JP3019732U - 木造軸組構造建築におけるコ−ナ−接続補強金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木造軸組構造建築におけるコ−ナ−接続補強
金具を提供する。 【構成】 直角三角形の金属板１を用い、その金属板１
の直角を共有する各辺縁部に釘孔４を配設した断面クラ
ンク状の折曲げ代１ａ，１ｂを、また斜辺縁部には前記
折曲げ代１ａ，１ｂと対向側へ直角折曲げ代１ｃを、直
角三角形を形成する折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃでそれぞれ
屈曲形成して成る木造軸組構造建築におけるコ−ナ−接
続補強金具である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、木造軸組構造の建築において、柱、桁、土台等の構造部材が直角に 接続されているコ−ナ−部分に使用する補強金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

これまで、木造軸組構造の建築において、柱、桁、土台等の構造部材が直交す るコ−ナ−部分を補強するため、金属プレ−ト製の補強金具が提供されている。 この補強金具は、金属プレ−ト（図４中の符号Ｐ）に釘孔を設けた簡単な構造 のもので、柱と桁、柱と土台等のコ−ナ−部分に掛け渡してその外側面から釘留 めする形式ものであり、この補強金具なしの軸組みに比べ耐震、耐衝撃性を増す ものの一定のマグニチュ−ド以上の地震あるいは極度の衝撃に遭うと、本来直交 状態であるはずの柱と桁、柱と土台とのコ−ナ−接続部分に角度の歪みが生じ、 掛け渡してある金属プレ−トの打込み釘が主として側方から加わった力によって 変形し、抜けやすくなるなど、未だ充分な補強の役目を果すに至っていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、一般に地震、衝撃に弱いとされる 木造軸組構造の建築において、直交する柱と桁、柱と土台とが接続されているコ −ナ−部分において、強い地震、衝撃に遭遇しても充分に耐えられる強力な補強 金具を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案は、直角三角形の金属板１を用い、その金 属板１の直角を共有する各辺縁部に釘孔４を配設した断面クランク状の折曲げ代 １ａ，１ｂを、また斜辺縁部には前記折曲げ代１ａ，１ｂと対向側へ直角折曲げ 代１ｃを、直角三角形を形成する折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃでそれぞれ屈曲形成し て成る木造軸組構造建築におけるコ−ナ−接続補強金具である。

【０００５】

【作用】

本考案は上記構成なので、その補強金具は、図４に示すように、柱Ｘと桁Ｙ、 柱と土台Ｚ等（図４中符号Ｗは筋交である）の構造部材が直交するコ−ナ−部分 を壁内部面側からサポ−トする構造なので釘の保釘力のみによってではなく、補 強金具自体の折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃ内の直角三角形板面５と折曲げ代１ｃで突 っ張っての補強状態となる。 さらに、本補強金具の折曲げ代１ａ，１ｂが、構造部材のコ−ナ−部へ内面と 側面の二面にその釘孔４に釘打ち固着され、地震等の揺れによる変形によりコ− ナ−内角の角度が開く場合にもまた閉じる場合にもいずれにおいても相当に強力 な補強となる。 このため、地震に遭遇しても釘が抜けにくく、直角三角形板面５の面的強度に よっての柱と桁、柱と土台等の構造部材の角度の歪みによる押圧強度に対抗して 原形が維持される。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図で説明すると、図３に示すように、直角を共有する辺の長 さが各３０ｃｍの直角三角形の厚さ２ｍｍの鉄製金属板１を用い、その金属板１ の両辺から６０ｍｍ幅且つ斜辺から３０ｍｍ幅内部に直角三角形板面５を形成す る折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃを引く。 そして、直角コ−ナ−部の前記折曲げ境界線Ａ，Ｂ間（図の正方形内斜線部分 ）と、鋭角コ−ナ−部の前記直角三角形板面の鋭角頂点から前記折曲げ境界線Ａ ，Ｂ，Ｃへの各垂線に間（図の四辺形内斜線部分）を切除して折曲げ境界線Ａ， Ｂ，Ｃの外側に折曲げ代１ａ，１ｂ，１ｃを形成する。

