JP3014035U - 自動車用エアバッグモジュール組立品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用搭乗者側エアバッグモジュール組立
品におけるクッションカバーとモジュールの連結手段の
改良。 【構成】 モジュール構成要素である樋形反応キャニス
タ（１０）の第１側壁（１２）にはその側縁においてロ
ックチァンネル（３８）を規定し、他方第２対向側壁
（１４）にはその側縁においてラッチチァンネル（４
２）を規定する。クッションカバー（４６）には前記両
チァンネル（３８，４２）に対応する第１、第２スプラ
イン（４８，５４）を夫々担持させ、第１スプライン／
チァンネル（４８，３８）のロック手段によりクッショ
ンカバー（４６）をキャニスタ（１０）に固く係留する
と共に、第２スプライン／チァンネルのラッチ手段をス
ナップ嵌合式に係合するようにし、且つ拡張するエアバ
ッグの力により当該係合が解除されるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用の搭乗者側エアバッグモジュール組立品に関する。更に具体 的にいえば、本考案はこの種モジュールの改良カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

搭乗者（パッセンジア）側エアバッグモジュールの大半はクッションカバーを 採用している。こゝでいう「クッション」は、折り畳みの未展開状エアバッグを 意味する用語である。カバーの目的はクッションの内側に異物が入るのを阻止し 、且つモジュールが自動車に設備されそして展開ドアがそれに覆さるように付設 されるまでクッションの折り畳みを保留することにある。クッションの現在採用 されているものはＴｙｖｅｋ（Dupontの商標）等のプラスチックのファイバー紙 、織布或いは射出成形された或いはダイカットされたプラスチックシートで作成 することが出来る。これらの先行技術のクッションカバー（即ちエアバッグ用カ バー）は接着剤、縫合或いはネジやリベットによる固定によりモジュールに通常 は固設される。これらのカバーはエアバッグの展開する際に分裂されるように設 計されたミシン目（多孔ライン）や引裂き目を具備するように設計される。この カバー部分はエアバッグの完全展開を許容するように振れ開き（スイングオープ ン）する。

【０００３】 この従来式クッションカバーには多数の不利益がある。先ず、既述のように、 カバーが固定具（ファスナー）や接着剤の使用を必要とし、それが組立品の仕事 を複雑にする。第２には、ミシン目や引裂き目が存在していることから、組立品 の設置前或いはその際の手操作の不注意によるカバー割れの発生を招く。最後に 、比較的小さい新に形成された２個の「ドア」が存在することで、これがエアバ ッグを邪魔する可能性があり、これが邪魔することにより人命救助エレメントと して機能するエアバッグの能力を破壊してしまう危険がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の第１の目的はファスナーや接着剤を使用する必要のない搭乗者側エア バッグモジュール用クッションカバーを提供することにある。本考案の別の目的 はミシン目の入っていない、従ってこの種のミシン目の多孔により不注意な割れ の生じる事態に対する抵抗を呈するカバーを提供することにある。本考案の更に 別の目的はエアバッグの展開に対し案内する比較的幅広いガイドフラップを提供 し、それによりエアバッグ展開の邪魔が生じる危険を低減することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る自動車用エアバッグモジュール組立品は開口を規定する第１、第 ２端面と第１、第２側面を有する樋形の反応キャニスタを含む。反応キャニスタ にはインフレータと折り畳みエアバッグが収容される。カバーの対向側縁に形成 された第１、第２スプラインによって反応キャニスタの開口を実質的に閉じる斯 ゝるカバーが設けられる。反応キャニスタの側壁は第１、第２スプラインを受容 する第１、第２溝を夫々規定している。これら溝／スプライン組合せ手段の１方 がカバーの１側縁をしっかりと係留する強固な付設手段を形成する。他方のスプ ライン／溝の組合せ手段はスナップ嵌合により係合するように設計され、拡張す るエアバッグの作用により分離され得るようにする。

【０００６】

【作用】

第１スプライン／チァンネルのロック手段によりカバーの１側縁をキャニスタ に係留させた状態において、エアバッグが拡張したときにその拡張力によりカバ ーの他側縁にある第２スプライン／チァンネルのラッチ手段はそのスナップ嵌合 による係合が解除され、それによりカバーが第１スプラインを枢軸として回転開 放される。

