JPH0618787Y2 - ネジ締め用トルク伝達部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はソケットレンチ、トルクレンチ等の回転締付け
工具の回転トルクをボルト、ナットに直接に、或はボル
ト、ナットに係合するソケットを介して間接的に伝達す
るネジ締め用回転トルク伝達部材に関するものである。

（従来の技術） ソケットレンチ及びトルクレンチは、第５図に示す如
く、ハンドル(6)と直交して駆動角軸(61)を突出してお
り、該駆動角軸(61)にアダプター(1)を介してソケット
(7)を着脱可能に連結し、ソケットに嵌めたボルト或は
ナット(8)をハンドル操作によって締め付け或は緩め作
業を行なう。

レンチの駆動角軸(61)及びアダプター(1)の角軸(3)に
は、ボール(4)が内蔵され、該ボールはバネ(41)に付勢
されて一部が角軸の壁面外に出没可能に臨出している。

ソケット(7)の軸穴(71)及びアダプター(1)の係合穴(2)
の内面には前記ボールが係合可能な凹部(21)(72)が形成
されている。

駆動軸(61)をアダプター(1)の係合穴(2)に強く押し込む
とボール(4)が穴縁に押されて凹み、駆動軸(61)の差込
みが許容される。

ボール(4)が穴の凹部(21)に対応すると、バネ(41)によ
ってボールが臨出して穴に引っ掛かり、不用意にソケッ
ト(7)或はアダプター(1)が外れることを防止する。

アダプター(1)の角軸(3)とソケット(7)の軸穴(71)の係
合についても上記と同様である。

（考案が解決しようとする課題） ソケット或はアダプターを外すには、それらを保持して
強く引っ張れば可いが、ボール(4)と凹部(21)の係合が
利き過ぎており、或は、ソケット、アダプターの外周面
に油が付着してすべり易くなっている等の理由で、外れ
難いことがあった。

本考案は、外周面に指掛かり用の鍔を形成することによ
り前記問題を解決できるアダプター、ソケット等のネジ
締め用トルク伝達部材を明らかにするものである。

（課題を解決する手段） 本考案は、筒体(10)の一端に係合穴(2)を有し、他端に
角軸(3)又は穴を有し、一方にソケットレンチ、トルク
レンチ等の駆動側部材、他方にソケット、ボルト、ナッ
ト等の被駆動側部材を着脱可能に係合して、駆動側部材
の回転トルクを被駆動側部材に伝達するアダプター、ソ
ケット等のトルク伝達部材に於て、筒体(10)に鍔(5)を
有している。

（作用及び効果） アダプター、ソケット等のトルク伝達部材を外す際、手
指が鍔(5)に引っ掛かって滑止めとなり、簡単に外すこ
とができる。

（実施例） 第１図は、ネジ締め用トルク伝達部材の一例であるアダ
プター(1)を示しており、該アダプターは、図５に示す
如く、レンチ(6)とソケット(7)と間に介装して使用さ
れ、ソケット(7)を介して間接的に、ボルト、ナットを
締め付ける。

アダプター(1)は、一端中央部に四角形の係合穴(2)を開
設し、他端中央部に断面四角形の角軸(3)を突設してい
る。

係合穴(2)と角軸(3)の大きさが対応するものを、エクス
テンションバーと呼ぶことがあるが、本明細書では、係
合穴(2)よりも角軸(3)が大きいもの、小さいもの、同じ
大きさのもの何れの場合でも、アダプターと呼ぶ。

筒体(10)には、開口側、角軸側の何れにも、鍔(5)が形
成され、鍔(5)の外周には必要に応じてローレット加工
が施されている。

実施例では、従来のアダプターの筒体外周を両端部を残
して切削することによって、筒の両端に鍔(5)を形成し
た。この場合、筒部の直径を大きくする必要はないか
ら、アダプターが大型化することを抑えることができ
る。

又、アダプターの開口部周辺の肉厚は従来と同様である
から、締め付け作業に必要な強度は確保できる。

角軸(3)には、ボール(4)が内蔵され、該ボールはバネ(4
1)にて付勢されて一部が側壁から臨出している。

然して、駆動側部材であるソケットレンチ或はトルクレ
ンチの駆動軸(61)をアダプターの係合穴(2)に嵌合し、
アダプターの角軸(3)に被駆動側部材であるソケット(7)
の軸穴(71)を嵌める。

ソケットの係合穴(74)に、ボルト或はナット(8)を嵌
め、レンチを回して締付け或は緩め作業を行なう。

作業終了後、レンチからアダプターを外す際、手指が鍔
(5)に引っ掛かって滑止めとなり、レンチを容易に外す
ことができる。

尚、上記ソケット(7)も、ネジ締め用トルク伝達部材の
一例であり、該ソケットの大径部の外周に、即ち、一端
に上記と同様の指掛り用鍔を設けて滑り止めとすること
ができるのは勿論である。

又、アダプター(1)の係合穴(2)をボルト、ナットに係合
可能な多角形穴となし、ソケット(7)を省略して直接に
アダプター(1)にボルト、ナットを係合して締め付けで
きる。この場合、レンチはアダプター(1)の角軸(3)が嵌
合する穴（図示せず）を開設したものを使用する。

更に、アダプターの角軸を省略して該端面にボルト、ナ
ット係合用の穴（図示せず）を開設したものに本考案を
実施できるのは勿論である。

第３図は、係合穴(2)の開口側のみに鍔(5)を形成したア
ダプターの他の実施例の正面図、第４図は角軸側に鍔を
突設した他の実施例を示している。

本考案は上記実施例の構成に限定されることはなく、実
用新案登録請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はアダプターの斜視図、第２図はアダプターの正
面図、第３図、第４図は他の実施例の正面図、第５図は
レンチ、アダプター及びソケットを分離した状態の説明
図である。 (1)……アダプター、(2)……係合穴 (3)……角軸、(5)……鍔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒体(10)の一端に係合穴(2)を有し、他端
   に角軸(3)又は穴を有し、一方にソケットレンチ、トル
   クレンチ等の駆動側部材、他方にソケット、ボルト、ナ
   ット等の被駆動側部材を着脱可能に係合して、駆動側部
   材の回転トルクを被駆動側部材に伝達するトルク伝達部
   材に於て、筒体(10)に鍔(5)が形成されているネジ締め
   用トルク伝達部材。