JP3020298B2

JP3020298B2 - バルコニー

Info

Publication number: JP3020298B2
Application number: JP3085302A
Authority: JP
Inventors: 省吾松下
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1991-04-17
Filing date: 1991-04-17
Publication date: 2000-03-15
Anticipated expiration: 2015-03-15
Also published as: JPH04319136A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ユニット住宅等の建物
に組み付けられるバルコニーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建物に組み付けられるバルコニー
としては、例えば特開昭58-138842号公報，実開昭56-14
101号〜14106号公報等に示されるようなものがあるが、
これらのバルコニーは、いずれも現場で床，柱，手摺り
を組み立てて完成されるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バルコニーの組立方式では、ある程度組み上げられた部
材を現場で組み立てることになるが、それでも現場にお
ける施工作業が多く、バルコニーの完成までにかなりの
時間を費やす必要がある。

【０００４】さらに、バルコニー組立に要する部材が未
だばらばらの状態であるため、現場での組立に際して、
部材を紛失したり、間違った箇所に部材を取り付けたり
することもある。

【０００５】本発明は、このような課題を解決するため
に、工場における組立施工を行うことで、現場における
施工作業の省力化、工期短縮および品質の向上を実現し
たバルコニーを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
バルコニーは、建物に組み付けられるバルコニーを上階
居室に隣接する奥側ユニットと該奥側ユニットに連続す
る前側ユニットの少なくとも２つに分割し、これらのユ
ニットを、各ユニット毎に工場において床、手摺を予め
組み立てて構成し、予め組み立てられた前記の各ユニッ
トを、現場において前記建物の所定位置に設置して固定
してなり、各ユニットの床面が、連続的な水勾配を成す
ように形成されていることを特徴としている。

【０００７】本発明の請求項２記載のバルコニーは、請
求項１記載のバルコニーにおいて、奥側ユニットは、床
の両側に手摺を工場において予め組み立てて構成したも
のであり、前側ユニットは、床の周縁部に手摺りを工場
において予め組み立てて構成したものであることを特徴
としている。また、本発明の請求項３記載のバルコニー
は、請求項１又は２記載のバルコニーにおいて、前側ユ
ニットは、横方向に複数個に分割したものであること特
徴としている。

【０００８】

【作用】上述した本発明の請求項１〜３記載のバルコニ
ーは、いずれも、上階居室に隣接する奥側ユニットと該
奥側ユニットに連続する前側ユニットの少なくとも２つ
のユニットとして、工場で予め構成されているため、バ
ルコニーの現場での組立は、各ユニットを現場まで搬送
して建物の所定位置に設置、固定するだけで行われる。
従って、現場にて従来のごとく細かい部材からバルコニ
ーを組み立てる必要がなくなる。また、各ユニットを建
物の所定位置へ設置した時に、その床面が連続的な水勾
配を形成するため、バルコニー組立後、このバルコニー
床面上の雨水は、水勾配に沿って円滑に流れる。請求項
３記載のバルコニーによれば、前側ユニットを横方向に
複数個に分割したから、居室のサイズに対応したバルコ
ニーをサイズ毎に用意する必要がなくなり、従って部品
点数を少なくして形成することができる。

【０００９】

【００１０】

【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
バルコニーの組立方式について説明すると、図１はその
組立方式を説明するための分解斜視図、図２は本実施例
のバルコニー組立後の状態を示す側面図である。

【００１１】本実施例では、図１に示すように、バルコ
ニー１（図２参照）は、前後２つのユニットつまり２階
居室ユニット１３に隣接する奥側ユニット２とこの奥側
ユニット２に連続する前側ユニット３とに分割され、こ
れらのユニット２、３が、各ユニット２、３毎に工場に
おいて予め構成されている。

【００１２】ここで、奥側ユニット２は、図２に示すご
とく１階居室ユニット１１上に載置される床４と、この
床４両側に配置されアルミ外壁パネル(またはアルミ格
子パネル)５ａおよび手摺り子６ａ等からなる手摺り
５，６とを工場において組み立てて構成されている。

【００１３】また、前側ユニット３は、図２に示すごと
く１階居室ユニット１２上からオーバーハングして載置
される床７と、この床７周縁に沿ってコ字形状に配置さ
れアルミ外壁パネル(またはアルミ格子パネル)８ａおよ
び手摺り子９ａ等からなる手摺り８，９とを工場におい
て組み立てて構成されている。

