JP3018170B2 - 車両用燃料ボンベの加温装置 - Google Patents

車両用燃料ボンベの加温装置

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JP3018170B2
JP3018170B2 JP14827198A JP14827198A JP3018170B2 JP 3018170 B2 JP3018170 B2 JP 3018170B2 JP 14827198 A JP14827198 A JP 14827198A JP 14827198 A JP14827198 A JP 14827198A JP 3018170 B2 JP3018170 B2 JP 3018170B2
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直也 原山
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばLPG燃料
ボンベ等の車両用燃料ボンベの加温装置に関し、特に、
低温時においても燃料圧力の不足による動力性能の低下
を防止する車両用燃料ボンベの加温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のLPG(液化石油ガス)を燃料と
する車両は、特開平6−239150号公報で開示され
るように、LPGを気化するレギュレータ又はこのレギ
ュレータにLPGを供給する供給管を加温し、LPGの
気化を促進することにより、車両の始動性の向上や低温
時におけるエンジンの動力性能の向上が図られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のLPGを燃料とする車両においては、レギュレータ
や該レギュレータにLPGを供給する供給管を加温して
いたので、LPGの気化促進は図れるが、燃料ボンベ圧
力が不足した場合の圧力上昇を図ることはできず、低温
時におけるエンジンの動力性能の向上は不十分であると
いう問題があった。
【0004】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、車両用燃料ボンベを加温して該ボンベ内の圧力を
上昇させることにより、エンジンの動力性能を低温時に
おいても維持することができる車両用燃料ボンベの加温
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る車両用燃料ボンベの加温装置におい
ては、車両用の燃料ボンベの少なくとも一部を覆うよう
に、該燃料ボンベ外周形状に倣って形成されると共に、
当該燃料ボンベと別体構造をなす加温装置本体と、車両
のエンジンの熱を回収する熱回収部で加温された液体
を、前記加温装置本体に導入する導入部と、該導入部に
より導入された液体が前記加温装置本体内で流れるため
の液体通路と、該液体通路の液体を前記加温装置本体か
ら排出する排出部とを有することを特徴とする。
【0006】かかる構成によれば、熱回収部により加温
されて導入部から導入された液体は、加温装置本体内の
液体通路を流れて、その温度を燃料ボンベに伝わらせて
加温し、排出部から排出される。請求項2に係る車両用
燃料ボンベの加温装置においては、前記加温装置本体
が、前記燃料ボンベの下部を覆うように断面が下に凸の
弧状に形成され、前記導入部は加温装置本体の最下部近
傍に形成されるとともに、前記排出部は加温装置本体の
2つの上端部近傍に形成されることを特徴とする。
【0007】かかる構成によれば、温水は加温装置本体
下部から導入され、2つの上端から排出される。請求項
3に係る車両用燃料ボンベの加温装置においては、液体
の温度及び前記燃料ボンベの圧力に基づいて前記加温装
置本体に導入される液体を遮断、又は通過させる制御手
段が形成されたことを特徴とする。
【0008】かかる構成によれば、制御手段は、液体が
過度に高温となった場合や、燃料ボンベの圧力が所定圧
力に達した時点で、加温装置本体に導入される液体を遮
断する。請求項4に係る車両用燃料ボンベの加温装置に
おいては、前記加温装置本体内には、フィンが形成され
たことを特徴とする。 かかる構成によれば、加温装置本
体内に形成されるフィンによって、加温された液体の熱
が車両用燃料ボンベに効率よく伝達される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。一般的に、LPG自動
車は、ボンベに液体で貯蔵されたLPGを蒸気圧で押し
