JP3019006B2 - 放射体温計 - Google Patents
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Description
エネルギーを検出して体温を測定する放射体温計に関す
るものである。
検出して、人体の体温を測定する鼓膜体温計は、プロー
ブを部分的に外耳道に挿入する必要がある。病院等で多
くの患者の体温を測定する場合、プローブが人体に接触
するので感染症の恐れと、耳垢がプローブ前面に付着す
る。そのため、プローブカバーは、プローブ前面部を囲
むために設けられ、患者にとって清潔で衛生的な状態に
し、かつプローブ先端を耳垢等から保護するために必要
となる。また、プローブカバーは赤外線を検出するため
に、赤外線を透過する材料から構成される必要がある。
通常、プローブカバーはプローブに装着され、体温の測
定が終了すると、捨てられる使い捨て構成となってい
る。
として、特公平6−42872号公報に記載されている
ものが一般的であった。この放射体温計は図10に示さ
れているように、プローブに装着するカバーで、中空の
一体カバーであり、プローブに装着した時に、プローブ
先端を閉鎖するようになっており、さらに赤外線を透過
させるためにプローブ部の先端付近と閉鎖端のカバー厚
さが後端よりも薄く構成されている。そして、プローブ
カバー先端が赤外線の透過率を上げるために、非常に薄
い閉鎖膜で構成されているのが特徴である。
き要件が3つある。第1に耳垢等からプローブを衛生的
に保護すること。第2に測定精度を向上させるために、
赤外線を限りなく透過させること。第3にプローブカバ
ーの製造が容易にできることである。前記公報は、第1
の要件は満たしているが、第2、第3の要件を満たすた
めに課題があった。つまり、プローブカバー先端の閉鎖
膜として、赤外線を限りなく透過させるために、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の比較的赤外線を透過させる
材料で構成していた。そして、前記公報は、0.000
5インチ(約13ミクロン)から0.001インチ(約
25ミクロン)の厚さが遮蔽膜として良いと開示してい
る。しかし、遮蔽膜の厚さが25ミクロン前後で赤外線
の透過率は85%程度である。その内、赤外線が遮蔽膜
によって反射される分を除けば約10%が遮蔽膜に吸収
されることになる。これは、赤外線センサーから見れば
遮蔽膜の温度を10%検出していることになる。つま
り、その分だけ測定誤差が生じる。しかし、測定精度を
上げるためには、透過率を上げる必要がある。透過率を
上げるには、遮蔽膜を極限にまで薄くしなければならな
い。しかし、製造上困難さが残るという課題を有してい
た。
は、プローブカバーの構成が開示されている。この公報
は、図11に示すように、プローブに装着した時にプロ
ーブカバーの先端は開口しているため、赤外線の透過率
は100%であるが、耳垢等からプローブが保護されな
いという課題があった。
ローブカバーの3つの課題を解決するものである。つま
り、第1に耳垢等からプローブを衛生的に保護するこ
と。第2に測定精度を向上させるために赤外線の透過を
よくすること。第3にプローブカバーの製造を容易にす
ることである。
するために、赤外線を透過する遮蔽部材をプローブに装
着した時に、小さな孔が複数開いている膜でプローブ先
端を覆うように構成したものである。
ーブ先端を閉鎖膜で完全に遮閉するのではなく、複数の
小孔を有する膜で覆うので、遮蔽部材による赤外線エネ
ルギーの減衰を少なくすることが可能となるとともに、
その結果、膜厚そのものも製造上困難にならない程度の
厚さにすることができる。さらには、小孔を耳垢等が通
らないような径にしているので、プローブを耳垢等から
保護することができ、衛生的でもある。
るプローブ手段と、前記プローブ手段を介して鼓膜近傍
から放射される赤外線を検知する赤外線センサーと、前
記赤外線センサーの出力から体温情報を演算する回路処
理手段と、前記回路処理手段により演算された体温情報
を出力する出力手段と、前記プローブ手段の先端を遮蔽
すべく装着され複数の小孔を有する遮蔽部材とから構成
することができる。
減衰しないように、プローブ手段の先端の開口率を増大
するようにすることにより赤外線エネルギーの減衰を少
なくすることができる。
集中するプローブ手段の先端の中心部に小孔を集中させ
るようにすることにより赤外線エネルギーの減衰を少な
くすることができる。
