JP3019610U - 宝飾品の鋳造用原型 - Google Patents

宝飾品の鋳造用原型

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JP3019610U JP1995007093U JP709395U JP3019610U JP 3019610 U JP3019610 U JP 3019610U JP 1995007093 U JP1995007093 U JP 1995007093U JP 709395 U JP709395 U JP 709395U JP 3019610 U JP3019610 U JP 3019610U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 宝飾品の鋳造用原型において、その原型のパ
ーツを、他の新しいデザインの原型の一部に再利用可能
にすることにより、宝飾品の製造効率の向上を図ること
にある。 【構成】 宝飾品の鋳造用原型は、宝飾品の各部分に相
当するパーツが、瞬間接着剤により、接合されており、
各パーツは、複数個のパーツの中から、その宝飾品のデ
ザインに合致したものが選択され、溶剤で瞬間接着剤を
溶かすことにより分解され、各パーツが分離可能であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、宝飾品の鋳造用原型、特に真珠を利用した指輪、ペンダント等の宝 飾品を製造する場合の鋳造用原型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より指輪(リング)、ペンダント、イヤリング、ピアス等の宝飾品を製造 する場合、先ず最初に、予め創作したデザインに基づいて鋳造用原型を作ること は、よく知られている。
【0003】 上記鋳造用原型、即ち、原型は、後述するように、鋳造工程で作られる宝飾品 の空枠(真珠等の宝石を取り付けて、石止めする前のフレーム)の基礎であり、 この原型をどのように組み立てるか、また組み立て後どのように分解するかは、 宝飾品の新しいデザインを創作する場合のみならず、宝飾品の製造工程全体の効 率に多大の影響を及ぼす。 従来の原型を、真珠の指輪を例にして説明すれば、図5に示すとおりである。
【0004】 即ち、図5において、腕パーツ1の上に腰パーツ2が、更に腰パーツ2の上に 石座パーツ3が、それぞれ位置しており、石座パーツ3からは、真珠を止める爪 パーツ3aが上方に一体的に延びている。
【0005】 このように、原型は、腕パーツ1と、腰パーツ2と、石座パーツ3の分離可能 な各パーツに分かれている。 従来は、上記各パーツ1、2、3をそれぞれろう付けすることにより、予め創 作したデザインに合致した原型を組み立てていた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
上記従来の原型には、次のような課題がある。 即ち、上述したように、従来の原型は、各パーツ1、2、3がそれぞれろう付 けすることにより組み立てられている一体形である。
【0007】 しかし、このろう付けされた部分を簡単に、しかも短時間に熔解することは、 一般には困難である。 従って、このような一体形の従来の原型を使用後、各パーツに分解し、新しい デザインの宝飾品の原型の一部として再利用することはできない。
【0008】 この結果、従来の原型では、新しいデザインの原型を頻繁に創出しなければな らない多品種量産体制への対応が困難であり、コンビネーション・カラー宝飾品 の製造に適さない等の種々の弊害が生じ、宝飾品の製造効率の低下を招来してい た。
【0009】 本考案の目的は、宝飾品の鋳造用原型において、その原型のパーツを、他の新 しいデザインの原型の一部に再利用可能にすることにより、宝飾品の製造効率の 向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案は、原型のパーツを、他の新しいデザインの原型の一部に再利用できな いという上記従来技術に内包する課題に鑑み、鋳造用原型をパーツ形式にするこ とにより、組み立てと分解を容易にし、上記課題を解決せんとするものである。
【0011】
【作用】
