JP3013716B2 - 赤外線検出素子 - Google Patents

赤外線検出素子

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JP3013716B2
JP3013716B2 JP23612994A JP23612994A JP3013716B2 JP 3013716 B2 JP3013716 B2 JP 3013716B2 JP 23612994 A JP23612994 A JP 23612994A JP 23612994 A JP23612994 A JP 23612994A JP 3013716 B2 JP3013716 B2 JP 3013716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線検出素子、特に
赤外線の吸収による温度変化をとらえて赤外線を検出す
る熱型の赤外線検出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線検出素子には、量子型と熱型の二
種類のタイプがある。量子型の赤外線検出素子は、非常
に高感度であるが、低温に冷却して用いる必要があり、
また高価でもある。
【0003】一方、熱型の赤外線検出素子は、感度では
量子型に及ばないものの、冷却の必要がなく、価格も安
いので一般に広く使用されている。この熱型の赤外線検
出素子では、赤外線の入射に伴う赤外線検出部の温度上
昇を検出して赤外線の検出を行っている。
【0004】このタイプには、主に、焦電素子を用いる
もの、熱電対またはサーモパイルを用いるもの、抵抗体
を用いるものの3種類がある。
【0005】焦電素子を用いたものは、赤外線の入射に
よる焦電素子表面の温度変化を、焦電効果により検出し
ようとするもので、温度変化が生じた際の分極状態の変
化に伴う焦電電流を検出する。
【0006】熱電対またはサーモパイルを用いたもの
は、異種金属間や半導体のPN接合に生じる熱起電力を
検出するもので、特にサーモパイルは、熱電対を直列に
いくつも接続して出力のアップを図ったものである。
【0007】抵抗体を用いたものは、温度変化を抵抗体
の抵抗値変化で検出しようとするものである。
【0008】これらの熱型の赤外線検出素子のうち、抵
抗体を用いるものは、焦電素子を用いたものと異なり、
入射赤外線が一定であっても検出可能である上、感度的
にもサーモパイルより有利なため、最近利用が増えてき
ている。このような抵抗体を用いた赤外線検出素子を実
際に利用する際には、その利用目的に応じて、複数の赤
外線検出部を設けたり、温度補償のための補償抵抗体を
設けたりして、回路的に色々な工夫をして使用される。
【0009】そのようなものの1つに検知物体の移動方
向に係わらず感度に差がないように工夫した無方向性赤
外線検出素子がある。その一実施例を図8乃至図11に
基づいて説明する。図8は赤外線検出素子の断面図、図
9は平面図、図10は赤外線検出素子の平面形状の寸法
図、図11は回路図である。
【0010】図で、基板1の表面には、入射した赤外線
による温度変化によって抵抗値が変化する抵抗体2が形
成されており、その抵抗体2の抵抗値を検出するための
一対の電極、下部電極3及び上部電極4が抵抗体2の上
下に挟むように形成されている。これらの、抵抗体2及
び下部電極3及び上部電極4の上部に、入射した赤外線
を吸収する赤外線吸収層5が形成されている。以上に説
明した構成によって赤外線検出部A1,B1 が構成されてい
る。
【0011】赤外線検出部A1,B1は、基板1上に形成さ
れた薄膜体6上に形成されているが、赤外線検出部A1,
B1の下方の基板部分は除去されているので、赤外線検出
部A1,B1は、いわゆる薄膜ブリッジ構造7上に形成され
ていることになる。言い換えると、赤外線検出部A1,B1
は、基板1上に形成された開口1aを覆ってその周辺部
分が基板1に支持されるように張られた薄膜体6上の、
開口1a上方の領域に形成されている。このように構成
することによって、わずかなエネルギーの赤外線入射に
対しても赤外線検出部6の温度変化を大きくすることが
できると共に、時定数を小さくして検出速度を向上させ
ることができる。
【0012】図8では、赤外線検出部A1,B1が形成され
た位置での断面構造を示したが、図9に基づいて、赤外
線検出素子全体の平面構造を説明する。図に示すよう
に、平面視略正方形状の基板1上の4隅には、薄膜体6
を介して、平面視略L字状の補償抵抗体C1〜C4が、各補
償抵抗体C1〜C4のL字状の形状の角部分が基板1の隅部
に近接するように形成されていると共に、それらの4個
の補償抵抗体C1〜C4に囲まれる平面視略正方形の領域の
4隅に、平面視略正方形状の赤外線検出部A1,A2,B1,B2
が形成されている。赤外線検出部A1,A2,B1,B2 の下方に
は、それぞれ、開口1aが形成されている。赤外線検出
部A1と赤外線検出部A2とが平面視略正方形の領域の一方
の対角位置に形成されており、赤外線検出部B1と赤外線
検出部B2とが平面視略正方形の領域の他方の対角位置に