出し、緊急遮断装置、フュエルパイプ、フュエルフィル
タ、ソレノイドバルブを経て、圧力調節器(ベーパライ
ザ等)に導き、適当な空燃比の混合気とする構成とされ
ている。
【0010】図1に示すように、本実施形態による車両
用燃料ボンベの加温装置1は、車両用燃料ボンベである
LPG燃料ボンベ2の下部を覆って配設されており、エ
ンジンの熱を利用してLPG燃料ボンベ2を加温するも
のである。LPG燃料ボンベ2を加温する循環系Bは、
エンジンで加温された液体としての温水を循環する循環
系Aから熱交換器3(熱回収部)を介して熱を回収す
る。
【0011】熱交換器3と加温装置本体4とは配管C1
によって連結されており、熱交換器3で加温された温水
は、配管C1を通って導入部1a(図2参照)に導か
れ、加温装置本体4内に導入される。配管C1には、内
部を流れる温水を遮断することができるソレノイドバル
ブ8が配設されている。加温装置本体4は、その内部に
導入部1aからの温水を流すための温水通路を有してお
り、この温水通路内を温水が流れることによってLPG
燃料ボンベ2に温水の熱を伝達し、該LPG燃料ボンベ
2を加温する。温水通路の終端には、排出部1b(図2
参照)が形成されており、加温作用を終えた温水を排出
する。
【0012】ここで、加温装置本体4は、図2に示すよ
うに、LPG燃料ボンベ2の下部を覆うように断面が下
に凸の弧状に形成されており、導入部1aは加温装置本
体4の最下部近傍に形成されるとともに、排出部1bは
加温装置本体4の2つの上端部近傍に形成されている。
このような構成により、以下のような効果を有する。即
ち、導入部1aが最下部、排出部1bが上端部にそれぞ
れ形成されることで、温水中に含まれたエアが加温装置
本体4内上部に溜まるのを防止し、排出部1bが2つの
上端部のそれぞれに形成されることで、温水が加温装置
本体4内の片側だけを流れ他の片側の温水が滞留するの
を防止することができ、効率よくLPG燃料ボンベ2を
加温することができる。
【0013】また、加温装置本体4内にはフィン4aが
形成されており、温水の熱を効率よくLPG燃料ボンベ
2へ伝達することができる。2つの排出部1bは、それ
ぞれから延びた一対の配管C2及び配管C3を介してウ
ォータポンプ5に連結されている。ウォータポンプ5
は、温水を循環系B内で循環させる駆動ポンプであり、
後述するコントロールユニット7からの信号で、ON、
OFF制御される。
【0014】ウォータポンプ5と熱交換器3とは、リザ
ーバタンク6を介して連結されており、液温の変化によ
って生ずる循環系B内の容積変化を吸収している。コン
トロールユニット7は、温水の温度及び前記LPG燃料
ボンベ2内の圧力に基づいて加温装置本体4に導入され
る温水を遮断、又は通過させる制御手段であり、循環系
A及び配管C1に配設されたセンサからそれぞれの温水
の温度を検知するとともに、LPG燃料ボンベ2内に配
設されたセンサからボンベ内の圧力を検知し、これら検
知結果に基づいてウォータポンプ5に対しON,OFF
制御信号を送るとともにソレノイドバルブ8に対し開閉
制御信号を送る。
【0015】以下、コントロールユニット7による制御
を図3に基づいて説明する。まず、S1でエンジンが運
転中か否かを判断し、運転中でなければ温水を循環系B
内に循環させる必要がないので、後述する一連の工程を
省略し、循環系B内の温水を循環させない。運転中であ
ればS2に進み、LPG燃料ボンベ2内の圧力が所定圧
力P1以下であるか否かを判断する。ここでの所定圧力
P1は、過圧状態とならない値に適宜設定される。圧力
が所定圧力P1より高ければ、更なるLPG燃料ボンベ
2内の圧力上昇を講ずる必要がないので、後工程を省略
し、循環系B内の温水を循環させない。
【0016】圧力が所定圧力P1以下であればS3に進
み、循環系A内の温度が所定温度T1以上か否かを判断
する。所定温度T1は、循環系B内を加温するのに適し
た温度に適宜設定される。温度が所定温度T1未満であ
れば、循環系Bを加温するのに適さない温度であるか
ら、後工程を省略し、循環系B内の温水を循環させな
い。
【0017】循環系A内の温度が所定温度T1以上であ
ればS4に進み、配管C1の導入部1a近傍の温度が所
定温度T2以下か否かを判断する。所定温度T2は、L
PG燃料ボンベ2を過熱しない温度に適宜設定される。
温度が所定温度T2より高い場合は、更なる加温は不適
切であるため、後工程を省略し、循環系B内の温水を循
環させない。
