JP3013126B2 - ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット及び該キットを用いた処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット及び該キットを用いた処理方法

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JP3013126B2
JP3013126B2 JP4155129A JP15512992A JP3013126B2 JP 3013126 B2 JP3013126 B2 JP 3013126B2 JP 4155129 A JP4155129 A JP 4155129A JP 15512992 A JP15512992 A JP 15512992A JP 3013126 B2 JP3013126 B2 JP 3013126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用処理剤キット及び該キットを用いた処理方法に関
し、詳しくは、処理剤キットの保存性の向上及び包材の
劣化の改良がなされ、保存後のキットを用いて処理した
とき、良好な写真性能を得ることができ、さらには、廃
包材がかさばらず、廃包材焼却時の燃焼カロリーが低い
という環境適正がある処理技術に関する。
【0002】
【発明の背景】ハロゲン化銀写真感光材料は、通常、黒
白現像液、定着液、発色現像液、漂白液、漂白定着液、
安定液等の処理液を使って現像処理が行われ、イメージ
ワイズな画像が得られる。ここで使用される各処理液
は、使い易さのために一つ又は複数の濃厚液パートの形
でプラスチックボトルに入れられ、処理剤キットとして
ユーザーに供給されている。ユーザーはこれら処理剤キ
ットを水に溶解して、使用液(スタート液ないし補充
液)を作成し、使用している。
【0003】近年、写真処理業においては、ミニラボと
呼ばれる小型自動現像機を用いた小規模現像所が急増し
ており、このようなミニラボ化の進行に伴い処理剤用プ
ラスチックボトルの使用量も年々急激に増加してきてい
る。
【0004】このプラスチックは、軽くて強い性質の故
に、写真処理剤用ボトル以外にも広く使用されてきてい
る。プラスチックの全世界の生産量は年々増加の一途を
辿り、1988年には年間1億トンを超す量にまで増加して
きている。その一方で、廃棄されるプラスチックも膨大
な量であり、日本を例にとっても、生産量の約40%が年
々廃棄されている。このような廃プラスチックは、海洋
に投棄されると、海洋生物の生息環境の悪化を引き起こ
しているし、又、ヨーロッパ地域では、排ガス処理設備
の不備な焼却炉で燃焼処理するため、酸性雨等の問題も
引き起こしており、大きな問題となってきている。
【0005】このため、早急な対策の実施が迫られてお
り、欧米地域ではプラスチックのリサイクルや使用禁
止、又は分解性プラスチックの使用の義務化など法規制
の動きが活発となってきているのが実状である。
【0006】この状況の中で、一部とは言え写真用途の
処理剤にプラスチックボトルを多量に使用することは極
めて好ましくない状況である。
【0007】又、処理剤キットは濃厚液の状態で長期間
にわたって放置された後に使用されることが多い。とこ
ろが処理液は、保存中に内部酸化還元反応や、空気酸化
により特性が劣化しやすいため、長期保存が困難である
という欠点があった。これを解決するために、特開昭62
-269959号に開示されているように酸素透過性の低い包
材を用いる方法がある。あるいは特開平4-14209号に延
伸ナイロンフィルムとポリエチレンの2層フィルムを用
いる方法が開示されている。しかしながらこのような可
撓性の包材は、処理液による変質を受けやすいことが新
たにわかってきた。特に処理液中に酢酸が含有されいて
る場合、包材の劣化が顕るしく、処理液成分がフィルム
接着面に浸透して、フィルムの接合面がはがれるといっ
た致命的な劣化になることがわかってきた。また酸素透
過性の低い包材を使用した場合でも、包材を通して水蒸
気が出ていくので、処理液の濃縮がおこり、保存性に問
題があることがわかってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1目
的は、キット保存性の向上であり、第2に包材の劣化等
の改良がなされて、第3に保存後のキットを用いて処理
したとき写真性能が得られ、第4に作業環境の改善と廃
包材焼却時の燃焼カロリーが低いという環境適正を有す
るハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット及び該キッ
トを用いた処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく、鋭意検討の結果、本発明に至った。即ち、