形成されている。
【0013】補償抵抗体C1〜C4は、赤外線検出部A1,A2,
B1,B2 と同様の断面構造を有し、赤外線検出部A1,A2,B
1,B2 の抵抗体と同じ抵抗値及び抵抗温度係数を有する
ものである。但し、平面図では、薄膜体6上に形成され
た回路パターン、下部電極及び上部電極、補償抵抗体C1
〜C4に接続される電極等を適宜図示を省略している。
【0014】次に、赤外線検出素子の寸法を図10に基
づいて説明する。図に示すように、基板1は4.4mm 角に
形成され、開口1aは基板1の外周縁部から水平方向及
び垂直方向に0.6mm 離れた位置に1.3mm 角に形成されて
いる。隣接する開口1a間の距離は0.6mm である。ま
た、赤外線検出部A1,A2,B1,B2 は、それぞれ、基板1の
外周縁部から水平方向及び垂直方向に0.8mm 離れた位置
に0.8mm 角に形成されている。隣接する赤外線検出部間
の距離は1.2mm である。
【0015】次に、赤外線検出素子の回路の一例を図1
1に基づいて説明する。図に示すように、赤外線検出部
A1と赤外線検出部A2とが直列に接続されて、ホイートス
トンブリッジ8の1つのアーム(第1アーム9)を構成
し、赤外線検出部A3と赤外線検出部A4とが直列に接続さ
れて第1アーム9と向かい合う第2アーム10を構成し
ている。また、補償抵抗体C1と補償抵抗体C2とが直列に
接続されて、ホイートストンブリッジ8の1つのアーム
(第3アーム11)を構成し、補償抵抗体C3と補償抵抗
体C4とが直列に接続されて第3アームと向かい合う第4
アーム12を構成している。第1アーム9と第4アーム
12の接続点が、ホイートストンブリッジ8の高電位側
の電源供給端子であり、第3アーム11と第2アーム1
0の接続点が、低電位側の電源供給端子である。また、
第1アーム9と第3アーム11の接続点、及び、第2ア
ーム10と第4アーム12の接続点が、ホイートストン
ブリッジ8の出力端子13,14である。ここで、出力
端子13,14の電位を、それぞれ、V2,V1 としてお
く。
【0016】以上のように構成することによって、赤外
線検出素子の感度の無方向性を達成している。以下、そ
の原理について説明する。この赤外線検出素子を実際に
人体あるいは物体の検知に用いる場合には、赤外線検出
素子の前面にレンズあるいはミラー等で構成される光学
系を設置して、実空間の像を赤外線検出素子の上面に結
ばせることによって行う。このことは、逆に考えると、
赤外線検出素子の上面に形成された赤外線検出部の平面
形状(検知面形状)を実空間に投影することを意味す
る。今、この赤外線検出素子を検知面(赤外線検出部の
上面)を下方に向けて天井に設置し人体を検出する場合
を、図12の俯瞰図に基づいて説明する。
【0017】図12に示すように、レンズ15によって
赤外線検出素子16の検知面(赤外線検出部A1,A2,B1,B
2 の上面)は、実空間に投影される。つまり、赤外線検
出部A1,A2,B1,B2による検知面は、それぞれ、領域a
1,a2,b1,b2に投影される。まず、人体が領域a1,b1
に平行に移動する場合を考える。その時、まず人体は領
域a1,b2を横切る。従って、人体から放射される赤外線
は、赤外線検出部A1,B2に入射することになる。それに
よって、赤外線検出部A1,B2の抵抗体の抵抗値は小さく
なり、結果として、電位V1は下がり、電位V2は上がるこ
とになる。ホイートストンブリッジの出力(赤外線検出
素子の出力)は、電位V1と電位V2の電位差ΔV (ΔV=|
V1-V2 |)である。
【0018】次に、人体が移動して領域a2,b1を横切る
と、同様に考えて、やはり同じく、電位V1は下がり、電
位V2は上がることになる。赤外線検出素子の出力は、電
位V1と電位V2の電位差ΔV (ΔV=|V1-V2 |)である。
【0019】次に、人体が領域a1,b1に垂直に移動する
場合を考える。その時、まず、人体は領域a1,b1を横切
る。従って、人体からの赤外線は、赤外線検出部A1,B1
に入射することになる。それによって、赤外線検出部の
抵抗体A1,B1の抵抗体の抵抗値は小さくなり、結果とし
て、電位V1は下がり、電位V2は上がることになる。この
場合の赤外線検出素子の出力は、人体が領域a1,b1に平
行に移動する場合の赤外線検出素子の出力と同じ大きさ
である。
【0020】次に、人体が移動してa2,b2のエリアを横
切ると、同様に考えて、やはり同じ出力が得られる。
【0021】こんどは、人体が領域b1から領域b2の方向
に斜めに移動する場合を考える。その時、まず人体は領
域b1を横切る。従って、人体からの赤外線は赤外線検出
部B1に入射することになる。それによって、赤外線検出
部B1の抵抗体の抵抗値は小さくなり、結果として、電位
V1は下がることになる。この時の素子出力は、人体が領
域a1,b1に平行に移動する場合の半分の大きさである。
【0022】次に、人体が移動して領域a1,a2を横切る
と、人体からの赤外線は赤外線検出部A1,A2に入射する
ことになる。それによって、赤外線検出部A1,A2の抵抗