【００１４】なお、手摺り５，８を構成するアルミ外壁
パネル(またはアルミ格子パネル)５ａ，８ａとしては、
バルコニー１を組み付ける住宅外観に係るデザイン(格
子の形状，色，バランス；パネルの塗装，色，仕上げ
等)ものを選択する。

【００１５】さらに、前側ユニット３においては、床７
のオーバーハング部分(バルコニー軒先)内に、図２に示
すように、軒樋１０が工場にて取り付けられるほか、手
摺り８，９が倒れに対して強度不足である場合、工場で
控え柱１４を適当な位置に立てておく。なお、控え柱１
４を立てることができない場合には、仮梁など用いて倒
れ防止を行ない、工場から現場へ搬送してから、現場で
控え柱１４を立ててもよい。

【００１６】そして、各ユニット２，３の床４，７の床
面４ａ，７ａは、居室ユニット(建物)１１，１２の所定
位置への設置時に、ユニット２側からユニット３側へ降
傾斜する連続的な水勾配を成すように形成されている。
また、各ユニット２，３の床４，７の立ち上げレベル
は、軒樋１０のオーバーフロー時を考慮し、バルコニー
１と隣接する２階居室ユニット１３の窓１３ａ下縁位置
よりも低く設定されている。

【００１７】上述のごとく工場において予め組み立てら
れた各ユニット２，３は、工場から現場へ搬送され、現
場において、クレーン等によりそれぞれ１階居室ユニッ
ト１１，１２上の所定位置に設置された後、ボルト(図
示せず)により締付固定されて、バルコニー１の組立を
完了する。

【００１８】このように、本実施例によれば、バルコニ
ー１が２階居室ユニット１３に隣接する奥側ユニット２
とこの奥側ユニット２に連続する前側ユニット３とに分
割され、前後２つのユニット２、３として工場にて予め
構成されるので、次のような効果が得られる。現場で
のバルコニー１の組立作業が少なくなり、一日でバルコ
ニー仕上げまで終了できる。現場にて、従来のごとく
細かい部材からバルコニー１を組み立てる必要がなくな
り、細かい部材を探す手間が省け、部材の紛失や取付間
違いが生じることもない。バルコニー１のほとんどの
部分が工場にて組立られるため、雨仕舞などの品質が大
幅に向上する。バルコニー１の外側に組み付けられる
部品（軒樋１０等）も工場にて取り付けられるため、現
場における高所作業もほとんどなくなり、現場での足場
が不要になるほか、作業の安全性が確保される。

【００１９】また、本実施例では、手摺り５，６，８，
９を構成するに際して、アルミ外壁パネル(またはアル
ミ格子パネル)５ａ，８ａおよび手摺り子６ａ，９ａが
用いられ、比較的安価なものとすることができるほか、
アルミ外壁パネル(またはアルミ格子パネル)５ａ，８ａ
のデザインを適宜選択することにより、多種多様な住宅
に導入され組み付けられるバルコニーのユニットを製造
することができる。

【００２０】さらに、各ユニット２，３を１階居室ユニ
ット１１，１２上の所定位置へ設置した時には、その床
面４ａ，７ａが連続的な水勾配を形成するため、バルコ
ニー１の組立後、このバルコニー１の床面４ａ，７ａ上
の雨水は、水勾配に沿って円滑に流れ、軒樋１０へ流れ
込む。

【００２１】なお、上記実施例では、前側ユニット３を
１階居室ユニット１２上からオーバーハングさせて載置
する場合について説明しているが、前側ユニット３をオ
ーバーハングさせることなく、１階居室ユニット１２上
に載置してもよく、上記実施例と同様の作用効果が得ら
れる。ただし、この場合、床７のオーバーハング部分内
に取り付けた軒樋１０を、前側ユニット３の外側つまり
バルコニー１の軒先に取り付ける。

【００２２】また、上記実施例では、バルコニー１を前
後２のユニット２，３に分割した場合について説明した
が、本発明の方式はこれに限定されるものではない。例
えば、図３(ａ)〜(ｌ)に示すように、バルコニー１Ａ〜
１Ｌを組み付ける居室ユニットのサイズに応じて、その
分割ユニットをシステム化することができる。

