JP3019900B2 - 人体検出装置 - Google Patents

人体検出装置

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JP3019900B2
JP3019900B2 JP2873493A JP2873493A JP3019900B2 JP 3019900 B2 JP3019900 B2 JP 3019900B2 JP 2873493 A JP2873493 A JP 2873493A JP 2873493 A JP2873493 A JP 2873493A JP 3019900 B2 JP3019900 B2 JP 3019900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、座席や寝床での人の有
無を検出する人体検出装置に関し、更に詳しくは劇場や
車内等の在席人数を把握し、また、病院等でのベッドの
在床管理を行なって、これら室内の空調制御や音場制御
をする場合の人体検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の人体検出装置は、例えば図6に示
すような構成になっていた。ここでは座席上に設置され
た場合を示している。座席19の座面に配設された人の
体動を検出する圧電素子14と、圧電素子14からの出
力の内ある周波数成分のみをろ波するフィルター15
と、フィルター15からの出力信号を増幅する増幅手段
16と、増幅手段16からの出力信号を平滑化する平滑
化手段17と、平滑化手段17からの出力信号に基づき
座席上の人の有無を判定する判定手段18とから構成さ
れていた。
【0003】人体が座席19上に着座すると座席19に
配設された圧電素子14が人体の体動により変形を受
け、圧電効果により電圧が発生する。発生した電圧信号
のある特定の周波数成分がフィルター15によりろ波さ
れ、増幅手段16により増幅され、平滑化手段17によ
り平滑化される。図7に着座の際の平滑化手段17の出
力信号波形を示す。図7より着座、手足の動き、離座と
いった粗体動の場合は全身にわたる動作であるので圧電
素子14は大きな変形を受けて平滑化手段17からは大
きな信号波形がでるが、着座した人が安静状態を保って
いると人体の心臓の活動や呼吸活動により伝搬される身
体の微小な体動により図7のS部のような比較的レベル
の低い出力がでる。また、図7に示すように物を座席に
置いた場合は、置いた直後は大きな出力がでるが、物に
は上記のような心臓の活動や呼吸活動がないので図7の
S部のような出力はでない。このような人と物との信号
の違いを用いることにより人と物との区別を行ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術の人体検出装置では、機器上の人が安静状態を保って
いる状態の比較的レベルの低い出力信号を検出して人の
存在の有無を判定する場合、この信号は非常に微弱な信
号であるため、増幅手段では増幅率を非常に大きな値に
する必要があり、回路が複雑になる上、ノイズの影響を
受けやすくなる等の課題があった。
【0005】本発明の第1の目的は、小さな増幅率で安
静状態の人の体動を検出できる人体検出装置を提供する
ことにある。
【0006】また、本発明の第2の目的は、ノイズ等に
よる誤動作の少ない人体検出装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明は、機器の人体との接触面に配設された
圧電素子と、前記圧電素子の出力信号のある特定の周波
数成分をろ波するフィルターと、前記フィルターの出力
信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号の
高周波成分の周期より大きな時間中の最大変位量を検出
する最大変位量検出手段と、前記最大変位量検出手段の
出力に基づき前記機器での人の有無を判定する判定手段
とからなる。
【0008】また、上記第2の目的を達成するために本
発明は、機器の人体との接触面に配設された圧電素子
と、前記圧電素子の出力信号のある特定の周波数成分を
ろ波するフィルターと、前記フィルターの出力信号を増
幅する増幅手段と、前記増幅手段の出力信号の高周波成
分の周期より大きな時間の最大変位量を検出する最大
変位量検出手段と、前記最大変位量量検出手段の出力信
号を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化手段の出力に
基づき前記機器での人の有無を判定する判定手段とから
なる。
【0009】
【作用】本発明は上記構成によって以下のように作用す
る。人体が機器の人体との接触面に接触し人体による圧
力が加わると、人体との接触面に配設された圧電素子が
人体の体動により変形を受け、圧電効果により電圧が発
生する。発生した電圧信号のある特定の周波数成分がフ
ィルターによりろ波され、増幅手段により増幅され、最