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット
は、下記一般式〔B〕で示される化合物を少なくとも一
つ含有することを特徴として、該キットの包材が可撓性
を有する容器であり、かつ該包材の酸素透過度が5.0cc
/24hrs.atm以下であることを特徴とする。
【0010】一般式〔B〕 X2-A-COOM3 式中X2は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アミノ基
又は−COOM3を表す。Aは飽和、不飽和のアルキレン基
を表し、置換基を有していてもよい。M3は水素原子、
アンモニウム基、アルカリ金属原子又は有機アンモニウ
ム基を表す。さらに本発明の好ましい態様としては、上
記ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット及び処理方
法において、該キットの包材の水蒸気透過度が10.0g/m
2・day以下であること、該キットの包材が多層構成され
ていること、該処理剤キットが漂白能を有する処理液を
含有することが挙げられる。
【0011】
【発明の具体的構成】以下本発明について具体的に説明
する。
【0012】本発明においては、前記一般式〔B〕で示
される化合物を少なくとも一つ含有する処理液を、酸素
透過度5.0cc/24hrs.atm(温度30℃、相対湿度70%)以
下、さらに好ましくは2.0cc/24hrs.atm以下、最も好ま
しくは、1.0cc/24hrs.atm以下の可撓性の包材に充填す
る。なお、酸素透過度はオクストランモコン社製(酸素
透過度測定機)で測定した。
【0013】本発明に用いる包材を形成する材質として
は、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂ポリ
塩化ビニリデンo-ナイロンポリエチレンテレクタレート
エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、セロファン、
ポリエステル、塩化ビニルポリビニルアルコール、延伸
ポリプロピレン等の酸素透過度の小さい材質が好まし
い。さらにこれらの素材に塩化ビニリデンをコーティン
グしたものがより好ましい。これらは可撓性を有するシ
ート状にして用いるかあるいはこれらの可撓性を有する
シートにアルミニウム等の金属箔をラミネートしてなる
シートもしくはアルミニウム等の金属を蒸着してなるシ
ート、またこれらの可撓性を有するシートをポリエチレ
ンあるいはエチレン-酢酸ビニル共重合体等よりなるシ
ートに貼り合わせてなる可撓性を有する積層シート等を
用いることができる。
【0014】これらのプラスチック包装材のなかでも、
酸素透過係数が小さいこと、容器の形体にしたときの強
度が大きいこと、容器に容易に加工できる点から、特に
エチレンビニルアルコール共重合樹脂ポリ塩化ビニリデ
ン、o-ナイロン、ポリエチレンテルフタレート、塩化ビ
ニリデンでのコーティングセロファン、塩化ビニリデン
でのコーティングナイロン、塩化ビニリデンでのコーテ
ィング延伸ポリプロピレン、ポリビニルアルコールを好
ましく用いることができる。
【0015】これらの包装材料を用いて可撓性の容器を
作るにあたって、1層構成の可撓性のシート、複数の可
撓性を有するシートを貼り合わせてなる多層構成の可撓
性を有するシートでもよい。
【0016】さらに、水蒸気透過度が小さいものとし
て、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ塩化
ビニリデン、ポリエチレン、塩化ビニリデンでのコーテ
ィングセロファン、塩化ビニリデンでのコーティングナ
イロン、塩化ビニリデンでのコーティング延伸ポリプロ
ピレンが好ましく用いられる。
【0017】これらの包装材料を用いて、可撓性の容器
を作るにあたり、1層構成の可撓性のシート、複数の可
撓性を有するシートを貼り合わせてなる多層構成の可撓
性を有するシート等を用いることができる。また可撓性
を有するシートとしては、プラスチックのみよりなるシ
ートであってもよいし、プラスチックシートに金箔もし
くは紙等をラミネートしてなるシートであってもよい
し、プラスチックシートに金属の蒸着膜を設けてなるシ
ートであってもよい。
【0018】1層構成の可撓性を有するシートとして
は、例えばエチレンビニルアルコール共重合体ポリ塩化
ビニリデン、o-ナイロン、エチレン-酢酸ビニル共重合
体ケン化物、塩化ビニリデンでのコーティング延伸ポリ
プロピレン、ポリビニリデンクロライド等よりなるプラ
スチックシート;これらのプラスチックシートにアルミ
ニウム等よりなる金属箔あるいは紙等をラミネートして
