JP3106862B2 - ボルト締結法 - Google Patents

ボルト締結法

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JP3106862B2 JP06158651A JP15865194A JP3106862B2 JP 3106862 B2 JP3106862 B2 JP 3106862B2 JP 06158651 A JP06158651 A JP 06158651A JP 15865194 A JP15865194 A JP 15865194A JP 3106862 B2 JP3106862 B2 JP 3106862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン部品のボル
ト締結法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン部品の締結には高強度のボルト
が用いられており、その締結法として例えば図5に示す
方法がある。
【0003】これはコンロッドの例で、アルミ等の軽合
金製からなるコンロッド15は、H型断面を有する棒部
16と、その両端の小端部17と大端部18とから構成
されている。小端部17はピストンピンに、大端部18
はクランクピンにそれぞれ連結され、ピストン側の爆発
エネルギをクランクシャフトの回転に変換するよう、コ
ンロッド15は使用される。
【0004】コンロッド15の大端部18は2分割さ
れ、その2分割大端部の一方は二股状の端部19として
棒部16および小端部17と一体的に成形され、2分割
大端部の他方は湾曲状の連結部材20として別途成形さ
れる。
【0005】これら2分割大端部としての二股部19と
連結部材20とは、2本の高強度ボルトである締付けボ
ルト21を用い、互いの合わせ面191と201とを重
ね合わせて連結され、両者が共働してホワイトメタルか
らなる軸受金22を支持する。
【0006】締付けボルト21は、大端部18の両端に
それぞれ形成されるボルト孔23に嵌着される。締付け
ボルト21のボルト頭部211はボルト孔23の中心線
Lと垂直であり、かつ二股部19側のボルト孔開口回り
の座面24に対向接触し、ナット25は同じくボルト孔
中心線Lと垂直であり、かつ連結部材20側のボルト孔
開口回りの座面26に対向接触する。
【0007】この座面24および26は、締付けボルト
21の装着前に冷間における表面処理が施される。即
ち、座面24および26には、ボルト孔23の中心線L
の方向であるボルト軸方向に設定量の荷重Pが加えられ
る。
【0008】荷重Pは、締付けボルト21の大端部18
への締付けにより生じる初期(大端部18に経時変化の
ない状態の時)の荷重である締付け軸力P1と、コンロ
ッド15の質量に応じ、その回転運動により生じる慣性
力のうち大端部18が分担して受ける慣性力分担荷重P
2と、大端部18のボルト軸方向への熱膨張に対応した
熱膨張力P3とを加えた値、あるいはそれ以上の値に設
定される。このような荷重Pは、座面24,26の外形
を成形後に、周知のプレス機を使用し、剛性の高い素材
からなる圧接子27,28(二点鎖線で示す)を介し両
座面24,26に同時に加えられる。
【0009】なお、プレス機を用いず、図示しない圧接
子を兼ねた剛性材からなるボルト、ナット型の締付け装
置を用いて両座面24,26に荷重Pを加えても良い。
【0010】このようにして加えられた荷重により、座
面24,26の各下側の表層部241,261にはへた
りが生じ、荷重に応じた量δだけ陥没する(図中の1点
鎖線は表面処理前の状態を示す)。即ち、各表層部24
1,261は冷間において加工硬化され、その部分の組
織の硬度は高くなる。
【0011】ところで、座面24,26で生じるへたり
による陥没は、図6のように所定の荷重P0を加え始め
てから所定経過時間tの後は停止する。これは表層部の
加工硬化、つまり表層部が荷重P0を所定面積の押圧面
により受け、もはや変形が進行しない状態となった時点
で限界の面圧に耐え得る組織に変化するためであり、こ
のような傾向で生じる陥没の量δは、荷重Pや各材質の
硬度、およびボルト頭部211、ナット25と座面2
4,26との接触面積とにより変化する。
【0012】このようにコンロッド15の座面24,2
6には接触面積、材質、荷重Pを設定し、この荷重Pを
所定経過時間加え続けて、塑性変形としての陥没を生じ
させる表面処理を行う。そして、この表面処理を施した
