JP3017017U - Ｔ型ラチェットスパナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭い部分や遠く手の届かない部分のナット等
の緊締解弛を簡単に行うようにしたことである。 【構成】 上下一対の板材ａ，ｂからなる頭部２と、Ｔ
型ハンドル杆４を継手部材３を介してピン１５，１６に
より屈折可能に連結した本体１を有し、この本体１の頭
部２に嵌合部５と、外周に歯部６ａを設けた歯車６を内
蔵軸支し、更に、歯車６の歯部６ａと対向させて揺動可
能に軸支した揺動部材１１の爪１１ａを位置させ、ハン
ドル杆４の動作を歯車６に伝えるようにした構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、狭い部分や遠く手の届かない部分に利用し、回転させて緊締、解弛 を行うことのできるＴ型ラチェットスパナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来ナット等の締付けや、これを弛めるために用いられているラチェットスパ ナは、ナット等をハンドル杆の先端側の頭部に設けた歯車の嵌合部に嵌め、ハン ドル杆をナットを中心に横方向水平に動作することによって歯車の歯部と対向す るハンドル杆側に軸支して設けた揺動爪の歯部との係合で歯車に回転を伝えてナ ット等の緊締、解弛の作用を行うものが一般公知となって用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のラチェットスパナの場合は、一本のハンドル杆の先端頭部に、前記 歯車を回転可能に軸支して設け、この歯車に設けたナット嵌合部に嵌めたナット 等に回転を伝えるには、ハンドル杆を、ナットを中心に横方向水平に揺動し、こ のハンドル杆と一体の頭部側に軸支した歯車と対向して位置させた揺動爪の送り で歯車を介してナット等に回転を伝えているため、ハンドル杆の揺動は支障のな い揺動範囲が必要となる。従って狭い位置での使用には適さない欠点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は斯様な実情に鑑み、この課題に対処するために創案したもので、上下 一対の板材からなる頭部と、Ｔ型ハンドル杆を継手部材を介してピンによって屈 折可能に連結して本体を構成し、本体の前記頭部の板材間の先端側には、ナット 等の嵌合部と、外周に歯部を設けた歯車を内蔵軸支すると共に芯部材を内蔵して 取付け、また芯部材と歯車の間には、歯車歯部に対向させて、スプリングを付勢 して押圧する揺動部材の爪を位置させ、本体の屈折可能なハンドル杆の動作を揺 動部材の爪を介して歯車に伝えることを特徴としたＴ型ラチェットスパナで、頭 部とハンドル杆を継手部材によって屈折可能にして垂直に屈折でき深部でもナッ ト等に自由に回転を伝えることができるＴ型ラチェットスパナを提供するもので ある。

【０００５】

【作用】

本体１の頭部２の先端側に回動可能に軸支して設けた歯車６の嵌合部５にナッ ト等を嵌めてラチェット部分を利用して公知の揺動部材１１の爪１１ａを歯車６ の歯部６ａとの係合状態によってハンドル杆４を揺動して歯車６に回転を伝えて ナットを緊締解弛する。しかもこの場合ナットの位置が狭い場合や手の届かない 位置にあると、本体１の頭部２をハンドル杆４によってナット位置まで挿込み、 歯車６の嵌合部５にナットを嵌めた後、頭部２とハンドル杆４は継手部材３を介 して連結してあるが、継手部材３は頭部２とハンドル杆４とは自在継手状態とな って屈折可能になるのでハンドル杆の回転力は狭い場所或いは深い場所でも確実 に歯車６に伝えられ、前記ラチェット作用でナットは緊締解弛ができ便利に使用 できる。

【０００６】

【実施例】

図は、本考案によるＴ型ラチェットスパナの一実施例を示したもので、以下図 に基いて具体的に説明する。

【０００７】 １は、上下一対の板材ａ，ｂからなる頭部２と、継手部材３及び一端に横杆４ ａを一体に設けたＴ型ハンドル杆４で構成された本体で、この本体１の前記頭部 ２は、前記上下一対の板材ａ，ｂは先端側を僅かに弧状に膨出させ、この膨出部 には、ナット等を嵌める貫通させた嵌合部５と、外周に歯部６ａを周設した歯車 ６を軸支する軸受孔７，７を設け、前記歯車６を上下板材ａ，ｂ間に内蔵すると 共に回動可能に軸支し、更に上下板材ａ，ｂ間には、一端歯車６側に切欠８ａと 横方向に孔８ｂを設けた芯部材８を内蔵すると共に、この芯部材８は段付ピン９ と、ピン１０によって板材ａ，ｂに取付けてある。

【０００８】 更に、前記歯車６と芯部材８の間には歯車６の歯部６ａと係合する爪１１ａと 他端にスプリング１２の受部１１ｂを設けた揺動部材１１を、歯部６ａと爪１１ ａを対応位置させて内蔵し、更に揺動部材１１は段付ピン１３によって上下板材 ａ，ｂに揺動可能に取付けられている。

【０００９】 前記揺動部材１１の受部１１ａと芯部材８の間には、芯部材８の切欠８ａの横 孔８ｂに嵌まるスプリング１２を介装させて設けてある。

【００１０】 また板材ａ，ｂの他端側の間には、継手部材３の一端に設けた扁平部３ａを嵌 めると共に、ウエブワッシャ１４を介在してピン１５によって屈折可能に連結し 、また継手部材３の他端は、前記扁平部３ａと十字方向の切欠き溝３ｂを設け、 この切欠き溝３ｂにウエブワッシャ１４ａを介在してハンドル杆４の先端に成形 した扁平部４ｂを嵌めると共にピン１６によって継手部材３とハンドル杆４を屈 折可能に連結してある。即ち、頭部２及びハンドル杆４は継手部材３を介して左 右、前後方向に屈折可能となって連結してある。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、本体の頭部には、ラチェット作用を行う歯車と揺動 部材の爪を設け、この頭部に動作を伝えるハンドル杆をＴ型に成形して、このハ ンドル杆の先端と頭部は、両端で十字になるように継手部材で連結することで、 継手部材は前後、左右に屈折できるように自在継手となって連結されることで、 狭い位置のハンドル杆の操作及び深い位置の場合でもハンドル杆の動作は頭部内 の歯車にラチェット部分によって伝えることができてナット等の緊締解弛を簡単 に確実に行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるＴ型ラチェットスパナの一実施例
を示した平面図である。

【図２】図１の一部の拡大図である。

【図３】図１の一部の側面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 頭部 ３ 継手部材 ３ａ 扁平部継手部材 ３ｂ 切欠き溝 ４ ハンドル杆 ４ａ 横杆 ４ｂ 扁平部 ５ 嵌合部 ６ 歯車 ６ａ 歯部 ７ 軸受孔 ８ 芯部材 ８ａ 切欠 ８ｂ 横孔 ９，１３ 段付ピン １０，１５，１６ ピン １１ 揺動部材 １１ａ 爪 １１ｂ 受部 １２ スプリング １４ ウエブワッシャ ａ，ｂ 板材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下一対の板材からなる頭部と、Ｔ型ハ
   ンドル杆を継手部材を介してピンによって屈折可能に連
   結して本体を構成し、本体の前記頭部の板材間の先端側
   には、ナット等の嵌合部と、外周に歯部を設けた歯車を
   内蔵軸支すると共に芯部材を内蔵して取付け、また芯部
   材と歯車の間には、歯車歯部に対向させて、スプリング
   を付勢して押圧する揺動部材の爪を位置させ、本体の屈
   折可能なハンドル杆の動作を揺動部材の爪を介して歯車
   に伝えることを特徴としたＴ型ラチェットスパナ。