なるシート;上記プラスチックシートにアルミニウム等
の金属を蒸着してなるシート;等を挙げることができ
る。
【0019】複数のプラスチックシートを貼り合わせて
なる多層構成の可撓性を有するシートとしては、例えば
ポリエチレンテレフタレート/エチレン・ビニルアルコ
ール共重合樹脂/低密度ポリエチレン延伸ポリプロピレ
ン/エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂/低密度ポ
リエチレン未延伸ポリプロピレン/エチレン・ビニルア
ルコール共重合樹脂/低密度ポリエチレンナイロン/エ
チレン・ビニルアルコール共重合樹脂/低密度ポリエチ
レンナイロン/アルミニウム箔/ポリエチレン3層構
成、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポ
リエチレンの3層構成、セロファン/ポリエチレン/ア
ルミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、アルミニウム
箔/紙/ポリエチレンの3層構成、ポリエチレンテレフ
タレート/ポリエチレン/アルミニウム箔/ポリエチレ
ンの4層構成、ナイロン/ポリエチレン/アルミニウム
箔/ポリエチレンの4層構成、紙/ポリエチレン/アル
ミニウム箔/ポリエチレンの4層構成、ポリエチレンテ
レフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタ
レート/ポリプロピレンの4層構成、ポリエチレンテレ
フタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレ
ート/高密度ポリエチレンの4層構成、ポリエチレンテ
レフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレン/低密度
ポリエチレンの4層構成、エチレン・ビニルアルコール
共重合体/ポリプロピレンの2層構成、ポリエチレンテ
レフタレート/アルミニウム箔/ポリプロピレンの3層
構成、タイプセロハン#300/ポリエチレン、紙/アル
ミニウム箔/ポリエチレンの3層構成、特に好ましく
は、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/
ポリエチレン/エチルビニルアセテート、ポリエチレン
縮合物の4層構成、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン
被覆ナイロン、ポリエチレンの3層構成、エチルビニル
アセテート・ポリエチレン縮合物/ポリエチレン/アル
ミニウム蒸着ナイロン/ポリエチレン/エチルビニルア
セテート・ポリエチレン縮合物の5層構成、アルミニウ
ム蒸着ナイロン/ナイロン/ポリエチレン/エチルビニ
ルアセテート・ポリエチレン縮合物の4層構成、延伸ポ
リプロピレン/ポリ塩化ビニリデン被覆ナイロン/ポリ
エチレンの3層構成、ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデ
ン被覆ナイロン/ポリエチレンの3層構成、延伸ポリプ
ロピレン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/
低密度ポリエチレンの3層構成、ポリエチレンテレフタ
レート/ナイロン/エチレン・ビニルアルコール共重合
体/ナイロン/低密度ポリエチレン/サンドポリエチレ
ン/低密度ポリエチレンの7層構成、o-ナイロン/ナイ
ロン/エチレンビニルアルコール共重合体/ナイロン/
低密度ポリエチレン/サンドポリエチレン/低密度ポリ
エチレンの7層構成、ポリエチレンテレフタレート/ナ
イロン/エチレン・ビニルアルコール共重合体/ナイロ
ン/低密度ポリエチレン/サンドポリエチレン/高密度
ポリエチレン/サンドポリエチレン/低密度ポリエチレ
ンの10層構成、o-ナイロン/ナイロン/エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体/ナイロン/低密度ポリエチレン
/サンドポリエチレン/低密度ポリエチレンの8層構
成、延伸ポリプロピレン/ポリビニルアルコール・エチ
レン共重合体/未延伸ポリプロピレンの3層構成、ポリ
エチレンテレフタレート/ポリビニルアルコール・エチ
レン共重合体/低密度ポリエチレンの3層構成、延伸ナ
イロン/ポリビニルアルコール・エチレン共重合体/低
密度/ポリエチレンの3層構成、未延伸ナイロン/ポリ
ビニルアルコール・エチレン共重合体/低密度ポリエチ
レンの3層構成、等を挙げることができる。容器の外壁
を形成するシートの厚さは、具体的にはその構成材料に
よって異なり、一概に規定することはできないが、概ね
5〜1500μm程度が好ましく、特に好ましくは10〜500μ