【0018】配管C1の温度が所定温度T2以下であれ
ばS5に進み、ウォータポンプ5を駆動させるとともに
ソレノイドバルブ8を開けることにより、循環系B内の
温水を循環させる。上記構成により、LPG燃料ボンベ
2内の圧力は、図4に示すように、有効に上昇するた
め、低温時におけるエンジンの動力性能を維持すること
ができる。
【0019】以上、本実施形態について述べたが、本発
明はこれに限らず、ボンベ内にLNG等他の燃料を貯蔵
する車両にも適用することができる。また、上記実施形
態では、エンジンの熱を回収する熱回収部として熱交換
器3を用いているが、エンジンの熱を回収するものであ
れば他の手段或いは方法であってもよく、例えば、循環
系Aの温水を直に加温装置本体4に導入してもよい。
【0020】更に、ウォータポンプ5を配管C1に配設
してもよく、リザーバタンク6やコントロールユニット
7を省いたものに適用してもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されたの
で、請求項1に係る車両用燃料ボンベの加温装置によれ
ば、車両用燃料ボンベを加温してボンベ内の圧力を上昇
させるので、エンジンの動力性能を低温時においても維
持することができる。更に、加温に利用される熱は、車
両のエンジンから回収しているので、新たなる熱源を不
要とし、本装置を適用した場合の製造コスト及び維持コ
スト等を抑制することができる。
【0022】また、請求項2に係る車両用燃料ボンベの
加温装置によれば、液体が加温装置本体下部から導入さ
れて2つの上端から排出されるので、加温装置本体内に
おける液体やエアの滞留を抑制し、液体の循環性を向上
し、効率よく燃料ボンベの加温を行うことができる。ま
た、請求項3に係る車両用燃料ボンベの加温装置によれ
ば、液体の温度及び前記燃料ボンベの圧力に基づいて制
御弁を動作させるので、燃料ボンベの過熱や過圧を防止
することができる。また、請求項4に係る車両用燃料ボ
ンベの加温装置によれば、加温装置本体内に形成される
フィンによって、加温された液体の熱を車両用燃料ボン
ベに効率良く伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用燃料ボンベの加温装置をL
PG自動車に適用した模式図
【図2】本発明による車両用燃料ボンベの加温装置を示
す側面図、及びそのX−X断面図
【図3】本発明による車両用燃料ボンベの加温装置の制
御を示すフローチャート
【図4】本発明による車両用燃料ボンベの加温装置によ
る圧力上昇効果を示すグラフ
【符号の説明】
1…加温装置 2…LPG燃料ボンベ 3…熱交換器 4…加温装置本体 5…ウォータポンプ 7…コントロールユニット 8…ソレノイドバルブ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用の燃料ボンベの少なくとも一部を覆
    うように、該燃料ボンベ外周形状に倣って形成されると
    共に、当該燃料ボンベと別体構造をなす加温装置本体
    と、 車両のエンジンの熱を回収する熱回収部で加温された液
    体を、前記加温装置本体に導入する導入部と、 該導入部により導入された液体が前記加温装置本体内で
    流れるための液体通路と、 該液体通路の液体を前記加温装置本体から排出する排出
    部と、 を有することを特徴とする車両用燃料ボンベの加温装
    置。
  2. 【請求項2】前記加温装置本体は、前記燃料ボンベの下
    部を覆うように断面が下に凸の弧状に形成され、前記導
    入部は加温装置本体の最下部近傍に形成されるととも
    に、前記排出部は加温装置本体の2つの上端部近傍に形
    成されることを特徴とする請求項1記載の車両用燃料ボ
    ンベの加温装置。
  3. 【請求項3】液体の温度及び前記燃料ボンベの圧力に基
    づいて前記加温装置本体に導入される液体を遮断、又は
    通過させる制御手段が形成されたことを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の車両用燃料ボンベの加温装
    置。
  4. 【請求項4】 前記加温装置本体内には、フィンが形成さ
    れたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1
    つに記載の車両用燃料ボンベの加温装置。
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