JP3015519B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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法に関し、さらに詳しくは、裁断時のクラックの発生を
抑制して、記録再生時の再生波形を良好にし、ドロップ
アウトを少なくした磁気記録媒体の製造方法に関する。
合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分とともに混
合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポリエス
テルフィルムなどの基体上に塗布、乾燥して磁性層を形
成した後、所定の形状に裁断してつくられており、裁断
に際しては、通常、ガラス転移温度が35℃の磁性層
を、裁断時の磁気記録媒体の温度15℃〜30℃の範囲
内で裁断している。
記録媒体に対する耐熱性の要求が高く、この要求に応え
て磁性層のガラス転移温度が高くなり、最近では55℃
から70℃まで高くなってきている。このため、従来の
磁気記録媒体の温度15℃〜30℃の範囲内で裁断する
と、裁断面にクラックが発生しやすく、ガラス転移温度
の上昇に伴って裁断面にクラックが発生しやすくなっ
て、クラックの長さが磁気記録部分に及ぶこともある。
また、クラックの発生と同時に磁気記録媒体の塑性変形
や歪みが生じ、所定の幅に裁断して作製した磁気テ−プ
を巻いてカセット等に収納した際、巻き張力により裁断
面近傍の磁気記録媒体の歪みが転写され、記録再生時に
再生波形の不良が生じたり、ドロップアウト等が発生す
る。
鑑み種々検討を行った結果なされたもので、基体上に磁
性層が形成された磁気記録媒体原反を、所定の形状に裁
断するに際し、磁性層のガラス転移温度Tgと、裁断部
における磁気記録媒体の温度Tmとの温度差Tg−Tm
を、−10℃≦Tg−Tm≦30℃の範囲内に調整して
裁断することによって、従来技術では困難であった磁性
層のガラス転移温度が高い磁気記録媒体の裁断時のクラ
ックの発生を抑制し、クラックの発生と同時に生じる磁
気記録媒体の塑性変形や歪みを充分に抑制して、記録再
生時の再生波形が良好で、ドロップアウトの少ない磁気
記録媒体が得られるようにしたものである。
ス転移温度Tgと裁断部における磁気記録媒体の温度T
mとの温度差Tg−Tmを、−10℃≦Tg−Tm≦3
0℃の範囲内に調整し、磁性層のガラス転移温度Tgが
高温である場合は、ガラス転移温度付近まで加熱しなが
ら裁断するため、いずれも高分子材料から成る基体や磁
性層、さらには基体裏面に形成されるバックコ−ト層
が、加熱されて軟化した状態で裁断される。しかして、
磁性層のガラス転移温度が高い磁気記録媒体の裁断時の
クラックの発生が抑制され、クラックの発生と同時に生
じる磁気記録媒体の塑性変形や歪みも充分に抑制され
て、記録再生時の再生波形が良好で、ドロップアウトの
少ない磁気記録媒体が得られる。
と裁断部における磁気記録媒体の温度Tmとの温度差T
g−Tmは、−10℃≦Tg−Tm≦30℃の範囲内で
あることが好ましく、この温度差Tg−Tmが−10℃
より低くなると、所定の幅に裁断して作製される磁気テ
−プの変動幅が大きくなり、エンベロ−プ波形率が低下
する。また、30℃より高くなると磁気テ−プの裁断面
に発生するクラックの長さが大きくなり、クラック部分
から脱落した磁気テ−プ組成物によってドロップアウト
が発生し、ともに好ましくない。
部における磁気記録媒体の温度Tmとの温度差Tg−T
mを−10℃≦Tg−Tm≦30℃の範囲内にするた
め、裁断時に磁気記録媒体を加熱する方法としては、特
に限定されないが、遠赤外線を照射するなどの方法で行
われ、磁気記録媒体の温度が高い場合には、ガイドロ−
ラ−の加熱による方法も併用して行われる。
を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分とと
もに混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料を基
体上に塗布し、乾燥して形成され、磁性粉末としては、
γ−Fe2 O3 粉末、Fe3 O4 粉末、γ−Fe2 O3
粉末とFe3 O4 粉末の中間酸化物粉末、Co含有γ−
Fe2 O3 粉末、Co含有Fe3O4 粉末、CrO2 粉
末、バリウムフェライト粉末、ストロンチウムフェライ
ト粉末、およびFe粉末、Co粉末、Fe−Ni粉末な
どの金属粉末など、一般に磁気記録媒体に使用される磁
性粉末がいずれも好適なものとして使用される。
酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラ−ル系樹脂、
繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、イソシアネ−ト化合物など、従来、磁気記録媒体に
一般に使用されるものがいずれも使用される。
ノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなど、一般に磁気記録媒体に使
用される有機溶剤が単独または混合して使用される。
2 O3 、α−Fe2 O3 、カ−ボンブラック等の研磨
剤、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、シリ
コ−ンオイル等の潤滑剤、帯電防止剤など、一般に磁性
塗料中に添加されるものが、いずれも必要に応じて添加
使用される。
必要に応じてバックコ−ト層が形成され、このバックコ
−ト層は、カ−ボンブラック、炭酸カルシウムなどの非
磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要
成分とともに混合分散してバックコ−ト層用塗料を調製
し、このバックコ−ト層用塗料を表面に磁性層を形成し
た基体の裏面に塗布し、乾燥して形成される。
合剤樹脂および有機溶剤は、前記の磁性層の形成に使用
したものと同じものが、いずれも好適に使用され、必要
に応じて、分散剤、潤滑剤なども添加使用される。
形成する基体としては、ポリエステル類、ポリオレフィ
ン類、セルロ−ス誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド
類、ポリアミド類、ポリカ−ボネ−ト類などのプラスチ
ック製フィルムが、いずれも好適なものとして使用され
る。
