JP3323897B2 - 内燃機関のコネクティングロッド - Google Patents

内燃機関のコネクティングロッド

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JP3323897B2
JP3323897B2 JP25955193A JP25955193A JP3323897B2 JP 3323897 B2 JP3323897 B2 JP 3323897B2 JP 25955193 A JP25955193 A JP 25955193A JP 25955193 A JP25955193 A JP 25955193A JP 3323897 B2 JP3323897 B2 JP 3323897B2
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知広 加納
俊太郎 須藤
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Taiho Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のコネクティン
グロッドに関し、とくに軸受メタル背面にコーティング
が施されたコネクティングロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のコネクティングロッド大端部
と、大端穴に装着される軸受メタルとの間には、フレッ
ティング摩耗(微動摩耗)が生じやすい。近年の高回
転、高負荷エンジンの開発に伴い、また軽量化のための
アルミコネクティングロッド採用によるコネクティング
ロッドの剛性低下に伴い、その傾向が強まっている。フ
レッテイングが発生すると、そこを起点としてコネクテ
ィングロッドに亀裂が入って、長期間の使用の間に亀裂
が進展し、遂には折損にいたるおそれがある。実開昭5
3−146840号公報は、打音を軽減するために、S
PCCからなる軸受メタルの背面全面に合成樹脂を形成
したコネクティングロッドを開示している。軸受メタル
背面への合成樹脂層の形成は、フレッティング軽減に
も、不十分ではあるが効果のあることが本発明者等によ
り確認されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、軸受メタルは
コネクティングロッド本体、キャップに張りをもって装
着されるため、装着時に軸受メタル背面のコーティング
が剥がれる。剥離したコーティング材は一部がコネクテ
ィングロッド本体とキャップとの合わせ面に付着し、ま
た一部は軸受メタル背面と大端穴内面との間に入る場合
がある。コネクティングロッドとキャップとの合わせ面
に剥離コーティング材等の異物が噛み込むと、合わせ面
のフレッティング疲労が発生し、ボルトの軸力が低下
し、ボルト応力が増大し、これらはコネクティングロッ
ドの強度低下を生じる。また、軸受メタル背面と大端穴
内面との間に入った異物は、新たなフレッティングのも
ととなる。本発明の目的は、軸受メタルのコネクティン
グロッド大端穴への装着時に、軸受メタル背面のコーテ
ィングの剥れを防止できる内燃機関のコネクティングロ
ッドを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係わる内燃機関のコネクティングロッドは、
次の(1)または(2)から成る。 (1) 分割軸受部を有し該分割軸受部に半月形の軸受
メタルを装着した内燃機関のコネクティングロッドにお
いて、前記軸受メタルの周方向端部を除く背面にコーテ
ィングを施した内燃機関のコネクティングロッド。 (2) 分割軸受部を有し該分割軸受部に半月形の軸受
メタルを装着した内燃機関のコネクティングロッドにお
いて、前記軸受メタルの周方向端部背面を面取りし、軸
受メタル背面全面にコーティングを施した内燃機関のコ
ネクティングロッド。
【0005】
【作用】軸受メタルは張りをもたせてコネクティングロ
ッド大端穴に装着されるため、軸受メタル両端部背面が
コネクティングロッド分割部の分割面近傍の内周面と圧
接する。軸受メタルをコネクティングロッド本体、キャ
ップに装着するとき、合わせ面と内周面との角部に軸受
メタル周方向両端部の背面が当たってコーティングが剥
がれる。しかし、上記(1)のコネクティングロッドで
は、軸受メタルの周方向両端部の背面には、コーティン
グが施されていないからコーティングが軸受メタル両端
部背面から剥がれるという問題は生じない。また、上記
(2)のコネクティングロッドでは、軸受メタルの周方
向端部背面を面取りしてあるので、そこにコーティング
があっても、該コーティングがコネクティングロッド本
体、キャップの角と強くこすれ合うことはなく、コーテ
ィングの剥がれの問題は生じない。
【0006】
【実施例】以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を
参照して説明する。図1は、内燃機関のコネクティング
ロッド10を示している。コネクティングロッド10
は、コネクティングロッド本体2と、キャップ3と、コ
ネクティングロッド本体2とキャップ3とを締結するボ
ルト5、ナット4と、コネクティングロッド本体2とキ
ャップ3とで形成される大端穴の内周面に装着される軸
受メタル1とから成る。軸受メタル1は一対あり、各々
半月状である。軸受メタル1の合わせ部は、コネクティ
ングロッド本体2のキャップ3との合わせ面6と一致す
る。軸受メタル1は張りをもたせて、コネクティングロ
ッド本体2、キャップ3の大端半穴に装着され、コネク
ティングロッド本体2、キャップ3からの抜け落ちが防
止されている。コネクティングロッド本体2およびキャ
ップ3はアルミ合金またはスチールからなり、軸受メタ
ル1は軟鋼板で、冷間圧延鋼板(SPCC)からなる。
【0007】軸受メタル1の内面には、アルミ系合金ま
たは銅系軸受合金からなるライニング7が形成されてい
る。このアルミ系合金には、とくに限定されるものでは
ないが、たとえばAlに3〜20wt%のSnと、10
wt%以下のSi、2.5wt%以下のCuおよび/ま
たはMg、5wt%以下のPbを含有させたものが使用
される。また、軸受合金としては、Sn−Pb−Cu系
のバビットメタル、Cu−Pb系のケルメットメタルが
使用される。ケルメットメタルは通常オーバレイメッキ
されて使用される。
【0008】軸受メタル1の背面(大端穴内周面に接触
する面)には、軸受メタル背面と大端穴面とのフレッテ
ィング防止のために、所定部位に、コーティング8が施
される。このコーティング8は合成樹脂からなる。この
