JP3013804B2 - 通信速度変換装置および方法ならびにその装置を用いたデータ通信システム - Google Patents

通信速度変換装置および方法ならびにその装置を用いたデータ通信システム

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JP3013804B2
JP3013804B2 JP9068166A JP6816697A JP3013804B2 JP 3013804 B2 JP3013804 B2 JP 3013804B2 JP 9068166 A JP9068166 A JP 9068166A JP 6816697 A JP6816697 A JP 6816697A JP 3013804 B2 JP3013804 B2 JP 3013804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばモデムなど
のデータ回線終端装置(DCE:data circuit termina
ting)に通信速度の異なるデータ端末装置(DTE:da
ta terminal equipment)、例えばMIDI(Music Ins
trument Digital Interface)機器などが接続される通
信システムに用いられ、これら装置間において送受信さ
れるシリアルデータの通信速度を変換する通信速度変換
装置および方法に関する。さらには、その通信速度変換
装置を用いたデータ通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】今般、パーソナルコンピュータ(以下、
パソコンと称する)を利用したパソコン通信は身近な存
在となってきており、その代表格としてインターネット
がある。通信環境を考えた場合、通信の主流はやはりフ
ァイル(テキスト)通信であり、一部の特殊用途を除い
て、データ端末装置としてはパソコンが使用されてい
る。最近では、パソコンを利用したDTM(DESK TOP M
USIC)で使用される電子音源などのようなMIDI機器
を対象とした通信システムもある。このような電子楽器
のための通信規格、すなわち電子楽器同士や電子楽器と
コンピュータを接続するインタフェースの規格としてM
IDI規格がある。
【0003】図7は、一般に考えられるDTM環境を示
すブロック図である。ここに示すDTM環境は、モデム
102を介して電話回線107と接続されたパソコン1
03が、電子音源もしくは電子楽器とMIDIインタフ
ェース101を介して接続された構成となっている。
【0004】MIDIインタフェース101は、電子楽
器からのMIDIデータを常に監視し、イベントが発生
した場合、MIDIデータを取り込むと同時にパソコン
103へイベントの発生を知らせ、取り込んだMIDI
データをパソコン103へ渡すものである。このMID
Iインタフェース101は、取り込んだMIDIデータ
を解釈してパソコンが理解できるデータ形式に変換した
り、逆にコンピュータの信号を電子楽器が理解できるシ
リアルデータに変換したりする機能を有する。
【0005】パソコン103は、パソコンと電子音源を
制御するための一連の処理を行うためのMIDIシーケ
ンスソフトがインストールされており、このMIDIシ
ーケンスソフトにしたがってMIDIインタフェース1
01の制御が行われる。このMIDIシーケンスソフト
を用いた処理では、MIDIインタフェース101を制
御する他、音楽データ(MIDIダンプファイル)を編
集することも可能である。また、パソコン103には、
この他データ通信に関する通信ソフトなどがインストー
ルされている。なお、ここでいうMIDIダンプファイ
ルとは、あるフォーマットに従った制御データのかたま
りであり、後述するMIDIデータとは異なる。
【0006】以下、この通信システムの動作について説
明する。
【0007】MIDIデータは電子楽器を制御する通信
方法に従って送受信されるデータで、その通信速度は3
1.25Kbpsとなっている。一方、電話回線用であ
るモデム102のシリアルポートの通信速度は、19.
2Kbps,38.4Kbps,・・・といったパソコ
ン103による速度設定(モデムの通信ポートはEIA
−232の規格に準拠している)が可能になっている。
このようにMIDIデータの通信速度とモデムに設定さ
れる通信速度とは異なっている。
【0008】MIDIデータを送信する場合は、まず、
電子楽器(電子音源)から出力されるMIDIデータが
MIDIインタフェース101に取り込まれる。MID
Iインタフェース101は、取り込んだMIDIデータ
を解釈してパソコンが理解できるデータ形式に変換して
パソコン103へ渡す。パソコン103は、MIDIイ
ンタフェース101から渡されたデータをモデム102
を介して電話回線107上に送出する。
【0009】MIDIデータを受信する場合は、モデム
102を介して通信データが一旦パソコン103に取り
込まれ、コンピュータ信号でMIDIインタフェース1
01に渡される。MIDIインタフェース101は、パ
ソコン103からのコンピュータ信号を電子楽器が理解
できるシリアルデータに変換し、これを電子楽器へ送出
する。
【0010】以上のようにして、MIDIデータの送受
信が可能となり、これにより電子楽器間でMIDI通信
によって互いにデータのやり取りができ、MIDI通信
を核としたローカルなネットワーク環境を構築すること
ができる。ここでは、DTM環境を中心に述べてきた
が、MIDI通信を利用したものはDTMに限ったもの
では無く、電子ピアノ、シンセサイザー、エレクトーン
などに加えて、MIDIギターやMIDIドラムスとい
ったように多種に渡る。このようなネットワーク環境で
は、MIDIキーボードでMIDIドラムスを演奏する
といったことも可能になる。
【0011】上述のDTM環境のようにMIDIインタ
フェース(MPU)を設けたものでは、MIDIインタ
フェースがパソコンとは独立してMIDIデータの変換
処理を行うことができるので、パソコンのCPUの稼働
効率を上げることができる上、CPUの処理能力の限界
からくるデータの取りこぼしもなくなり、信頼性が向上
する。今日、このMIDIインタフェースを用いたMI
DIシーケンスソフトが主流を占めるに至っている。
【0012】なお、上述のMIDI通信の説明では、M
