JP3014091U - 電線リングマーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電線リングマークに関し、太めの電線にも簡
単に差し込むことができ、又、細めの電線にも確実に外
嵌固定できるようにした電線リングマークの提供を目的
とする。 【構成】 リングマークの本体１の内周面から中心方向
に突出する薄肉のリブ２を設け、電線の外径サイズのば
らつきをリブ２の変形により吸収させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電線リングマークに関し、特に太めの電線にも簡単に外嵌できると 共に、細めの電線にも確実に外嵌して固定できるようにした電線リングマークに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鉄道車両などの電装工事において、誤配線を防止するため、配線の両端 に外嵌固定され、その電線を識別する線番号、記号、マークなどが記入されるチ ューブ状の電線リングマークが外嵌される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

鉄道車両の電装に使用される電線の仕上がり外径公差はＪＩＳ規格内であれば よいとされており、電線メーカーによって、また、同じ電線メーカーでも製造ロ ットによってかなりのバラツキがある。

【０００４】 これに対して、電線リングマークは押出成形品であるため称呼サイズに対する 誤差が小さく、対応する称呼サイズの電線が太めである時には電線リングマーク が差し込み難くなり、細めである時には電線と電線リングマークとの間に隙間が 開いて電線リングマークが電線に固定できなくなるなどの問題が生じている。

【０００５】 この問題は、称呼サイズに対して内径公差が異なる複数種類の電線リングマー クを用意することによって解決できるが、この解決方法によれば多数の金型が必 要になり、製造コストが著しく高価になる。

【０００６】 特に、例えば新幹線用車両などの場合には称呼サイズが種々異なる配線が５千 本以上もあり、この両端に使用される１万個以上の電線リングマークについて種 々の称呼サイズに対して内径公差が異なる複数種類の金型を用意することは不可 能とさえ言える。

【０００７】 本考案は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、太めの電線にも簡単に差 し込むことができ、また、細めの電線にも確実に外嵌して固定できるようにした 電線リングマークを提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するため、内周面から中心方向に突出する薄肉の リブを備えることを特徴とする電線リングマークである。

【０００９】

【作 用】

本考案によれば、リブの変形により電線の寸法誤差が吸収され、プラス方向の 外径誤差がある電線、すなわち、太めの電線に対してはリブが変形することによ り電線の差し込みが容易になり、マイナス方向の外径誤差がある電線、すなわち 、細目の電線に対しては、リブが電線を支持することにより電線リングマークと 電線との間の遊びがなくなる。

【００１０】

【実施例】

本考案の一実施例に係る電線リングマークを図面に基づいて具体的に説明すれ ば、以下の通りである。

【００１１】 図１の正面図に示すように、この電線リングマークは例えば、長さ１０〜３０ ｍｍ程度のチューブ状の本体１とその内周面に６０°置きに中心方向に突出する 薄肉のリブ２とを備える。

【００１２】 この電線リングマークは合成樹脂を押出成形した後、所定の寸法に裁断するこ とより形成され、この後、表面に電線を識別する線番号、記号、マークなどを印 刷され、該当する電線の端部に差し込んで外嵌固定される。

【００１３】 押出成形には、例えば図２に示すように所定内径の押出口を備えた外金型３と 、それより小径の外径の押出口を備えた内金型４とを組み合わせた金型が用いら れる。

【００１４】 図３に示すように、外金型３の押出口５の内周面は円筒形に形成され、内金型 ４の押出口６の外周面に所定間隔置きに、所定深さの台形溝７が形成された円筒 形に形成されている。

【００１５】 この電線リングマークを対応する称呼サイズの電線に差し込む時に、電線の外 径サイズが大きめの場合にはリブ２が薄肉であるので簡単に変形し、固さを感じ ずに簡単に電線に差し込むことができ、作業性が高められる。

【００１６】 又、電線の外径サイズが小さめの場合には、各リブ２の先端部が電線に当接す ることにより電線と電線リングマークとの間の遊びが無くなり、確実に電線リン グマークを電線に外嵌固定でき、電線リングマークが電線の軸方向に移動するこ とを防止できる。

【００１７】 したがって、電線の外径公差のバラツキがリブ２の変形によって吸収され、１ つの公称サイズに対して多数の金型を用意する必要がなくなるので、製造コスト を増大させずに済む。

【００１８】 また、公称サイズが異なる電線の間でも一定の範囲内であれば共用することが 可能になる。 上記リブ２の形状及び寸法は、電線の差し込みの際に容易に変形する程度に薄 肉であれば特に限定されず、公称サイズに対応して例えば高さは０．４〜２ｍｍ 程度、厚さは根元で０．４〜１ｍｍ程度にすることができる。

【００１９】 上記の実施例では６条のリブ２を形成しているが、このリブ２の数は特に限定 されず、１条以上のリブ２が設けてあればよく、電線を中央に位置させるように ３条以上のリブ２を設けることが好ましい。

【００２０】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の電線リングマークは、内周面から中心方向に 突出する薄肉のリブを備えるので、このリブによって電線の外径サイズの誤差が 吸収され、太めの電線にも簡単に差し込むことができ、又、細めの電線にも確実 に固定できるようになる。

【００２１】 又、１つの公称サイズに対して多数の金型を用意する必要がなくなるので、製 造コストを増大させずに済む。 しかも、ある程度の範囲内で称呼サイズが異なる電線の間で共用することも可 能になり、金型数を少なくしてコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の正面図である。

【図２】本考案を製造する金型の断面図である。

【図３】本考案を製造する金型の押出口の正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 本体 ２ リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 配線端部に外嵌固定されるチューブ状に
   形成された電線リングマークにおいて、内周面から中心
   方向に突出する薄肉のリブを備えることを特徴とする電
   線リングマーク。