JPS639901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ロスト・ワツクス法におけるツリー
組立方法に関する。

更に詳しくは、ロスト・ワツクス法において複
数のワツクス模型を集めてツリーを形成するに際
し、硬質の筒状組立ユニツトの周囲に複数のワツ
クス模型を一体成型してユニツト模型を形成し、
このようなユニツト模型を多数形成し、ユニツト
模型の各組立ユニツトを湯道棒に嵌め込み組立ユ
ニツトを互いに結合することによりツリーを組立
て、これによりツリー組立作業の自動化を可能に
せしめ、もつて材料歩留り、品質、生産能率の向
上を図ることができるロスト・ワツクス法におけ
るツリー組立方法に関する。

ロスト・ワツクス法におけるツリー組立工程
は、製品用のワツクス模型、湯口用のワツクス模
型が夫々別々に成型された後に、これらの多数の
ワツクス模型を一本の湯道棒に取付ける工程であ
る。従来のツリー組立方法には、堰に接着剤を付
けて湯道棒に付けたり、堰と湯道棒の一部を熱し
たヘラで溶かして接着したり、或は金属製の湯道
棒に製品用ワツクス模型と一体成型した輪切状の
堰を嵌め込んだりする等の方法がある。

上記のようなツリー組立方法は全て手作業によ
つて行なわれ且つ製品用ワツクス模型については
その取付個数が多いため、一般にツリー組立工程
はロスト・ワツクス鋳造法の全工程中で最も多く
の時間を要する工程となり労力ばかり要して作業
上好ましくない。そこでツリー組立工程の作業時
間を短縮すべく作業の自動化を図る必要がある
が、実際のところツリー組立工程の自動化を図る
ことは、取扱う対象物が軟らかいワツクスで形成
される模型であるので、マニピユレーター等を使
用すれば模型が破損する等の虞れが生じ、仲々難
しい問題であつた。

本発明者は上記した問題点に鑑み、これを有効
に解決すべく本発明を成したものである。

本発明の目的は、外径を小径とする一端部と内
径を大径とする他端部とを有し且つ中央部に複数
の孔を有する硬質の筒状組立ユニツトの該中央部
周囲に複数のワツクス模型を一体成型したユニツ
ト模型を形成し、複数のワツクス模型を有する前
記組立ユニツトを多数形成し各組立ユニツトを湯
道棒に順次嵌め込み、接し合う組立ユニツトの端
部を嵌合連結し且つ接着剤で結合してツリーを形
成するようにしたロスト・ワツクス法におけるツ
リー組立方法を提供することにある。

従つて本発明の目的は、マニピユレーター等に
よるワツクス模型の取扱いを可能にし、これによ
りツリー組立の自動化を図り、作業時間の短縮
化、生産コストの低下、品質、材料歩留り、生産
能率の向上を達成するツリー組立方法を提供する
ことにある。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に従つ
て詳述する。

第１図は筒状組立ユニツトの斜視図、第２図は
組立ユニツトの縦断面図、第３図はワツクス模型
を成型したユニツト模型の斜視図、第４図は複数
の概略的なワツクス模型を取付けた本発明に係る
ツリーの縦断面図である。

１は硬質の円筒状組立ユニツトであり、例えば
金属材（SUS304等）によつて形成される。組立
ユニツト１の上側の一端１ａは開口部２より軸方
向一定幅の部分でその外径が小径となるように形
成され、その先端外側周囲は面取り３されてい
る。組立ユニツト１の下側の他端１ｂの開口部４
は軸方向一定幅の部分でその内径が大径となるよ
うに形成され、その先端内側周囲は面取り５され
ている。組立ユニツト１の中央部１ｃには、その
周囲方向に複数の孔６…が形成されている。

上記形状の組立ユニツト１を利用する本発明に
係るツリー組立方法を以下に説明する。

組立ユニツト１は硬質であるためマニピユレー
ターで把持することが可能である。マニピユレー
ターで上端１ａを把持された組立ユニツト１は製
品用ワツクス模型を形成するための金型に搬送し
金型にセツトされる。金型にワツクスが流し込ま
れることにより、前記組立ユニツト１の中央部１
ｃの周囲に複数のワツクス模型７…が一体的に成
型される。流し込まれたワツクスは、組立ユニツ
ト１の周囲面に薄い層を形成するとともに、中央
部１ｃに形成された複数の孔６…の中にも圧入さ
れ、個々の製品用ワツクス模型７…と組立ユニツ
ト１との接着強度を強固なものとする。このよう
にして組立ユニツト１と複数の製品用ワツクス模
型７…が一体となつたユニツト模型８が形成され
る。

次にユニツト模型８は組立ユニツトの上端１ａ
をマニピユレーターで把持され機械的に金型より
取出され、取出されたユニツト模型８は前記上端
１ａをマニピユレーターで把持されたまま搬送さ
れ、途中組立ユニツト１の下縁１ｄに接着剤を付
着し、その後既に湯口用ワツクス模型９と組合さ
れてセツトされた金属製円筒多孔型湯道棒１０に
組立ユニツト１を嵌め込ませて湯道棒１０に取付
けられる。