IDIデータを単に送受信することについて述べたが、
良好な音楽データを通信により得るにはデータのイベン
ト時刻が重要となるため、実際はデータに相対時刻値が
付加される。
【0013】最近では、MIDIデータをパソコン通信
のようなグローバルなネットワークに乗せてMIDI通
信を行うといった試みもなされている。この方式では、
パソコンでMIDIデータを取り込み、直ぐさまモデム
からMIDIデータを電話回線上に送出するといった処
理(ソフトウェア処理)が行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術には以下のうような問題がある。
【0015】上述したようにMIDIデータの通信速度
(31.25Kbps)と電話回線用モデムのシリアル
ポートの通信速度(19.2Kbps,38.4Kbp
s,・・・)とは異なるため、従来は電子楽器からのM
IDIデータをパソコンに一旦取り込んでソフトウェア
処理を行うことによって通信が行われていた。このよう
にソフトウェア処理によって通信が行われるものにおい
ては、パソコンが必ず必要とされる他、データ処理やモ
デム制御のためのソフトウェアが別途必要とされるた
め、コストの高いものとなっていた。
【0016】また、MIDI通信では、電子楽器の制御
が目的となることから、MIDIデータのイベントの時
刻およびイベントの発生間隔がどれだけ忠実に再生でき
るかが重要になる。特に、人間の聴覚識別能力は一般に
20ms程度の時間差を判別可能であることから、MI
DIデータの送受信によって生じる遅延は大きな問題と
なる。このようなことを考慮すると、パソコンを用いて
MIDIデータの通信が行われる従来のものでは、ソフ
トウェア処理によるデータ処理によって遅延が生じるた
め、送受信側で同時演奏を行う場合には、その生じた遅
延によってテンポが崩れてしまい、演奏が困難なものと
なるという問題がある。さらには、従来のものでは、通
信時にデータ処理スピードが変化し、これによって発音
と発音との間隔が変化してしまい、テンポはもとより音
楽としてのニュアンスが崩れてしまうといったことも考
えられる。
【0017】低コスト化、装置の簡素化などを目的に、
電子楽器からのMIDIデータを直接モデムから送信で
きる通信システムの開発が望まれているが、現在のとこ
ろ、遅延が小さく、イベントの発生時刻とイベント発生
間隔をできるだけ忠実に保持した通信方式は提案されて
いない。なお、FIFO(First In First Out)と呼ば
れるメモリも利用することができるが、この場合にも上
記イベント時刻の再現性という面では十分ではない。
【0018】本発明の目的は、電子楽器から送出された
MIDIデータの通信速度をデータ回線終端装置の通信
速度に変換し、データ回線終端装置を介して受信された
シリアルデータの通信速度をMIDIデータの通信速度
に変換する、低コストでコンパクトな通信速度変換装置
および方法を提供することにある。加えて、遅延が小さ
く、イベントの発生時刻とイベント発生間隔をできるだ
け忠実に再現することができる通信速度変換装置および
方法を提供することにある。さらに加えて、その通信速
度変換装置を用いたデータ通信システムを提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の通信速度変換装置は、送受信されるシリア
ルデータの通信速度を変換する通信速度変換装置であっ
て、前記シリアルデータが各バイト毎にスタートビット
およびストップビットが付加された複数のバイトからな
るデータであり、前記シリアルデータのスタートビット
およびストップビットを検出するデータ検出手段と、
記シリアルデータをパラレル変換する第1のシリアル・
パラレル変換手段と、前記第1のシリアル・パラレル変
換手段にて変換されたデータが記憶される記憶手段と、
前記記憶手段から読み出されたデータをシリアルデータ
に変換する第2のシリアル・パラレル変換手段と、前記
第2のシリアル・パラレル変換手段にて変換されたシリ
アルデータの通信速度が所定の通信速度となるように、
前記記憶手段からのデータの読み出しを制御するととも
に、前記データ検出手段にて検出されるスタートビット
およびストップビットに基づいて、前記第2のシリアル
・パラレル変換手段にて変換されたシリアルデータの各
バイト毎のデータの発生時刻および間隔が前記記憶手段
に記憶される前のシリアルデータの各バイト毎のデータ
の発生時刻および間隔と一致するように、前記記憶手段
におけるデータの書き込みおよび読み出しのタイミング
を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0020】
【0021】また、本発明の通信速度変換装置は、デー
タ回線終端装置に該データ回線終端装置とは通信速度の
異なるデータ端末装置が接続された通信システムにおい
て用いられる通信速度変換装置であって、記憶手段と、
前記データ回線終端装置を介して受信されたシリアルデ
ータをパラレル変換し、該変換されたデータが前記記憶
手段に書き込まれる第1のシリアル・パラレル変換手段
と、前記データ端末装置から送出されたシリアルデータ
をパラレル変換し、該変換されたデータが前記記憶手段
に書き込まれる第2のシリアル・パラレル変換手段と、
前記記憶手段におけるデータの書き込みおよび読み出し
を制御する制御手段とを有し、前記第1のシリアル・パ
ラレル変換手段は、前記記憶手段に書き込まれた前記第
2のシリアル・パラレル変換手段の変換データをシリア
ルデータに変換し、前記第2のシリアル・パラレル変換
手段は、前記記憶手段に書き込まれた前記第1のシリア
ル・パラレル変換手段の変換データをシリアルデータに
変換し、前記制御手段は、前記記憶手段に書き込まれた
前記第2のシリアル・パラレル変換手段の変換データを
読み出す場合は、その読み出し速度が前記データ回線終
端装置の通信速度と一致するように読み出し制御を行
い、前記記憶手段に書き込まれた前記第1のシリアル・
パラレル変換手段の変換データを読み出す場合には、そ
の読み出し速度が前記データ端末装置の通信速度と一致
するように読み出し制御を行うことを特徴とする。
【0022】上記の場合、前記データ回線終端装置を介
して送受信されるシリアルデータが各バイト毎にスター
トビットおよびストップビットが付加された複数のバイ
トからなるデータであり、前記データ回線終端装置を介
