JP3017158B2 - サーマルプリントヘッドの構造 - Google Patents

サーマルプリントヘッドの構造

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JP3017158B2 JP3325198A JP3325198A JP3017158B2 JP 3017158 B2 JP3017158 B2 JP 3017158B2 JP 3325198 A JP3325198 A JP 3325198A JP 3325198 A JP3325198 A JP 3325198A JP 3017158 B2 JP3017158 B2 JP 3017158B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ等におけ
る印字ヘッドとして使用されるサーマルプリントヘッド
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のサーマルプリントヘッ
ドは、例えば、特開平2−286261号公報及び特開
平2−292055号公報等に記載されているように、
金属製の放熱板の上面に、上面に印字用発熱抵抗体とそ
の共通電極パターン及び個別電極パターンとを形成する
と共に複数個の駆動用ICチップとを搭載して成るセラ
ミック製のヘッド基板と、上面に前記各駆動用ICを外
部接続用コネクタに接続するための各種の配線回路を形
成して成る合成樹脂製のプリント回路基板とを、同一平
面状において横に並べて装着すると言う構成であったか
ら、その横幅寸法が大幅に増大することになって、サー
マルプリントヘッドが大型化になるばかりか、重量が増
大するのであった。
【0003】そこで、先行技術としての特開平3−57
656号公報は、放熱板の上面を、上下二段状の平面に
形成し、この上下二段の平面のうち高い方の平面に、上
面に印字用発熱抵抗体とその共通電極パターン及び個別
電極パターンとを形成して成るセラミック製のヘッド基
板を、上下二段の平面のうち低い方の平面に、上面に複
数個の駆動用ICチップを搭載すると共に各種の配線回
路を形成して成る合成樹脂製のプリント回路基板を、ヘ
ッド基板における幅方向の一側部がプリント回路基板に
対してオーバーラップするようにして装着することによ
って、横幅寸法を縮小することを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この先行技術
におけるサーマルプリントヘッドは、高い方の平面に装
着したヘッド基板の下面を、低い方の平面に装着したプ
リント回路基板の上面に密接するように構成しているこ
とにより、ヘッド基板からの放熱板への熱伝達が、その
間に位置するプリント回路基板によって遮ることで、前
記ヘッド基板における大気中への放熱性が低いから、高
速印字に適合しないのであり、しかも、ヘッド基板がプ
リント回路基板に対して密接していることで、プリント
回路基板における厚さ方向の熱膨張がヘッド基板に対し
て直接的に及ぶことになるから、ヘッド基板における印
字に、印字むら等の悪影響を及ぼすと言う等の問題があ
った。
【0005】その上、前記先行技術におけるサーマルプ
リントヘッドでは、ヘッド基板に対する温度検出用のサ
ーミスタを、ヘッド基板のうち放熱板に接触する部分に
設けていることにより、当該サーミスタの部分から放熱
板への放熱量が大きくて、ヘッド基板の温度変化に応答
性及び精度が低く、印字性能が低いと言う問題もあっ
た。
【0006】本発明は、これらの問題を解消したサーマ
ルプリントヘッドの構造を提供することを技術的課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明のサーマルプリントヘッドは、「放熱板の
上面を、上下二段状の平面に形成し、この上下二段の平
面のうち高い方の平面に、印字用発熱抵抗体を形成した
ヘッド基板を、低い方の平面に、各種の配線回路を形成
したプリント回路基板を、ヘッド基板における幅方向の
一側部がプリント回路基板に対してオーバーラップする
ように装着して成るサーマルプリントヘッドにおいて、
前記放熱板における上下両平面間の高さ寸法を、前記プ
リント回路基板の厚さ寸法よりも大きくする一方、前記
ヘッド基板のうち高い方の平面からプリント回路基板側
にはみ出した部分に、ヘッド基板に対する温度検出用の
サーミスタを装着する。」と言う構成にした。
【0008】
【発明の作用・効果】このように、放熱板における上下
両平面間の高さ寸法を、前記プリント回路基板の厚さよ
りも大きくしたことにより、ヘッド基板の下面と、プリ
ント回路基板の上面との間には、大気に連通する隙間が
形成されることになって、前記ヘッド基板の大気に対す
る露出面積、及び放熱板の大気に対する露出面積を増大
することができて、前記ヘッド基板からの放熱性を、前
記先行技術の場合よりも大幅に促進できる一方、前記隙
間の存在により、プリント回路基板における厚さ方向の
熱膨張がヘッド基板に対して及ぶことを確実に防止でき
るのである。
【0009】また、前記ヘッド基板のうち高い方の平面
からプリント回路基板側にはみ出した部分における放熱
性は、当該ヘッド基板のうち放熱板に対して直接接触す
る部分における放熱性よりも低いから、このはみ出した
部分に、温度検出用のサーミスタを装着することによ
り、ヘッド基板をこのサーミスタにて温度制御する場合
における応答性及び精度を、当該サーミスタをヘッド基
板のうち放熱板に直接接触する部分に装着する場合より