mである。
【0020】多層フィルムの製法は特に限定されない
が、例えばフィルムとフィルムを接着剤で貼り合わせる
方法や、フィルムとフィルムを溶融した樹脂で貼り合わ
せる方法、2種以上の樹脂をスリットから一緒に押し出
すいわゆる共押し出しといわれる方法、その他一般的に
用いられるフィルム積層法などを単独又は組み合わせて
用いられる。
【0021】本発明のハロゲン化銀写真感光材料用処理
剤容器はスタンデングパウチ形状であることが好まし
い。具体的には図1、図2に示す形状が挙げられる。
【0022】同図において、1は本体で、2は底部であ
り、それぞれ多層フィルムで構成されている。層の数は
図面に限定されない。
【0023】容量はその取り扱い性の観点から3リットル以
下、さらに2リットル以下が好ましい。またその取り扱い性
を向上させるために把手を設けたり、口栓を設けたりす
ることは好ましいことである。
【0024】例えば100〜1000mlの容器を形成する場合
には、本体1を下記(1)の層構成にし、底部2を(2)の
層構成にすることが好ましく、また1000ml以上の容器を
形成する場合には、本体1を下記(3)の層構成にし、底
部2を(4)の層構成にすることが好ましい。
【0025】(1) LLDPE/Ny(ナイロン)/PET(ポリ
エチレンテレフタレート) (2) LLDPE/Ny/EVOH(エバール)/Ny/ONy(延伸ナ
イロン) (3) LLDPE/EVA(ポリエチレン-酢酸ビニル共重合
体)/Ny (4) LLDPE.S・PE(ザンドポリエチレン)/HDPE(ハン
デンシティーポリエチレン)/Ny/EVOH/Ny/PET 本発明の処理剤容器は例えば本体1の側部及び上部をヒ
ートシールし、また下部においては本体1と底部2をヒ
ートシールして容器を形成することができるが、本体1
の上部のヒートシール部の形態は図3、図4に示すよう
に種々の態様がある。図3、図4において、3はヒート
シール部であり、Lは切り取り線である。このようにす
れば処理液の取り出し口において種々の態様が得られ
る。
【0026】本発明のハロゲン化銀写真感光材料用処理
剤は粉体等の固体であってもよいが、液体である場合に
本発明の効果をより効果的に発揮することができる。
【0027】かかる液体としては写真用処理液の全てを
含み、カラーフィルム、カラー印画紙、リバーサルフィ
ルム等、一般用黒白フィルム、X線用フィルム、印刷用
リスフィルム及びマイクロフィルム等、すべてのハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理に使用することができる処理
液を充填、収納することができる。
【0028】本発明で用いられる処理液は前記一般式
〔B〕で示される化合物を少なくとも一つ有することを
特徴とする。
【0029】従来、カラー写真感光材料用処理での漂白
液及び漂白定着液あるいは一般用黒白フィルム、X線用
フィルム、印刷用リスフィルムの処理での定着液には酢
酸は必要不可欠な素材として用いられている。即ち、酢
酸を含有しないとカラー写真感光材料用の処理では漂白
カブリや、脱銀不良の発生があり、写真性能に悪い影響
がある。また一般用黒白フィルム、X線用フィルムなど
の定着液の酢酸は、感光材料の硬膜作用に必要不可欠な
ものである。
【0030】感光材料用処理剤キットはいくつかのパー
トに別けられ、酢酸は包材中でより濃厚になっている。
従って、包材への影響も大きくなる。
【0031】包材の劣化や処理液の保存性を向上させる
とともに、前記の写真性能を改良するために、本発明者
らは、鋭意検討した結果、驚くべきことに、前記一般式
〔B〕で表される化合物を少なくとも一つ含有する処理
液を充填されたキットの場合は、キット包材の劣化が防
止させることがわかった。
【0032】次に一般式〔B〕の化合物について説明す
る。
【0033】式中の、X2はヒドロキシル基、ハロゲン
原子、アミノ基または−COOM3を表す。Aは飽和、不飽
和のアルキレン基を表し、置換基を有していてもよい。
3は水素原子、アンモニウム基、アルカリ金属原子又
は有機アンモニウム基(例えばトリエタノールアンモニ
ウム基等)を表す。
【0034】以下一般式〔B〕で示される化合物の好ま
しい具体例を挙げる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】具体例の中で特に好ましい化合物は、(B
−2)〜(B−7)、(B−10)〜(B−12)、(B−
16)〜(B−19)で示される脂肪族ジカルボン酸であ
り、さらにこの中で(B−5)、(B−6)、(B−1
6)が最も好ましい。
【0038】前記一般式〔B〕で示される化合物の添加
量は、漂白液又は漂白定着液1リットル当たり0.05〜2.0モ
ルの範囲で含有することが好ましく、より好ましくは0.