後、締付けボルト21をボルト孔23に嵌着し、締付け
軸力P1で二股部19と連結部材20を締付けて、締結
する(実開昭57ー71810号公報等参照)。
【0013】このような表面処理の結果、エンジンの運
転時に座面24,26の変形(陥没)が進行することは
なくなり、初期の締付け軸力が維持される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの運転条件によっては、高温クリープが発生する温度
条件下(アルミ等の軽合金性コンロッドの場合、例えば
150〜200℃)でコンロッド15が使用される可能
性があり、この場合塑性変形によって加工硬化させた部
分が回復によって元の組織に戻ってしまい、座面24,
26の変形が進行して締付け軸力が低下してしまうとい
う問題がある。
【0015】また、図7、図8のように塑性変形した陥
没部分に応力が集中しやすく、コンロッド15側の耐久
性を確保することが困難になるという問題がある。
【0016】この発明は、締結時に被締結部材の面圧分
布を均一化して最高面圧値自体を低減し、被締結部材の
変形を回避して初期の締付け軸力を維持することができ
るボルト締結法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ボルト頭
部と被締結部材との間に、被締結部材よりも耐力が低
く、高温クリープを発生する温度が使用温度よりも高い
材質の座金を介装し、締結前にボルト頭部のうちボルト
軸断面の投影面にのみボルト軸方向に所定の荷重を加え
るようにする。
【0018】第2の発明は、第1の発明にて、加える荷
重は、ボルトの締付け荷重より大きくする。
【0019】
【0020】第3の発明は、第1、第2の発明にて、
締結部材はエンジンのコンロッドであって、クランクピ
ンに連結する2つ割りの大端部をボルトにて締結する。
【0021】
【作用】第1の発明では、ボルト頭部と被締結部材との
間の座金は、ボルト頭部のうちボルト軸断面の投影面に
のみボルト軸方向に所定の荷重を加えると、ボルト頭部
の面圧が均一になるように陥没する。これにより、締結
時に被締結部材の面圧分布が均一化され、最高面圧値が
低減され、被締結部材の変形が回避される。そして、被
締結部材よりも耐力が低く、高温クリープを発生する温
度が使用温度よりも高い材質の座金を用いることによ
り、被締結部材の陥没を確実に防止し、また座金のクリ
ープ変形の発生が回避され、良好な締結状態が得られ
る。
【0022】第2の発明では、第1の発明にて、ボルト
の締付け荷重より大きな荷重を加えることにより、一層
面圧が均一化される。
【0023】
【0024】第の発明では、エンジンのコンロッドの
2つ割りの大端部が確実に締結される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】図1はエンジンのコンロッドに適用した例
で、クランクピンに連結するコンロッドの2つ割り構造
のロッド本体40側の大端部41の要部を示す。
【0027】このロッド本体40側の大端部41の締結
部には、2つ割り構造大端部のもう一方の図示しない連
結部材を互いの合わせ面を重ね合わせて締結するよう
に、締結部ならびに連結部材に貫通するボルト孔42が
設けられる。
【0028】ボルト43にはボルト頭部44の形状が非
対称のものが用いられ、このボルト頭部44の形状に合
わせてロッド本体側締結部のボルト孔42回りの座面4
5が切欠き形成される。
【0029】そして、ボルト頭部44とロッド本体側締
結部の座面45との間に、ボルト頭部44とほぼ同形状
に形成された座金46が介装される。
【0030】この座金46は、ロッド本体40の材料よ
りも耐力が低く(軟らかい)、コンロッドの使用温度
(例えば150〜200℃)においてはクリープが起き
ないつまり高温クリープを発生する温度が使用温度より
も高い材料、例えば純鉄に近いS10C(機械構造用炭
素鋼)等から形成される。
【0031】そして、ボルト43を締結する前に、所定
のプレス装置を用いて、ボルト頭部44にボルト軸方向
に所定の荷重が加えられる。
【0032】この場合、図2のようにボルト43の軸部
47とほぼ同径のプレス棒48を、ボルト頭部44のう
ち軸部47断面の投影面に合わせて、荷重が加えられ
る。
【0033】また、その荷重はボルト43の設定締付け
荷重を越えるように設定される。
【0034】そして、この後、連結部材側のボルト43