【０００７】

【実施例】

図１，２は反応キャニスタ（反応缶）１０を含む搭乗者側エアバッグモジュー ルを示しており、これはアルミ等の材料から押出成形することが出来る。この反 応キャニスタ１０は樋形であって、離間して実質的に平行な対向側壁１２，１４ を含み、両者は半円筒形のインフレータハウジング１６の両側から上方へ延在し ている。インフレータハウジング１６は樋形反応キャニスタ１０の底を閉じるよ うに機能している。押出成形の反応キャニスタ１０は従来式のネジ受け部１８と 具体的な設置に必要な延在する取付部２０を含む。ネジ受け部（スクリュープレ パレーション）１８は従来式のもので、反応キャニスタ１０の両端を閉じる端板 ２２，２４を取付けるために機能する。

【０００８】 インフレータハウジング１６には従来式のインフレータ（膨張器）２６が収容 されている。このインフレータハウジング１６の開放頂部はクッションリテーナ 兼ディフューザ式プレート２８（エアバッグ保留機能とガス発散機能を備えた板 体であって、以下では便宜上ディフューザプレートと称す）によって閉塞される 。このディフューザプレート２８は複数のガス導入孔３０を規定している。ガス 導入孔３０はインフレータ２６から反応キャニスタ１０に収容したエアバッグ３ ２の開口（マウス）の中にガスを発散させるものである。ディフューザプレート ２８は１対のチァンネル３４（その１方は図１に示されている）に保留され、エ アバッグマウスの対向する端縁がロッド３６によって両チァンネルの中に保留さ れる。以上記述した特色は本考案を構成するものではないので、こゝでは更には 言及しない。

【０００９】 本考案によれば、反応キャニスタ１０の側壁１２の上縁は係留用のロックチァ ンネル３８を規定している。このロックチァンネル３８は比較的大きな正方形断 面と、反応キャニスタ１０の長さに沿って延在する縦長スロット４０を特徴とす るものである。反応キャニスタ１０の対向側壁１４は半円筒形の掛止用のラッチ チァンネル４２を規定しており、このラッチチァンネルが反応キャニスタ１０の 長さに沿って延在する縦長スロット４４を含む。

【００１０】 反応キャニスタ１０の頂部は、実質的に平坦な四角形のプラスチック製のクッ ションカバー４６によって閉じられる。このクッションカバー４６は多孔も引裂 き線（ティアライン）も有していないことに特徴がある。クッションカバー４６ の側縁の１つはスプライン（小貫）４８を形成しており、このスプラインはロッ クチァンネル３８に嵌合するように実質的に正方形の断面を有している。このス プライン４８はクッションカバー４６に配設されたフランジ５０からたれ下った 状態に形成されている。フランジ５０の肉厚はこのフランジがスロット４０を通 ってロックチァンネル３８に挿入出来るように寸法設計される。

【００１１】 クッションカバー４６の前記対向縦長エッジは拡大ビード状（断面形が）のス プライン５４において終端になっている。フランジ５２とこのスプライン５４の サイズはスプライン５４がラッチチァンネル４２のスロット４４とスナップ嵌合 で係合出来るように設計され、それによりスプライン５４はフランジ５２がスロ ット４４の中にある限りラッチチァンネル４２に収容された状態にあるようにし てある。

【００１２】 本考案のクッションカバー４６は折り畳みエアバッグを設置した後に反応キャ ニスタ１０に装着される。スプライン４８はフランジ５０がスロット４０を通っ て延在するようにロックチァンネル３８の１端から挿入される。この段階では、 端板２２，２４の１方しか装着していない。クッションカバー４６は反応キャニ スタ１０の長さに沿って擢動させ、その後にカバーの対向側縁を押し下げ、それ によりスプライン５４がラッチチァンネル４２とスナップフィット（嵌合）状に 係合する。或いは、スプライン５４はラッチチァンネル４２の１端から、他方の スプライン４８をロックチァンネル３８に挿入するのと同じ態様で挿入すること も勿論可能である。