して受信されたシリアルデータのスタートビットおよび
ストップビットを検出する第1のデータ検出手段と、前
記データ端末装置から送出されたシリアルデータのスタ
ートビットおよびストップビットを検出する第2のデー
タ検出手段を有し、前記制御手段が、前記第2のシリア
ル・パラレル変換手段にて変換されるシリアルデータの
各バイト毎のデータの発生時刻および間隔が前記データ
回線終端装置を介して受信されたシリアルデータの各バ
イト毎のデータの発生時刻および間隔と一致するよう
に、前記第1のデータ検出手段にて検出されるスタート
ビットおよびストップビットに基づいてデータの書き込
みおよび読み出しを制御し、前記第1のシリアル・パラ
レル変換手段にて変換されるシリアルデータの各バイト
毎のデータの発生時刻および間隔が前記データ端末装置
から送出されたシリアルデータの各バイト毎のデータの
発生時刻および間隔と一致するように、前記第2のデー
タ検出手段にて検出されるスタートビットおよびストッ
プビットに基づいてデータの書き込みおよび読み出しを
制御するように構成してもよい。
【0023】本発明の通信速度変換方法は、各バイト毎
にスタートビットおよびストップビットが付加された複
数のバイトからなるシリアルデータをパラレル変換して
一旦記憶手段に書き込み、該書き込まれたデータを所定
の読み出し速度で読み出して、該読み出し速度を通信速
度とするシリアルデータに再び変換する通信速度変換方
法であって、前記記憶手段におけるデータの書き込みお
よび読み出しを、スタートビットを検出することにより
データの書き込みを開始し、ストップビットを検出する
ことによりそのデータの書き込みを終了するとともにデ
ータが書き込まれた領域のアドレスを決定し、この決定
されたアドレスを指定してデータの読み出しを行うこと
により、バイト単位に順次データの書き込みおよび読み
出しを行うようにし、前記アドレスの決定に際して、読
み出しが完了した後に後続のバイトのストップビットが
検出された場合にのみアドレスを初期値に設定すること
とし、読み出し中に後続のバイトのストップビットが検
出された場合には、アドレス値をカウントアップする
とを特徴とする。
【0024】また、本発明の通信速度変換方法は、デー
タ回線終端装置に該データ回線終端装置とは通信速度の
異なるデータ端末装置が接続された通信システムにおい
て行われる通信速度変換方法であって、前記データ回線
終端装置を介して受信されたシリアルデータを前記デー
タ端末装置に送出する場合は、受信されたシリアルデー
タをパラレル変換して記憶手段に記憶させ、該記憶され
たデータを前記データ端末装置の通信速度となる読み出
し速度で読み出して再びシリアルデータに変換し、前記
データ端末装置から送出されたシリアルデータを前記デ
ータ回線終端装置を介して送信する場合は、送出された
シリアルデータをパラレル変換して前記記憶手段に記憶
させ、該記憶されたデータを前記データ回線終端装置の
通信速度となる読み出し速度で読み出して再びシリアル
データに変換するようにし、さらに、前記データ回線終
端装置を介して送受信されるシリアルデータを各バイト
毎にスタートビットおよびストップビットが付加された
複数のバイトからなるデータとして、前記記憶手段にお
けるデータの書き込みおよび読み出しを、スタートビッ
トを検出することによりデータの書き込みを開始し、ス
トップビットを検出することによりそのデータの書き込
みを終了するとともにデータが書き込まれた領域のアド
レスを決定し、この決定されたアドレスを指定してデー
タの読み出しを行うことにより、バイト単位に順次デー
タの書き込みおよび読み出しを行うようにし、前記アド
レスの決定に際して、読み出しが完了した後に後続のバ
イトのストップビットが検出された場合にのみアドレス
を初期値に設定することとし、読み出し中に後続のバイ
トのストップビットが検出された場合には、アドレス値
をカウントアップすることを特徴とする。
【0025】
【0026】本発明のデータ通信システムは、上述のい
ずれかの通信速度変換装置を有し、データ回線終端装置
に該データ回線終端装置とは通信速度の異なるデータ端
末装置が前記通信速度変換装置を介して接続されたこと
を特徴とする。
【0027】上記の場合、前記データ回線終端装置と前
記通信速度変換装置との間に切替手段を有し、1つ以上
のデータ端末装置が前記切替手段を介して前記データ回
線終端装置と選択的に接続可能に構成されたものとして
もよい。
【0028】さらに、前記データ端末装置と前記通信速
度変換装置との間に切替手段を有し、複数のデータ端末
装置が前記切替手段を介して前記通信速度変換装置と選
択的に接続可能に構成されたものとしてもよい。
【0029】<作用>上述の通りの本発明によれば、デ
ータ回線終端装置を介して送信されるシリアルデータま
たは受信されたシリアルデータはパラレル変換されて記
憶手段に一旦記憶された後、所定の速度で読み出されて
再びシリアルデータに変換される。この場合における、
記憶手段から読み出されたシリアルデータの通信速度
は、その読み出し速度によって決まることから、読み出
し速度を変換したい通信速度に設定することにより、デ
ータ回線終端装置を介して送受信されるシリアルデータ
の通信速度を所望の通信速度に変換できる。例えばデー
タ回線終端装置に通信速度の異なるデータ端末装置が接
続された場合で、データ回線終端装置を介して受信され
たシリアルデータの通信速度をデータ端末装置の通信速
度に変換する場合には、記憶手段からの読み出し速度を
データ端末装置の通信速度と一致させれば、受信シリア
ルデータの通信速度はデータ端末装置の通信速度に変換
されることになる。
【0030】また、本発明では、データ回線終端装置を
介して送受信されるシリアルデータは各バイト毎にスタ
ートビットおよびストップビットが付加された複数のバ
イトからなるデータで構成されており、スタートビット
およびストップビットに基づいてデータの書き込みおよ
び読み出しのタイミングを制御できるので、通信速度変
換後のシリアルデータの各バイト毎のデータの発生時刻
および間隔を元のシリアルデータの各バイト毎のデータ
の発生時刻および間隔と一致させることができる。本発
明では、スタートビットを検出することによりデータの
書き込みを開始し、ストップビットを検出することによ
りそのデータの書き込みを終了するとともにデータが書