も確実に向上できるのである。
【0010】従って、本発明によると、サーマルプリン
トヘッドを小型・軽量化をしたものでありながら、その
高速の印字に適合することができると共に、印字むらの
発生を確実に低減できて、印字性能を大幅に向上できる
効果を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面について説明する。図1〜図8は、本発明の実施例に
よるサーマルプリントヘッドを示し、この図において符
号1は、アルミ等の金属製の放熱板を示し、この放熱板
1の上面は、上下二段の平面1a,1bに形成されてい
る。
【0012】符号2は、前記放熱板1の上面における上
下二段の平面1a,1bのうち高い方の平面1aに対し
て装着するセラミック製のヘッド基板を示し、このヘッ
ド基板2の上面には、発熱抵抗体3が、長手方向にライ
ン状に延びるように形成されていると共に、複数個の駆
動用ICチップ4が一列状に搭載され、この各駆動用I
Cチップ4の間に、温度感知素子としてのサーミスタ5
が搭載され、更に、このヘッド基板2の上面には、前記
発熱抵抗体3に対する共通電極パターン6と、個別電極
パターン7とが形成され、しかも、前記ヘッド基板2に
おける長手方向の左右両端部の上面には、各駆動用IC
チップ4に対して図示しない各種の配線パターンを介し
て電気的に導通する各種の端子電極8が形成されてい
る。
【0013】なお、前記各個別電極パターン7と各駆動
用ICチップ4との間、及び各駆動用ICチップ4と図
示しない各種の配線パターンとの間は、細い金属線9,
10によるワイヤボンディングによって電気的に接続さ
れ、これら各駆動用ICチップ4及び各金属線9,10
の部分は、合成樹脂製の保護コート11にて被覆されて
いる。
【0014】しかも、前記ヘッド基板2における長手方
向の左右両端部の一側面には、金属板にてクリップ型に
構成した複数本の端子リード12が、前記各端子電極8
に圧入することによって、ヘッド基板2における一側面
から突出するように固着されている。そして、このヘッ
ド基板2を、前記放熱板1の上面における上下二段の平
面1a,1bのうち高い方の平面1aに対して、当該ヘ
ッド基板2における一側面が、低い方の平面1b側に、
適宜寸法E(例えば、各各駆動用ICチップ4及びサー
ミスタ5が高い方の平面1aからはみ出す寸法)だけは
み出すように載置したのち、その長手方向の略中央にお
ける長さL1の部分にのみ塗布したUV接着剤等の接着
剤13にて固着するか、粘着テープにて全面にわたって
接着することによって固着する。
【0015】符号14は、前記放熱板1の上面における
上下二段の平面1a,1bのうち低い方の平面1bに対
して装着する合成樹脂製のプリント回路基板を示し、こ
のプリント回路基板14には、その上面における左右両
端部に形成した各種の接続電極15と、当該プリント回
路基板14に長手方向の略中央部に取付けた外部接続用
コネクタ16とを電気的に接続するための配線回路(図
示せず)が形成されている。
【0016】このプリント回路基板14を、前記放熱板
1の上面における上下二段の平面1a,1bのうち低い
方の平面1bに対して、当該プリント回路基板14の一
部が前記ヘッド基板2の下側に潜り込むように載置し、
その長手方向の略中央における長さL2の部分にのみ塗
布した接着剤17にて固着する。更に、前記ヘッド基板
2の左右両端部における各端子リード12を、プリント
回路基板14における各接続電極15に接触したのち、
この各端子リード12を各接続電極15に対して半田付
け19にて接合する。
【0017】そして、前記放熱板1における上下両平面
1a,1b間の高さ寸法Hを、前記プリント回路基板1
4の厚さ寸法Tよりも大きくするのである。このよう
に、放熱板1における上下両平面1a,1b間の高さ寸
法はを、前記プリント回路基板14の厚さ寸法Tよりも
大きくしたことにより、ヘッド基板2の下面と、プリン
ト回路基板14の上面との間には、大気に連通する隙間
18が形成されることになって、前記ヘッド基板2の大
気に対する露出面積、及び放熱板1の大気に対する露出
面積を増大することができるから、前記ヘッド基板2か
らの放熱性を、前記先行技術の場合よりも大幅に促進で
きるのである。
【0018】また、放熱板1における上下両平面1a,
1b間の高さ寸法Hを、前記プリント回路基板14の厚
さ寸法Tよりも大きくしたことにより、前記ヘッド基板
2の左右両端部における各端子リード12を斜めした下
向きに傾斜した状態で、プリント回路基板14における
各接続電極15に接触することができ、その半田付けに
際して、溶融半田が図7に示すように、当該端子リード
12の裏面側に十分に回り込むことになるから、十分な
半田付け強度を確保することができるのであり、この場
合において、各端子リード12の先端端面を適宜角度θ
の傾斜面12aに形成することにより、この傾斜面12
aにも半田フィレットが形成されることになるから、半
田付け強度のアップを図ることができる。なお、前記複
数本の各端子リード12は、前記実施例のように、ヘッ
ド基板2及びプリント回路基板14における左右両端部
に振り分けて配設することに代えて、ヘッド基板2及び
プリント回路基板14における長手方向の略中央の部分
に纏めて配設するように構成しても良いのである。
【0019】次に、図9〜図12は、前記構成のサーマ
ルプリントヘッドの組立て方法を示すものである。すな
わち、先づ、図9に示すような組立て用の治具Aを用意
