JP3013866U - バドミントン用ラケットフレームのグリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 打撃時のシャフトに良好な撓み作用を与える
と共に、軽量で、かつ振動を抑制し、打球感を向上させ
たバドミントン用ラケットフレームのグリップを提供す
る。 【構成】 グリップ４の長手方向末端部までシャフト３
が挿着されてなるバドミントン用ラケットフレームのグ
リップであって、該グリップ内部には、中空部１１が形
成されてなり、前記シャフト３は、前記グリップの上端
部で、前記シャフト３と略同径に形成されたシャフト挿
通孔１０により保持固定され、かつ末端部で前記シャフ
ト下端を嵌入固定する係止部材８により保持固定されて
なる構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バドミントン用ラケットフレームのグリップに関するのである。

【０００２】

【従来の技術】

一般にバドミントンには、テニス等と比べると極めて機敏で、スピードのある スイングが要求されている。そして、それらの要求を満足させるためにバドミン トン用のラケットフレームに要求される要素としては、軽量であり、しかも適度 のしなやかさによってもたらされる操作性の良さと、スピードのあるスイングを 可能にする機械的強度を持つことである。

【０００３】 従来、バドミントン用ラケットフレームは、図１に示すように、フレーム２と 、シャフト３と、このシャフト３の下端部に装着されるグリップ４とからなる構 成を有している。 上記グリップ４は、通常、木や発泡合成樹脂等の比較的軽量な素材によって形 成されており、そして、前記グリップの略中央部分には、前記シャフト３の下端 部を受け入れるためのシャフト挿通孔１０が穿設され、該シャフト挿通孔１０に 前記シャフト３が挿入固定された構成を有している。 一般に、前記シャフト挿通孔１０は、図５に示すように、前記グリップ４の長 手方向における全長を貫通するように穿設され、シャフト３が、このシャフト挿 通孔１０の全長に亙って挿入固定されるものが見られる。 上記構成のシャフト３が前記グリップ４の全長を貫通して挿通した構成のもの は、シャトルコックを打撃した際に、良好な打球感を得ることができたり、また 、前記シャフト３とグリップ４との接着性を高めることができた。

【０００４】 又、その他、実開昭４９−１４７０６０号公報に開示され、図６に示すように 、握柄１２の内部に空洞部１３を形成し、該空洞部１３内に支棒１４を挿通する と共に、該支棒１４の下端部に形成した係止凹溝１５に係止突片１６を係合せし め、この支棒１４の撓み角度を握柄１２の内部に形成した空洞部１３で逃がし、 支棒１４の撓み作用を無理なく円滑に行い得るようにした構造のものが見られる ようになった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の構造を有するバドミントン用ラケットフレームにおいて は、以下のような問題点があった。 グリップ４の長さ方向全長にわたりシャフト挿通孔１０を穿設し、該シャフト 挿通孔１０にシャフト３を挿入固定したものにあっては、前記シャフト３の下端 部が、剛性の大きいグリップ４の内部に挿入固定されることから、シャトルコッ クの打撃時に生ずるシャフト３の撓みがグリップ部分で規制されてしまい、シャ フト３の「しなり」がほとんどないことや、打撃時のシャフト３に伝播された振 動がグリップ４を介してすべて手に伝わるなどの欠点があった。

【０００６】 又、握柄１２の内部に空洞部１３を形成し、該空洞部１３内に支棒１４を挿通 すると共に、該支棒１４の下端部に形成した係止凹溝１５に係止突片１６を係合 せしめるものにあっては、前記支棒１４は、上端部１７で遊貫されているため、 シャトルコックを打撃する際に、スイートスポットを外して打撃した場合などに は、前記支棒１４が捩れ易く、打球方向が定まりにくいことや、スイング時の腕 の力を直接シャフトに伝達しにくいといった問題点を有していた。 更に、支棒１４の末端部は、グリップの末端部で保持されていないことや、保 持部材が、振動吸収性に優れた材料ではないため、打撃時の衝撃が直接グリップ に伝わるため、打撃感が良くないといった問題点があった。

【０００７】 そこで、本考案は、バドミントン用ラケットフレームのグリップ、特にシャフ トとの連結構造を改良することにより、打撃時のシャフトに良好な撓み作用を与 えると共に、軽量で、かつ手に不快な一次振動を抑制し、打球感を向上させたバ ドミントン用ラケットフレームのグリップを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は以下の構成とした。 即ち、グリップの長手方向末端部までシャフトが挿着されてなるバドミントン 用ラケットフレームのグリップであって、該グリップ内部には、中空部が形成さ れてなり、前記シャフトは、前記グリップの上端部で、前記シャフトと略同径に 形成されたシャフト挿通孔により保持固定され、かつ末端部で前記シャフト下端 を嵌入固定する係止部材により保持固定されてなる構成とした。