き込まれた領域のアドレスを決定し、この決定されたア
ドレスを指定してデータの読み出しを行うことにより、
バイト単位に順次データの書き込みおよび読み出しが行
われようになっており、アドレスの決定に際しては、読
み出しが完了した後に後続のバイトのストップビットが
検出された場合にのみアドレスを初期値に設定すること
とし、読み出し中に後続のバイトのストップビットが検
出された場合には、アドレス値をカウントアップするよ
うになっているので、記憶手段に書き込まれたシリアル
データは各バイト毎のデータの発生時刻および間隔を維
持したまま読み出されることになる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図2は、本発明の通信速度変
換装置が用いられたMIDIデータ通信システムの概略
を示すブロック図である。
【0032】このMIDIデータ通信システムは、電話
回線7にデータ回線終端装置(DCE)であるモデム2
a,2bが接続され、これらモデム2a,2bに本発明
の通信速度変換装置1a,1bを介して電子楽器4a,
4bが接続された構成となっている。通信速度変換装置
1a,1bには、パソコン通信を行うためのパソコン3
a,3bが接続されている。この通信速度変換装置1
a,1bは、MIDIデータ通信とパソコン通信との切
り替えやMIDIデータ通信の際の通信速度変換を行う
機能を持つ。パソコン3a,3bには、それぞれデータ
通信に関する手順が記述された通信ソフトなどが予めイ
ンストールされている。
【0033】以下、このシステムの動作を順を追って説
明する。ただし、通信速度変換装置1a,1bの動作は
同じであるため、以下の動作説明では通信速度変換装置
1aについてのみ説明する。
【0034】MIDIデータは、図3に示すように3バ
イト構成で送受信され、各バイト毎にスタートビットお
よびストップビットが付け加えられた、1バイトが10
ビットの計30ビットで1音が構成されている。1バイ
ト目はインストラクションで、ここではMIDIチャン
ネル1で発音命令(音を出す制御信号)、2バイト目は
音階データ(「ド」、「レ」、「ミ」などの各音階を示
す)、3バイト目は音量データを示す。
【0035】まず、通信速度変換装置1aにて、パソコ
ン3のデータ出力8aおよびデータ入力9aとモデム2
aのシリアルデータ出力5およびシリアルデータ入力6
とが接続される。続いて、パソコン3aにインストール
されている通信ソフトに従ってモデム2aの設定が行わ
れる。具体的には、モデムのイニシャライズ、通信速度
(例えば、19.2Kbps,38.4Kbps,・・
・)の設定、回線接続などが行われ、パソコン通信が可
能な状態とされる。
【0036】上記のようにして回線接続が完了した後、
電子楽器4aを用いたMIDIデータの通信を行う場合
は、通信速度変換装置1aにて接続切替を行い、モデム
2aのシリアルデータ出力5およびシリアルデータ入力
6と電子楽器4aのMIDIデータ出力11およびMI
DIデータ入力12とを接続する。この接続切替によっ
て、モデム2aを介したデータ通信はパソコン3aから
電子楽器(MIDI機器)4aへ移る。電子楽器4aか
ら送出されるMIDIデータは、通信速度変換装置1a
によって通信速度が変換され、モデム2aを介して電話
回線7上に送出される。モデム2aを介して受信された
シリアルデータは、通信速度変換装置1aによって通信
速度が変換され、電子楽器4aへ渡される。このように
して、MIDIデータの送受信が行われる。
【0037】再びパソコン通信に切り替える場合は、通
信速度変換装置1aにて接続切替を行い、パソコン3の
データ出力8aおよびデータ入力9aとモデム2aのシ
リアルデータ出力5およびシリアルデータ入力6とを接
続する。この状態で、モデム2aを介したデータ通信は
電子楽器(MIDI機器)4aからパソコン3aへ移
る。
【0038】なお、モデム制御線10aはモデム2aの
通信開始までしか利用せず、MIDIデータ送受信時に
おいては何も制御機能を果たさないものとする。これ
は、パソコンがMIDIデータ通信を監視していないた
めである。また、本形態のシステムにおいても、MID
Iデータがデータエラーとなった場合には再送不能とな
るため、事実上ハンドシェイク機能は使えないことにな
るが、実験的には6時間以上に渡る長時間MIDIデー
タ通信でもデータエラーやモデムのオーバーフロー(キ
ューバッファのオーバーフロー)現象は生じないことが
確認されている。電話回線の不具合によって発生するデ
ータエラーについては、モデムのエラー訂正機能により
瞬時に訂正されるため、MIDIデータ通信時に致命的
な不具合を生じることもない。
【0039】次に、上述した通信速度変換装置の具体的
な構成について説明する。図1は、本発明の通信速度変
換装置の一構成例を示すブロック図である。
【0040】この通信速度変換装置は、制御部20、M
IDIデータ入出力部21、データ検出部22,26、
シリアル・パラレル変換部23,27、シリアルデータ
入出力部25、記憶部28からなり、モデム2と切替ス
イッチ24を介して接続されている。
【0041】MIDIデータ入出力部21は電子楽器4
と接続されており、電子楽器4とのMIDIデータの受
渡しがこのMIDIデータ入出力部21で行われる。シ
リアルデータ入出力部25は、切替スイッチ24を介し
てモデム2と接続されるようになっており、モデム2と
のシリアルデータの受渡しがこのシリアルデータ入出力
部25にて行われる。切替スイッチ24は、モデム2と
パソコン3の接続(パソコン通信)、モデム2とシリア
ルデータ入出力部25の接続(MIDIデータ通信)の
切り替えを行えるようになっている。ここで、モデム2
とシリアルデータ入出力部25の接続は、RS−232
Cの規格に準じて接続される。本実施形態では、切替ス
イッチ24の切り替えは、パソコン通信か?、MIDI
データ通信か?に応じて手動で行われるが、パソコン3
あるいは制御部20が入力指示(例えば、キー入力)に
応じて切り替えるようにしてもよい。
【0042】データ検出部22は、MIDIデータ入出
力部21に入力される電子楽器4からのMIDIデータ
のスタートビットおよびストップビットを検出し、制御
部20へ通知する。データ検出部26は、モデム2を介
してシリアルデータ入出力部25に入力されるシリアル
データのスタートビットおよびストップビットを検出