体の抵抗値は小さくなり、結果として、電位V2は上がる
ことになる。この時の素子出力は、人体からの赤外線の
ように微小なエネルギーの赤外線入射の場合、即ち抵抗
値の変化が非常に小さい場合には、領域a1,b1に平行に
移動する場合と略同じ大きさになる。
【0023】次に、人体が移動して領域b2を横切ると、
同様に考えて、電位V1は下がり、領域a1,b1に平行に移
動する場合の半分の大きさの素子出力が得られる。
【0024】このことは、斜めの移動(例えば、領域a1
から領域a2方向への移動)の場合、人体の移動に伴って
3つの出力が得られ、そのうち、第1の出力と、第
出力は、平行または垂直移動の場合の出力の半分、第2
の出力は、平行または垂直移動の場合とほぼ同じ大きさ
の出力となるということである。従って、斜めの移動の
場合には、第2の出力を検出信号とすれば、平行あるい
は垂直方向の移動の場合と同じ出力が得られていること
になる。結局、いずれの方向への移動でも、略同じ大き
さの検出信号が得られることになる。つまり、以上に説
明した赤外線検出素子は、感度に方向性がないことにな
る。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際に評価
を行ってみると、このような従来の無方向性の赤外線検
出素子では、次のような問題点があることがわかった。
【0026】検知エリア内の検知対象を検出しようとす
る場合、赤外線検出素子から検知対象までの距離によら
ず感度は一定であるのが望ましいが、実際には検知対象
までの距離が遠くなるにつれて感度は下がる傾向にあ
る。しかし、検知エリア内で、ある閾値以上の感度があ
れば特に問題は生じない。ところが、従来の赤外線検出
素子では、ある距離よりも遠い場合に、急に感度が低下
して、それ以上距離が遠い場合には、所定の感度が得ら
れないということが生じた。つまり、検知対象までの距
離によって感度が大きく異なるという問題のあることが
わかった。
【0027】この原因は次のように説明できる。実空間
での検知対象は、赤外線検出素子の検知面に、ある大き
さの像として投影されるが、その像の大きさは、光学系
が同一であるとすると検知対象までの距離に関係し、距
離が近いほどその大きさは大きくなる。
【0028】従って、検知対象が近距離にある場合に
は、検知対象の像は大きく検知面上に投影され、場合に
よっては、4個の赤外線検出部全体にかかることも起こ
り得る。このような場合には、全ての赤外線検出部に赤
外線が入射して全ての抵抗値が減少するということが生
じる。つまり、このような場合には、赤外線検出部A1,
A2,B1,B2の全ての抵抗体の抵抗値が小さくなる状態が
生じ、この時の信号出力は、図12に示したような、人
体が領域a1,b1に平行に移動する場合(人体が略2つの
検知領域を横切る場合)の出力の略2倍の出力となる。
【0029】一方、検知対象が遠方にある場合には、検
知対象の像は小さく検知面上に投影され、その像は1つ
あるいは2つの赤外線検出部をカバーするにすぎないこ
とになる。このような場合には、1つあるいは2つの赤
外線検出部のみに赤外線が入射することになる。
【0030】2つの赤外線検出部に赤外線が入射する場
合は、図12に示したような、人体が領域a1,b1に平行
に移動する場合(人体が略2つの検知領域を横切る場
合)の出力となる。1つの赤外線検出部にのみしか赤外
線が入射しない場合には、その出力の半分しか得られな
いことになる。
【0031】以上、説明したように、検知距離によっ
て、感度が大きく異なるという問題は、検知距離によっ
て、検知対象の像の大きさが異なり、赤外線が入射する
赤外線検出部の個数が異なることによって生じていたの
である。
【0032】そのため、検知エリア内の検知対象が検知
面に結ぶ像が、4個の赤外線検出部全てをカバーできる
よう、4個の赤外線検出部を、できるだけ近接して配置
するようにして、検知対象までの距離に関係なく、検知
対象からの赤外線が4個の赤外線検出部全てに入射する
ようにし、距離によって感度が急に減少するという現象
を防止できるように検討を行った。しかし、実際に赤外
線検出部同士を近接させようとする場合には、次のよう
な問題が生じる。
【0033】図8に示したように、赤外線検出部A1,A
2,B1,B2が形成される薄膜ブリッジ構造7を形成する
場合には、一般的には、基板1の裏面側より、基板1を
エッチングにより掘り込むことで行われる。この際、基
板1には、シリコン単結晶を用いると共に、エッチング
には、エッチングレートが結晶の面方位によって大きく
異なることを利用した、異方性エッチング技術を利用す
ることが通常よく行われる。
【0034】特に、薄膜ブリッジ構造7を形成する場合
には、表面をシリコンの(100)面とする基板1が用
いられる。この場合、エッチングによって堀り込まれた
穴(空洞部1b)の壁面は、(111)面で囲まれるこ
とになるが、(111)面は基板1の表面とは、54.7°
という決まった角度をなす。そのため、基板1の厚みを
d とすると、空洞部1bの裏面側の開口1cのエッジの