【０００７】 そして、図１に示すように、直角を共有する各辺縁部の前記折曲げ代１ａ，１ ｂを前記折曲げ境界線Ａ，Ｂで同一板面方向に直角に折曲げ、さらにその中間（ 図３中の符号Ｄ位置）３０ｍｍ幅で反対側に直角に折返して、折曲げ代１ａ，１ ｂを、図２に示すように、断面クランク状に屈曲して内面付着板面３ａ，３ａと 外面付着板面３ｂ，３ｂをそれぞれ形成する。 前記内面付着板面３ａ，３ａと外面付着板面３ｂ，３ｂの板面内に、図１及び 図３に示すように、釘孔４を略等間隔に設ける。

【０００８】 また、前記金属板１の斜辺縁部の折曲げ代１ｃを前記折曲げ代１ａ，１ｂと板 面逆方向に直角に屈曲させて、前記内面付着板面３ａより細幅である１５ｍｍ幅 で斜辺補強板面２を形成する。 そして、前記折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃに沿う直角三角形の内側に、図１と図２ に示すように、直線的に僅か折目を付けて補強隆条６（リブ）を形成する。

【０００９】

【使用法】

本補強金具の使用においては、図４に示すように、柱Ｘと桁Ｙ、柱と土台Ｚの 直交するコ−ナ−部分に内面付着板面３ａ，３ａと外面付着板面３ｂ，３ｂを前 記柱Ｘ、桁Ｙ、土台Ｚ等の構造部材のコ−ナ−面に密着させ、そのまま釘孔４に 釘打ちして固着する。 図４のように、筋交Ｗ等の障害物のない空間が確保されコ−ナ−部分であれば 、どこでも使用でき、また構造部材に囲まれた壁内部に納るのでその壁面の仕上 状態には殆ど影響しない利点もある。

【００１０】

【考案の効果】

従来の金属プレ−トによる補強金具の場合には内側から突っ張るものではない ので強度が弱く耐震性に難点があったのに対して、本考案は上記構成なので、コ −ナ−部の内面側から補強金具自体の直角三角形板面５で突っ張るようにするこ とによって、耐震性を強化して、強震が襲っても建築物の構造原形を維持するこ とが可能となった。 また、窓、ドア等の開口部を有して筋交ができない壁面内においても、コ−ナ −部分に直角三角形板面５の面積分の壁面が確保されれば、筋交の代替補強する ものとして使用することができる。 この補強金具を使用することによって地震に弱いとされる木造軸組の柱耐力構 造から成る木造日本建築の構造上の欠点を克服して、地震に強い強固な建築構造 を実現することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の斜視図。

【図２】図１におけるＦ−Ｆ線端面図。

【図３】折曲げ前の製造過程における状態を示す展開
図。

【図４】使用状態を示す斜視図。

【符号の説明】

Ａ 折曲げ境界線 Ｂ 折曲げ境界線 Ｃ 折曲げ境界線 １ 直角三角形の金属板 １ａ 折曲げ代 １ｂ 折曲げ代 １ｃ 折曲げ代 ２ 斜辺補強板面 ３ａ 内面付着板面 ３ｂ 外面付着板面 ４ 釘孔 ５ 直角三角形板面 ６ 補強隆条

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 直角三角形の金属板（１）を用い、その
   金属板（１）の直角を共有する各辺縁部に釘孔（４）を
   配設した断面クランク状の折曲げ代（１ａ），（１ｂ）
   を、また斜辺縁部には前記折曲げ代（１ａ），（１ｂ）
   と対向側へ直角折曲げ代（１ｃ）を、直角三角形を形成
   する折曲げ境界線Ａ，Ｂ，Ｃでそれぞれ屈曲形成して成
   る木造軸組構造建築におけるコ−ナ−接続補強金具。