し、制御部20へ通知する。
【0043】シリアル・パラレル変換部23は、MID
Iデータ入出力部21に入力された電子楽器4からのM
IDIデータをシリアル・パラレル変換する。シリアル
・パラレル変換部27は、モデム2を介してシリアルデ
ータ入出力部25に入力されたシリアルデータをシリア
ル・パラレル変換する。これらシリアル・パラレル変換
部23,27にてシリアル・パラレル変換されたデータ
は記憶部28に記憶されるようになっている。この他、
シリアル・パラレル変換部23,27は、記憶部28に
記憶されたデータを読み出し、これをシリアル信号に変
換する機能も有する。
【0044】制御部20は、シリアル・パラレル変換部
23,27にて変換されたデータを記憶部28へ記憶さ
せたり、記憶部28へデータを記憶させる際のアドレス
をデータ検出部22,23によるストップビットの検出
と読み出し速度に応じて決定したりする他、記憶部28
に記憶されたデータの読み出しを制御したりする。
【0045】以下、この通信速度変換装置の動作につい
て説明する。
【0046】まず、切替スイッチ24にてモデム2とパ
ソコン3を接続し、パソコン3にインストールされてい
る通信ソフトに従ってモデム2の設定を行う。これによ
り、パソコン3のデータ出力8およびデータ入力9とモ
デム2へのシリアルデータ出力5およびシリアルデータ
入力6とが接続され、パソコン通信が可能な状態とされ
る。
【0047】続いて、電子楽器4を用いたMIDIデー
タの通信を行う場合は、切替スイッチ24にてモデム2
とシリアルデータ入出力部25を接続する。これによ
り、MIDIデータの送受信が可能な状態とされ、MI
DIデータの送受信が以下のようにして行われる。な
お、以下の説明では、MIDIデータは前述したように
3バイト構成で送受信されるものとし、各バイトにスタ
ートビットおよびストップビットが付け加えられた、1
バイトが10ビットの計30ビットで1音が構成されて
いるものとする。
【0048】(1)MIDIデータの送信 電子機器4からのMIDIデータはMIDIデータ入出
力部21に入力される。MIDIデータがMIDIデー
タ入出力部21に入力されると、データ検出部22にて
その入力されたMIDIデータのスタートビットおよび
ストップビットが検出されて制御部20に知らされる。
MIDIデータ入出力部21に入力されたMIDIデー
タは、シリアル・パラレル変換部23にてシリアル・パ
ラレル変換された後、スタートビットおよびストップビ
ットの検出に基づく制御部20による制御によって記憶
部28にバイト単位で記憶される。ここで、MIDIデ
ータは、非同期のシリアルデータで、その発生は散発的
であるため、記憶部28へのデータの書き込み開始、終
了の判断はデータ検出部22におけるスタートビットお
よびストップビットの検出に基づいて行われる。
【0049】記憶部28にデータが記憶されると、続い
て、シリアル・パラレル変換部27によりその記憶され
たデータが読み出され、再びシリアル信号に変換された
後、シリアルデータ入出力部25に送られる。シリアル
データ入出力部25は、シリアル・パラレル変換部27
から送られたシリアルデータをモデム2を介して電話回
線7上へ送出する。このときのモデム2から電話回線7
上に送出されるシリアルデータの通信速度は、シリアル
・パラレル変換部27によって記憶部28からデータが
読み出される際の読み出し速度によって決まる。ここで
は、読み出し速度がモデム2に設定された通信速度に設
定されているので、電子機器4から出力されたMIDI
データは、その通信速度がモデム2に設定された通信速
度に変換されたことになる。
【0050】(2)MIDIデータの受信 電話回線7上に送出されたシリアルデータは、モデム2
を介してシリアルデータ入出力部25で受信される。シ
リアルデータがシリアルデータ入出力部25に受信され
ると、データ検出部26にてその受信されたシリアルデ
ータのスタートビットおよびストップビットが検出され
て制御部20に知らされる。シリアルデータ入出力部2
5に入力されたシリアルデータは、シリアル・パラレル
変換部23にてシリアル・パラレル変換された後、スタ
ートビットおよびストップビットの検出に基づく制御部
20による制御によって記憶部28にバイト単位で記憶
される。この記憶部28へのデータの書き込み開始、終
了の判断は、データ検出部26におけるスタートビット
およびストップビットの検出に基づいて行われる。
【0051】記憶部28にデータが記憶されると、続い
て、シリアル・パラレル変換部23によりその記憶され
たデータが読み出され、再びシリアル信号に変換された
後、MIDIデータとしてMIDIデータ入出力部21
へ送られる。MIDIデータ入出力部21は、シリアル
・パラレル変換部23から送られたMIDIデータを電
子楽器4へ送出する。この電子楽器4へ送出されるMI
DIデータの通信速度は、シリアル・パラレル変換部2
3によって記憶部28からデータが読み出される際の読
み出し速度によって決まる。ここでは、読み出し速度が
電子機器4にて送受信されるMIDIデータの通信速度
に設定されているので、モデム2を介して受信されたシ
リアルデータは、その通信速度がMIDIデータの通信
速度に変換されたことになる。
【0052】上述したように、本実施形態では、電子楽
器4から出力されるMIDIデータを送信する場合は、
送信するMIDIデータの通信速度をそのデータのスト
リーム性を保持したままモデムに設定された通信速度に
変換できる。また、電話回線上に送出されたシリアルデ
ータ(MIDIデータ)を受信する場合は、受信された
シリアルデータの通信速度をそのデータのストリーム性
を保持したまま電子楽器に設定された通信速度に変換で
きる。
【0053】このMIDIデータの通信速度変換の一連
の処理の流れを図4を参照して具体的に説明する。MI
DIデータの1発音に必要なデータは3バイト(30ビ
ット)で、その通信速度は31.25Kbps(31.
25KHz)となっている。1ビット当たりの送信に3
2μsの時間がかかることから、電子楽器から送出され
るMIDIデータの1発音分のデータの送信におよそ9
60μsの時間を要する。本実施形態の通信速度変換装
置では、MIDIデータはパラレル信号に変換されて記
憶部に一時的に記憶され、19.2KHzのデータ読み
出し速度で読み出されることにより、通信速度が19.