故に、本考案は、図1と図2に示すように宝飾品の鋳造用原型をパーツ形式に することにより、宝飾品の鋳造用原型において、その原型のパーツを、他の新し いデザインの原型の一部に再利用可能にすることにより、宝飾品の製造効率の向 上を図るように作用する。
【0012】
【実施例】 以下、本考案を実施例により添付図面を参照して説明する。 本考案は、請求項1に記載したように、宝飾品の鋳造用原型である。
【0013】 宝飾品が指輪の場合を例に説明すると、指輪は、既述したように、腕と腰と石 座の各部分から構成されている。
【0014】 従って、図1に示すように、指輪の鋳造用原型100も、腕パーツ10と、腰 パーツ20と、石座パーツ30とから構成され、石座パーツ30からはそれと一 体的な爪パーツ30aが上方に延びている。
【0015】 この鋳造用原型100に基づき、後述するように種々の工程を経ることにより (図3)、最終的には指輪の空枠1000(図3(G))が鋳造され、仕上げ後 に石座パーツ30に相当する部分真珠5000を載せて爪パーツ30aに相当す る部分で止める。
【0016】 これら各パーツは、瞬間接着剤(例えば、商品名「アロンアルフア」)により 、接合されている。 従って、シンナー等の溶剤を用いれば、瞬間接着剤は簡単に溶けるので、一旦 組み立てた鋳造用原型100も容易に分解でき、それぞれが分離している各パー ツを新しいデザインの原型の一部として再利用できる。
【0017】 上記鋳造用原型100を構成する各パーツは、銀90%、パラジウム10%の 合金で形成され、後述するように(図3(B))、ゴムに埋め込んで加熱する場 合に合金が収縮するので、鋳造用原型100は、その熱収縮分だけ予め太く形成 されている。
【0018】 以下、上記構成を有する宝飾品鋳造用原型の組立分解方法を、各ステップ順に 説明する。 (1)先ず、宝飾品の各部分に相当するパーツを分離した状態で複数個準備する (図4のステップS1)。 これを図1に基づいて説明すれば、次のとおりである。
【0019】 例えば、宝飾品が指輪の場合に、その指輪の腕に相当する腕パーツ10を複数 個P11、P12・・・、その指輪の腰に相当する腰パーツ20を複数個P21、P22 ・・・、その指輪の石座に相当する石座パーツ30を複数個P31、P32・・・そ れぞれ準備する。
【0020】 この様子を図示したのが、図1の破線部分G1 、G2 、G3 である。 即ち、指輪の鋳造用原型100に関しては、腕パーツ集団G1 と、腰パーツ集 団G2 と、石座パーツ集団G3 の3つの集団があり、それぞれの集団には、複数 個のパーツが含まれている。
【0021】 また、例えば、ペンダントの原型を組み立てる場合に備えて、他にも、同様の 丸カン・パーツ集団G4 と、バチカン・パーツ集団G5 があり、それぞれの集団 には、複数個のパーツP41、P42・・・、P51、P52・・・が含まれている。
【0022】 (2)この複数個のパーツの中から、その宝飾品のデザインに合致したものを選 択する(図4のステップS2)。 図1の指輪を例にとって説明すると、上記腕パーツ集団G1 と、腰パーツ集団 G2 と、石座パーツ集団G3 の複数個のパーツの中から、その指輪のデザインに 合ったパーツを選択する。
【0023】 その結果、選択されたパーツをPn とし、このPn の内容を、腕パーツ10に ついてはP1n、腰パーツ20についてはP2n、石座パーツ30についてはP3nと する(矢印a、b、c)。
【0024】 また、本考案によれば、パーツの選択の仕方は、上記のように一律ではなく、 例えば、指輪の原型100に使用したパーツを、他の宝飾品であるペンダントの 原型200の一部としても再利用することができる。
【0025】 即ち、図1に示すように、腰パーツ集団G2 からパーツP2kを、石座パーツ集 団G3 からパーツP3kを、丸カン・パーツ集団G4 からパーツP4kを、バチカン ・パーツ集団G5 からパーツP5kを、それぞれ選択することにより、そのペンダ ントのデザインに合ったパーツPk が集められる(矢印d、e、f、g)。
【0026】 このように、本考案によれば、鋳造用原型のパーツを分離した状態で複数個準 備しておくことにより、同じパーツが、異なる宝飾品の原型の一部として再利用 可能である。
