりも軸受中
心Z寄りの2個所の着力点即ち軸受冠3上部の締付面3
aの中心点Wで、締付力F2にて軸受冠3を押圧する。
【0048】前記締付力F2 は、図6に示すように、着
力点Wの周囲に着力面Vにて軸受冠3に作用し、このと
き前記の力F2 によって生ずるモーメントM4 は締付金
物8が受け持つこととなる。
【0049】このため、図12に示す従来のもののよう
に、軸受冠3にモーメントM1 が発生することが無く、
従ってかかるモーメントM1 により軸受冠3が内側に曲
げられ隙間Cが拡大されることが阻止される。
【0050】また、前記着力点Wに作用する締付力F2
(F2 =F)の反力F3 は、上軸受メタル1aの背面に
面圧P3 を生ぜしめる。前記面圧P3 と反力F3 とによ
りモーメントM5 が生じ、該モーメントM5 は、図12
に示す従来のものとは逆に、軸受冠3を外側に曲げて隙
間Cを小さくするように変形せしめる。
【0051】また、前記締付力Fによって下軸受メタル
1bの背面に生じた面圧P2 は、モーメントM2 を生ぜ
しめ、該モーメントM2 は、ハウジング本体21を外側
に曲げて隙間Cを大きくせしめる。
【0052】しかしながら、前記締付力F2 の着力点W
の位置を締付ボルト4の中心Yと軸受中心Zとの間にお
いて最適位置に選定することにより、軸受冠3の外側へ
向かう変形を充分大きくすることができ、これにより軸
受冠3の側面Aとハウジング本体21の案内面B1との
隙間Cを小さくすることができるとともに、隙間Cが消
滅した際において、軸受冠とハウジング本体21との間
に最適な面圧を生ぜしめることもできる。
【0053】図7〜図9は本発明の第5実施例を示す。
この実施例においては、上下軸受メタル1a,1bは、
クランク軸径Dの3%程度の肉厚tを有する薄肉メタル
(シエルメタル)を使用している。その他の構成は、図
5に示す第4実施例と同様である。
【0054】図8は、前記第5実施例において、上下軸
受メタル1a,1bを装着し締付ボルト4を締め付ける
前の状態を示し、図9は締付ボルト4を締め付け後の状
態を示す。
【0055】図7〜図9に示すように、上下軸受メタル
1a,1bはハウジング本体21及び軸受冠3に装着
後、締付ボルト4を締め付ける前には、軸受冠3とハウ
ジング本体21との上下接合面にはクラッシュ量S3
4 の隙間を有する。
【0056】締付ボルト4を締め付けると、前記クラッ
シュS3 及びS4 が0(ゼロ)になり、さらに締付ボル
ト4を締め込むとハウジング本体21と軸受冠3との上
下面が接触し、この接触面に反力F4 が生ずる。これに
伴い軸受冠3の側面Aとハウジング本体21の案内面B
との隙間Cが0(ゼロ)となって両面が密着する。
【0057】このようにして、軸受冠3とハウジング本
体21とが、上下面及び側面で密着されて固定され、強
固な一体構造となり、軸受に斜め方向の荷重が加わって
も軸受冠3が左右に移動あるいは変形することは無い。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、軸受冠の側面と軸受台
の案内面との間に銅、銅合金等の軟質金属からなるライ
ニング材を介装したので、軸受冠に加わる荷重による該
軸受冠の水平方向移動は殆ど無くなり、軸受冠の側面と
軸受台の案内面とが接触可能となる。従って、上下軸受
メタルの合せ面の変形量が極く微小となって曲げ応力も
微小となり、曲げ応力の過大による軸受の破損を防止す
ることができる。
【0059】また、ライニング材を銅、銅合金等、鋼製
の軸受台とは異質の軟質金属で構成しているので、軸受
冠と軸受台との接触面の耐フレッティング性、耐スカッ
フィング性を向上せしめることができる。
【0060】また、ライニング材の外面を勾配面に構成
すれば、ライニング材と軸受台との間の受圧面積が増大
するので該接触面における受圧力が低減し、耐フレッテ
ィング性、耐スカッフィング性がさらに向上する。
【0061】さらに、締付金物を介して軸受冠を締め付
けるように構成することにより、締付ボルトの締め付け
時の軸受冠への着力点を軸受中心と締付ボルト中心との
間において自由に選択して設計可能となり、締め付け時
における軸受冠の外側へ向かう変形を充分大きくとって
軸受冠と軸受台との隙間を小さくすることができるとと
