JP3019292U - 魚釣用スピニングリールのスプール着脱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 押し釦とリングバネの組み付けを容易に行う
ことが出来る着脱装置を提供することにある。 【構成】 リールシャフト１の先部に環状の掛止め凹部
２を形成し、他方スプール４の前側鍔の中央部には前記
掛止め凹部に嵌入係合する平行な直線杆部からなる挟着
部８’を備えたリングバネ８を該挟着部が径方向外側に
向けて拡開自在なる如く収容すると共に、スプールに取
り付ける押え筒10で保持し、且つそのリングバネの前方
に位置させて前記押え筒の中心部にはリールシャフトに
嵌合しかつ周壁にテーパ切欠部12及びそのテーパ切欠部
の下端寄りにバネ掛止め溝13を切欠形成した帽筒状の押
し釦11を摺動自在に嵌合し、押し釦11のバネ掛止め溝に
前記リングバネ８の直線杆部を係合させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はリアドラッグ機構を備えた魚釣用スピニングリールにおけるスプール 着脱装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種魚釣用スピニングリールにおいてスプールをワンタッチで着脱交換する 装置として、スプール上部の中央に配置した押釦を押圧することにより該押釦に 形成されたテーパ筒でリールシャフトに形成された掛止め凹部に係合しているリ ングバネの挟着部を拡開してスプールをリールシャフトから分離することが実開 昭５５−１４９３７３号公報で知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の装置では押釦と固定リングとの間に該押釦が飛 び出したりしないように保持する掛止め機構が必要であると共に、押釦のガタ付 きを防止するためスプリングで付勢してあるが、そのスプリングは押釦及び固定 リングの取り付けに先だってそれ単独でスプールの凹部に組み込みセットしなけ ればならず、その組み立て作業が面倒であるといった欠点を有する。 この問題点を解決するものとして実公平２−３３６６８号が提案されているが 、このものはリングバネを単独でスプールに収容セットすることが出来ず、予め 押釦筒のテーバ設欠部下端に連設した環状体によってリングバネを横方向から組 み付け保持し、それをスプールに組み付けるというものである。 その為に、押釦筒に保持したリングバネはスプールに組み付けるまでの間に該 押釦筒から脱落する危険があり、作業性に欠けるという問題点を有する。

【０００４】 本考案は上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みて成されたもので、 その目的とするところは、簡単な構成で押し釦とリングバネの組み付けを容易に 行うことが出来る着脱装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案が講じた技術的手段は、リールシャフトの 先部に環状の掛止め凹部を形成し、他方スプールの前側鍔の中央部には前記掛止 め凹部に嵌入係合する平行な直線杆部からなる挟着部を備えたリングバネを該挟 着部が径方向外側に向けて拡開自在なる如く収容すると共に、スプールに取り付 ける押え筒で保持し、且つそのリングバネの前方に位置させて前記押え筒の中心 部にはリールシャフトに嵌合しかつ周壁にテーパ切欠部及びそのテーパ切欠部の 下端寄りにバネ掛止め溝を切欠形成した帽筒状の押し釦を摺動自在に嵌合し、押 し釦のバネ掛止め溝に前記リングバネの直線杆部を係合したことを特徴とする。

【０００６】 上記のスプールに対する押え筒の取り付け固定は、スプールの凹部内周面に対 してネジ構造で螺合するか、或いはスクイズネジ式で着脱自在に取り付ける。

【０００７】

【作用】

上記の手段によれば、リールシャフトにスプールを嵌合すると、該スプールの 前側鍔の中央部に装着されたリングバネにおける挟着部を構成する平行な直線杆 部が該リールシャフト先端の円錐形部で外方に押し広げられ、円錐形部の後端を 通過すると該円錐形部に連続して形成されている環状の掛止め凹部に挟着部が嵌 入係合してリールシャフトにスプールが掛止め保持される。 そして、リールシャフトに掛止め保持されたスプールを分離する時は、スプー ルの凹部に螺合されている押え筒の中心に装備されている押し釦を押圧すると該 押し釦に設けられているテーパ切欠部が掛止め凹部に嵌合する平行な直線杆部か らなる挟着部を外方へ拡開し、平行な直線杆部相互間の間隔が円錐形部の外径よ り押し広げられることで掛止め凹部とリングバネとの掛止めが解除され、スプー ルはリールシャフトから分離可能となる。しかも、上記の押し釦はテーパ切欠部 の下端寄りに切欠形成したバネ掛止め溝に係合しているため、スプールから分離 離脱することはない。

【０００８】 又、押し釦の組み立てもスプールの凹部にリングバネを収容し押え筒を螺合し て脱落を防止し、その状態で押し釦を押え筒内に嵌合押し込むとテーパ切欠部の 下端で挟着部を押し広げて嵌入し、その径方向に押し広げられたリングバネの挟 着部はバネ掛止め溝に収縮係合して押し釦を掛止め保持する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すると、図中、１はリールシャフト でハンドル（図示省略）の回動によって軸方向に前後摺動する周知の形態を成し 、そのリールシャフト１の先端は円錐形に形成されると共に、その円錐形部１a の後端に連続して掛止め凹部２が環状に形成されると共に、掛止め凹部２より軸 方向後方位置には該軸心と直交させてストップピン３が貫通固定されている。