2Kbpsのシリアルデータに変換される(シリアルデ
ータ出力5)。この通信速度の変換により、モデムから
はシリアルデータが19.2Kbpsの通信速度で電話
回線7上に送出される。
【0054】電話回線7上に送出されたシリアルデータ
(MIDIデータ)は、通信速度が19.2Kbpsに
設定されたモデムを介してシリアルデータ入出力部25
で受信される(シリアルデータ入力6)。受信されたシ
リアルデータは、パラレル信号に変換されて記憶部に一
時的に記憶され、31.25KHzのデータ読み出し速
度で読み出されることにより、通信速度が31.25K
bpsのシリアルデータに変換される(MIDIデータ
出力11)。この通信速度の変換により、電子楽器には
通信速度が31.25KbpsのMIDIデータが受信
される。
【0055】以上、通信速度の変換処理について説明し
たが、記憶部におけるデータの書き込み速度が読み出し
の速度に対して遅い場合、例えば上述したように、記憶
部28からのデータ読み出し速度が19.4KHzで、
記憶部28へ書き込まれるMIDIデータの通信速度3
1.25Kbps(31.25KHz)よりも遅くなっ
ている場合には、データの書き込み(シリアル・パラレ
ル変換部23によるデータの書き込み)とデータの読み
出し(シリアル・パラレル変換部27によるデータの読
み出し)とのタイミングを考慮する必要がある。
【0056】図5は、データの書き込みと読み出しのタ
イミングを説明するための図である。電子楽器から出力
されたMIDIデータが記憶される場合のデータの書き
込みと読み出しは、次のようなタイミングで行われる。
1バイト目のデータは、そのスタートビットが検出され
ることによりデータの書き込みが開始され、ストップビ
ットが検出されることによりそのデータの書き込みが終
了されるとともに、そのデータが書き込まれた領域のア
ドレスとして初期アドレスである「アドレス1」が決定
される。「アドレス1」が決定されると、この「アドレ
ス1」に書き込まれたデータの読み出しが行われる。
【0057】続く2バイト目のデータは、そのスタート
ビットが検出されることによりそのデータの書き込みが
開始され、ストップビットが検出されることによりその
データの書き込みが終了されるとともに、その書き込ま
れた領域のアドレスが決定されるが、アドレスの決定に
際して、先に行われた「アドレス1」の領域のデータの
読み出しが実行中の場合には、「アドレス1」を使用で
きないため、次アドレスである「アドレス2」を使用す
る。先に行われた「アドレス1」の領域のデータの読み
出しが完了している場合には、データの書き込み領域と
して「アドレス1」を使用する。ここでは、データの書
き込み領域として「アドレス2」が決定されたものとし
て以降の動作を説明する。データの書き込み領域として
「アドレス2」が決定され、先に行われた「アドレス
1」の領域のデータの読み出しが完了すると、続いて
「アドレス2」に書き込まれたデータの読み出しが行わ
れる。
【0058】続く3バイト目のデータも、上記2バイト
目のデータと同様に、そのスタートビットおよびストッ
プビットの検出に基づいてデータの書き込みの開始およ
び終了が判断される。アドレスの決定に際して、先に行
われた「アドレス2」の領域のデータの読み出しが実行
中の場合には、「アドレス2」を使用できないため、次
アドレスである「アドレス3」を使用し、データの読み
出しが完了している場合には、データの書き込み領域と
して「アドレス1」を使用する。ここでは、先に行われ
た「アドレス2」の領域のデータの読み出しが完了して
いるので、データの書き込み領域として「アドレス1」
が使用される。
【0059】一方、モデムを介して受信されるシリアル
データの通信速度の変換処理では、遅い通信速度を速い
通信速度に上げる処理が行われるため、書き込み速度は
読み出し速度より速い。したがって、例えば2バイト目
のデータの書き込みが終了してそのライトアドレスを決
定する際に、その前に書き込まれた1バイト目のデータ
の読み出しが実行中となることはなく、常にライトアド
レスとしては初期値の「アドレス1」が使用されること
となる。このように、ライト/リードアドレスの値が常
に初期値「アドレス1」に設定されることから、上述の
MIDIデータの通信速度の場合と比べて極めて簡単な
ものとなる。
【0060】以上のデータの書き込みおよび読み出し動
作をまとめると、以下のようなことになる。 ライトアドレスカウンタはリード中の場合には1つイ
ンクリメントされる。 ライトアドレスはリードが完了してい場合には初期化
される。 リードアドレスカウンタはライトアドレスカウンタ値
と等しくなるまで進む。 リードアドレスカウンタ値がライトアドレスカウンタ
値と等しい場合で、リード動作が終了した場合には、ラ
イト/リードカウンタはともに初期値にリセットされ
る。
【0061】本実施形態の場合、ライトアドレスはMI
DIデータの連続バイト数が大きくなればなる程、その
値が進むことになる。リードアドレスの値は、ライトア
ドレスの値を追いかけるように進むが、一般にMIDI
データは全くの連続データであることは極めて希である
ため、いつかはライトアドレスとリードアドレスが一致
することになる。このことを利用し、ライトアドレスと
リードアドレスが一致したときに初期アドレスにリセッ
トされるようになっている。ただし、MIDIダンプフ
ァイルのような特殊なものは、リアルタイム性を必要と
しないため、対象としない。このような書き込みおよび
読み出し動作によって、送受信されるMIDIデータの
ストリーム性を可能な限り保持した速度変換が可能にな
っている。
【0062】なお、MIDIデータの連続データ数が多
くなると、イベント時刻が正確に再現されなくなること
もある。以下、送受信されるMIDIデータの連続デー
タ数の許容範囲について説明する。
【0063】連続データ数をnバイトとすると、nバイ
ト目のデータの通信速度が変換されるまでの、変換前の
データの通信速度と変換後のデータの通信速度との時間
差の累積時間差ΔTは、 ΔT=(V1(変換後の通信速度)−V2(変換前の通
信速度))×n となる。例えば、n=32、V1=19.2Kbps
(520μs/バイト)、V2=31.25Kbps
(320μs/バイト)とすると、 ΔT=(520μs−320μs)×32 =6400μs=6.4ms となる。これは、人間の耳で同時発音として認識可能な
時間である。このように連続データ数の許容範囲を求め
る1つの目安として累積時間差があるが、実際には音楽
データとしてのMIDIデータがどの程度までの遅れを
許容範囲とするかが問題とされることから、ここでは、
最初の発音から最後の発音までの時間が重要となる。
【0064】変換前のMIDIデータでは、その送信に 320μs×32=10.24ms の時間が費やされることから、全体の遅れの許容範囲を
仮に10ms以内(人間の耳では10ms程度の遅れで
あれば同時発音として認識できる)とすると、連続デー
タ数nは通信速度の遅い方に着目すればよいことから、 n=10ms/520μs =19 となる。すなわち、19個の連続MIDIデータであっ