し、この治具Aの上面に、前記ヘッド基板2を位置決め
して装填するための第1装填部A1と、前記プリント回
路基板14を位置決めして装填するための第2装填部A
2とを、当該第1装填部A1と第2装填部A2との間に
前記放熱板1における上下両平面1a,1b間の段差寸
法Hよりも僅かに低い寸法H0の段差を設け形成する。
【0020】次いで、図10及び図11に示すように、
前記治具Aにおける第1装填部A1にヘッド基板2を、
第2装填部A2にプリント回路基板14を各々装填し
(この装填による、ヘッド基板2とプリント回路基板1
4との両方を、互いに自動的に位置決めすることができ
る)、この状態で、ヘッド基板2における両端部に固着
されている各端子リード12を、プリント回路基板14
における各接続電極15に対して半田付けすることによ
り、前記ヘッド基板2における各端子リード12のプリ
ント回路基板14における各配線回路に対する接合を、
これらヘッド基板2及びプリント回路基板14を放熱板
1に装着する以前において、ヘッド基板2とプリント回
路基板14との間の高さ寸法H0を前記放熱板1におけ
る上下両平面1a,1b間の高さ寸法Hよりも低くした
状態で行う。
【0021】そして、このようにして接合したヘッド基
板2及びプリント回路基板14を、前記治具Aから取り
外したのち、これを、図12に示すように、放熱板1に
対して装着するのである。そして、この装着に際して
は、ヘッド基板2を、その長手方向の略中央の部分にお
ける長さL1の部分にのみ塗布したUV接着剤等の接着
剤13にて、放熱板1における高い方の平面1aに対し
て固着するか、放熱板1における高い方の平面1aに対
して粘着テープにて全面にわたって接着することによっ
て固着する一方、プリント回路基板14を、図3に示す
ように、前記放熱板1における低い方の平面1bに対し
て凸状に撓み変形した状態で、その長手方向の略中央の
部分における長さL2の部分にのみ塗布した接着剤17
にて固着するのである。
【0022】すると、左右両端部における各端子リード
12を、前記プリント回路基板14における凸状の撓み
変形にて内向きに引き寄せることができて、この内向き
に引き寄せにて、前記ヘッド基板2における左右両端部
に、図3に示すように、当該両端部を放熱体1に対して
押し付けるようにした押圧力Bを付与することができ
て、換言すると、前記ヘッド基板2における左右両端部
を、予め、放熱板1に対して押圧勝手に付勢することが
できるから、次に、プリント回路基板14が熱膨張した
場合に、この熱膨張によって、ヘッド基板2における左
右両端部が放熱板1から浮き上がり気味になることを確
実に低減できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるサーマルプリントヘ
ッドの平面図である。
【図2】図1のII−II視側面図である。
【図3】図1のIII −III 視断面図である。
【図4】図1のIV−IV視拡大断面図である。
【図5】図1のV−V視拡大断面図である。
【図6】図1のVI−VI視拡大断面図である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【図8】分解した状態の斜視図である。
【図9】組立てに使用する治具を示す斜視図である。
【図10】組立ての状態を示す斜視図である。
【図11】図10のXI−XI視拡大断面図である。
【図12】放熱板に対する装着状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 放熱板 1a 放熱板における高い方の平面 1b 放熱板における低い方の平面 2 ヘッド基板 3 発熱抵抗体 4 駆動用ICチップ 5 サーミスタ 6 共通電極パターン 7 個別電極パターン 8 端子電極 12 端子リード 14 プリント回路基板 15 端子電極 16 外部接続用コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南野 雅則 京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−191057(JP,A) 特開 平5−208513(JP,A) 特開 平4−284264(JP,A) 特開 平2−295762(JP,A) 特開 平2−286261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/335

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放熱板の上面を、上下二段状の平面に形成
    し、この上下二段の平面のうち高い方の平面に、印字用
    発熱抵抗体を形成したヘッド基板を、低い方の平面に、
    各種の配線回路を形成したプリント回路基板を、ヘッド
    基板における幅方向の一側部がプリント回路基板に対し
    てオーバーラップするように装着して成るサーマルプリ
    ントヘッドにおいて、 前記放熱板における上下両平面間の高さ寸法を、前記プ
    リント回路基板の厚さ寸法よりも大きくする一方、前記
    ヘッド基板のうち高い方の平面からプリント回路基板側
    にはみ出した部分に、ヘッド基板に対する温度検出用の
    サーミスタを装着したことを特徴とするサーマルプリン
    トヘッドの構造。
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