JP3019639U - バインダー綴具の背カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ルースリーフを直接綴具により綴じて使用可
能にすると共に、必要に応じて綴具を表紙に取りつける
ことも可能にする。 【構成】 綴具の背面に取付けるための背カバーにおい
て、前記背カバーは、細長い板部と、前記綴具背面に形
成した対応の孔に嵌合し得るように前記板部の複数カ所
に起立した柱状体とからなり、前記柱状体の先端には、
前記綴具の孔よりも小さい径の先端と前記綴具の孔より
も大きい径の基部を有する弾性のある頭部を備えている
こと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はバインダー綴具の背カバーに関し、更に詳しくは、バインダー綴具の 背面に、背表紙を介在し又は介在しないで取りつけるための便利な背カバーに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

バインダーの背表紙に綴具を取付けるには、一般に綴具の基板に２個以上の孔 を設け、これに対応した位置に貫通孔を有する背表紙の内面に基板を添わせ、貫 通孔を通して背表紙の外面から鋲を挿通させて綴具の基板の孔に嵌合させ、鋲の 先端を工具によりかしめて拡大する。 他の方法には、２つ以上の切り起こした爪を有する裏座を背表紙の内部に埋め 込むかあるいは外面に当て、爪を背表紙に開けたスリット状孔に貫通させ、その 先端を基板の対応したスリット状孔に貫通させ、その先端を基板に対して曲げ付 ける。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

いずれの方法によるにしても、従来は綴具は表紙の背表紙の内面側に固定され るので、表紙を必ず必要とした。本考案は表紙を用いないで直接多穴のルースリ ーフを綴具で綴じることができるようにすることを意図している。ところが、従 来の綴具は背表紙に取りつける目的で背面が平坦になっているので、そのままこ の目的に使用することはできないし、またそのまま使用したのでは角ばった両縁 部が露出されるので使用上不便であると共に、外観が極めて悪い。 また、先に述べた鋲による取付け方式は、多くの取付工程を要し、また取付け 金型を要するなどの問題がある。後者の場合には爪を折り曲げる手段が綴具内部 に接近できないので、爪やそれを受けるスリット状孔を綴具の両端部近くにしか 配置することができず、取り付けに確実性を欠くだけでなく、鋲の取付けと同様 な面倒な取付け工程を要し、コストがかかる問題がある。 本考案は、従来の背面が平坦な形の綴具を背表紙に取りつけないで直接ルース リーフを綴込んで使用することができると共に、背表紙に取りつける場合でも綴 具の取付け作業が容易に実施でき、取付けが確実な、バインダー綴具の背カバー を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

簡単に述べると、本考案のバインダー綴具用の背カバーは、バインダーの背表 紙を介在しあるいは介在しないで前記綴具に添わせるための細長い板部と、綴具 に形成した対応の孔に嵌合し得るように前記板部の複数カ所に起立した柱状体と からなり、これら柱状体の先端には、綴具の孔よりも小さい径の先端と綴具の孔 よりも大きい径の基部を有する頭部を備えている。 柱状体の頭部がそれよりも径の小さい綴具基板の孔を貫通できるように、頭部 にスリットを設けて弾性的に撓み得るようにするとことが望ましい。 さらに板部の周縁部が背表紙を介在しあるいは介在しないで綴具の背面に当接 するようにし、残りの部分が背表紙又は綴具から浮くようにすると弾性が付与で きるので、柱状体が確実に綴具基板に係止できる。 本考案の構成によると、綴 具の背面に滑らかな曲線状の美しい外面を付与することができ、従来の綴具をそ のままあるいは適宜修正して使用することが可能になり、綴具の融通性を増し、 更に背表紙に取りつける場合には、綴具を背表紙に容易に取りつけることができ る。

【０００５】 本考案の背カバーは、背表紙に取りつけて使用する場合には、板部が背表紙の 外面に露出する場合と、背表紙の肉厚内に埋設される場合があり、いずれにも適 用できるものであることに注意されたい。また、背表紙を使用しないでルースリ ーフを直接綴じ込む場合には、板部は綴具の平坦な背面に直接接触する。

