JP3021440U - 乗客用エアバッグモジュールのスライドイン式保護カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、軽量で、特別な留め具なしで容易に
取り付けられる乗客用エアバッグモジュールの保護カバ
ーを提供する。 【解決手段】 乗員側エアバッグモジュールのリアクシ
ョンキャニスター１０の側壁１２、１４が一対の相対し
た平行な溝２６、２８をその内側面に画定している。一
つの薄い長方形のプラスチックボディの形状をした保護
カバー３２の両側の縁部が丸い突出部３６、３８を形成
して厚くなっている。この保護カバーの厚くなった縁が
前記溝２６、２８の中に滑り入りそのカバーを定位置に
保持している。そのカバーの中に脆弱な裂け目ライン４
０が設けられており、エアバッグの膨張の際にはこの部
分でカバーが分裂する。前記の突出部３６，３８は第２
のエンドプレート（端板）２２又は２４がキャニスター
１０に取り付けられる前に溝２６，２８の中に挿入され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自動車のエアバッグ装置の分野に関する、特に、乗客側の（助手席 用の）エアバッグモジュールの改善された保護カバーに関連する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の通常の乗客側のエアバッグモジュールは、折り畳まれたエアバッグを囲 んでいる樋（trough) 状の形をしたリアクションキャニスター（反応容器）より 成っている。その樋の下の部分はガスを発生する膨張器を取り囲み、または、そ の膨張器と連携している。エアバッグの口は、十分に大きな衝突が起こった時に 発生したガスを受入れて膨張ができるような位置にキャニスターの中で固定され ている。その樋の開口部は通常は埃を防ぐとともに車両に取り付ける前後に折り 畳んだエアバッグを保護するために保護カバー（覆い）により閉じられている。 この取り付け位置は、通常、ダッシュボードの後ろ側である。正常な作動におい ては、膨張するエアバッグは、保護カバーを、ついで、ダッシュボードを分裂さ せて乗員室内に出てくる。

【０００３】 この保護カバーで最も一般に用いられているものはＴＹＶＥＫ（E.I. duPont de Nemors and Company の商標) で、これはスパンボンデッド (spun-bonded)オ レフィン紙で比較的に高価である。それのみならず、このリアクションキャニス ターにこの保護カバーを取り付けるには、しばしば接着剤その他の留め具を使用 することが必要となる。本考案はこの接着剤その他の留め具を使用することに伴 う特有のスクラップや再加工の発生を排除するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記により、本考案の第一の目的は、従来使用されていたものよりも小型で、 軽量で、費用の掛からない改善された保護カバーを提供することである。もう一 つの目的は、特別な留め具を使用することなく容易に取り付けることができるカ バーを提供することである。その他の目的や特色や利点については以下の記述と 実用新案登録請求の範囲とから明らかになるであろう。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はその形が実質的に長方形である可撓性のプラスチックの保護カバーよ り成っている。カバーの向かい合った側縁は厚くなっている。リアクションキャ ニスターの向かい合った内壁には溝ができている。保護カバーの厚くなった縁が その溝の中に滑り入りそのカバーを定位置に保持している。そのカバーの中に脆 弱な裂け目ラインが設けられており、エアバッグの膨張の際にはこの部分でカバ ーが分裂する。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１に左側の側壁１２と右側の側壁１４より成るリアクションキャニスター１ ０を示す。これらの側壁（サイドウォール）は実質的に平行であり、両者の間で 樋を形成している。これらの側壁の底部は膨張器に対するハウジング（図示せず ）を形成するために結合している。ディフューザープレート（拡散板）１６は、 その開口部がだぼ（ドエル dowel）２０によって拘束されている折り畳まれたエ アバッグ１８を支えている。これらの特徴は本考案の部分を形成するものではな く、１９９４年２月にディー・ジェー・パックストン等（D.J. Paxton et al.) によって出願された同時係属出願（co-pending application) 第 08/191959号に おいて開示されたもので、本考案と同一の譲受人に譲渡されたものである。該出 願の開示は本文中に参照として（by reference) 組み込まれている。リアクショ ンキャニスターの末端部は、図面では破れているように描いてあるが、ニヤエン ドプレート（近い端板）２２と、それから、ファーエンドプレート（遠い端板） ２４とにより閉鎖されている。

【０００７】 本考案においては、各側壁１２と１４の内方に向いた面はそれぞれ通常円筒形 の溝２６と２８とを画定している。この溝２６と２８とは実質的に平行となり、 相互に相対した位置にある。これらの側壁にはまた、本考案の構成部分ではない が、ねじ溝３０のような形状を備えてエンドプレートを支持している。溝２６と ２８の端部は又ねじの溝穴として役に立っている。リアクションキャニスター１ ０の頂部は可撓性のカバー３２により閉じられている。

【０００８】 カバー３２は高密度ポリプロピレンのようなプラスチックにより形成されてい る。これは実質的に長方形であり、比較的に薄い平らなボディ部分３４を有して いる。一つの実施例を挙げると、この厚さは約１mmである。２つの相対した側縁 は厚くなって、実質的に円筒形の丸い突出部３６と３８となっている。これらの 突出部は、図１に示すように側壁１２と１４のそれぞれの溝２６と２８の中に容 易に滑り入ることができるような大きさになっている。引用された具体例におい ては各突出部の直径はほぼ 3.5mmである。図２より更に明瞭に判るように、各溝 ２６と２８の中にある縦方向のスロット（溝穴）２９はボディ部分を受け入れる だけの十分な広い幅をもち、しかもそれぞれの突出部３６と３８とを保持するた めに十分な幅の狭さを有している。