【００１３】 完成した組立品（アッセンブリ）はクッションカバー４６を脱離可能（ブレー クアウェイ）ダッシュボード部分の背後に装着する状態で自動車に取付けられる 。或いは、クッションカバー４６はそれ自体でダッシュボードの１部分を形成し てもよい。いづれにしても、エアバッグユニットが起動されると、エアバッグ３ ２は拡張を開始する。拡張力はスプライン５４をラッチチァンネル４２から離脱 させ、図１に矢印で示すようにクッションカバー４６の反時計方向に回転する振 り開きが可能になる。クッションカバー４６が開くと、エアバッグ３２の展開を 案内するガイドフラップを形成し、それがエアバッグ展開の阻害要因を低減させ る。

【００１４】 上記事例に対し、種々の変形が可能である。例えばロックチァンネル３８とス プライン４８を正方形断面にしているが、これに限定されるものではない。この 問題は、拡張されるエアバッグの力による分離を抑制するように抵抗する比較的 恒久的な係合手段を形成する斯ゝる形態であることのみを必要とするものである ので、この観点から断面形状を設計する限り、本考案の範囲の事項といえる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、クッションカバーは従来式の引裂き用のミシン目等を必要と しないものになり、且つ従来あるような格別の取付手段を必要としないので、組 立作業が容易になると共に、作業の際の不注意に起因するカバー破損を回避する ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るエアバッグモジュール組立品の１
部切欠き側面図である。

【図２】端板を省略して示す本考案に係る組立品の分解
斜視図である。

【符号の説明】

１０…反応キャニスタ １２，１４…側壁 １６…インフレータハウジング １８…ネジ受け部 ２２，２４…端壁 ２６…インフレータ ２８…ディフューザプレート ３０…ガス導入孔 ３２…エアバッグ ３４…チァンネル ３６…ロッド ３８…ロックチァンネル ４２…ラッチチァンネル ４４…スロット ４６…クッションカバー ４８…スプライン ５０…フランジ ５２…フランジ ５４…スプライン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ブライアン ディー．マッツル アメリカ合衆国，ユタ 84414，ノース オグデン，ノース チェリー ドライブ 2872 (72)考案者 デビッド ジェイ．グリーン アメリカ合衆国，ユタ 84302，ブリガム シティ，ノース 235 ウェスト 500

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口を規定する第１、第２端板と第１、
   第２側壁を有する樋形反応キャニスタ、該キャニスタに
   収容されるインフレータ、該キャニスタ内のエアバッグ
   及び該キャニスタ開口を実質的に閉じるカバーを含む自
   動車用エアバッグモジュール組立品において、 該側壁により規定された、該キャニスタ開口に隣接する
   第１ロックチァンネル；該第２側壁により規定された、
   該キャニスタ開口に隣接する第２ラッチチァンネル；該
   カバーにより担持されたもので、該第１チァンネル内に
   保留される第１ロックスプライン；及び該カバーにより
   担持されたもので、該第２チァンネル内に保留される第
   ２ロックスプラインを含んで構成されたことを特徴とす
   る自動車用エアバッグモジュール組立品。
2. 【請求項２】 該第１スプラインを該エアバッグの展開
   する全工程に亘って該第１チァンネル内に保留されるよ
   うにした、請求項１に記載の組立品。
3. 【請求項３】 該第２スプラインを拡張するエアバッグ
   の力により該第２チァンネルから離脱させられるように
   した請求項２に記載の組立品。
4. 【請求項４】 該第２スプラインを該第２チァンネルに
   対し、スナップ嵌合により係合されるようにした、請求
   項３に記載の組立品。
5. 【請求項５】 該第１スプラインを該第１チァンネルに
   対し、これに縦方向に挿入することにより係合出来るよ
   うにした、請求項２に記載の組立品。
6. 【請求項６】 該第２スプラインを拡張するエアバッグ
   の力により該第２チァンネルから離脱させられるように
   した、請求項５に記載の組立品。
7. 【請求項７】 該第２スプラインを該第２チァンネルに
   対し、スナップ嵌合により係合するようにした、請求項
   ６に記載の組立品。