JP3016439B2 - コリメータを備えたx線発生装置 - Google Patents

コリメータを備えたx線発生装置

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JP3016439B2
JP3016439B2 JP3045836A JP4583691A JP3016439B2 JP 3016439 B2 JP3016439 B2 JP 3016439B2 JP 3045836 A JP3045836 A JP 3045836A JP 4583691 A JP4583691 A JP 4583691A JP 3016439 B2 JP3016439 B2 JP 3016439B2
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貞幸 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線回折装置等といっ
たX線装置においてX線を発生させるために用いられる
X線発生装置に関する。特に、X線源から発生したX線
を微小断面に制限して出射するコリメータを備えたX線
発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、X線発生装置にコリメータを
付設することはよく知られている。一般にコリメータ
は、X線源からあらゆる方向へ発散するX線を小さな隙
間又は穴を設けた遮蔽材で制限し、そのX線が必要な部
分のみに照射されるようにするために用いられる。通
常、X線源は、コイル状のフィラメント等によって形成
される陰極と、銅(Cu)、モリブデン(Mo)等によ
って形成されていてターゲット等と呼ばれる対陰極とに
よって構成されている。陰極を高温に加熱してそこから
熱電子を放出させ、陰極と対陰極との間に印加した高電
圧によってその熱電子を加速して対陰極に衝突させる。
対陰極への電子の衝突により、その対陰極からX線が発
生する。
【0003】上記X線源は筒状のX線管内に密閉して配
置され、通常、そのX線管内は真空に保持される。X線
管内を真空に保持するのは、異常放電を防止したり、フ
ィラメントが酸化して劣化するのを防止したりするため
である。コリメータを備えた従来のX線発生装置におい
ては、X線管内の真空を保持することに大きな注意が注
がれ、そのため、まず気密性の高いX線管を製造し、そ
のX線管の外部にコリメータを配置するというのが一般
的な構造であった。
【0004】ところで、X線発生装置にコリメータを付
設すると、X線を一部分に制限する関係上、X線強度が
低下するという問題がある。しかしながら最近では、コ
リメータを用いる場合にも強度の強いX線を使ってX線
回折測定を実施したいという要求が高まっている。従来
のX線発生装置では、コリメータをX線管の外側に配置
していたので、コリメータのX線入射口とX線源との間
の距離が大きくなり、X線源から放射されたX線をコリ
メータ内に多く取り込むことができず、その結果、コリ
メータから出射するX線の強度もあまり強くできなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のX線
発生装置における上記の問題点に鑑みてなされたもので
あって、コリメータによってX線の線幅を制限する場合
にも、そのコリメータから強度の強いX線を出射するこ
とのできるX線発生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るX線発生装
置は、内部が真空に保持されるX線管(1)と、X線管
の内部に設けられるX線源(ターゲット2、フィラメン
ト3)と、X線源から放射されるX線を受け入れてその
X線を微小断面に制限して出射するコリメータ(7)と
を有するX線発生装置である。そして上記コリメータ
は、X線を細径の貫通穴内で全反射させながら進行させ
る全反射コリメータであり、さらに、コリメータのX線
入射端をX線管の管壁の外周面よりも内側に配置したこ
とを特徴としている。
【0007】
【作用】全反射コリメータ(7)のX線入射端(7a)
がX線管壁よりも内側に配置されるので、そのX線入射
端がX線源に近くなる。よって、X線源から発生したX
線を、全反射コリメータ内により多く取り込むことがで
き、従って、コリメータのX線出射端(7b)から強度
の強いX線を出射することができる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明に係るX線発生装置の一実施
例を上方から見た場合を示している。同図において、X
線管1の内部に、円柱状のターゲット2及びコイル状の
フィラメント3から成るX線源が設けられている。ター
ゲット2は、モータ4によって軸線ωを中心として回転
する。フィラメント3は電流供給源5から供給される電
流によって発熱し、そのとき熱電子を放出する。フィラ
メント3とターゲット2との間には電圧源6によって高
電圧が印加されており、フィラメント3から放出された
上記の熱電子は、その高電圧によって加速されてターゲ
ット2の表面に衝突する。この衝突により、ターゲット
2の表面からX線が放射される。
【0009】こうして放射されたX線の一部は、X線管
1の左側壁に設けられたコリメータ7のX線入射端7a
を介してそのコリメータ7の内部に取り込まれ、微小断
面のX線ビームに制限された状態でそのコリメータ7の
出射端7bから外部へ出射される。コリメータ7から出
射された微小断面のX線ビームは、例えば、X線回折測
定に供された試料8に照射され、その試料8内の結晶格
子面との関係で回折条件を満足したときに、その試料8
で回折する。
【0010】上記のX線発生処理が行なわれている間、
X線管1の内部は、図示されていない真空吸引装置によ
って真空状態に保持されている。これは、フィラメント
3からの異常放電を防止したり、フィラメント3が酸化
によって劣化するのを防止するためである。コリメータ
7とX線管1の管壁との間に設けられたOリング10
は、X線管1内の真空を保持するための密封用部材であ
る。
【0011】上記のコリメータ7は、図2に示すよう
に、キャピラリガラス管14と、そのガラス管14を包
囲する円筒状の金属カバー15とを有している。キャピ
ラリガラス管14の内部には、そのガラス管14を軸方
向に貫通するきわめて細い径、例えば5〜10μmの貫
通穴16が形成されている。また、カバー15の右端、
すなわちコリメータ7のX線入射端7aには、X線を透
過させることのできる材料、例えばベリリウム(Be)
