JP3017102U - ガス切断機等の床構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 普通のガス切断機等は、切断時に発生するス
ラグをそのまま床面に滴下させるかまたは床面に鉄板等
を敷設してこれを受止めるようにしているが、床面又は
鉄板面に滴下した高温スラグは床面又は板面に溶融状態
で付着するため、掻取が困難であるのみならず、附着面
を汚損破砕するという欠点があった。本考案は前記のよ
うな欠点のない床構造を得ようとするものである。 【構成】ガス切断機等の下部両側（及び中間）に設置し
た定盤送りレール３の中間に、表面を平滑に仕七げた硬
質石材（特に花こう岩）板２をクッション接着剤３を介
して接着するとともに、該板の上方において前後に進退
する戻りアッパー方式のスラグスクレーパー７を配設
し、該板の刃面を石材板表面に対して、往路においては
板面に接触させ、復路においては板面より離れるように
対向させたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はガス切断機、溶接機等加工部より溶融物の滴下する作業機の床構造に 改良を施したものである。

【０００２】

【従来の技術】

普通のガス切断機等は、切断時に発生するスラグをそのまま床面に滴下させる かまたは床面に鉄板等を敷設してこれを受止めるようにしているが、床面又は鉄 板面に滴下した高温スラグは床面又は板面に溶融状態で付着するため、掻取が困 難であるのみならず、附着面を汚損破砕するという欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は石材特に花こう岩（御影石）が溶融金属に対して、その固体温度差及 び表面構造の相違により、可及的に接着を阻止するとともに掻取を容易とし、掻 取跡の損傷が殆どない点に着目し、これをガス切断機等の床に応用しようとする ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を解決するため、本考案はガス切断機等の本体下部両側（及び中間 ）に設置したレールの中間に、表面を平滑に仕上げた硬質石材（特に花こう岩） 板４をクッション接着剤６を介して接着するとともに、該板の上方において前後 に進退する戻りアッパー方式のスラグスクレーパー７を配設し、該板の刃面を石 材板表面に対して、往路においては板面に接触させ、復路においては板面より離 れるように対向させたガス切断機等における床構造に係る。

【０００５】 また硬質石材板４の好ましい実施例として、ガス切断時に落下する溶鉄塊によ る物理及び化学的衝撃に耐える花こう岩（御影石）を採用し、該材を板厚１０〜 ５０ｍｍ×定尺の板体に切断し、表面を研摩仕上げるとともに、これを走行レー ル３の内側において該レールの底面に接着剤６を介して重合接着構成させるとよ い。

【０００６】

【作用】

高温のスラグ及び切断片等が鉄板その他普通の床面に落下溶着すると、スクレ ーパーで掻き集めが不可能となるが、本考案は床に硬質石材板を使用したため、 Ａ 床面はスラグを瞬時に冷却するので、床面に殆ど付着しない。 Ｂ 床面は鋳鉄硬度の２〜２．５倍で、スクレーパー等による摩耗が可及的に防 止される。 Ｃ 床面材は非磁性体であるから、ＮＣプログラム制御に影響を及ぼす虞がない 。 Ｄ スクレバーとしてモータ駆動による戻りアッパー方式ヲ使用したため、往（ スラグ取り）の場合爪は床面を擦って走行するが、復（戻り）の場合はカム機構 により爪が上った状態で走行するので、爪の摩耗破損が可及的に防止される。 Ｅ 材質が強固で３０Ｋｇ程度の重量物が落下しても割れ、亀裂等が発生しない 。

【０００７】

【実施例】

図３は本考案の床構造を実施したガス切断機等の一例で、１はＮＣガス切断機 本体、２はスノコ定盤、３はスクレーパの走行レール、４は硬質石材板である。

【０００８】 なお図中１１は溶断スラグ、１２はスラグバッグ、１３は切断機本体の走行レ ール、１４は駆動モータ、１５は被切断材を示す。

【０００９】 本機によれば、ガス切断時に石材板４上に落下する溶鉄ノロ塊は火玉を飛散し つつ板面に付着するも、スクレーパー７が一度板面を通過するとスラグ１１はバ ッグ１２に集められ、板面には殆ど付着跡を残さない。

【００１０】

【考案の効果】 本考案の床構造によれば、敷設された硬質石材（例えば御影石）の特性として １、これを組込んだ工作機械、ＮＣ装置、機器等に錆を発生させるおそれがな く。 ２、表面研摩により鏡滑面に仕上がる。 ３、熱伝導が非常に低い。 ４、吸湿性が少なく、湿度に強い。 ５、硬度は鋳鉄の２〜２．５倍と硬い。（Ｈｓ８０〜１２０の硬度可能） ６、耐熱１０００度以上にて、溶鉄ノロ及び、溶接スパッタが溶着しない。 ７、非磁性で、特にＮＣ機器に最適。 ８、耐衝撃性に優れている。 （仮に重量を落下させても、表面の一部が欠ける程度で全面にヒビ割れを 起こさない） 等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガス切断機等の床構造の正面図。

【図２】（Ａ）往時、（Ｂ）復時の各スクレーパーの側
面概要図。

【図３】本考案を実施したガス切断機等の斜視図。

【符号の説明】

１ ガス切断機本体 ２ スノコ定盤 ３ 走行レール ４ 硬質石材板 ５ 床面（鋼板又はコンクリート） ６ クッション接着剤 ７ スクレーパー ８ ラッチカム ９ 反転ローラー １１ 溶断スラグ １２ スラグバッグ １３ ガス切断機本体の走行レール １４ 駆動モータ１５ 被切断材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス切断機本体１の下部に、表面を平滑
   に仕上げた花こう岩（御影石）等の硬質石材板４を敷設
   して成るガス切断機等の床構造。
2. 【請求項２】 硬質石材板の上部に戻りアッパー方式の
   スクレーパー７を配設し、該スクレーパーの走行レール
   ３の中間において、該をレールの底面に架着した鋼板５
   上にクッション接着剤６を介して前記石材板を重合接着
   させて成る請求項１に記載のガス切断機等の床構造。