【0027】 これをより具体的に説明すると、図2に示すとおりである。 図2は、例えば、同じパーツが指輪の原型にもペンダントの原型にも再利用で きる場合である。 即ち、図2において、腕パーツ10と、腰パーツ20と、石座パーツ30と、 丸カン・パーツ40と、バチカン・パーツ50があるとする。
【0028】 この状態で、腕パーツ10と、腰パーツ20と、石座パーツ30を選択すれば 、指輪の原型100が組み立て可能である。
【0029】 しかし、同じ腰パーツ20と石座パーツ30を選択すると共に、丸カン・パー ツ40とバチカン・パーツ50を選択することにより、指輪とは異なるペンダン トの原型200が組み立て可能となる。
【0030】 (3)上記選択されたパーツを、瞬間接着剤で接合することにより、鋳造用原型 を組み立てる(図4のステップS3)。
【0031】 例えば、図2に示すように、あるデザインの指輪の原型のために、腕パーツ1 0と、腰パーツ20と、石座パーツ30を選択したとすると、これらを、瞬間接 着剤により接合する(矢印h)。
【0032】 また、例えば、図2に示すように、あるデザインのペンダントの原型のために 、腰パーツ20と、石座パーツ30と、丸カン・パーツ40と、バチカン・パー ツ50を選択したとすると、これらを、瞬間接着剤により接合する(矢印i)。
【0033】 これにより、指輪の原型100や、ペンダントの原型200が組み立てられた (図2)。
【0034】 (4)上記鋳造用原型を使用後、新しいデザインの宝飾品を製造するかどうか判 断する(図4のステップS4、S5)。
【0035】 即ち、上記組み立てられた鋳造用原型100や200は(図2)、ゴムに埋め 込んで押圧加熱した後、図3(B)の矢印Aで示すように、固化したゴムから取 り出すことにより、原型と対応した形状の空間Sを有するゴム部材300を形成 する(図3(B))。
【0036】 鋳造用原型100、200は(図2)、このようにゴムを切ることが目的であ り、その後の工程では(図3(C)のワックス注入工程の後)、原型は使用しな い。
【0037】 従って、鋳造用原型を使用後は、新しいデザインの宝飾品を製造するかどうか 判断する(図4のステップS5)。
【0038】 (5)新しいデザインの宝飾品を製造する限り、溶剤で瞬間接着剤を溶かして鋳 造用原型を分解することにより、各パーツを分離し、上記(1)、(2)、(3 )、(4)を繰り返す(図4のステップS5のYES、ステップS6)。
【0039】 そして、新しいデザインの宝飾品を製造する場合は(図4のステップS5、Y ES)、シンナー等の溶剤で瞬間接着剤を溶かしてこの一旦組み立てた鋳造用原 型を分解することにより(図4のステップS6)、各パーツを分離し(図1の矢 印j、k・・・p)、図1に示す腕パーツ集団G1 、腰パーツ集団G2 等に再び 組み込んで(図1の矢印q、r・・・w)、新しい原型の一部として再利用する 。
【0040】 即ち、新しいデザインの宝飾品を製造する限り、鋳造用原型を分解し、上記( 1)の複数個のパーツの準備、(2)のパーツの選択、、(3)の選択したパー ツの接合、(4)の新しいデザインの宝飾品製造の有無の判断を繰り返す(図4 のステップS1からS5まで)。
【0041】 以下、本考案に係る鋳造用原型を使用した宝飾品の製造方法を、各工程順に説 明する。 (1)宝飾品の各部分に相当する複数個のパーツの中から、その宝飾品のデザイ ンに合致したものを選択し、該選択した各パーツを瞬間接着剤により接合するこ とにより、鋳造用原型を組み立てる(図3(A)、図4のステップS1からS3 まで)。
【0042】 この工程は、既に図1と図2に基づいて説明したように、腕パーツ集団G1 、 腰パーツ集団G2 等の複数個のパーツの中から、その宝飾品のデザインにあった パーツを選択し(図1、図2)、各パーツを瞬間接着剤により接合することによ り、例えば、指輪の原型100、ペンダントの原型200等を組み立てる工程で ある。
【0043】 (2)上記鋳造用原型を軟性ゴムに埋め込んで押圧加熱後固化し、固化したゴム から該原型を取り出すことにより、原型と対応した形状の空間Sを有するゴム部 材300を形成しする(図3(B)、図4のステップS4)。