大変位量検出手段により高周波成分の周期より大きな
間中の最大変位量が検出される。そして最大変位量検出
手段の出力に基づき機器での人の存在の有無が判定され
る。
【0010】また本発明は上記構成によって、人体が機
器の人体との接触面に接触し人体による圧力が加わる
と、人体との接触面に配設された圧電素子が人体の体動
により変形を受け、圧電効果により電圧が発生する。発
生した電圧信号のある特定の周波数成分がフィルターに
よりろ波され、増幅手段により増幅され、最大変位量検
出手段により高周波成分の周期より大きな時間中の最大
変位量が検出される。最大変位量検出手段の出力信号は
平滑化手段により平滑化され、この平滑化手段の出力に
基づき機器での人の存在の有無が判定される。
【0011】
【実施例】以下本発明の第1の実施例を添付図面に基づ
いて説明する。図1は本実施例のブロック図である。こ
こでは機器として座席に設置した場合を示す。図1にお
いて、1は圧電素子、2はフィルター、3は増幅手段、
4は最大変位量検出手段、5は判定手段である。圧電素
子1はポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧
電材料を薄膜状にし両面に可とう性の電極膜を付着させ
テープ状に成形されたもので、ここでは座席6の表布下
に配設している。
【0012】上記実施例の構成による作用を以下に説明
する。人体が座席に着座すると座席に配設された圧
電素子1が人体の体動により変形を受け、圧電効果によ
り電圧が発生する。フィルター2により圧電素子1の出
力信号のある特定の周波数成分がろ波され、増幅手段3
により増幅される。図2(a)に着座した人が安静状態
を保っている場合の増幅手段3の出力信号波形を示す。
着座した人が安静状態を保っていると人体の心臓の活動
や呼吸活動により伝搬される身体の微小な体動により図
2(a)に示すような高周波成分と低周波成分の混在し
た信号が得られる。ここで、低周波成分は人体の心臓の
活動や呼吸活動による成分であるが、高周波成分は圧電
素子に起因する変動成分であるので、高周波成分を取
り除くために信号処理が必要となる。ここでは最大変位
量検出手段により高周波成分の周期より大きな時間中
の最大変位量を検出することによって高周波成分を取り
除いている。最大変位量検出手段の出力信号を図2
(b)に示す。このように高周波成分は取り除かれ、低
周波成分の特徴のみを取り出すことができる。一方、従
来の技術の在席検出装置では平滑化手段により平滑化す
ることによって高周波成分を除去していたが、このよう
な信号を平滑化した場合、高周波成分が含まれるために
得られる信号は非常に小さくなる。ここでは高周波成分
の除去に最大変位量検出手段を用いることによって、
平滑化手段17を用いた場合に比較して得られる出力信
号の大きさが図2(b)での約5倍となっている。従っ
て、ここでは、最大変位量検出手段を用いる場合で
は、平滑化手段17のみを用いる場合と同じ大きさの信
号を得るために必要な増幅手段の増幅率を平滑化手段
17のみの場合の1/5程度とすることでき、すなわ
ち、従来例よりも小さな増幅率で人の在席の有無を判別
することができる。
【0013】上記作用により、人体の安静状態の微弱な
体動から得られる微弱な信号の最大変位量を検出するこ
とにより小さな増幅率で機器上での人体の有無を判別で
きるので、単純な回路で、ノイズの影響の少ない人体検
出装置を提供することができるといった効果がある。
【0014】次に、本発明の第2の実施例を添付図面に
基づいて説明する。図3は本実施例のブロック図であ
る。図3において本実施例が上記第1の実施例と相違す
る点は、最大変位量検出手段10の後に最大変位量検出
手段10の出力を平滑化する平滑化手段11を有した点に
ある。
【0015】上記構成による作用を以下に説明する。最
大変位量検出手段10からの出力値は高周波成分の周期
より大きな時間中の信号の内の最大変位量を検出して出
力とするため、ノイズ等により一瞬の波形の乱れが発生
するとその時の値をそのまま出力してしまい、人体が機
器上に存在していない場合でも人体が存在すると誤判定
する場合があることが分かった。この課題を解決するた
めに、最大変位量検出手段10の出力を平滑化する平滑
化手段11を備えている。
【0016】図4、及び図5に本実施例の信号変換結果
を示す。まず、図4では、人が不在の場合を示してい
る。(a)は増幅手段9の出力信号を示す。Aにノイズ
による波形の乱れがみられる。(b)は(a)の信号を
最大変位量検出手段10により変換した出力信号を示
す。(a)に示されたノイズによる波形の乱れはA´
現われている。(c)は(b)の信号を平滑化手段11
で平滑化した信号を示す。ここではノイズによる波形の
乱れはAに示すようにかなり小さくなっていることが
分かる。
【0017】次に、図5に人体が在席の場合を示す。
(a)は増幅手段9の出力信号を示す。Bにノイズによ
る波形の乱れがみられる。(b)は(a)の信号を最大