【０００９】 上記グリップは、比較的軽量で剛性のある材料、例えば、木、ＦＲＰ、硬質の 発泡合成樹脂などによって形成される。 又、前記係止部材に使用される材料としては、シャフトのしなりや振動などの 動きに追随でき、かつ振動を吸収できる弾性材料で形成されることが好ましく、 合成樹脂、ゴム或は、エラストマーなどの材料によって形成されることが好まし い。 従って、グリップに挿着されるシャフトは、打撃時に一次振動の節となる前記 グリップの上端部は、剛性のある材料で保持固定され、かつ末端部は、振動吸収 性能に優れた材料で保持固定され、中間部は遊貫された状態となる。

【００１０】 又、前記シャフトが前記グリップの上端部で保持固定される範囲としては、シ ャフトを確実に保持でき、かつシャフトに良好に撓みを与えることのできるため には、小さい範囲に形成されることが好ましく、グリップ上端からグリップ長さ の１／３までの範囲内で形成されることが好ましい。

【００１１】

【作用】

上記のように、本考案のバドミントン用ラケットフレームのグリップは、軽量 で剛性のある材料で形成されたグリップの内部に中空部を形成し、前記グリップ に挿着されるシャフトが、前記グリップの上端で前記グリップに形成されたシャ フト挿通孔により保持固定され、末端部で振動吸収性を有する材料により保持固 定され、中間部が遊貫されてなる構成であるため、シャトルコック打撃時のシャ フトの撓みをグリップ部分で規制することなく円滑に撓ませることができるので 、しなりのある打ちやすいラケットとすることができる。又、前記中空部を設け た分だけ軽量化を図ることができる。

【００１２】 前記グリップ内に挿着されたシャフトは、前記グリップの上端部で、前記シャ フトと略同径に形成されたシャフト挿通孔により保持固定され、かつ末端部で前 記シャフト下端を嵌入固定する係止部材により保持固定されていることから、打 撃時にプレーヤーの手に伝達される手に不快な感触を与える一次振動は、前記一 次振動の節となるシャフトのグリップ上端部分を前記シャフトと剛性を有するグ リップ部材で密着状態で保持固定されることで抑制され、かつ前記シャフトの末 端部に嵌入固定される係止部材で吸収され、グリップのその他の部分は、シャフ トに接触していないため、グリップ部分には打撃した時の感触のみが伝達される ようになり、打球感に優れたグリップとなる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、バドミントン用ラケットフレームの外観図を示し、図２は、本実施例 におけるグリップの断面説明図を示し、図３は、その一部断面斜視図を示す。 図１は、本実施例のグリップ構造を有するバドミントン用ラケットフレームを 示し、該ラケットフレーム１は、フレーム２と、シャフト３と、グリップ４とか ら構成されている。 前記シャフト３は、例えば、ＦＲＰ製のパイプからなり、その上端は前記フレ ーム２と連結するスロート５に挿入固定され、又、下端はグリップ４に挿入固定 されている。

【００１４】 図２に示すように、本実施例のグリップ４は、木或は、ＦＲＰなどの比較的軽 量で剛性を有する材料で、内部に中空部１１を有するように形成されており、該 グリップ４の外周部には、グリップレザー６が巻回被覆されており、又、該グリ ップ４の上端の円錐形状部分に剣先キャップ７と、該グリップ４の下端にシャフ ト３の末端部を固定する係止部材８及び、前記係止部材８を含むグリップ末端を 保護するエンドキャップ９がそれぞれ装着された構成となっている。

【００１５】 前記グリップ４の上端には、シャフト３の径に略等しい径で穿設されたシャフ ト挿通孔１０が形成され、それより下側の内部は、前記シャフト３の径よりも大 きい径を有する中空部１１が形成されている。

【００１６】 又、図３に示すように、前記グリップ４の下端に嵌入固定される係止部材８は 、枠１９と該枠１９の中央部に、前記シャフト３の末端部を受け入れ保持固定さ せるための突起１８が設けられ、枠１９はグリップ４と同じ外径を有するように 形成され、前記突起１８内にシャフトが嵌入固定され、枠１９がグリップ４の下 端に固定されることにより、シャフト３がグリップ４の中央に保持固定されるよ うになっている。又、前記係止部材８は、グリップ４の最下端に直接接着固定さ れている。 従って、前記構成のグリップを有するバドミントンラケットは、打撃時にシャ フト３に生じる曲げの一次振動の節に相当するグリップ４の上端の部分を前記比 較的剛性を有するグリップ４の上端部にシャフト挿通孔１０を設けることで保持 固定し、グリップ４下端に設けられた振動減衰性に優れた材料より成る係止部材 ８の部分とで保持固定された構成となっている。 前記シャフト３が前記グリップ４の上端部で保持固定される範囲は、グリップ ４上端からグリップ長さの１／３までの範囲内であることが好ましい。