【0044】 即ち、鉄枠の四角い穴の中に敷かれた柔らかいゴムに、上記指輪の原型100 を埋め込んで鉄枠ごと上記ゴムを押圧、加熱した後固化し、図3(B)で示すよ うに、硬質のゴムをナイフ等で切って2つの部分300aと300bに分け、中 から原型100を取り出す(図3(B)の矢印A)。
【0045】 これにより、原型100に対応した空間Sを有する硬いゴム部材300が形成 され、いわゆるゴム切りが行われる。
【0046】 具体的には、回転するハンドル(図示省略)の先端に設けた鉄板により、鉄枠 ごと上記ゴムを押圧し、一定時間加熱した後、鉄枠からゴムを取り出すと固化し て硬いゴム部材300が形成される。
【0047】 このゴム部材300には、後述するワックスを注入するための開口部300c が形成されているが(図3(C))、このために、原型100と共に開口部形成 用のパイプ(図示省略)を予め柔らかいゴムに埋め込んでおく。
【0048】 尚、上記ゴム切りが終了後は(図4のステップS4)、既述したように、鋳造 用原型100は後の工程では使用しないので、鋳造用原型100を使用後は、新 しいデザインの宝飾品を製造するかどうかを判断し(図4のステップS5)、新 しいデザインの宝飾品を製造する限り(図4のステップ5のYES)、溶剤で瞬 間接着剤を溶かして鋳造用原型100を分解することにより(図4のステップS 6)、各パーツを分離し、図4のステップS1の複数個のパーツの準備、ステッ プS2のパーツの選択、ステップS3の選択したパーツの接合、ステップS4の ゴム切り、ステップS5の判断を繰り返す。
【0049】 (3)次に、上記ゴム部材300の空間S内に溶融ワックスWを注入固化し、固 化したワックス部材400を取り出すことにより、上記空間Sに対応した形状の ワックス部材400を形成する(図3(C)、ステップS7)。
【0050】 即ち、図3(C)に示すように、ゴム部材300に形成された開口部300c を介して、溶融ワックスWを空間S内に注入する。
【0051】 具体的には、ワックス・ボトル(図示省略)の注入口に、ゴム部材300の開 口部300aを当てて、該ワックス・ボトルに入れた溶融ワックスWを、一定の 圧力により、上記空間S内に注入する。
【0052】 そして、ゴム部材300の2つの部分300a、300bを開いて固化形成さ れたワックス部材400を取り出すことにより(図3(C)の矢印B)、空間S に対応した形状のワックス部材400を形成する。
【0053】 ここで、必要とする数だけのワックス部材400が形成されているかどうかを 判断し(図4のステップS8)、所定の数に達していない場合には(図4のNO )、上記同じゴム部材300を使用することにより溶融ワックスWの注入を繰り 返し(図4のステップS7)、所定の数だけのワックス部材400を形成する。
【0054】 (4)上記ワックス部材400を複数個取り付けたワックス・ツリー部材500 を形成する(図3(D)、図4のステップS9)。
【0055】 ワックス部材400が所定の数に達していた場合(図4のステップS8、YE S))、例えば所定の12個のワックス部材400を形成した場合には、この1 2個のワックス部材400を、図3(D)に示すように、同様のワックスで形成 した棒材401に取り付けることにより、ワックス・ツリー部材500を形成す る(図4のステップS9)。
【0056】 (5)ワックス・ツリー部材500の周囲に石膏Kを流し込んで固化した後加熱 することにより、ワックス・ツリー部材500を熔解させ、ワックス・ツリー部 材500に対応した形状の空間Tを有する鋳型石膏部材600を形成する(図3 (E)、図4のステップS10)。
【0057】 即ち、図3(E)に示すように、円筒状の容器501に上記ワックス・ツリー 部材500を入れ、上方から石膏Kを流し込んで固めると、ワックス・ツリー部 材500が埋め込まれた硬い石膏の円柱ができるので、その石膏円柱を容器50 1から取り出して(図3(E)の矢印C)2000°C以上の高い温度で加熱す る。
【0058】 これにより、内部のワックス・ツリー部材500が高温により熔解するので、 図3(E)で示すように、ワックス・ツリー部材500に対応した形状の空間T を有する鋳型石膏部材600が形成される(図4のステップS10)。