し、赤外線エネルギーが集中するプローブ手段の先端の
中心部の方がその周辺より密度を大きくすることによ
り、赤外線エネルギーの減衰を少なくすることができ
る。
外線エネルギーが集中するプローブ手段の先端の中心部
の方がその周辺より径を大きくすることにより、赤外線
エネルギーの減衰を少なくすることができる。
段と、前記プローブ手段を介して鼓膜近傍から放射され
る赤外線を検知する赤外線センサーと、前記赤外線セン
サーの出力から体温情報を演算する回路処理手段と、前
記回路処理手段により演算された体温情報を出力する出
力手段と、前記プローブ手段の先端の周辺を遮蔽し、か
つ周辺にへりを有し中央が開口する遮蔽部材とを備える
ことにより耳垢によるよごれをへりにより防ぐことがで
きる。
して説明する。 (実施例1) 図1は本発明の実施例1の放射体温計の外観略図であ
る。
耳孔部に挿入する部分でありプローブ手段である。ま
た、3aはプローブ手段を衛生的に保護するポリエチレ
ンからなる遮蔽部材であり、その材料は赤外線を透過す
るものであれば何でも良く、ポリエチレンには限定され
ない。4は体温情報を出力する出力手段であり、液晶表
示デバイスよりなる。出力手段4も表示デバイスに限定
されることなく、リモートセンシング用の出力であって
も良い。
外観略図であり、プローブ手段2に装着した時にプロー
ブ手段2の先端を遮蔽部材3aで完全に覆う閉鎖膜の構
成ではなく、先端の遮蔽膜3b(遮蔽部材3aの一部分
でプローブ手段2の先端を覆う部分であり、以下遮蔽膜
3bとして述べる)に複数の小孔5を有する遮蔽構成と
している。
る。6は、プローブ手段3aを介して入射された赤外線
を検出する赤外線センサーであり、7は赤外線センサー
の前方に配置され、鼓膜近傍から放射される微少な赤外
線を光学的に増幅し集光する集光手段であり、本実施例
では材料がシリコンからなるフレネルレンズを用いてい
る。8はプローブ手段2の先端から入射される赤外線を
光学的に絞る中空の管状筒部材であり、内面が高放射率
になるように黒体塗装を施している。本実施例では、赤
外線センサー6として、焦電型センサーを用いたが、赤
外線を検出する素子であれば良く、サーモパイルでもか
まわない。9は、赤外線をチョッピングするチョッパー
であり、耳孔部から放射される赤外線エネルギーと、赤
外線センサー6の雰囲気エネルギーを断続して赤外線セ
ンサー6に入射させる。そのため、赤外線センサー6の
近辺の雰囲気温度を測定する温度測定センサーとして、
サーミスタ10を赤外線センサー6の近辺に配置してい
る。本実施例では、チョッパー9として、圧電材料をス
チール材に結合し、振動させている。その周波数は、本
実施例では85Hzとしている。本実施例では、チョッパ
ー方式を採用したが、チョッパーの有無は、本発明には
拘束されない。11は赤外線センサー6のアナログ信号
出力を増幅するフィルター付きの増幅回路であり、約6
0dBのゲインを有している。12は、増幅回路11で
増幅されたアナログ出力信号とサーミスタ10のアナロ
グ出力信号を入力し、AD変換器でデジタル信号に変換
するとともに、その内部で耳孔内部の温度に換算し、結
果として体温情報を生成する回路処理手段であり、本実
施例では8ビットマイクロコンピューターを用いてい
る。そして、回路処理手段12からの体温出力情報が、
出力手段4の液晶表示デバイスに表示される。なお、本
実施例では、鼓膜近傍から放射される微少な赤外線エネ
ルギーを光学的に増幅するために、集光手段7として、
レンズを使用したが、赤外線センサー6の前方に内面が
高反射率の鏡面加工を施した中空の管状筒部材を配置し
ても、同様の集光効果が得られるのは言うまでもない。
ついて述べる。放射体温計1で鼓膜近傍の体温を測定す
るには、プローブ手段2を部分的に外耳道に挿入する必
要がある。衛生的な面から、またプローブ手段2の先端
を耳垢等から保護するためにも何らかの遮蔽保護手段が
必要となる。しかし、赤外線を出来るだけ減衰させない
で、透過させる必要がある。そこで、遮蔽部材3aとし
て、常温付近の赤外線を比較的透過させるポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が使用されることは、一般的によ
く知られている。さらに、その減衰率は、遮蔽部材の厚
さにも、かなりの影響を受けるので、極力薄くしなけれ
ばならない。従来、その厚さとして、0.0005イン
チ(約13ミクロン)から0.001インチ(約25ミ
クロン)の遮蔽部材が使用されていた。しかし、遮蔽膜
3bの厚さが25ミクロン程度の薄さのポリエチレンで