変位量検出手段10により変換した出力信号を示す。
(a)に示されたノイズによる波形の乱れはB´に現わ
れている。(c)は(b)の信号を平滑化手段11で平
滑化した信号を示す。ここではノイズによる波形の乱れ
はBに示すようにかなり小さくなっていることが分か
る。また、平滑化後の出力信号の波形は図2(b)と比
較すると平滑化しているため滑らかになり位相も変化し
ているが人体の体動による信号はとらえられており、人
体の在、不在に関わらずノイズによる影響を少なくする
ことが可能になっている。
【0018】上記作用により本発明は、ノイズによる波
形の乱れを少なくすることができるので、ノイズによる
影響を少なくすることが可能で、誤判定の少ない人体検
出装置を提供することができる。
【0019】以上の実施例により、劇場内や車内等の在
席人員や空席の把握や、病院等でのベッド上の在床管理
が、小さな増幅率でも精度よく行える。また、室内や車
内の空調制御や音場制御に応用すれば、在席場所に応じ
た空調制御や音場制御が可能となり室内の快適性が高ま
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の人体検出装
置によれば次の効果が得られる。
【0021】すなわち、安静時の身体の微小な体動によ
る信号の高周波成分の周期より大きな時間中の最大変位
量を検出するので、小さな増幅率で人体の存在の有無を
判定することができる。
【0022】また、検出した最大変位量を平滑化するの
で、ノイズによる影響を小さくすることが可能で、誤動
作の少ない人体検出装置を提供できるといった効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における人体検出装置の
ブロック図
【図2】(a)同装置における増幅手段の出力信号の波
形図 (b)同装置における最大変位量検出手段の出力信号の
波形図
【図3】本発明の第2の実施例における人体検出装置の
ブロック図
【図4】(a)同装置における不在時の増幅手段の出力
信号の波形図 (b)同装置における不在時の最大変位量検出手段の出
力信号の波形図 (c)同装置における不在時の平滑化手段の出力信号の
波形図
【図5】(a)同装置における在席時の増幅手段の出力
信号の波形図 (b)同装置における在席時の最大変位量検出手段の出
力信号の波形図 (c)同装置における在席時の平滑化手段の出力信号の
波形図
【図6】従来の人体検出装置のブロック図
【図7】従来の平滑化手段の出力信号の波形図
【符号の説明】
1、7、14 圧電素子 2、8、15 フィルター 3、9、16 増幅手段 4、10 最大変位量検出手段 5、12、18 判定手段 6、13、19 座席 11、17 平滑化手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−28344(JP,A) 特開 昭64−6785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 9/00 B60N 2/44 B60N 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機器に設けられた圧電素子と、前記圧電素
    子の出力信号のある特定の周波数成分をろ波するフィル
    ターと、前記フィルターの出力信号を増幅する増幅手段
    と、前記増幅手段の出力信号の高周波成分の周期より大
    きな時間中の最大変位量を検出する最大変位量検出手段
    と、前記最大変位量検出手段の出力信号に基づき前記機
    器での人の有無を判定する判定手段とからなる人体検出
    装置。
  2. 【請求項2】機器に設けられた圧電素子と、前記圧電素
    子の出力信号のある特定の周波数成分をろ波するフィル
    ターと、前記フィルターの出力信号を増幅する増幅手段
    と、前記増幅手段の出力信号の高周波成分の周期より大
    きな時間中の最大変位量を検出する最大変位量検出手段
    と、前記最大変位量検出手段からの出力を平滑化する平
    滑化手段と、前記平滑化手段の出力信号に基づき前記機
    器での人の有無を判定する判定手段とからなる人体検出
    装置。
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JP3766145B2 (ja) * 1996-10-16 2006-04-12 株式会社日本自動車部品総合研究所 車室内状況検出装置
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JP6926680B2 (ja) * 2017-05-31 2021-08-25 株式会社リコー 在席検知システム、在席検知装置、在席検知方法およびプログラム

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