【0059】 この鋳型石膏部材600には、後述する地金Mを注入するための開口部600 aが形成されているが、このために、上述した石膏Kを流し込む容器501には 、開口部形成用のパイプ(図示省略)が設けられている。
【0060】 (6)上記加熱した鋳型石膏部材600に溶融地金Mを注入固化し、固化した地 金ツリー部材700を取り出すことにより、上記空間Tに対応した形状の地金ツ リー部材700を形成する(図3(F)、図4のステップS11)。
【0061】 即ち、図3(F)に示すように、加熱したままの鋳型石膏部材600の開口部 600aを介して、空間T内に溶融した地金Mを注入する。
【0062】 具体的には、回転する装置(図示省略)の半径方向に沿って、上記鋳型石膏部 材600を置き、その開口部600aを装置の中央部に向けておく。
【0063】 そして、この装置の中央部に溶融地金M、例えば、溶けた状態のプラチナを垂 らすと、プラチナは、遠心力の作用により、中央部から半径に沿って直進し、開 口部600aを通って、上記鋳型石膏部材600内に形成された空間Tに押し込 まれる。
【0064】 この空間T内に溶融地金Mが充填された状態の鋳型石膏部材600を冷却、固 化した後、この鋳型石膏部材600を割って、空間T内で固化した地金ツリー部 材700を取り出すことにより(図3(F)の矢印D)、空間Tに対応した形状 の地金ツリー部材700が形成される。
【0065】 (7)最後に、上記地金ツリー部材600を分解して複数個の空枠1000・・ ・を形成し、これらに石止めを行う(図3(G)、図4のステップS12、ステ ップ13)。
【0066】 即ち、上記地金ツリー部材700は、図3(D)に示すワックス・ツリー部材 500を埋め込んだ鋳型石膏部材600から作られたので、ワックス部材400 (図3(D))に相当する地金の部分704が、例えば、12個だけ固定されて いる。
【0067】 この地金の部分704を、例えば、ペンチ等で切断することにより、地金ツリ ー部材700を分解し(図3(G)の矢印E、F・・・P)、それぞれを研磨す ることにより、プラチナの空枠1000が12個形成される(図4のステップS 12)。
【0068】 そして、この空枠1000に、真珠5000を取り付けることにより、石止め すれば、宝飾品である指輪は出来上がる(図4のステップS13)。
【0069】 このように、宝飾品たる真珠の指輪を製造した後、必要な数だけ製造されてい るか否かを確認し(図4のステップS14)、数が不足している場合には(図4 のステップS14、YES)、同じワックス部材400を利用してワックスWを 再度注入することにより、ステップS7からS13までの工程を繰り返す。
【0070】 宝飾品が必要な数だけ製造されている場合には(図4のステップS14、NO )、作業を停止する(図4のEND)。
【0071】 以下、本考案の作用を説明する。 即ち、上述したように,本考案によれば、図1、図2に示すように、宝飾品の 鋳造用原型において、その原型のパーツを、他の新しいデザインの原型の一部に 再利用することが可能となった(図4)。
【0072】 また、図3に示すように、本考案に係る原型を使用すれば、従来のように新た に原型を作りなおすことなく、一層効率よく宝飾品を製造することができる(図 4)。
【0073】 これをもっと具体的な見地から説明すれば、次のようになる。
【0074】 多品種少量生産体制への対応ができる。 最近の消費者のニーズの多様化、個性化により、宝飾業界も、既に多品種少量 生産体制へ移行して来ている。
【0075】 この多品種少量生産体制は、宝飾品に多種類のデザインを要求していることに なり、換言すれば、異なったデザインを次々に創出しなければならないことを意 味する。
【0076】 一般に、宝飾品のデザインに関しては、一部の変更により、従来とは全く異な るデザインが創作されることは、よく知られている。
【0077】 既述したように、従来の原型は(図5)、各パーツがろう付けされている一体 形であるため、使用した原型のパーツを他の新しいデザインの原型の一部に再利 用することはできない。