【００１０】 上記のリールシャフト１に掛止め取り付けられるスプール４は、合成樹脂材又 は金属材等で糸巻き胴部４a の後端に該糸巻き胴部４a の外径より大径な袴部４ b が連設され、糸巻き胴部４a の前端に前側鍔４c が連設された今日周知の形態 を成し、その前側鍔４c の中央部には糸巻き胴部４a 内に向けて前記したリール シャフト１を支持する軸受筒部４d が同一体に突出形成されている。そして、軸 受筒部４d の後部にはリールシャフト１に固着されたストップピン３が嵌合する 係合溝５が切り欠き形成され、軸受筒部４d の前部、即ち前側鍔４c の前面には リールシャフト１の円錐形部１a の外径よりも大径な凹部６が穿設されており、 更にその凹部６の開口部周囲にはリングバネ８を装着する凹所７及び、その凹所 ７に装着したリングバネ８を押えるドーナツ状の押え筒10が螺着されるネジ条９ が前記凹所７の内周面に形成されている。

【００１１】 リングバネ８は、図２及び図３に示すように金属線材を円形に屈曲すると共に 、その両端部を円形の直径方向に向けて平行に屈曲した直線杆部８a ，８b から なる挟着部８’を有し、その挟着部８’の幅は前記したリールシャフト１の掛止 め凹部２の内径に相当する幅とする。

【００１２】 リールシャフト１の掛止め凹部２に嵌合係着するリングバネ８の挟着部８’を 拡開させる押し釦11は、前記した押え筒10の内径よりも僅か小径な外径を有し、 且つリールシャフト１の外径より僅か大径な内径を有する帽筒状に形成され、そ の筒部の下半部は直径線上の相対する面を先細状にカットして挟着部８’を構成 する平行な直線杆部８a ，８b 間に嵌入するテーパ切欠部12が形成されている。 又、押し釦11におけるテーパ切欠部12の下端寄りには内側に食い込むバネ掛止 め溝13が切欠形成され、そのバネ掛止め溝13が前記リングバネ８の挟着部８’に 嵌入係合するように構成されている。

【００１３】 上記の構成により、スプール４にリングバネ８及び押し釦11を組み付ける場合 は、スプール４の凹所７にリングバネ８を収容すると共に、該凹所７に押え筒10 を螺着して前記リングバネ８の飛び出しを防止しながら該リングバネ８の挟着部 ８’が径方向に拡縮変形可能状態に保持し、次に押え筒10の内側に押し釦11を嵌 合して押し込むとテーパ切欠部12の下端が挟着部８’間に嵌入して該挟着部８’ を径方向に押し広げ、テーパ切欠部12の途中に形成されたバネ掛止め溝13が挟着 部８’と対応すると押し広げられていた挟着部８’は元の幅に収縮してバネ掛止 め溝13に係合し、それによって押し釦11はリングバネ８を介して係合保持される 。

【００１４】

【考案の効果】

本考案のスプール着脱装置は請求項１に示した構成により、スプールに装備す るリングバネ及び押し釦の組み付けは、スプールの凹所にリングバネを収容保持 し、その状態で押し釦を嵌合押し込むことで該押し釦のテーパ切欠部の下端寄り に形成したバネ掛止め溝がリングバネの挟着部に係合保持される。 従って、予め押し釦にリングバネを組み付けるといった作業は必要なく、しか も押し釦からリングバネが脱落する心配も無くなる。因って、非常に簡単な構造 でしかも簡単な操作で組み立てを行うことができ、生産性に富んだスプール着脱 装置を提供する事ができる。

【提出日】平成７年６月２３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の装置では押釦と固定リングとの間に該押釦が飛 び出したりしないように保持する掛止め機構が必要であると共に、押釦のガタ付 きを防止するためスプリングで付勢してあるが、そのスプリングは押釦及び固定 リングの取り付けに先だってそれ単独でスプールの凹部に組み込みセットしなけ ればならず、その組み立て作業が面倒であるといった欠点を有する。 この問題点を解決するものとして実公平２−３３６６８号が提案されているが 、このものはリングバネを単独でスプールに収容セットすることが出来ず、予め 押釦筒のテーパ切欠部下端に連接した環状体によってリングバネを横方面から組 み付け保持し、それをスプールに組み付けるというものである。 その為に、押釦筒に保持したリングバネはスプールに組み付けるまでの間に該 押釦筒から脱落する危険があり、作業性に欠けるという問題点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断側面図である。

【図２】図１の（Ａ）−（Ａ）線に沿える断面図であ
る。

【図３】リングバネと押し釦を示す斜視図である。

【図４】押し釦をスプールに組み付ける状態を示す拡大
断面図である。

【符号の説明】

１…リールシャフト ２…掛止め凹部 ４…スプール ８…リングバネ 11…押し釦 12…テーパ切欠部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドルの回動に因って前後方向に摺動
   するリールシャフトの先部に環状の掛止め凹部を形成
   し、他方スプールの前側鍔の中央部には前記掛止め凹部
   に嵌入係合する平行な直線杆部からなる挟着部を備えた
   リングバネを該挟着部が径方向外側に向けて拡開自在な
   る如く収容すると共に、スプールに取り付ける押え筒で
   保持し、且つそのリングバネの前方に位置させて前記押
   え筒の中心部にはリールシャフトに嵌合しかつ周壁にテ
   ーパ切欠部及びそのテーパ切欠部の下端寄りにバネ掛止
   め溝を切欠形成した帽筒状の押し釦を摺動自在に嵌合
   し、押し釦のバネ掛止め溝に前記リングバネの直線杆部
   を係合したことを特徴とする魚釣用スピニングリールの
   スプール着脱装置。