位置は、空洞部1bの表面側の開口1aのエッジの位置
より、水平方向に、 20.5 d/2 だけ、開口1cの外側の
方向に移動した位置にくることになる。従って、隣接す
る開口1a間の距離は、 20.5 d よりも小さくはできな
いことになる。つまり、従来は、赤外線検出部同士を近
接させようとしても、それ以上、近接させることができ
ないという問題点があった。
【0035】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、検知エリアの設定自由度
がより高い赤外線検出素子の構造を提供することにあ
る。
【0036】上記目的を達成するため、請求項1記載の
赤外線検出素子は、基板上に形成された開口を覆ってそ
の周辺部分が前記基板に支持されるように薄膜体をは
り、少なくとも、赤外線を吸収し抵抗値が変化する抵
抗体を備えた、第1赤外線検出部と第2赤外線検出部と
第3赤外線検出部と第4赤外線検出部とを前記開口上の
前記薄膜体上に形成すると共に、前記抵抗体と同じ抵抗
値及び抵抗温度係数の4個の補償抵抗体を前記薄膜体上
に形成し、前記開口上方に形成された前記薄膜体上の所
定の矩形領域の4隅に、前記第1赤外線検出部と前記第
2赤外線検出部とが前記矩形領域の一方の対角位置にく
るように配置すると共に、前記第3赤外線検出部と前記
第4赤外線検出部とが前記矩形領域の他方の対角位置に
くるように配置し、前記第1赤外線検出部と前記第2赤
外線検出部とで構成される直列回路をホイートストンブ
リッジの第1アームとし、前記第3赤外線検出部と前記
第4赤外線検出部とで構成される直列回路を前記第1ア
ームと向かい合う第2アームとすると共に、4個の前記
補償抵抗体を2個ずつ直列に接続した回路を、それぞれ
前記ホイートストンブリッジの第3アーム、第4アーム
としたことを特徴とするものである。
【0037】請求項2記載の赤外線検出素子は、基板上
に薄膜体を形成し、赤外線を吸収し抵抗値が変化する
抵抗体を備えた、第1赤外線検出部と第2赤外線検出部
と第3赤外線検出部と第4赤外線検出部とを前記薄膜体
上に形成すると共に、前記抵抗体と同じ抵抗値及び抵抗
温度係数の4個の補償抵抗体を前記薄膜体上に形成し、
前記基板上の所定の矩形領域の4隅に、前記第1赤外線
検出部と前記第2赤外線検出部とが前記矩形領域の一方
の対角位置にくるように配置すると共に、前記第3赤外
線検出部と前記第4赤外線検出部とが前記矩形領域の他
方の対角位置にくるように配置し、前記第1赤外線検出
部と前記第2赤外線検出部とで構成される直列回路をホ
イートストンブリッジの第1アームとし、前記第3赤外
線検出部と前記第4赤外線検出部とで構成される直列回
路を前記第1アームと向かい合う第2アームとすると共
に、4個の前記補償抵抗体を2個ずつ直列に接続した回
路を、それぞれ前記ホイートストンブリッジの第3アー
ム、第4アームとし検出対象の前記矩形領域上に結ぶ
像の全体が、前記矩形領域の内部に投影される状態で、
前記像が前記第1赤外線検出部及び前記第2赤外線検出
部及び前記第3赤外線検出部及び前記第4赤外線検出部
の領域にまたがって投影されるように、前記第1赤外線
検出部及び前記第2赤外線検出部及び前記第3赤外線検
出部及び前記第4赤外線検出部を近接させて配置したこ
とを特徴とするものである。
【0038】請求項3記載の赤外線検出素子は、請求項
1または請求項2記載の赤外線検出素子で、少なくと
も、前記第1赤外線検出部と前記第2赤外線検出部と前
記第3赤外線検出部と前記第4赤外線検出部とを形成し
た、前記矩形領域を覆うように、赤外線吸収層が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0039】
【作用】請求項1記載の赤外線検出素子では、4個の赤
外線検出部を全て、同一の薄膜ブリッジ構造上に形成す
るようにしているため、一般的に薄膜ブリッジ構造を形
成する場合に用いられる、シリコン(100)面を用い
た異方性エッチングによっても、赤外線検出部同士をパ
ターン精度が許すかぎり、近接して配置することが可能
となる。
【0040】つまり、検知エリア、検知対象の大きさか
ら設定される赤外線検出素子の仕様と光学系の仕様とか
ら決まる位置に赤外線検出部を自由に、お互いに近接さ
せて配置することができるようになる。
【0041】そのように構成することによって、検知物
体の移動に伴って生じる赤外線検出部の抵抗体の抵抗値
の変化は、4個の赤外線検出部の抵抗体の抵抗値が全て
小さくなるようなモードでの動作を行えるようになる。
即ち、従来より高い感度での動作が可能となると共に、
素子の仕様の範囲内では、検知距離によって感度が急に
減少するといったことが生じなくなる。
【0042】さらに、同一の薄膜ブリッジ構造上に4個
の赤外線検出部を搭載しているので、赤外線検出部相互
の熱の影響は、従来のように別々の薄膜ブリッジ構造上
に赤外線検出部を形成している場合に比べはるかに大き
い。即ち、1個の赤外線検出部に温度上昇が起こると、
他の3個の赤外線検出部にも温度上昇の影響が及ぶとい