【００１７】 なお、前記係止部材８は、上記実施例の構成の他、例えば、図４に示すように 、グリップ４の末端部に装着されるエンドキャップ９の内側底面に、係止部材８ を一体的に立設し、この係止部材８の略中央部に形成された孔に、シャフト３の 末端部を挿入固定させる構成としても良い。この場合、前記エンドキャップ９と 係止部材８は、同一材料で形成されることが好ましい。

【００１８】 前記係止部材８に使用される材料としては、振動吸収性に優れた合成樹脂、ゴ ム或は、エラストマーなどによって形成されることが好ましく、成型性が良好で 、低温から高温までの温度変化による硬度差が少ない材料が望ましい。例えば、 好ましい合成樹脂の一例としては、ポリスチレン系合成樹脂、ポリエステル系合 成樹脂、塩ビ系合成樹脂、ＥＶＡ系合成樹脂、ポリウレタン系合成樹脂、ポリア ミド系合成樹脂、フッ素ポリマー系合成樹脂、ホモポリマー系合成樹脂、アイオ ノマー系合成樹脂、アロイ系合成樹脂などから形成されることが好ましい。 更に、前記係止部材８に使用される好ましい材料として、以下のような熱可塑 性エラストマーがあげられる。ポリスチレン系エラストマー、ポリエステル系エ ラストマー、塩ビ系エラストマー、ＥＶＡ系エラストマー、ポリウレタン系エラ ストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素ポリマー系エラストマー、ホモポ リマー系エラストマー、アイオノマー系エラストマー、アロイ系エラストマーな どから形成されることが好ましい。 又、前記係止部材８に使用されるその他の材料としては、天然ゴムや合成ゴム を用いて形成することも可能である。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は、以上のような構成とすることによって、以下のような効果を奏する ものである。 即ち、本考案のバドミントン用ラケットフレームのグリップは、内部に中空部 を形成し、このグリップに挿着されるシャフトが、前記グリップの上端部と末端 部で保持固定され、中間部が遊貫されてなる構成であるため、打撃時のグリップ 内のシャフトに良好な撓み作用を与えることができ、しなりのある使いやすいラ ケットとすることができる。又、中空部を設けたことでグリップを軽量化できる といった効果も奏する。

【００２０】 前記グリップ内に挿着されたシャフトは、前記グリップの上端部で、剛性を有 する材料で形成されたグリップに、前記シャフトと略同径に形成されたシャフト 挿通孔により保持固定され、かつ末端部で前記シャフト下端を嵌入固定する振動 吸収性を有する材料で形成された係止部材により確実に保持固定されていること から、打撃時に手に伝達されて不快な感触を与える一次振動は、該一次振動の節 に相当する前記シャフトが緊密に保持固定されているグリップの上端部で抑制さ れ、前記シャフトの末端部に嵌入固定される係止部材によって減衰される為、打 球感に優れたグリップとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバドミントン用ラケットフレームの外
観図。

【図２】本実施例のグリップの断面説明図。

【図３】本実施例のグリップの一部断面斜視図。

【図４】他の実施例のグリップの断面説明図。

【図５】従来のグリップの断面説明図。

【図６】従来のグリップの断面説明図。

【符号の説明】

１ ラケットフレーム ２ フレーム ３ シャフト ４ グリップ ５ スロート ６ グリップレザー ７ 剣先キャップ ８ 係止部材 ９ エンドキャップ １０ シャフト挿通孔 １１ 中空部 １２ 握柄 １３ 空洞部 １４ 支棒 １５ 係止凹溝 １６ 係止突片 １７ 上端部 １８ 突起 １９ 枠

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリップの長手方向末端部までシャフト
   が挿着されてなるバドミントン用ラケットフレームのグ
   リップであって、該グリップ内部には、中空部が形成さ
   れてなり、前記シャフトは、前記グリップの上端部で、
   前記シャフトと略同径に形成されたシャフト挿通孔によ
   り保持固定され、かつ末端部で前記シャフト下端を嵌入
   固定する係止部材により保持固定されていることを特徴
   とするバドミントン用ラケットフレームのグリップ。
2. 【請求項２】 前記シャフトが、前記グリップの上端部
   で保持固定される範囲は、グリップ上端から該グリップ
   長さの１／３までの範囲内であることを特徴とする請求
   項１記載のバドミントン用ラケットフレームのグリッ
   プ。
3. 【請求項３】 前記シャフトの下端に嵌入固定される係
   止部材は、合成樹脂、ゴム或は、エラストマーによって
   形成されることを特徴とする請求項１又は、２記載のバ
   ドミントン用ラケットフレームのグリップ。
4. 【請求項４】 前記係止部材は、エンドキャップである
   ことを特徴とする請求項１、２又は、３記載のバドミン
   トン用ラケットフレームのグリップ。