2〜1.0モルの範囲である。
【0039】また濃厚液1リットル当たりでは0.2〜4.0モル
範囲で含有することが好ましく、より好ましくは0.4〜
2.5モルの範囲である。
【0040】次に漂白液、漂白定着液について説明す
る。漂白液及び漂白定着液に用いられる漂白剤は特に限
定されないが、下記一般式〔A〕または〔B〕で表され
る有機酸の第2鉄錯塩又はジエチレントリアミン五酢酸
の第2鉄錯塩を含有することが好ましい。
【0041】
【化3】
【0042】〔式中、A1〜A4はそれぞれ同一でも異な
ってもよく、−CH2OH,−COOM又は−PO3M1M2を表す。
M,M1及びM2はそれぞれ水素原子、ナトリウム原子、カ
リウム原子又はアンモニウム基を表す。Xは炭素数2〜
6の置換もしくは未置換のアルキレン基を表す。〕
【0043】
【化4】
【0044】〔式中、A1,A2,A3及びA4はそれぞれ
同一でも異なっていてもよく、水素原子、水酸基、−CO
OM,−PO3M2,−CH2OH又は低級アルキル基(メチル基、
エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基等)を表す。
ただしA1,A2,A3及びA4の少なくとも1つは−COOM
又は−PO3M2である。
【0045】M,M1及びM2は、それぞれ水素原子、アン
モニウム基、ナトリウム原子、カリウム原子、リチウム
原子又は有機アンモニウム基(例えばトリメチルアンモ
ニウム基、トリエタノールアンモニウム基等)を表す。
【0046】以下に一般式〔A〕及び〔B〕で示される
化合物の好ましい具体例を示す。
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
【0051】これら(A−1)〜(A−13)の化合物以
外に、これらのナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニ
ウム塩を同様に好ましく用いることができる。
【0052】本発明の目的の効果及び溶解度の点から
は、これらの第2鉄錯塩のアンモニウム塩が好ましく用
いられる。
【0053】前記化合物例の中で、本発明において好ま
しく用いられるのは(A−1)、(A−4)、(A−
7)及び(A−9)、(A−13)であり、特に好ましい
ものは(A−1)及び(A−9)である。
【0054】本発明に係る処理剤濃厚液組成物中の有機
酸第2鉄錯塩の濃度は、該組成物1リットル当たり0.3モル
以上が好ましく、さらに好ましくは0.35〜2モルの範囲
であり、最も好ましくは0.4〜1モルの範囲である。
【0055】本発明に係る処理剤キットは同一パート内
に上記の有機酸第2鉄錯塩と一般式〔B〕で表される化
合物を含有してもよい。
【0056】本発明の漂白液及び漂白定着液の処理の温
度は20℃〜50℃で使用されるが、望ましくは25℃〜45℃
である。
【0057】本発明の漂白液及び又は漂白定着液のpH
は5.0以下であり、好ましくは2.0以上4.7以下にするこ
とにより本発明の効果がより一層顕著となる。一般的に
はpHを低くすると漂白力は増大するものの復色不良の
問題が生じ易くなるが、本発明の化合物及び有機酸第2
鉄錯塩、とりわけ一般式〔A〕及び〔B〕で示される有
機酸の第2鉄錯塩を組合せることで前記の問題が解決で
きる。
【0058】なお、本発明の漂白液及び/又は漂白定着
液のpHはハロゲン化銀感光材料の処理時の処理槽のpH
であり、いわゆる補充液のpHとは明確に区別されう
る。
【0059】本発明の漂白液及び漂白定着液には、臭化
アンモニウムの如きハロゲン化物を通常添加して用い
る。又、各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤
を含有せしめることもできる。
【0060】本発明に係る漂白液の好ましい補充量はハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料1m当り20mlない
し500mlであり、特に好ましくは30mlないしЗ50mlであ
り、さらに特に好ましくは40mlないし300mlであり、最
も好ましくは50mlないし250mlであり、低補充量になれ
ばなる程、本発明の効果がより顕著となる。
【0061】本発明に係る定着液及び漂白定着液に用い
られる定着剤としては、通常よく用いられるチオ硫酸ア
ンモニウムの如きチオ硫酸塩が用いられる。また前記の