うことである。つまり、移動物体から放射された赤外線
が赤外線検出素子に入射した場合、4個の赤外線検出部
全ての温度が上昇し、それらに設けられた抵抗体の抵抗
値が小さくなるということが、本発明の場合、非常に生
じやすくなっている。このことは、従来より高い感度で
の動作を可能ならしめると共に、検知距離によって感度
が大きく変わるといったことを生じにくくさせる作用を
もたらす。
【0043】また、請求項2記載の赤外線検出素子で
は、検知エリア内の検知対象が検知面に結ぶ像の全体
が、4個の赤外線検出部全体を囲む矩形領域内にある状
態で、その像が4個の赤外線検出部の領域にまたがって
投影されるように、近接して配置するように構成したこ
とを特徴とするものである。このように構成することに
よって、検知対象までの距離に関係なく検知対象から放
射された赤外線は、4個の赤外線検出部全てに入射する
ので、検知対象までの距離によって感度が急に減少する
ということがなくなるのである。また、この場合には、
従来の赤外線検出素子の感度のおよそ倍に感度アップを
図ることもできるのである。
【0044】さらに、請求項3記載の赤外線検出素子で
は、少なくとも、4個の赤外線検出部全体を囲む矩形領
域を覆うように赤外線吸収層を形成したことを特徴とす
るものである。つまり、4個の赤外線検出部の上部だけ
でなく、赤外線検出部間の薄膜体上にも赤外線吸収層を
形成する。また、矩形領域の周辺近傍の薄膜体上にも赤
外線吸収層を形成してもよい。このように構成すること
によって、入射した赤外線を、矩形領全体で吸収させ
ることができる。即ち、請求項3記載の赤外線検出素子
では、実質上、隣接する赤外線検出部間の隙間が存在し
ない状態を形成することができる。このことは、隣接す
る赤外線検出部間の距離をゼロにしたことと同一であ
り、従って、前述したように、従来より高い感度での動
作が可能となると共に、検知距離によって感度が大きく
変わるといったことが生じなくなるのである。
【0045】
【実施例】図1乃至図3に基づいて本発明の赤外線検出
素子の一実施例について説明する。図1は平面図、図2
は断面図、図3は赤外線検出素子をパッケージに実装し
た状態を示す断面図である。但し、図8または図9に示
した構成と同等構成については同符号を付すこととす
る。図で、シリコン単結晶の(100)面を表面に持つ
厚み 300μm の、平面視略正方形状の基板1の表面に、
窒化シリコンの厚み0.05μm の薄膜と酸化シリコンの厚
み0.4 μm の薄膜及び窒化シリコンの厚み0.05μm の薄
膜とからなる、トータル0.5 μm の厚みの複合膜である
薄膜体6が形成されている。シリコンで構成される基板
1の一部分は、基板1の裏側から除去されて、薄膜体6
に達する空洞部17が形成されている。そのため、空洞
部17の、基板表面側の開口17aを覆っている部分の
薄膜体6は、周辺部分のみが基板1に支持された、いわ
ゆる、薄膜ブリッジ構造18となるように形成されてい
る。
【0046】薄膜ブリッジ構造18上には、平面視略正
方形状の赤外線検出部A1,A2,B1,B2が、所定の矩形領域
19(4個の赤外線検出部を囲む仮想の平面視略正方形
状の領域)の4隅の位置に形成されている。赤外線検出
部A1(第1赤外線検出部)と赤外線検出部A2(第2赤外
線検出部)とが矩形領域19の一方の対角位置に形成さ
れており、赤外線検出部B1(第3赤外線検出部)と赤外
線検出部B2(第4赤外線検出部)とが矩形領域19の他
方の対角位置に形成されている。
【0047】赤外線検出部A1,A2,B1,B2 は、アモルファ
スシリコンで構成された、厚み1.0μm の抵抗体2と、
厚み0.2 μm のクロムで抵抗体2を挟むように形成され
た、その抵抗体2の抵抗値を検出し外部回路に取り出す
ための、下部電極3及び上部電極4と、抵抗体2または
上部電極4の上方に形成された赤外線吸収層20a〜2
0dとで構成されている。但し、本実施例では、赤外線
検出部間の薄膜体7上にも赤外線吸収層20eを形成す
る。図1の平面図では、赤外線吸収層20eの図示を省
略することとする。
【0048】下部電極3及び上部電極4は、それぞれ、
薄膜ブリッジ構造18の部分より基板1の外周に向かっ
て引き出され、それらの一部は外部回路へ接続するため
の電極端子21に接続されている。また、赤外線検出部
A1,A2,B1,B2 と同様の断面構造を持ち、赤外線検出部A
1,A2,B1,B2 の抵抗体2と同じ抵抗値及び抵抗温度係数
を持つ平面視略L字状の補償抵抗体C1〜C4が、基板1の
4隅に、補償抵抗体C1〜C4のL字状の形状の角部分が基
板1の隅部に近接するように配置されている。本実施例
では、補償抵抗体C1〜C4は、薄膜ブリッジ構造18上で
はなく、基板1上の薄膜体6上に形成されている。ま
た、補償抵抗体C1〜C4には、それぞれ、電極が接続され
るが図示を省略することとする。
【0049】次に、図1に基づいて、赤外線検出素子の
各部寸法について説明する。図に示すように、基板1は
4.4mm 角に形成され、開口17aは基板1の中央に、3.