【0078】 従って、例えば、あるデザインの原型1つで、宝飾品が4個売れる、即ち、原 型一型当り空枠4個であるとする。 原型代(含ゴム代)が44,000円とすれば、従来の一体形では再利用でき ないために、空枠1個当り11,000円(44,000円÷4)の原型代がか かっていることになる。
【0079】 しかし、本考案のように、いわばパーツ形式にすれば、簡単に分解することに より再利用できるので、上記44,000円かけても、5型のデザインの原型を 組み立てれば、この費用は、4×5=20個の空枠に分散され、空枠1個当り2 ,200円(44,000円÷20)の原型代で済む。
【0080】 従って、本考案は、宝飾業界の多品種少量生産体制には、充分に対応すること ができるのである。
【0081】 また、例えば、同じパーツが指輪にも、他の宝飾品にも再利用できるので(図 2)、この点からも、原型代に費やされる費用を下げることができ、多品種少量 生産体制に対応できる。
【0082】 即ち、例えば、多品種少量生産体制の一環として、指輪、ペンダント、イヤリ ング、ピアスのセット商品を製造する場合に、従来の一体形原型であれば4つ共 別々に作らなければならないので、原型代は176,000円である(44,0 00円×4)。
【0083】 しかし、本考案のパーツ形式によれば(図1、図2)、原型代は44,000 円だけで、原型のパーツを、他の新しいデザインの原型の一部に再利用すること により、上記セット商品用の原型を4つ組み立てることができる。
【0084】 更に、従来の一体形原型は、その原型から製造された商品が売れなくなれば、 再利用できないので、処分する以外に手立てはなく、多品種少量生産体制下にお ける宝飾品全体の製造効率は極めて低いものとなっている。
【0085】 以下は、本考案によるこの多品種少量生産体制への対応の更に具体的な効果で ある。
【0086】 コンビネーション・カラー宝飾品の製造に最も適している。 異なる色彩の金属を2つ以上組み合わせたり、同じ金属でも色彩が異なるもの を組み合わせることにより製造する、いわゆるコンビネーション・カラーの宝飾 品の場合、色彩の異なる金属ごとに鋳造工程が異なる。
【0087】 従って、その原型は、色彩が異なる金属に相当する部分が分かれている、いは ば分体形である。
【0088】 しかし、この分体形の原型であっても、従来は、それぞれの各パーツがろう付 けされているため、上述した一体形の原型と同様に、新しいデザインの原型の一 部として再利用することはできない。
【0089】 この点、本考案のパーツ形式によれば、一旦使用したパーツを分解して再利用 することにより、鋳造用工程が異なる原型をいくつも組み立てることができ、コ ンビネーション・カラー宝飾品の製造には、最も適しているといえる。
【0090】 一旦組み立てた原型を細工して生かすことにより、全く新しいデザインの原型 を組み立てることができる。
【0091】 即ち、図2に示すように、既に組み立てた真珠用の原型100は、爪パーツ3 0aを切り落とすことにより、真ん中に芯を立てた、いわゆる芯立ての新しいデ ザインの真珠用原型になる。
【0092】 更に、この芯も切り落として、図2で説明すれば、腕パーツ10と石座パーツ 30だけの台座に、他のデザインの石座パーツを載せれば、パーツの数の積だけ の新しいデザインの原型を組み立てることができる。
【0093】 例えば、図2に示す腕パーツ10と石座パーツ30から成る台座が1000型 あり、それに載せる石座パーツが100型あれば、100,000型(1000 ×100)の新しいデザインの原型ができる。
【0094】 このように、台座と石座パーツの数が増えれば増える程、相乗効果により、新 しいデザインの原型を、本考案のパーツ形式によって、無数に、かつ容易に組み 立てることができる。
【0095】 原型を再利用して新しいデザインの具体化手段とすることができる。 従来より、宝飾品の新しいデザインは、デザイン画により具体化されることは 、よく知られている。
【0096】 ところがこのデザイン画は、一般には、市場の動向をあまり知らない外部の宝 飾デザイナーが描くものであって、市場で受け入れられるかどうかが不明なデザ インであっても、デザイン費用が50,000円とすれば、原型代を含めれば、 一型当りのデザイン料は、ほぼ100,000円にもなる。