【０００９】 先に述べた通り、可撓性のカバー３２はエアバッグ１８の膨張時には分割する ように設計されている。この目的のために該カバーの長手方向に沿って伸びた脆 弱な「裂け目ライン」４０が用意されている。この裂け目ラインは単一の薄い直 線状の溝、又は、図３に示すように一連の不連続なスロット４２、或いは前記両 者を組合せた形状をしている。

【００１０】 可撓性のカバーが破れると、それに伴う破片がリアクションキャニスター１０ の開口部とインストラメントパネルとの間の範囲を橋渡しする案内フラップ（案 内たれ、つば）となる。このことにより、エアバッグが展開中に引っ掛かったり 、破れたりする可能性が減少される。裂け目ライン４０の配置はその個別の配置 に応じて位置決めされるものであり、その多くの場合は、カバーの中央ラインに 沿って配置される。

【００１１】

【考案の効果】 本考案の可撓性のカバーはその大きさと重量は最小限のものであり、したがっ て費用も少ないものであることは明らかである。このことは、該カバーがもっぱ ら左右の側壁１２と１４の内面に形成された溝内に単独で支持された構造である ことに直接起因している。そのうえ、この構造はその組み付けが非常に容易であ り、その組立に際しては、第２のエンドプレートを取り付ける前に前記突起部３ ６と３８を溝２６と２８の中に滑り込ませるだけでよい。この独特なロッキング 構造により、他のファースナー（締結具）や粘着剤は必要とされない。

【００１２】 本考案についての多くの利点が今や熟練した当業者には明らかになったものと 信じる。又、本考案についての幾つかの変化と修正がその精神と範囲とを逸脱す ることなく作ることができる。したがって前記の記述はその内容を限定するもの ではなく、単に実例として解釈するべきである。本考案は実用新案登録請求の範 囲内に限定されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のリアクションキャニスターとカバーの
部分的端面を示し、その内部構造を示すために１つのエ
ンドプレートが部分的に切り取られている断面図であ
る。

【図２】カバーの厚くなった縁部とその保持溝との関係
を図解した拡大断面図である。

【図３】本考案の保護カバーの平面図である。

【符号の説明】

１０…リアクションキャニスター（反応容器） １２…左側の側壁 １４…右側の側壁 １６…ディフューザープレート（拡散板） １８…エアバッグ ２０…だぼ（ドエル dowel） ２２…ニヤエンドプレート（近い端板） ２４…ファーエンドプレート（遠い端板） ２６、２８…円筒形の溝 ２９…縦方向のスロット（溝穴） ３０…ねじ溝 ３２…可撓性のカバー ３４…ボディ部分 ３６、３８…側縁、突出部 ４０…裂け目ライン ４２…不連続なスロット

フロントページの続き (72)考案者 ラリー ディー．ローズ アメリカ合衆国，ユタ 84040，レイトン, イースト 1433 ノース 2500

Claims (13)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車用エアバッグモジュールに対する
   リアクションキャニスターであって、 折り畳まれたエアバッグを収容するために、内方に向き
   合った面を備え、その間に樋を画定し形成している第１
   と第２の実質的に平行な側壁と、 前記第１の側壁の内方に向いた面により画定された第１
   の溝と、 前記第２の側壁の内方に向いた面により画定された第２
   の溝と、 実質的に長方形の平らなボディの形状をし、その厚さが
   前記ボディの厚さよりも厚い相対した第１と第２の側縁
   を有し、該側縁はそれぞれ第１と第２の溝の中に滑動挿
   入され保持されて前記樋に橋を架け、中に収容されたエ
   アバッグを保護するように構成された可撓性のカバー
   と、より成るリアクションキャニスター。
2. 【請求項２】 前記可撓性のカバーのボディが前記第１
   と第２の側縁に実質的に平行な脆弱な裂け目ラインを画
   定している請求項１記載のリアクションキャニスター。
3. 【請求項３】 前記裂け目ラインが実質的に前記第１と
   第２の側縁の中間に位置している請求項２記載のリアク
   ションキャニスター。
4. 【請求項４】 前記可撓性カバーがプラスチックである
   請求項１記載のリアクションキャニスター。
5. 【請求項５】 前記プラスチックがポリプロピレンであ
   る請求項４記載のリアクションキャニスター。
6. 【請求項６】 前記プラスチックが高密度のポリプロピ
   レンである請求項５記載のリアクションキャニスター。
7. 【請求項７】 前記可撓性のカバーがプラスチックであ
   る請求項３記載のリアクションキャニスター。
8. 【請求項８】 前記プラスチックがポリプロピレンであ
   る請求項７記載のリアクションキャニスター。
9. 【請求項９】 前記プラスチックが高密度のポリプロピ
   レンである請求項８記載のリアクションキャニスター。
10. 【請求項１０】 前記第１と第２の溝がそれぞれ実質的
    に円筒形である請求項１記載のリアクションキャニスタ
    ー。
11. 【請求項１１】 前記第１と第２の側縁がそれぞれ実質
    的に円筒形である請求項１０記載のリアクションキャニ
    スター。
12. 【請求項１２】 前記第１と第２の溝がそれぞれ実質的
    に円筒形である請求項８記載のリアクションキャニスタ
    ー。
13. 【請求項１３】 前記第１と第２の側縁がそれぞれ実質
    的に円筒形である請求項１２記載のリアクションキャニ
    スター。