ても十分に通信が可能である。ここでいう、通信可能と
は音楽として十分なニュアンスが伝わることをいう。
【0065】なお、変換通信速度を19.2Kbpsの
2倍の38.4Kbpsにすれば、連続データ数が多く
なっても、イベント時刻を正確に再現することができる
が、この場合には、モデムの通信能力(電話回線の通信
速度、例えば28.8Kbps)が問題となる。通常、
パケット通信を利用することから、モデムの最終的な能
力は、できるだけパケットを小さくし、素早く送信でき
るかによる。実験によると、モデムを利用したMIDI
データ通信では、16バイトの連続データでも良好な通
信が得られている。さらに、32バイトの連続データで
あっても曲調によっては良好な通信が得られている。
【0066】上述した本実施形態の通信速度変換装置に
おける通信速度の変換処理時間は1ms程度であり、デ
ータ通信における遅延のほとんどはモデムの変調・復調
処理時間と電話回線遅延時間が大半を占める。ゆえに、
本装置をデータ通信システムに組み込むことによる遅延
の影響はほとんど問題とはならない。実際に、双方向で
の同時演奏で、お互いにテンポを確保できるかのリアル
タイム性の検証について実験したところ、良好な通信状
態を得られている。
【0067】<他の実施形態>上述した実施形態の通信
速度変換装置では、切替スイッチ24にてパソコン通信
とMIDIデータ通信との切り替えが行われるようにな
っていたが、図6に示すように、複数のデータ端末装置
D1〜Dnと接続され、切替スイッチ31にてこれらデ
ータ端末装置D1〜Dnの接続を選択的に切り替えるよ
うにしてもよい。これにより、電子楽器(MIDI)以
外の通信も可能になる。この切替スイッチ31での切り
替えは手動であってもよく、また入力指示(例えば、キ
ー入力)に応じて切り替えられるようにしてもよい。
【0068】以上説明した各実施形態では、モデムの初
期化や回線接続にパソコンが用いられているが、パソコ
ンに代えて専用通信器(モデム制御装置)を用いること
にしてもよい。また、上述の各実施形態の説明では、非
同期シリアルデータ(MIDIデータ)を対象としてい
るが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば同
期シリアルデータであっても適用可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように構成されている本発
明によれば、パソコンなどを使用することなく、MID
Iデータの通信速度をデータ回線終端装置の通信速度に
変換したり、データ回線終端装置を介して受信されたシ
リアルデータの通信速度をMIDIデータの通信速度に
変換したりすることができ、従来のようにパソコンや通
信ソフトは必要としないため、装置の低コスト化、簡素
化、コンパクト化を図ることができる。
【0070】加えて、遅延が小さく、イベントの発生時
刻とイベント発生間隔をできるだけ忠実に再現すること
ができるので、MIDIデータのリアルタイム性を最大
限に保持したデータ通信ができる。
【0071】また、電子楽器からのMIDIデータを直
接データ回線終端装置(モデム)を介して送受信できる
通信システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信速度変換装置の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の通信速度変換装置が用いられたMID
Iデータ通信システムの概略を示すブロック図である。
【図3】MIDIデータの一例を示す図である。
【図4】図1に示した通信速度変換装置におけるMID
Iデータの通信速度変換の一連の処理の流れを説明する
ための図である。
【図5】図1に示した通信速度変換装置におけるデータ
の書き込みと読み出しのタイミングを説明するための図
である。
【図6】本発明の通信速度変換装置の他の実施形態を示
すブロック図である。
【図7】一般的なDTM環境を示すブロック図である。
【符号の説明】
1a,1b 通信速度変換装置 2,2a,2b モデム 3,3a,3b パソコン 4,4a,4b 電子楽器 20 制御部 21 MIDIデータ入出力部 22,26 データ検出部 23,27 シリアル・パラレル変換部 24,31 切替スイッチ 25 シリアルデータ入出力部 28 記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−54044(JP,A) 特開 平2−285735(JP,A) 特開 平2−283740(JP,A) 特開 平7−46293(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 29/08 H04L 13/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送受信されるシリアルデータの通信速度
    を変換する通信速度変換装置であって、前記シリアルデータが各バイト毎にスタートビットおよ
    びストップビットが付加された複数のバイトからなるデ
    ータであり、 前記シリアルデータのスタートビットおよびストップビ
    ットを検出するデータ検出手段と、 前記シリアルデータをパラレル変換する第1のシリアル
    ・パラレル変換手段と、 前記第1のシリアル・パラレル変換手段にて変換された
    データが記憶される記憶手段と、 前記記憶手段から読み出されたデータをシリアルデータ
    に変換する第2のシリアル・パラレル変換手段と、前記第2のシリアル・パラレル変換手段にて変換された
    シリアルデータの通信速度が所定の通信速度となるよう
    に、前記記憶手段からのデータの読み出しを制御すると
    ともに、前記データ検出手段にて検出されるスタートビ
    ットおよびストップビットに基づいて、前記第2のシリ
    アル・パラレル変換手段にて変換されたシリアルデータ
    の各バイト毎のデータの発生時刻および間隔が前記記憶
    手段に記憶される前のシリアルデータの各バイト毎のデ
    ータの発生時刻および間隔と一致するように、 前記記憶
    手段におけるデータの書き込みおよび読み出しのタイミ
    ングを制御する制御手段とを有することを特徴とする通
    信速度変換装置。
  2. 【請求項2】 データ回線終端装置に該データ回線終端
    装置とは通信速度の異なるデータ端末装置が接続された
    通信システムにおいて用いられる通信速度変換装置であ
    って、 記憶手段と、 前記データ回線終端装置を介して受信されたシリアルデ
    ータをパラレル変換し、該変換されたデータが前記記憶
    手段に書き込まれる第1のシリアル・パラレル変換手段
    と、 前記データ端末装置から送出されたシリアルデータをパ
    ラレル変換し、該変換 されたデータが前記記憶手段に書
    き込まれる第2のシリアル・パラレル変換手段と、 前記記憶手段におけるデータの書き込みおよび読み出し
    を制御する制御手段とを有し、 前記第1のシリアル・パラレル変換手段は、前記記憶手