も赤外線の透過率は85%前後であり、反射される分を
除けば約10%程度遮蔽膜3bに吸収されることにな
る。したがって、赤外線センサー6から見れば、遮蔽部
材3aの温度が一部見えることになり、それが必然的に
測定誤差となって現われる。つまり、誤差の観点からす
れば、遮蔽膜3bの厚さを10ミクロン以下にすること
が、理想であるが、製造上の困難さと、あまりの薄さに
より、すぐに遮蔽膜3bが破れるという困難さを伴って
いた。本実施例の遮蔽部材3aは、プローブ手段2に装
着した時に、プローブ先端を覆う部分に赤外線を透過さ
せ易くするために、完全遮蔽の閉鎖膜ではなく、径が1
00ミクロンから400ミクロンの小孔を複数開けてい
るので、遮蔽膜3bの開口率を大きくすることができ
る。開口率を大きくすれば、遮蔽膜3bによる赤外線の
減衰率が減少することは自明のことである。したがっ
て、小孔の数と小孔径により遮蔽膜3bの開口率は決ま
るが、開口率を50%にすれば、遮蔽膜3bの厚さを半
分にした時とほぼ同等の赤外線の減衰率ですむことが実
験で確認できた。本実施例では、小孔径を100ミクロ
ン、開口率を60%、遮蔽膜3bの厚さを20ミクロン
とし、小孔の径の大きさを、耳垢が小孔を通ってプロー
ブ手段2に付着しない程度の大きさにしたが、小孔径、
開口率と遮蔽膜3bの厚さは本発明を拘束するものでは
ない。
耳垢等が入らないような複数の小孔を備えさせることに
より、衛生的であり、かつ遮蔽膜の開口率を上げること
ができるので、遮蔽膜の厚さを製造上困難とされる極限
の薄さまでしなくても(例えば、10ミクロン以下)赤
外線透過率が上がり、結果として測定精度を向上するこ
とができる。
ある。
様の構成であるが、プローブ手段2の先端を覆う遮蔽膜
3bの小孔5を中心部に集中するように配置構成した点
が異なる。赤外線センサー6の光学的な視野角θは、図
3に示す13である。また、図5は赤外線入射エネルギ
ーの視野特性を示している。赤外線センサー6は、θが
ゼロ、つまりプローブ手段2の先端の中心部付近から最
も赤外線エネルギーを受けていることになる。本実施例
では、この中心部付近の遮蔽膜3bによる赤外線の減衰
を少なくするため、遮蔽膜3bの小孔5を中心部に集中
するように構成したものである。
段の先端から入射される赤外線の内、最も大きな赤外線
エネルギー分布領域のロスを少なくできるので、測定精
度がさらに向上する。
ある。遮蔽部材3aの構成は、実施例2とほぼ同様の構
成であるが、プローブ手段2の先端を覆う遮蔽膜3bの
小孔5を周辺部と中心部で密度差を有するように配置構
成した点が異なる。本実施例では、この中心部付近の遮
蔽膜3bによる赤外線の減衰を少なくするため、遮蔽膜
3bの小孔5の密度を周辺部よりも中心部の方が大きく
なるように配置構成したものである。
が得られる。 (実施例4) 図7は本発明の実施例4における遮蔽部材の外観略図で
ある。
様の構成であるが、プローブ手段2の先端を覆う遮蔽膜
3bの小孔5の径を周辺部と中心部で異なるように配置
構成した点が異なる。本実施例では、この中心部付近の
遮蔽膜3bによる赤外線の減衰を少なくするため、遮蔽
膜3bの小孔5の径が周辺部よりも中心部の方が大きく
なるように配置構成したものである。
が得られる。 (実施例5) 図8は本発明の実施例5における遮蔽部材の外観略図で
ある。
の構成であるが、実施例1から実施例4は、遮蔽膜3b
に小孔5を設けることで開口率を上げていたが、本実施
例は遮蔽膜3bの中心部付近を完全な開口とするが、耳
垢等がプローブ手段2の先端に付着しないように遮蔽膜
3bの周辺にヘリ14を備えた点が異なる。
リから付着する。そこで、遮蔽膜3bの周辺にヘリ14
を備えることにより、プローブ手段2を耳垢等から保護
することが可能となる。さらに、遮蔽膜3bの中心部付
近は完全な開口であるので、赤外線エネルギーの減衰ロ
スがなく、測定精度を向上させることが可能となる。
が8mm、遮蔽膜3bの径は9mm、遮蔽膜3bの開口径は
6mm、ヘリ14は1.5mmとして使用している。しか
し、これらの数値によって、本発明は拘束されないこと
は言うまでもない。
外観略図である。
の構成であるが、実施例1から実施例5の遮蔽部材3a
は、遮蔽膜3bをプローブ手段2の先端に密着させるよ
うに覆っていたが、遮蔽部材3aの先端をプローブ手段
2の先端よりも前方になるようにプローブ手段2を覆う
とともに、遮蔽膜3bの先端径がプローブ手段2の先端
径よりも小さくなるように構成した点が異なる。