【0097】 従って、この原型に対して、商品である宝飾品が10個しか売れないとすれば 、商品1個当りのデザイン料は、10,000円になる。
【0098】 しかし、本考案のパーツ形式によれば、瞬間接着剤とシンナーさえあれば、例 えば、デザイン画を描くのが苦手であるが、顧客情報を直接入手できる立場にあ って売れるデザインを熟知している自社の営業マンでも簡単に組み立て、かつ分 解することができる。
【0099】 従って、例えば、営業マンが原型のパーツを、他の新しいデザインの原型の一 部に再利用することにより、50型の新しいデザインの原型を作ったとし、その 中の一型だけは宝飾デザイナーに依頼したので、全体の費用は上述したように、 デザイン料としてぼぼ100,000円になったとする。
【0100】 ところが、営業マンが作った原型は50型もあるので、一型当りのデザイン料 は、2,000円(100,000円÷50)で済む。
【0101】 このように、本考案によれば、外部の宝飾デザイナーでなくとも、顧客がどの ようなデザインを要求しているかを最も良く知っている自社の営業マン自らがパ ーツを自在に組み合わせることにより、新しいデザインを具体化できるので、こ の点からも、本発明は、多品種少量生産体制に対応できるといえる。
【0102】 鋳造用原型のパーツを自然に揃えることができる。 従来の一体形原型のパーツは、上述したように、各パーツがろう付けされてい るために再利用できない。
【0103】 従って、新しいデザインのパーツ用原型が必要となった場合は、そのパーツ用 原型だけを改めて作らなければならず、時間と費用が著しく無駄になる。
【0104】 しかし、本考案によれば、一旦組み立てた原型を分解して再利用できるので、 パーツ用原型も自然と揃うことになる。
【0105】 鋳造用原型を組み立て分解する際に熟練を要しない。 従来の一体形原型は、組み立てる際には各パーツをろう付けしなければならず 、また、ゴム切り後(図3(B)、図4のステップS4)、分解する際にはこの ろうを溶かさなければならないので、極めて面倒な作業となり、その原型のデザ インによっては原型の組み立てと分解は技術的に不可能であった。
【0106】 従って、鋳造用原型の組み立て分解作業には、相当の熟練を要し、簡単にはで きなかった。
【0107】 しかし、本考案によれば、瞬間接着剤とシンナーのような溶剤さえあれば、組 み立てと分解が簡単にできるので、熟練は不要となった。
【0108】
【考案の効果】
上記のとおり、本考案によれば、宝飾品の鋳造用原型をパーツ形式で構成した ことにより(図1、図2)、宝飾品の鋳造用原型において、その原型のパーツを 、他の新しいデザインの原型の一部に再利用可能にすることにより、宝飾品の製 造効率の向上を図るという技術的効果を奏することとなった。
【0109】 従って、多品種量産体制への対応が容易であって、コンビネーション・カラー 宝飾品の製造に最も適し、元の原型を生かしながら全く新しいデザインの原型が 作れ、また、パーツ形式の原型が新しいデザインの具体化手段となり、更には、 パーツ用原型が自然と揃い、かつ、原型の組み立て分解作業に熟練を要しない等 の具体的効果を奏する。
【0110】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す図である。
【図2】本考案の他の実施例を示す図である。
【図3】本考案による宝飾品製造方法の実施例を示す図
である。
【図4】本考案の実施例のフローチャートを示す図であ
る。
【図5】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
10 腕パーツ20 腰パーツ30 石座パーツ100
鋳造用原型

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 宝飾品の各部分に相当するパーツが、瞬
    間接着剤により、接合されており、各パーツは、複数個
    のパーツの中から、その宝飾品のデザインに合致したも
    のが選択され、溶剤で瞬間接着剤を溶かすことにより分
    解され、各パーツが分離可能であることを特徴とする宝
    飾品の鋳造用原型。
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