2mm角に形成されている。また、赤外線検出部A1,A2,B1,
B2 は、開口17aの中央にあたる位置に、0.2mm の距
離を隔てて近接するように配置されている。
【0050】次に、赤外線検出素子の回路の一実施例を
図11に基づいて説明する。図に示すように、赤外線検
出部A1と赤外線検出部A2とが直列に接続されて、ホイー
トストンブリッジの1つのアーム(第1アーム9)を構
成し、赤外線検出部B1と赤外線検出部B2とが直列に接続
されて第1アーム9と向かい合う第2アーム10を構成
している。また、補償抵抗体C1と補償抵抗体C2とが直列
に接続されて、ホイートストンブリッジの1つのアーム
(第3アーム11)を構成し、補償抵抗体C3と補償抵抗
体C4とが直列に接続されて第3アームと向かい合う第4
アームを構成している。第1アーム9と第4アーム12
の接続点が、ホイートストンブリッジの高電位側の電源
供給端子であり、第3アーム11と第2アーム10の接
続点が、低電位側の電源供給端子である。また、第1ア
ーム9と第3アーム11の接続点、及び、第2アーム1
0と第4アーム12の接続点が、ホイートストンブリッ
ジの出力端子13,14である。このように構成するこ
とによって、赤外線検出素子の感度の無方向性を達成し
ている。
【0051】次に、図3に基づいて赤外線検出素子をパ
ッケージに実装した一実施例について説明する。図で、
22は赤外線検出素子、23は赤外線検出素子22を実
装する平板状のシュテム、24はシュテム23に形成さ
れた貫通孔に挿通され、接着剤25を介してシュテム2
3に固着された外部端子、26は赤外線検出素子22の
電極端子と外部端子とを接続するボンディングワイヤ、
27はシュテム23の赤外線検出素子22の実装面を覆
う中空のキャップ、28はキャップ27に形成された赤
外線を入射させるための赤外線入射窓27aを塞ぐよう
にキャップ27に固着された赤外線フィルタである。
【0052】図1に示した赤外線検出素子の検知エリア
を図4に示す。本実施例では、ミラーを用いることで、
素子の真下ではなく、ある角度をなした斜め方向が検知
エリアとなるように検知面に像を投影するようにしてい
る。その結果、赤外線検出素子29の略四角錐状の検知
エリア30は、略四角錐状の検知エリア30の頂点に配
置された赤外線検出素子29から5m離れた位置の平面視
略正方形状の一辺の長さが、0.58m となり、赤外線検出
素子29から9m離れた位置の平面視略正方形状の一辺の
長さが、1.05m となった。本実施例の素子を用いた場
合、赤外線検出素子29からの10m 離れた箇所でも人体
の検出を確実に行えるようになった。
【0053】このように、本発明による実施例によれ
ば、従来のものと比較して感度の大きな変化を生じるこ
となく、より広い検知エリアの素子仕様に応じることが
可能となる。また、赤外線検出部間の距離を自由に縮め
ることができるので、光学系の設計自由度が増すという
メリットがある。
【0054】また、4つの赤外線検出部全体を囲む矩形
領域19、即ち、赤外線吸収層20a〜20eの存在す
る部分を受光面積とすると、本発明の赤外線検出素子で
は、薄膜ブリッジ構造に占める受光面積の割合が大きく
なる。即ち、本発明の赤外線検出素子の方が開口率が大
きいということを示しており、従って、感度が高くなる
というメリットがある。
【0055】一方、図9に示した従来の赤外線検出素子
の検知エリアは図13に示すエリアとなっていた。図1
3に示すように、赤外線検出素子31の検知エリアは、
4個の赤外線検出部による4個の検知エリア(図12に
示した、領域a1,a2,b1,b2 )を集めたものとなる。この
場合、領域a1,a2,b1,b2 で表される検知エリアは、それ
ぞれ、略四角錐状となるが、それらの検知エリア間に
は、検知対象を検知できない領域が存在している。赤外
線検出素子31から5m離れた位置での、隣接する検知エ
リア32,33間の距離は、0.21m となり、赤外線検出
素子31から9m離れた位置での検知エリア32,33間
の距離は、0.36m となった。また、図12に示した領域
a1,a2,b1,b2 を含んだ、略四角錐状の検知エリアの最大
範囲については、赤外線検出素子31から5m離れた位置
の平面視略正方形状の一辺の長さが、0.58m となり、赤
外線検出素子31から9m離れた位置の平面視略正方形状
の一辺の長さが、1.05m となった。この場合、赤外線検
出素子31からの距離が7mを越えると人体の検出感度は
急に低下し、所定の感度が得られないという現象が生じ
ていた。
【0056】次に、図5乃至図7に基づいて、本発明の
赤外線検出素子の異なる実施例について説明する。図5
は平面図、図6は寸法図、図7は検知エリアを示す説明
図である。但し、本実施例の構成と、図9に示した従来
構成との相違点は、赤外線検出部A1,A2,B1,B2のサイ
ズ、及び、開口1aの位置及びサイズであるので、同等
構成については、同符号を付すこととする。
【0057】赤外線検出部A1,A2,B1,B2の形成位置を
図6に基づいて説明する。図6に示すように、隣接する
赤外線検出部A2,B2間の距離は0.7 mm、隣接する開口1
間の距離は0.5mm に設定されている。また、平面視略
正方形状の赤外線検出部A1,A2,B1,B2の一辺の長さは
1.05mmとなっている。赤外線検出部A1,A2,B1,B2は、
それぞれ、基板1の外周縁部から水平及び垂直方向に0.