    段に書き込まれた前記第2のシリアル・パラレル変換手
    段の変換データをシリアルデータに変換し、 前記第2のシリアル・パラレル変換手段は、前記記憶手
    段に書き込まれた前記第1のシリアル・パラレル変換手
    段の変換データをシリアルデータに変換し、 前記制御手段は、前記記憶手段に書き込まれた前記第2
    のシリアル・パラレル変換手段の変換データを読み出す
    場合は、その読み出し速度が前記データ回線終端装置の
    通信速度と一致するように読み出し制御を行い、前記記
    憶手段に書き込まれた前記第1のシリアル・パラレル変
    換手段の変換データを読み出す場合には、その読み出し
    速度が前記データ端末装置の通信速度と一致するように
    読み出し制御を行う ことを特徴とする通信速度変換装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の通信速度変換装置にお
    いて、 前記データ回線終端装置を介して送受信されるシリアル
    データが各バイト毎にスタートビットおよびストップビ
    ットが付加された複数のバイトからなるデータであり、 前記データ回線終端装置を介して受信されたシリアルデ
    ータのスタートビットおよびストップビットを検出する
    第1のデータ検出手段と、 前記データ端末装置から送出されたシリアルデータのス
    タートビットおよびストップビットを検出する第2のデ
    ータ検出手段を有し、 前記制御手段は、前記第2のシリアル・パラレル変換手
    段にて変換されるシリアルデータの各バイト毎のデータ
    の発生時刻および間隔が前記データ回線終端装置を介し
    て受信されたシリアルデータの各バイト毎のデータの発
    生時刻および間隔と一致するように、前記第1のデータ
    検出手段にて検出されるスタートビットおよびストップ
    ビットに基づいてデータの書き込みおよび読み出しを制
    御し、前記第1のシリアル・パラレル変換手段にて変換
    されるシリアルデータの各バイト毎のデータの発生時刻
    および間隔が前記データ端末装置から送出されたシリア
    データの各バイト毎のデータの発生時刻および間隔と
    一致するように、前記第2のデータ検出手段にて検出さ
    れるスタートビットおよびストップビットに基づいてデ
    ータの書き込みおよび読み出しを制御する ことを特徴と
    する通信速度変換装置。
  4. 【請求項4】 各バイト毎にスタートビットおよびスト
    ップビットが付加された複数のバイトからなるシリアル
    データをパラレル変換して一旦記憶手段に書き込み、該
    書き込まれたデータを所定の読み出し速度で読み出し
    て、該読み出し速度を通信速度とするシリアルデータに
    再び変換する通信速度変換方法であって、 前記記憶手段におけるデータの書き込みおよび読み出し
    を、スタートビットを検出することによりデータの書き
    込みを開始し、ストップビットを検出することによりそ
    のデータの書き込みを終了するとともにデータが書き込
    まれた領域のアドレスを決定し、この決定されたアドレ
    スを指定してデータの読み出しを行うことにより、バイ
    ト単位に順次データの書き込みおよび読み出しを行うよ
    うにし、 前記アドレスの決定に際して、読み出しが完了した後に
    後続のバイトのストップビットが検出された場合にのみ
    アドレスを初期値に設定することとし、読み出し中に後
    続のバイトのストップビットが検出された場合には、ア
    ドレス値をカウントアップすることを特徴とする通信速
    度変換方法。
  5. 【請求項5】 データ回線終端装置に該データ回線終端
    装置とは通信速度の異なるデータ端末装置が接続された
    通信システムにおいて行われる通信速度変換方法であっ
    て、 前記データ回線終端装置を介して受信されたシリアルデ
    ータを前記データ端末装置に送出する場合は、受信され
    たシリアルデータをパラレル変換して記憶手段に記憶さ
    せ、該記憶されたデータを前記データ端末装置の通信速
    度となる読み出し速度で読み出して再びシリアルデータ
    に変換し、前記データ端末装置から送出されたシリアル
    データを前記データ回線終端装置を介して送信する場合
    は、送出されたシリアルデータをパラレル変換して前記
    記憶手段に記憶させ、該記憶されたデータを前記データ
    回線終端装置の通信速度となる読み出し速度で読み出し
    て再びシリアルデータに変換するようにし、 さらに、前記データ回線終端装置を介して送受信される
    シリアルデータを各バイト毎にスタートビットおよびス
    トップビットが付加された複数のバイトからなるデータ
    として、 前記記憶手段におけるデータの書き込みおよび読み出し
    を、スタートビットを検出することによりデータの書き
    込みを開始し、ストップビットを検出することによりそ
    のデータの書き込みを終了するとともにデータが書き込
    まれた領域のアドレスを決定し、この決定されたアドレ
    スを指定してデータの読み出しを行うことにより、バイ
    ト単位に順次データの書き込みおよび読み出しを行うよ
    うにし、 前記アドレスの決定に際して、読み出しが完了した後に
    後続のバイトのストップビットが検出された場合にのみ
    アドレスを初期値に設定することとし、読み出し中に後
    続のバイトのストップビットが検出された場合には、ア
    ドレス値をカウントアップ することを特徴とする通信速
    度変換方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の通信速度変換装置を有し、データ回線終端装置に該デ
    ータ回線終端装置とは通信速度の異なるデータ端末装置
    が前記通信速度変換装置を介して接続されたことを特徴
    とするデータ通信システム
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のデータ通信システムに
    おいて、 前記データ回線終端装置と前記通信速度変換装置との間
    に切替手段を有し、1つ以上のデータ端末装置が前記切
    替手段を介して前記データ回線終端装置と選択的に接続
    可能に構成されたことを特徴とするデータ通信システ
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のデータ通信システムに
    おいて、 前記データ端末装置と前記通信速度変換装置との間に切
    替手段を有し、複数のデータ端末装置が前記切替手段を
    介して前記通信速度変換装置と選択的に接続可能に構成
    されたことを特徴とするデータ通信システム。
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