上記のような方法でユニツト模型８は順次湯道
棒１０に取付けられる。この時に、湯道棒に取付
けられ上下に接し合うユニツト模型、例えば８−
１，８−２において、組立ユニツト１−１の上端
１ａが組立ユニツト１−２の下端１ｂに挿入嵌合
され、両組立ユニツト１−１，１−２が連結され
る。上端１ａ、下端１ｂの夫々の当接部分には面
取り３，５が施されているので、両組立ユニツト
１−１，１−２の嵌合連結は滑らか且つ容易にな
され、小径の外径を有する上端１ａの部分は組立
ユニツト１−２を湯道棒１０に嵌め込むに際して
案内の役目を有する。

又夫々のユニツト模型８の組立ユニツト１の下
縁１ｄには接着剤が付着しているので、組立ユニ
ツト１同志が強固に結合する。

第４図に示される如く、上記方法によつて多数
のユニツト模型８…を湯道棒１０に取り付け、最
上端にキヤツプ１１を取り付けてツリー１２が組
立完成する。

ここで、円筒多孔型湯道棒１０は前工程におい
て、金型にセツトされ、金型に流し込まれたワツ
クスにより湯口用ワツクス模型９とともに湯道棒
１０周囲面に薄い層が形成され、また湯道棒１０
の孔にもワツクスが圧入され、この孔への圧入に
より湯道棒１０周囲面へのワツクス接着強度が強
固なものとなる。そしてこの湯道棒１０周囲面の
ワツクスの薄い層を介して第４図に示される如き
組立ユニツト１…との嵌め込みが行われる。

上記において、組立ユニツト１の材質は金属に
限られるものではなく、硬質であれば他のものを
用いることができるのは勿論である。

以上により得られたツリー１２は既知の如くワ
ツクス表面が微粒子の耐火物と粘結剤とを混合し
たスラリ、更にあらい耐火物粒にて被覆されてお
り、鋳枠内にツリー１２をセツトして粘結剤とと
もに混錬した耐火物粒を充填し、乾燥させて加熱
し、ワツクスを溶融流出させるとともに加熱燃焼
させて鋳型が作られる。そして鋳型内に残つた湯
道棒１０及び組立ユニツト１…を鋳型内から抜き
去つた後、高温状態を保つたまま鋳型に溶湯が鋳
込まれる。溶湯が凝固したら鋳型を壊し、湯口や
湯道等を切断除去し、表面の耐火物を取り除いて
ワツクス模型７…の形状をした製品を得る。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
マニピユレーター等によるワツクス模型の取扱い
を可能にし、ツリー組立工程の自動化を達成する
ことにより、生産工程が省力化され、作業時間の
短縮、生産コストの低下、品質の安定が確保さ
れ、材料歩留り、生産能率・能力が向上する。又
使用ワツクス量が減少し、筒状組立ユニツト、湯
道棒の半永久的反復使用が可能となり省資源に寄
与する。

又多孔型湯口、湯道棒を使用するため、脱ろう
時に従来多発していた湯口、湯道系の鋳型の割れ
が生ぜず、湯道棒が円筒状になつているため大量
のワツクス模型が付き、製品、湯口の歩留りが向
上する。更には製品、湯口、湯道の切断工程で形
状が一定しているため、専用機の使用が可能とな
り極めて能率を高める等の諸効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は筒状
組立ユニツトの斜視図、第２図は組立ユニツトの
縦断面図、第３図はワツクス模型を成型したユニ
ツト模型の斜視図、第４図はツリーの縦断面図で
ある。 尚図面中、１は筒状組立ユニツト、１ａは外径
を小径とする端部、１ｂは内径を大径とする端
部、１ｃは中央部、６は孔、７はワツクス模型、
８はユニツト模型、１０は湯道棒、１２はツリー
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 硬質の筒状組立ユニツト１の中央部１ｃの外
   周に複数のワツクス模型７…を備える多数のユニ
   ツト模型８…を一本の円筒多孔型湯道棒１０の外
   周に対し夫々の筒状組立ユニツト１…の内周を順
   次嵌め込むことによりツリー１２を形成するロス
   ト・ワツクス法におけるツリー組立方法であつ
   て、 先端を面取り３された外径が小径なる一端部１
   ａと先端を面取り５された内径が大径なる他端部
   １ｂと多数の孔６…を有する中央部１ｃとから成
   る硬質の筒状組立ユニツト１の中央部１ｃの外周
   に対し複数のワツクス模型７…を一体成型してユ
   ニツト模型８を多数形成する工程と、 該ユニツト模型８を筒状組立ユニツト１で把持
   して円筒多孔型湯道棒１０まで個々に搬送すると
   ともに、各筒状組立ユニツト１…の先端に接着剤
   を付着する工程と、 該ユニツト模型８を筒状組立ユニツト１で把持
   して円筒多孔型湯道棒１０の外周に対し筒状組立
   ユニツト１の内周を順次嵌め込むとともに、各筒
   状組立ユニツト１…の外径が小径なる一端部１ａ
   …を内径が大径なる他端部１ｂ…内に夫々の面取
   り３…，５…を介し順次嵌合接着して結合連結す
   ることによりツリー１２を形成する工程と、 から成ること、 を特徴とするロスト・ワツクス法におけるツリー
   組立方法。