8mm 離れた位置に形成されている。図6に示すように、
本実施例の赤外線検出素子では、基板1の外周縁部から
赤外線検出部A1,A2,B1,B2までの距離を変えずに、そ
のサイズを大きくして赤外線検出部A1,A2,B1,B2間の
距離を小さくしたものである。
【0058】本実施例では、ミラーを用いることで、素
子の真下ではなく、ある角度をなした斜め方向が検知エ
リアとなるように検知面に像を投影するようにしてい
る。その結果、素子の検知エリアは、図に示すよう
に、5m先では、0.12m 、9m先では、0.21m の間隙になっ
ている。これにより、検知エリアは、図7に示すよう
に、赤外線検出素子34から5m離れた位置での、隣接す
る検知エリア35,36間の距離は、0.12m となり、赤
外線検出素子34から9m離れた位置での検知エリア3
5,36間の距離は、0.21m となった。また、領域a1,a
2,b1,b2 を含んだ、略四角錐状の検知エリアの最大範囲
については、赤外線検出素子34から5m離れた位置の平
面視略正方形状の最大範囲の一辺の長さが、0.58m とな
り、赤外線検出素子30から9m離れた位置の平面視略正
方形状の最大範囲の一辺の長さが、1.05mとなった。
【0059】次に図2に示した赤外線検出素子の製造方
法について説明する。図2で基板1の表面に形成する、
窒化シリコン及び酸化シリコンからなる薄膜体6の形成
は、プラズマCVD 法により行い、導入ガスとして、モノ
シラン及びアンモニア、モノシラン及び一酸化二窒素を
用い、基板温度400 ℃及び250 ℃、周波数13.56MHzの条
件を用いた。最初に、この窒化シリコンと酸化シリコン
からなる薄膜体6を、シリコンの基板1の片面に形成し
た。また、反対の面には、窒化シリコンの薄膜(図示省
略)を同様に形成した。
【0060】次に、シリコンの基板1の薄膜体6を形成
した面の上に、抵抗体2の下部電極3としてクロムを真
空蒸着法にて、基板温度150 ℃にて、厚み0.2 μm 堆積
された。その後、一般的なフォトリソグラフィー技術を
用いて、所望の下部電極3のパターンが得られるよう
に、レジストをパターニングする。
【0061】このレジストパターンをマスクに用いて、
硝酸セリウムアンモニウムを含むエッチング液中にて、
クロムの下部電極3をパターンエッチングする。次に、
アモルファスシリコンの抵抗体2をモノシランと水素ガ
スを用いたプラズマCVD 法により、基板温度270 ℃、真
空度0.9 Torr、放電電力150Wで堆積させた。その後、一
般的なフォトリソグラフィー技術を用いて、所望の抵抗
体2のパターンが得られるようにレジストをパターニン
グする。このレジストパターンをマスクに用いて、硝
酸、酢酸、沸酸からなるエッチング液中にて、アモルフ
ァスシリコンの抵抗体2をパターンエッチングする。エ
ッチング後にレジストの除去を行って、所望のパターン
の抵抗体2が得る。
【0062】次に、下部電極と同様の工程により、抵抗
体2の上に、クロムからなる上部電極4をパターン形成
する。次に、上部電極4の上に、赤外線吸収層20a〜
20eとして酸化シリコンの薄膜を、薄膜体6の場合と
同様にプラズマCVD 法により堆積する。その後、フォト
リソグラフィー法を用いて、所望の赤外線吸収層20a
〜20eのパターンが得られるように、レジストをパタ
ーニングする。このレジストパターンをマスクに用い
て、沸酸、沸化アンモニウムからなるエッチング液中に
て、酸化シリコンの赤外線吸収層20a〜20eをパタ
ーンエッチングする。エッチング後にレジストの除去を
行って、所望のパターンの赤外線吸収層20a〜20e
を得る。
【0063】次に、アルミニウムを真空蒸着法にて、基
板温度150 ℃、厚み1.5 μm 堆積した。その後、一般的
なフォトリソグラフィー技術を用いて、所望のパターン
の電極端子21を得る。
【0064】次に、シリコンの基板1の赤外線検出部A
1,A2,B1,B2を形成した面とは逆の面にある窒化シリ
コンの薄膜(図示省略)をパターニングするため、その
面上に、先程と同様にフォトリソグラフィー技術により
レジストをパターニングする。このレジストをマスクと
して、基板1の裏面の窒化シリコンの薄膜を、プラズマ
エッチング法によりパターニングを行う。この時のプラ
ズマエッチング条件として、パワー200W、ガス圧400mTo
rr、導入ガスは四沸化炭素とした。レジストを除去した
後、このときパターン形成された窒化シリコンの薄膜を
マスクとして、シリコンの結晶方位の違いによって、エ
ッチング速度が大きく異なる、いわゆる、異方性エッチ
ング法を用いて、シリコンの基板1に空洞部17を形成
する。異方性エッチングの条件として、エッチャントに
水酸化カリウムを用い、エッチャント濃度40wt% 、液温
80℃とした。以上に説明したように形成した赤外線検出
素子を、図3に示したように、金属製のシュテム23に
接着剤(図示省略)を用いてボンディングを行う。その
後、シュテム23に固着されている外部端子24と赤外
線検出素子の電極端子21とを金のボンディングワイヤ
26で接続し、素子に電圧を印加すると共に、出力端子
13,14の電位を外部から検出できるようにする。最
後に、特定の波長の赤外線を、選択的に透過する赤外線
フィルタ28を赤外線入射窓27aに固着した金属製の
キャップ27をシュテム23に溶接封止した。
【0065】本実施例では、赤外線フィルタ28とし
て、シリコン基板の片面に反射防止膜、もう一方の面に
は選択透過膜を設けたものを用い、赤外線フィルタ28
とキャップ27とは低融点ガラスを用いて接着した。
【0066】なお、本発明に係る赤外線検出素子は、実
施例に示したものに限定されない。構成材料、製造方
法、製造条件、製造順序、寸法、構成要素数等は当然こ
れに限定されるものではなく、その用途、目的によっ
て、最適なものを選択すればよい。
【0067】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
赤外線検出素子によれば、4個の赤外線検出部を全て、
同一の薄膜ブリッジ構造上に形成するようにしたため、
赤外線検出部間の距離を限りなく小さくすることが可能
となっている。そのため、高い感度の検出条件を保った
まま、大きな感度変化を生じることなく、より広い検知
エリアの仕様に対応することができるという効果があ
る。また、赤外線検出部間距離を小さくできるので、光
学系の設計自由度が大きく、最適設計に近い素子とする
ことができる。さらに、開口率が大きくなるので、素子