の先端に図示しないナットが取付けられ、締結される。
【0035】このように、ボルト頭部44に所定の荷重
を加えると、ボルト頭部44とロッド本体側締結部の座
面45との間に介装した座金46が陥没する。
【0036】この場合、座金46の耐力はロッド本体4
0よりも低いので、ロッド本体40側が陥没することは
なく、またボルト頭部44のうちボルト軸断面の投影面
にのみボルト軸方向に荷重を加えるので、座金46は図
3のようにボルト頭部44の形状等に応じて面圧が大き
い部位ほど陥没、つまりボルト頭部44の面圧が均一に
なるように陥没する。
【0037】このため、ボルト頭部44の非対称形状、
剛性分布、ボルト頭部44と軸部47との直角度精度誤
差等に起因する面圧への影響が防止され、締結時に図4
のようにロッド本体40側の面圧分布が均一化される。
【0038】これにより、ロッド本体40側の最高面圧
値が低減されるため、ロッド本体40にて高温クリープ
の発生が回避され、また高温クリープを発生する温度が
使用温度よりも高い材料からなる座金46の高温クリー
プの発生が回避される。
【0039】したがって、ロッド本体40の破損が防止
されると共に、良好な締結状態が確保され、設定通りの
ボルト43の締付け軸力が維持される。
【0040】この締付け軸力の保持率は、例えば使用温
度200℃で100時間連続でエンジンを運転したとき
の条件で比べると、座金、荷重なしの場合に82.9%
の保持率であったものが、本発明のものでは93.6%
の保持率に向上することが確認されている。
【0041】なお、加える荷重はボルト43の設定締付
け荷重よりも大きくするので、締結時にロッド本体40
側の面圧分布が確実に均一化される。
【0042】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、座金
の陥没状態により、被締結部材の面圧分布が均一化され
ると共に、被締結部材の陥没ならびに座金のクリープ変
形の発生が回避され、ボルトの締付け軸力の低下が防止
され、良好な締結状態が得られる。
【0043】第2の発明によれば、被締結部材の面圧分
布が確実に均一化される。
【0044】
【0045】第の発明によれば、エンジン部品のボル
ト締結の高い信頼性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】部分斜視図である。
【図2】荷重を加える前の状態を示す断面図である。
【図3】荷重を加えたときの状態を示す断面図である。
【図4】締結時の面圧分布を示す断面図である。
【図5】従来のコンロッドの締結方法を示す正面図であ
る。
【図6】そのボルト座面表層部の陥没の進行状態を示す
特性図である。
【図7】そのボルト締結時の断面図である。
【図8】その面圧分布を示す断面図である。
【符号の説明】
40 ロッド本体 41 大端部 42 ボルト孔 43 ボルト 44 ボルト頭部 45 座面 46 座金 47 軸部 48 プレス棒
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−71810(JP,U) 実開 昭58−7906(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 31/04 - 31/06 F16C 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト頭部と被締結部材との間に、被締
    結部材よりも耐力が低く、高温クリープを発生する温度
    が使用温度よりも高い材質の座金を介装し、締結前にボ
    ルト頭部のうちボルト軸断面の投影面にのみボルト軸方
    向に所定の荷重を加えることを特徴とするボルト締結
    法。
  2. 【請求項2】 加える荷重は、ボルトの締付け荷重より
    大きい請求項1に記載のボルト締結法。
  3. 【請求項3】 被締結部材はエンジンのコンロッドであ
    って、クランクピンに連結する2つ割りの大端部をボル
    トにて締結する請求項1または2に記載のボルト締結
    法。
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JPH0644367U (ja) * 1992-11-02 1994-06-10 株式会社三協精機製作所 キャプスタンモータ

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