【００２３】つまり、図３(ａ)〜(ｌ)に示すように、居
室ユニットの幅および広さに応じて、奥側ユニット２Ａ
〜２Ｈと、前側ユニット３Ａ〜３Ｄと、横方向に分割さ
れて前側ユニットを構成する各種のユニット３Ｅ〜３Ｉ
とを工場製作することにより、各種居室ユニットに対応
したバルコニー１Ａ〜１Ｌを、容易な現場作業により組
み立てることができる。

【００２４】図３(ａ)〜(ｄ)に示すバルコニー１Ａ〜１
Ｄは、それぞれ奥側ユニット２Ａ〜２Ｄと前側ユニット
３Ａ〜３Ｄとから組み立てられ、図３(ｅ)〜(ｈ)に示す
バルコニー１Ｅ〜１Ｈは、それぞれ奥側ユニット２Ｅ〜
２Ｈと前側ユニット３Ａ〜３Ｄとから組み立てられてい
る。また、図３(ｉ)に示すバルコニー１Ｉは、奥側ユニ
ット２Ａと、２つのユニット３Ｅ，３Ｆからなる前側ユ
ニットとから組み立てられ、図３(ｊ)に示すバルコニー
１Ｊは、奥側ユニット２Ｂと、２つのユニット３Ｅ，３
Ｇからなる前側ユニットとから組み立てられ、図３(ｋ)
に示すバルコニー１Ｋは、奥側ユニット２Ｃと、３つの
ユニット３Ｅ，３Ｈ，３Ｇからなる前側ユニットとから
組み立てられ、図３(ｌ)に示すバルコニー１Ｌは、奥側
ユニット２Ｄと、３つのユニット３Ｅ，３Ｉ，３Ｇから
なる前側ユニットとから組み立てられている。

【００２５】さらに、本発明は、上記実施例に限定され
ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変
更等があっても、本発明の範囲に含まれる。

【００２６】以上詳述したように、本発明の請求項１〜
３記載のバルコニーは、上階居室に隣接する奥側ユニッ
トと該奥側ユニットに連続する前側ユニットの少なくと
も２つに分割し、これらのユニットを、各ユニット毎に
工場において床、手摺を予め組み立てて構成し、予め組
み立てられた前記の各ユニットを、現場において前記建
物の所定位置に設置して固定するという簡素な構成によ
り、現場における施工作業の省力化、工期短縮および品
質の向上を実現できる効果がある。

【００２７】また、各ユニットを建物の所定位置へ設置
した時に、その床面が連続的な水勾配を形成するため、
バルコニー組立後、このバルコニー床面上の雨水を、水
勾配に沿って円滑に流せる効果もある。さらに、請求項
３記載のバルコニーでは、前側ユニットを横方向に複数
個に分割したから、居室のサイズに対応したバルコニー
をサイズ毎に用意する必要がなくなり、従って部品点数
を少なくして形成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としてのバルコニーの組立方
式を説明するための分解斜視図である。

【図２】本実施例のバルコニー組立後の状態を示す側面
図である。

【図３】(ａ)〜(ｌ)はいずれも本発明の方式を適用され
るバルコニーの分割例を示す平面図である。

【符号の説明】

１，１Ａ〜１Ｌバルコニー２，２Ａ〜２Ｈ奥側ユニット３，３Ａ〜３Ｉ前側ユニット４床４ａ床面５，６手摺り５ａアルミ外壁パネル(またはアルミ格子
パネル) ６ａ手摺り子７床７ａ床面８，９手摺り８ａアルミ外壁パネル(またはアルミ格子
パネル) ９ａ手摺り子１０軒樋１１，１２１階居室ユニット１３２階居室ユニット１３ａ窓１４控え柱

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】建物に組み付けられるバルコニーを上階
居室に隣接する奥側ユニットと該奥側ユニットに連続す
る前側ユニットの少なくとも２つに分割し、これらのユ
ニットを、各ユニット毎に工場において床、手摺を予め
組み立てて構成し、予め組み立てられた前記の各ユニッ
トを、現場において前記建物の所定位置に設置して固定
してなり、各ユニットの床面が、連続的な水勾配を成す
ように形成されていることを特徴とするバルコニー。
【請求項２】前記奥側ユニットは、床の両側に手摺り
を工場において予め組み立てて構成したものであり、前
記前側ユニットは、床の周縁部に手摺りを工場において
予め組み立てて構成したものであることを特徴とする請
求項１記載のバルコニー。
【請求項３】前記前側ユニットは、横方向に複数個に
分割したものであること特徴とする請求項１又は２記載
のバルコニー。