【０００６】

【実施例の説明】

実施例１ 以下に実施例を述べる。図１は本考案の背カバーを使用して綴具をバインダー の表紙の背表紙に取付けた様子を示し、綴具の長手方向に対して直角に切断した 断面図である。１は表紙であり、３はその背表紙の部分である。５は背表紙３の 内面に添わせた綴具であり、複数の半綴環１１を有する固定基板７と、複数の半 綴環１２を有する可動基板９とよりなる。１５は板部１７と柱状部１９とから構 成された背カバーである。柱状部１９の先端の拡大頭部は固定基板７の当接板８ を背表紙に固定する。背カバーの板部１７は取付け後に図のように薄いシート１ １で被覆することにより外部から見えないように隠蔽することができる。或いは 、板部１７の外面が装飾性を有する場合にはこのようなシートで被覆しない。 背カバーの構造の詳細は、図２以下の図面に関連して説明する他の実施例とほ ぼ同一（ただし柱状体の長さのみ違う）なので、ここでは説明を省略するので下 記を参照されたい。

【０００７】 実施例２ 図２〜１２は本考案の背カバーを直接綴具に固定する例を示す。 図２は本考案の実施例２によるバインダー綴具の背カバーの正面図、図３は右 側面図、図４は背面図、及び図５は平面図である。 これらの図において、背カバー１５はＡＢＳ、ポリプロピレン、ポリアセター ル等の剛性の高い強靭なプラスチックを使用して射出成形され、細長い板部１７ とそれから一体に起立する２個以上の（図では３個）の柱状体１９からなる。

【０００８】 板部１７は丸みのある外観を与え、また所定の弾性を付与するために取り付け 側を凹入させるため断面が円弧状に形成され、また長手方向の両端部も傾斜して いる。ただし外面が比較的平坦でも差し支えないし、この場合でも弾性を付与す るように取り付け側を凹入させれば同様な作用が得られる。板部１７は取付ける べき背表紙に好ましくは面で当接できる周縁部２３を有し、更に板部１７の長手 方向に沿って所定間隔で綴具背面に面で接触できるリブ２５を有する。このよう にして、板部１７はその周縁部２３とリブ２５で取り付け時に綴具の背面に係合 し、また円弧状に形成されているため、柱状体１９に加わる力を所定の弾性力で 支持する。このため背表紙の厚さの変動がある程度あっても確実に綴具を背表紙 に取りつけることができる。なお、図１６のように柱状体１９の近傍で板部１７ にスリット３５、３５を形成して更に弾性を付与しても良い。

【０００９】 板部１７の軸線に沿って凹面側に起立している柱状体１９は、軸線方向に直角 な方向から見た側面拡大図を示す図６、軸線方向からみた拡大図を示す図６及び 拡大正面図８を参照するに、柱状体１９は先細にテーパした拡大頭部２９を有し 、更に先端から深く切り込まれたスリット２７を有する。頭部２９は先端が綴具 の固定基板の孔よりも小さい径を有し、基部は固定基板の孔よりも大きく形成さ れている。これにより頭部２９はスリット２７のために弾性的に撓み、固定基板 の孔に挿通できる。頭部２９の基部の下面から板部１７の当接面（リブ２５及び 周縁部２３のなす面）までの距離ｄは綴具の固定基板７の厚さよりも若干小さく する。これにより、柱状体１９の頭部２９は綴具基板７に強く係止させることが できる。

【００１０】 以上のように構成された背カバーの使用状態を図７〜１２に示す。 まず、本考案の背カバー１５の柱状体１９の拡大頭部２９を綴具５の固定基板 ７の孔３１に無理に挿通する。背カバー１５自身の弾性に抗して頭部２９を完全 に貫通させると、頭部２９は基板７の上面で復元することにより、頭部２９の基 部の底面は綴具固定基板７の面に係止、押圧力をゆるめることにより、上記の弾 性に綴具は背表紙に完全に固定される。