もに、該隙間の消滅時においても、軸受冠と軸受台との
間に最適面圧を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る舶用大型ディーゼ
ル機関用主軸受のクランク軸心線に直角方向に視た図。
【図2】前記第1実施例に係る軸受冠の斜視図。
【図3】本発明の第2実施例の図1応当図。
【図4】本発明の第3実施例の図1応当図。
【図5】本発明の第4実施例の図1応当図。
【図6】図5のP矢視図。
【図7】本発明の第5実施例の図1応当図。
【図8】上記第5実施例の作用説明図。
【図9】上記第5実施例の作用説明図。
【図10】従来例を示す図1応当図。
【図11】従来例を示す図1応当図。
【図12】従来例における力及びモーメントの作用を示
す図1応当図。
【図13】従来例の作用説明図。
【図14】従来例の作用説明図。
【符号の説明】
1a,61a…上軸受メタル、1b,61b…下軸受メ
タル、1c,61c…合せ面、2…台板(軸受台)、3
…軸受冠、4…締付ボルト、6…クランク軸、11,1
1a…ライニング材、21…ハウジング本体(軸受
台)、A…軸受冠の側面、B…軸受台(台板、ハウジン
グ本体)の案内面、51…締付金物、51a…締付面、
W…着力点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 春夫 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 吉原 定男 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 阪口 勝彦 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 中村 徹 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (56)参考文献 実開 平5−14626(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 9/02 F16C 35/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台板、ハウジング本体等の軸受台に設け
    られた取付面に上下軸受メタルを嵌合し、締付ボルトに
    て軸受冠を前記軸受台に締め付けることにより前記上下
    軸受メタルを固定するようにした平軸受装置において、 前記軸受冠の側面と、該側面に対向する前記軸受台の案
    内面との間に銅、銅合金等の軟質金属からなるライニン
    グ材を介装したことを特徴とする平軸受の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記ライニング材は、前記軸受冠とは別
    個に製作され、該軸受冠の表面に、ろう付けにより固着
    されてなる請求項1記載の平軸受の取付構造。
  3. 【請求項3】 前記ライニング材は、前記軸受台の案内
    面に対向する外面を、前記軸受冠の締付後における側面
    の形状に対応した勾配面に形成した請求項1及び2記載
    の平軸受の取付構造。
  4. 【請求項4】 前記軸受台の案内面が、機関の台板上に
    固着される架構の側面に構成されてなる請求項1及び2
    記載の平軸受の取付構造。
  5. 【請求項5】 台板、ハウジング本体等の軸受台に設け
    られた取付面に上下軸受メタルを嵌合し、締付ボルトに
    て軸受冠を前記軸受台に締め付けることにより前記上下
    軸受メタルを固定するようにした平軸受装置において、 前記軸受冠の上部の軸受中心の両側に形成された締付面
    上に締付金物を載置し、該締付金物の前記締付面との
    当接部よりも軸受中心から離れた部位に前記締付ボルト
    夫々挿通し、該締付ボルトの締付力を前記締付金物を
    介して前記軸受冠の締付面に伝達するように構成された
    ことを特徴とする平軸受の取付構造。
  6. 【請求項6】 前記ライニング材は前記軸受冠の側面に
    溶接肉盛により固着されてなる請求項1及び3記載の平
    軸受の取付構造。
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