によって形成されたキャップ9が気密にはめ込まれてい
る。これは、ガラス管貫通穴16によってX線管1内の
真空が破られるのを防止するためである。
【0012】X線源を構成するターゲット2(図1参
照)から放射されたX線は、Beキャップ9を透過して
貫通穴16の内部へ入り、その貫通穴16内を全反射し
ながら左方向へ進行し、ガラス管14の左端、すなわち
X線出射端7bから外部へ出射する。X線は全反射しな
がら進行するので、出射されるX線の線幅がきわめて小
さく制限されるにもかかわらず、非常に強度の強いX線
が得られる。
【0013】キャピラリガラス管14の左端部外周に
は、リング部材17がはめられている。このリング部材
17は弾性部材、例えばゴム等によって環状に形成され
ている。一方、ガラス管14の右端部には、弾性付勢部
材18及び押圧部材19によって構成されたガラス管角
度調節装置20が設けられている。図2では、弾性付勢
部材18及び押圧部材19が1組だけ示されているが、
実際にはカバー15の外周面に円周方向に沿って2組以
上、設けられている。
【0014】図2において弾性付勢部材18は、カバー
15から突出する環状突出部21に螺合するケーシング
22と、そのケーシング22内に納められた圧縮バネ2
3と、その圧縮バネ23によって付勢されるチップ24
とによって構成されている。キャピラリガラス管14
は、チップ24によって付勢、すなわち力が加えられて
いる。押圧部材19は、弾性付勢部材18と対向する位
置に設けられていて、カバー15の外周面に設けられた
上記の環状突出部21に螺合するネジ部材によって構成
されている。
【0015】キャピラリガラス管14に関する以上の構
成により、押圧部材19をカバー15の内部へねじ込め
ば、弾性付勢部材18のバネ力に抗してガラス管14
が、リング部材17を中心として、カバー15内におい
て矢印A方向へわずかに傾動する。逆に、押圧部材19
のねじを緩めてそれをカバー15の外部へ引き出せば、
弾性付勢部材18のバネ力によりガラス管14が矢印
A’方向へ傾動する。
【0016】図1においてX線回折測定を行なう場合に
は、それに先立って光軸調節作業が行なわれる。すなわ
ち、キャピラリガラス管14内の貫通穴16が延びる方
向と、X線源(すなわち、ターゲット2のX線放射点)
と試料8とを結ぶ直線とを一致させる作業が行なわれ
る。この場合には、図2において押圧部材19を適宜に
回転調節し、リング部材17を中心としてガラス管14
を傾動させ、それにより光軸調節を行なう。
【0017】図2において、キャピラリガラス管14及
びカバー15のX線出射側先端部(図の左端部)には、
先端に向うほど細くなるような傾斜Q及びRがつけられ
ている。仮に、このような傾斜Q,Rが設けられていな
いと、試料4で回折した回折X線のうちコリメータ10
の方向へ向うものの進行がそのコリメータ10によって
阻止されてしまい、その部分の回折X線の強度を測定で
きなくなる。これに対し、上記のようにコリメータ10
の先端に傾斜Q及びRを設けておけば、そのような回折
X線の進行を阻止することがなくなり、より多くの回折
X線情報を得ることが可能となる。
【0018】上記の実施例において、コリメータ7のX
線入射端7aは、X線管1の管壁を貫通してそのX線管
1の内部に突出している。すなわち、コリメータ7のX
線入射端7aはX線管1の管壁の外周面よりも内側に配
置されている。従ってコリメータ7は、そのX線入射端
7aがX線管1の外側に配置されている場合と比べて、
より多くのX線を取り込むことができる。その結果、コ
リメータ7のX線出射端7bから強度の強いX線を得る
ことができる。
【0019】以上、1つの実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明はその実施例に限定されるものではな
い。例えば、上記実施例では、コリメータ7に弾性付勢
部材18及び押圧部材19から成るガラス管角度調節装
置20並びにガラス管の傾動の中心となる弾性リング部
材17を設けてあるが、角度調節装置20及びリング部
材17は必ずしも設ける必要はない。コリメータ7それ
自体も、上記実施例以外の他の構成とすることができ
る。例えば、場合によっては、キャピラリガラス管14
と金属カバー15とによって構成される2重構造とせず
に、キャピラリガラス管14のみによってコリメータ7
を構成することもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、全反射コリメータ
(7)のX線入射端(7a)をX線源(ターゲット2)
に近づけることができるので、より多くのX線を全反射
コリメータ内に取り込むことができ、その結果、全反射
コリメータから強度の強いX線を出射することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線発生装置の一実施例を示す平
面断面図である。
【図2】図1における主要部材であるコリメータの側面
断面図である。
【符号の説明】
1 X線管 2ターゲット 3 フィラメント 7 コリメー
タ 7a コリメータX線入射端 14 キャピ
ラリガラス管 15 金属カバー 16 貫通穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 1/02 H01J 35/14 H05G 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空に保持されるX線管と、X線
    管の内部に設けられるX線源と、X線源から放射される
    X線を受け入れそのX線を微小断面に制限して出射する
    コリメータとを有するX線発生装置において、上記コリ
    メータは、X線を細径の貫通穴内で全反射させながら進
    行させる全反射コリメータであり、コリメータのX線入
    射端をX線管の管壁の外周面よりも内側に配置したこと
    を特徴とするX線発生装置。
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ATE423382T1 (de) * 2005-08-22 2009-03-15 Unisantis Fze Vorrichtung und verfahren zum positionieren einer röntgenlinse und röntgengerät mit einer solchen vorrichtung
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