ローブ手段2の先端が外耳道に挿入できない場合が多
い。しかし、本実施例の構成をとれば、遮蔽部材3aに
より耳孔部への位置決めができ、外耳道に挿入すること
もできるので、小さな子供でも衛生的に体温測定が可能
となる。本実施例では、遮蔽膜3bの径を5mmにしてい
る。
放射体温計によれば、次の効果が得られる。
蔽部材の先端の遮蔽膜に耳垢等が入らないような複数の
小孔を備えさせることにより、衛生面を維持しつつ遮蔽
膜の開口率を上げることができる。その結果、遮蔽膜の
厚さを製造上困難とされる極限の薄さまでしなくても、
赤外線透過率が上がり、放射体温計の測定精度を向上さ
せることができる。
されるエネルギーが最も高い中心部付近の赤外線の減衰
を少なくするため、遮蔽膜の小孔を中心部に集中するよ
うにして、測定精度をさらに向上すことができる。
入射されるエネルギーが最も高い中心部付近の赤外線の
減衰を少なくするため、遮蔽膜の小孔数を中心部の方が
周辺部より密度が大きくなるように構成して、測定精度
をさらに向上することができる。
て入射されるエネルギーが最も高い中心部付近の赤外線
の減衰を少なくするため、遮蔽膜の小孔径を中心部の方
が周辺部より大きくなるように構成することにより、測
定精度をさらに向上することができる。
心部付近を完全な開口としつつ、その周辺に耳垢等の侵
入を防ぐためのヘリを備えた遮蔽部材としているので、
衛生的であり、かつ測定精度を向上させることができ
る。
図
材の外観略図
材の外観略図
材の外観略図
材の外観略図
蔽部材の外観略図(b)他の例における遮蔽部材の外観
略図
の断面図
Claims (7)
- 【請求項1】人体の耳孔部に挿入するプローブ手段と、
前記プローブ手段を介して鼓膜近傍から放射される赤外
線を検知する赤外線センサーと、前記赤外線センサーの
出力から体温情報を演算する回路処理手段と、前記回路
処理手段により演算された体温情報を出力する出力手段
と、前記プローブ手段の先端を遮蔽すべく装着され複数
の小孔を有する遮蔽部材とを有する放射体温計。 - 【請求項2】遮蔽部材は、プローブ手段の先端の開口率
を増大するものであることを特徴とする請求項1記載の
放射体温計。 - 【請求項3】遮蔽部材は、プローブ手段の先端の中心部
に小孔を集中させるものであることを特徴とする請求項
1または2記載の放射体温計。 - 【請求項4】遮蔽部材は、小孔数に密度差を有し、プロ
ーブ手段の先端の中心部の方がその周辺より密度が大で
あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
に記載の放射体温計。 - 【請求項5】遮蔽部材は、小孔径差を有し、プローブ手
段の先端の中心部の方がその周辺より径が大であること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
放射体温計。 - 【請求項6】遮蔽部材は、鼓膜近傍から放射される赤外
線を透過させる赤外線透過材料で構成されることを特徴
とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の放射体
温計。 - 【請求項7】人体の耳孔部に挿入するプローブ手段と、
前記プローブ手段を介して鼓膜近傍から放射される赤外
線を検知する赤外線センサーと、前記赤外線センサーの
出力から体温情報を演算する回路処理手段と、前記回路
処理手段により演算された体温情報を出力する出力手段
と、前記プローブ手段の先端の周辺を遮蔽し、かつ周辺
にへりを有し中央が開口する遮蔽部材とを備えた放射体
温計。
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JPH10118035A JPH10118035A (ja) | 1998-05-12 |
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JP8283610A Expired - Fee Related JP3019006B2 (ja) | 1996-10-25 | 1996-10-25 | 放射体温計 |
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1996
- 1996-10-25 JP JP8283610A patent/JP3019006B2/ja not_active Expired - Fee Related
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