感度の向上を図ることができる。
【0068】請求項2記載の赤外線検出素子によれば、
検知エリア内にある検知対象の像が、全ての赤外線検出
部にかかるよう4個の赤外線検出部間の距離を小さくし
ている。そのため、高い感度の検出条件を保ったまま、
大きな感度変化を生じることなく、検知距離の仕様に対
応することができるという効果がある。
【0069】また、請求項3記載の赤外線検出素子によ
れば、赤外線吸収層を、4個の赤外線検出部を囲む所定
の矩形領域全体を覆うように形成したため、赤外線検出
部間の距離をさらに小さくしたのと同様の効果が期待で
きる。そのため、高い感度の検出条件を保ったまま、大
きな感度変化を生じることなく、より広い検知エリアの
仕様に対応することができるという効果がある。また、
赤外線検出部間距離を小さくできるので、光学系の設計
自由度が大きく、最適設計に近い素子とすることができ
る。また、それにより、開口率が大きく、素子感度の高
い素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線検出素子の一実施例を示す平面
図である。
【図2】本発明の赤外線検出素子の一実施例を示す断面
図である。
【図3】本発明の赤外線検出素子をパッケージに実装し
た一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の赤外線検出素子の検知エリアの一実施
例を示す説明図である。
【図5】本発明の赤外線検出素子の異なる実施例を示す
平面図である。
【図6】本発明の赤外線検出素子の異なる実施例を示す
寸法図である。
【図7】本発明の赤外線検出素子の検知エリアの異なる
実施例を示す説明図である。
【図8】従来の赤外線検出素子の一例を示す断面図であ
る。
【図9】従来の赤外線検出素子の一例を示す平面図であ
る。
【図10】従来の赤外線検出素子の一例を示す寸法図で
ある。
【図11】赤外線検出素子の回路の一例を示す回路図で
ある。
【図12】赤外線検出素子の検知エリアを説明するため
の俯瞰図である。
【図13】従来の赤外線検出素子の検知エリアの一例を
示す説明図である。
【符号の説明】
A1 赤外線検出部(第1赤外線検出
部) A2 赤外線検出部(第2赤外線検出
部) B1 赤外線検出部(第3赤外線検出
部) B2 赤外線検出部(第4赤外線検出
部) C1〜C4 補償抵抗体 1 基板 1a,17 開口 2 抵抗体 5,20a〜20e 赤外線吸収層 6 薄膜体 8 ホイートストンブリッジ 9 アーム(第1アーム) 10 アーム(第2アーム) 11 アーム(第3アーム) 12 アーム(第4アーム) 19 矩形領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 5/24 G01J 1/02 G01V 8/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された開口を覆ってその周
    辺部分が前記基板に支持されるように薄膜体をはり、少
    なくとも、赤外線を吸収し抵抗値が変化する抵抗体を
    備えた、第1赤外線検出部と第2赤外線検出部と第3赤
    外線検出部と第4赤外線検出部とを前記開口上の前記薄
    膜体上に形成すると共に、前記抵抗体と同じ抵抗値及び
    抵抗温度係数の4個の補償抵抗体を前記薄膜体上に形成
    し、 前記開口上方に形成された前記薄膜体上の所定の矩形領
    域の4隅に、前記第1赤外線検出部と前記第2赤外線検
    出部とが前記矩形領域の一方の対角位置にくるように配
    置すると共に、前記第3赤外線検出部と前記第4赤外線
    検出部とが前記矩形領域の他方の対角位置にくるように
    配置し、 前記第1赤外線検出部と前記第2赤外線検出部とで構成
    される直列回路をホイートストンブリッジの第1アーム
    とし、前記第3赤外線検出部と前記第4赤外線検出部と
    で構成される直列回路を前記第1アームと向かい合う第
    2アームとすると共に、 4個の前記補償抵抗体を2個ずつ直列に接続した回路
    を、それぞれ前記ホイートストンブリッジの第3アー
    ム、第4アームとしたことを特徴とする赤外線検出素
    子。
  2. 【請求項2】 基板上に薄膜体を形成し、赤外線を吸収
    抵抗値が変化する抵抗体を備えた、第1赤外線検出
    部と第2赤外線検出部と第3赤外線検出部と第4赤外線
    検出部とを前記薄膜体上に形成すると共に、前記抵抗体
    と同じ抵抗値及び抵抗温度係数の4個の補償抵抗体を前
    記薄膜体上に形成し、 前記基板上の所定の矩形領域の4隅に、前記第1赤外線
    検出部と前記第2赤外線検出部とが前記矩形領域の一方
    の対角位置にくるように配置すると共に、前記第3赤外
    線検出部と前記第4赤外線検出部とが前記矩形領域の他
    方の対角位置にくるように配置し、 前記第1赤外線検出部と前記第2赤外線検出部とで構成
    される直列回路をホイートストンブリッジの第1アーム
    とし、前記第3赤外線検出部と前記第4赤外線検出部と
    で構成される直列回路を前記第1アームと向かい合う第
    2アームとすると共に、4個の前記補償抵抗体を2個ず
    つ直列に接続した回路を、それぞれ前記ホイートストン
    ブリッジの第3アーム、第4アームとし 検出対象の前記矩形領域上に結ぶ像の全体が、前記矩形
    領域の内部に投影される状態で、前記像が前記第1赤外
    線検出部及び前記第2赤外線検出部及び前記第3赤外線
    検出部及び前記第4赤外線検出部の領域にまたがって投
    影されるように、前記第1赤外線検出部及び前記第2赤
    外線検出部及び前記第3赤外線検出部及び前記第4赤外
    線検出部を近接させて配置したことを特徴とする赤外線
    検出素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも、前記第1赤外線検出部と前
    記第2赤外線検出部と前記第3赤外線検出部と前記第4
    赤外線検出部とを形成した、前記矩形領域を覆うよう
    に、赤外線吸収層が形成されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の赤外線検出素子。
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