塗料を調製し、この磁性塗料を厚さ10μmのポリエチ
レンナフタレ−トフィルム(帝人社製、テオネックス)
の表面に、乾燥後の厚さが 2.5μmになるように塗布
し、乾燥して磁性層を形成した。
−ルミルで120時間混合分散してバックコ−ト層用塗
料を調製し、このバックコ−ト層用塗料を前記の表面に
磁性層を形成したポリエチレンナフタレ−トフィルムの
裏面に、乾燥後の厚さが 0.5μmになるように塗布し、
乾燥してバックコ−ト層を形成し、磁気記録媒体原反を
得た。 バックコ−ト層組成物 セルノバH1(旭化成社製;ニトロセルロ−ス) 20 重量部 N−2301(日本ポリウレタン工業社製;ポリウレタン樹 20 〃 脂) コロネ−トL(日本ポリウレタン工業社製;三官能性低分子 10 〃 量イソシアネ−ト化合物) カ−ボンブラック 50 〃 シクロヘキサノン 150 〃 トルエン 150 〃
当たり、裁断刃付近での磁気記録媒体原反の温度を下記
表1に示す温度に調整し、裁断時の長手方向の張力を5
g/mm以上10g/mm以下にして8mm幅に裁断し、磁気
テ−プをつくった。このとき、磁気記録媒体原反の温度
を高くする場合は、遠赤外線を磁気記録媒体原反に照射
して加熱し、上下の裁断刃付近での磁気記録媒体表面温
度の測定は、非接触赤外線温度計を用いて測定した。ま
た、磁性層のガラス転移温度は、レオメトリックス社
製;粘弾性スペクトルメ−タを用いて測定した。
00で、ガラス転移温度が60℃のエスレックEに代え
て、重合度が300で、ガラス転移温度が50℃のMR
110(日本ゼオン社製;塩化ビニル系樹脂)を同量使
用した以外は、実施例1と同様にして磁性層を形成し
た。次いで、実施例1と同様にしてバックコ−ト層を形
成し、得られた磁気記録媒体原反をエア−コンディショ
ナ−にて温度管理された裁断室内に24時間保持して、
裁断刃付近での磁気記録媒体原反の温度を下記表1に示
す温度に調整した以外は、実施例1と同様にして所定の
幅に裁断し、磁気テ−プをつくった。
プについて、裁断面に生じたクラックの長さと磁気テ−
プの幅変動を測定した。クラックの長さは、光学顕微鏡
あるいはSEMにより観察して求め、磁気テ−プの幅変
動は、小坂研究所製;動的幅測定機ZDR−8を用いて
測定した。図1は、この測定結果から磁性層のガラス転
移温度Tgと裁断部における磁気記録媒体の温度Tmと
の温度差Tg−Tmと、磁気テ−プの幅変動との関係を
グラフで図示したものであり、図2は、この測定結果か
ら磁性層のガラス転移温度Tgと裁断部における磁気記
録媒体の温度Tmとの温度差Tg−Tmと、クラックの
長さとの関係をグラフで図示したものである。
層のガラス転移温度Tgと裁断部における磁気記録媒体
の温度Tmとの温度差Tg−Tmが、−10℃≦Tg−
Tm≦+30℃の範囲では、クラックの長さが小さく、
かつ磁気テ−プの幅変動が小さくて、クラックの発生が
充分に抑制されていることがわかる。これに対し、Tg
−Tm>30℃になると、寸法精度は良いが、クラック
の長さの大きなものが発生し、Tg−Tm<−10℃で
は、塑性変形量が大きく、所定の寸法精度が得にくい。
気テ−プについて、エンベロ−プ波形率およびドロップ
アウト数を測定した。エンベロ−プ波形率は、各磁気テ
−プをカセットに組み込んで記録再生し、エンベロ−プ
の最小値MINと最大値MAXを測定し、(MIN/M
AX)×100(%)として算定した。またドロップア
ウト数は、各磁気テ−プをカセットに組み込んで記録再
生し、NTSC方式で5μsec 、−18dBの条件で、ド
ロップアウトカウンタ−で測定した。下記表2はその結
果である。
の製造方法で得られた磁気テ−プ(実施例1〜6)は、
いずれも比較例1ないし5で得られた磁気テ−プに比
し、エンベロ−プ波形率が高くて、ドロップアウトが少
なく、このことからこの発明の製造方法によれば、クラ
ックの発生が抑制されて、再生波形が良好で、ドロップ
アウトの少ない電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得
られることがわかる。
磁性層のガラス転移温度Tgと裁断部における磁気記録
媒体の温度Tmとの温度差Tg−Tmと、磁気テ−プの
幅変動との関係図である。
磁性層のガラス転移温度Tgと裁断部における磁気記録
媒体の温度Tmとの温度差Tg−Tmと、クラックの長
さとの関係図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 磁性粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤およ
びその他の必要成分とともに混合分散して磁性塗料を調
製し、この磁性塗料を、基体上に塗布し、乾燥して磁性
層を形成した後、所定の形状に裁断するに際し、磁性層
のガラス転移温度Tgと、裁断部における磁気記録媒体
の温度Tmとの温度差Tg−Tmを、−10℃≦Tg−
Tm≦30℃の範囲内にして裁断することを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3183069A JP3015519B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3183069A JP3015519B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH052748A JPH052748A (ja) | 1993-01-08 |
JP3015519B2 true JP3015519B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=16129207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3183069A Expired - Fee Related JP3015519B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3015519B2 (ja) |
-
1991
- 1991-06-26 JP JP3183069A patent/JP3015519B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH052748A (ja) | 1993-01-08 |
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