合成樹脂にはPAI(ポリアミドイミド)が用いられ、
固体潤滑材が含有されていてもよい。固体潤滑材は、硬
さが鉛筆硬度で1H〜4Hであり、M0 2 、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、グラファイトのう
ち、1種類または2種類以上が用いられ、全重量比で2
7%(乾燥後完成被膜の状態での組成比)以下、望まし
くは5〜16wt%含有されるようにする。軸受メタル
1の背面に合成樹脂のコーティング8を形成する方法と
しては、まず軸受メタル1の背面の表面をペーパ(セラ
ミックの入ったペーパ等)で粗らし、ついで脱脂し、そ
の後スプレーコート、またはディッピング(浸漬)、ま
たはプリント印刷等により、所定の膜厚にコーティング
する。その後、160℃〜220℃で約30分間焼成す
ることによりコーティング8を完成させる。
【0009】軸受メタル1を張りをもたせてコネクティ
ングロッド本体2、キャップ3に装着するとき、図4に
示すように軸受メタル1の周方向両端部の背面(大端穴
内周面に接触する方の面)は強くコネクティングロッド
本体、キャップ3の角とこすれ合う。したがって、もし
も、軸受メタル1の周方向両端部の背面にコーティング
が施されていれば、この部位のコーティングは軸受メタ
ル1から剥がれやすい。しかし、本発明では、次の各実
施例で説明するように剥がれが問題とならないようにコ
ーティングが施される。
【0010】つぎに、各実施例に特有な構成を説明す
る。第1実施例では、図2に示すように、軸受メタル1
の周方向両端部を除く背面にコーティング8が施され
る。すなわち、軸受メタル1の周方向両端部の背面に
は、合成樹脂のコーティング8は施されない。合成樹脂
コーティング8が施されない、周方向の最先端からの角
度範囲aは、5〜15°に設定される。5°より小では
装着時に剥がれが生じ、15°より大では本来の目的で
あるメタルとロッド間のフレッティング発生領域にコー
ティングがないため、フレッティング発生防止が達成で
きないためである。軸受メタル1は外周に突出する爪1
aをもっており、この爪1aをaの範囲に入れることに
よって、爪1aの部位を外してコーティングできるよう
にしてある。爪1aの存在する領域で規定厚さのコーテ
ィング8を形成することは困難であるが、上記のように
することによってコーティング8の形成が容易になり、
コスト低減がはかられる。
【0011】第2実施例では、図3に示すように、軸受
メタル1の周方向両端部の角度a(5°〜15°)の範
囲の外周に面取り9を施し、その後軸受メタルの外周面
全面に(面取り9した部位の外周にも)合成樹脂のコー
ティング8を施すようにする。この面取り9によって、
面取り部の大端穴内周面との圧接または接触が避けられ
る。本実施例の場合には15°より大きく面取りを施す
と十分な張りをメタルに発生できなくなるため、このよ
うな制約となっている。
【0012】つぎに、本発明の作用を説明する。第1実
施例では、軸受メタル1の周方向両端部の背面にコーテ
ィング8が施されていないので、軸受メタル1をコネク
ティングロッド本体2、キャップ3に装着するときに、
軸受メタル1の外面が、合わせ面6と大端穴内周面との
接続角部にあたっても、コーティング8が無いところで
あるから削りとられることはない。したがって、削りと
られたコーティング材からなる異物が、コネクティング
ロッド本体2とキャップ3との合わせ面6に付着して、
それが合わせ面6のフレッティングのもとになることは
なく、また合わせ面6のフレッティングによって生じる
ボルト5のゆるみ、ボルト5の強度低下などの問題が引
き起こされることはない。
【0013】第2実施例では、軸受メタル1の周方向両
端部の背面が面取りされ、そこにもコーティング8が施
されるので、面取り9によって軸受メタル1と大端穴内
周面とが圧接されることはなくなり、あるいは接触する
ことがなくなる。このため、軸受メタル装着時にコーテ
ィング8が剥がれることがなくなる。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、軸受メタルの
周方向両端部背面にコーティングを施さないので、軸受
メタル装着時にコーティングの剥がれが防止され、剥離
したコーティングからなる異物による種々のトラブルの
発生が防止される。請求項2の発明によれば、軸受メタ
ルの周方向両端部背面を面取りして軸受メタル背面全面
にコーティングを施したので、軸受メタル装着時の軸受
メタルと大端穴内周面との圧接、こじりが防止され、剥
離したコーティングからなる異物による種々のトラブル
の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関のコネクティングロッドの、
一部を断面で示した全体正面図である。
【図2】本発明の第1実施例における、軸受メタルの正
面図である。
【図3】本発明の第2実施例における、軸受メタルの正
面図である。
【図4】軸受メタル装着時の状態を示す軸受メタルとコ
ネクティングロッド本体の一部正面図である。
【符号の説明】
1 軸受メタル 2 コネクティングロッド本体 3 キャップ 4 ナット 5 ボルト 6 合わせ面 8 コーティング 9 面取り 10 コネクティングロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−104020(JP,U) 実開 昭57−71812(JP,U) 実開 平5−96539(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 9/04 F16C 33/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割軸受部を有し該分割軸受部に半月形
    の軸受メタルを装着した内燃機関のコネクティングロッ
    ドにおいて、前記軸受メタルの周方向端部を除く背面に
    コーティングを施したことを特徴とする内燃機関のコネ
    クティングロッド。
  2. 【請求項2】 分割軸受部を有し該分割軸受部に半月形
    の軸受メタルを装着した内燃機関のコネクティングロッ
    ドにおいて、前記軸受メタルの周方向端部背面を面取り
    し、軸受メタル背面全面にコーティングを施したことを
    特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。
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