【００１１】 なお、変形例として、図１３のように基板よりも背カバーの幅を大きくし、板 部１７の周縁部２３に隆起部３３を設けることができる。 また、図１４のように、更に背カバーを透明材料で構成し、内部に印刷等によ る不透明なデザイン紙３７を挿入しても良い。更にこれを後から挿入できるよう に図１５にように浅い溝３９を形成しておいても良い。

【００１２】 以上のように本考案の背カバーは、バインダー綴具の背面に沿わせるように適 合した細長い板部と、取付ける綴具に形成した対応の孔に嵌合し得るように前記 板部の複数カ所に起立した柱状体とからなり、前記柱状体の先端には、前記綴具 の孔よりも小さい径の先端と前記綴具の孔よりも大きい径の基部を有する頭部を 備けたので、従来とは異なり、綴具の背面に滑らかな曲線状の美しい外面を付与 することができ、従来の綴具をそのままあるいは適宜修正して使用することが可 能になり、綴具の融通性を増す。また本考案の背カバーは、背表紙に取りつける 場合には、単純に柱状体を綴具の基板に押し込むだけで必要な取付を可能にする ことにより、従来に比して組立工程を著しく簡略化する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１の背カバーにより背表紙に取
りつけた状態を示す断面図である。

【図２】本考案の実施例２によるバインダー綴具用の背
カバーの正面図である。

【図３】本考案の実施例２によるバインダー綴具用の背
カバーの右側面図である。

【図４】本考案の実施例２によるバインダー綴具用の背
カバーの背面図である。

【図５】本考案の実施例２によるバインダー綴具用の背
カバーの端面図である。

【図６】本考案の背カバーの柱状体を側面から見た拡大
部分断面図である。

【図７】本考案の背カバーの柱状体を端面方向から見た
拡大部分断面図である。

【図８】本考案の背カバーの柱状体の拡大平面図であ
る。

【図９】本考案の背カバーを用いた取付状態を示す側面
図である。

【図１０】本考案の背カバーを用いた取付状態を示す正
面図である。

【図１１】本考案の背カバーを用いた取付状態を示す端
面図である。

【図１２】図９のＡ−Ａ断面図である。

【図１３】本考案の変形例の図１２と同様な断面図であ
る。

【図１４】本考案の他の変形例の図１２と同様な断面図
である。

【図１５】図１４を更に変形した実施例の部分側断面図
である。

【図１６】本考案の更に他の変形例による背カバーの一
部の背面斜視図である。

【符号の説明】

３：背表紙 ５：綴具 ７：固定基板 ９：可動基板 １５：背カバー １７：板部 １９：柱状体 ２３：周縁部 ２５：リブ ２７：スリット ２９：拡大頭部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バインダー綴具の背面に取付けるための
   背カバーにおいて、前記背カバーは、細長い板部と、前
   記綴具背面に形成した対応の孔に嵌合し得るように前記
   板部の複数カ所に起立した柱状体とからなり、前記柱状
   体の先端には、前記綴具の孔よりも小さい径の先端と前
   記綴具の孔よりも大きい径の基部を有する弾性のある頭
   部を備えているバインダー綴具の背カバー。
2. 【請求項２】 前記頭部の弾性は前記頭部にスリットを
   設けることにより付与される請求項１の背カバー。
3. 【請求項３】 板部は綴具側に凹入部分を有する請求項
   １または２の背カバー。
4. 【請求項４】 前記柱状体の長さは板部と綴具の間に隙
   間ができ、そこに背表紙を介在できるような長さである
   請求項１、２又は３の背カバー。
5. 【請求項５】 前記柱状体の長さは板部と綴具の背面が
   密着するような長さである請求項１、２又は３の背カバ
   ー。
6. 【請求項６】 背カバーは透明体であり、デザインシー
   トが介在される請求項１ないし５のいずれかに記載の背
   カバー。