チオシアン酸塩を混合使用してもよく、特に迅速性の観
点からはチオ硫酸塩を1.0モル/l以上、好ましくは1.З
モル/l以上含有することが本発明を実施する上で好ま
しく、チオシアン酸と併用することがより好ましい。
【0062】処理剤キット形態は、通常定着剤パートと
漂白剤パートと分けられるが、パート化を行ってもよ
い。
【0063】本発明の一般式〔B〕で示される化合物は
漂白剤パートもしくは単独の別パート化されるのが好ま
しい。
【0064】これら定着剤の他に更に定着液には、硼
酸、硼砂、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等の各種
の塩から成るpH緩衝剤を単独或いは2種以上含むこと
ができる。
【0065】更にアルカリハライドまたはアンモニウム
ハライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化
ナトリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を多
量に含有させることが望ましい。また硼酸塩、蓚酸塩、
酢酸塩、炭酸塩、燐酸塩等のpH緩衝剤、アルキルアミ
ン類、ポリエチレンオキサイド類等の通常定着液及び漂
白定着液に添加することが知られているものを適宜添加
することができる。
【0066】本発明においては漂白液又は漂白定着液の
活性度を高める為に処理浴中及び処理補充液貯蔵タンク
内で所望により空気の吹き込み、又は酸素の吹き込みを
行ってよく、或いは適当な酸化剤、例えぼ過酸化水素、
臭素酸塩、過硫酸塩等を適宜添加してもよい。
【0067】本発明においては、定着液中に蓄積銀量、
蓄積沃度量が多くなっても(例えばAg6g/l以上、I
0.6g/l以上)、脱銀性を劣化することなく、本発明の目
的を効果的に達成できる。
【0068】本発明に係わる定着液及び漂白定着液はそ
の補充量が感光材料1m2当りl200ml以下の際に、本発明
の目的の効果をより良好に奏する。とりわけ感光材料1
m2当り20ml〜1000mlが好ましく、より好ましくは500ml
〜800mlである。
【0069】本発明に係わる漂白液及び定着液、若しく
は漂白定着液による処理時間は、合計3分45秒以下であ
ることが好ましく、より好ましくは20秒〜3分20秒、特
に好ましくは40秒〜3分、とりわけ特に好ましくは60秒
〜2分40秒の範囲である。
【0070】また、漂白時間は上記合計時間の範囲で任
意に選択できるが、1分30秒以下が好ましく、特に10秒
〜70秒、 とりわけ特に20秒〜55秒が好ましい。
【0071】定着液又は漂白定着液の処理時間は、上記
合計の範囲で任意に選択できるが、好ましくは3分10秒
以下であり、より好ましくは10秒〜2分40秒の範囲であ
り、好ましくは20秒〜2分10秒の範囲である。本発明の処
理方法においては、漂白液、定着液及び漂白定着液に強
制的液撹拌を付与することが本発明の実旋態様として好
ましい。この理由は本発明の目的の効果をより良好に奏
するのみならず、迅速処理適性の観点からである。ここ
に強制的液撹拌とは、通常の液の拡散移動ではなく、撹
拌手段を付加して強制的に撹拌することを意味する。
【0072】強制的撹拌手段としは、特願昭63-48930号
に記載の手段を採用することができる。
【0073】本発明に係わる処理方法の好ましい具体的
処理工程を以下に示す。
【0074】(1)発色現像→漂白→定着→水洗 (2)発色現像→漂白→定着→水洗→安定 (3)発色現像→漂白→定着→安定 (4)発色現像→漂白→定着→第1安定→第2安定 (5)発色現像→漂白→漂白定着→水洗 (6)発色現像→漂白→漂白定着→水洗→安定 (7)発色現像→漂白→漂白定着→安定 (8)発色現像→漂白→定着漂白→第1安定→第2安定 (9)発色現像→漂白定着→定着→安定 (10)発色現像→漂白定着→水洗 (11)発色現像→漂白定着→安定 これらの工程中でもとりわけ(3)、(4)、(7)、
(8)が好ましく、より好ましくは(3)、(4)であ
る。
【0075】本発明に係る発色現像液は、現像液に通常
用いられるアルカリ剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、硫酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム又
は硼砂等を含むことができ、更に種々の添加剤、例えば
ベンジルアルコール、ハロゲン化銀アルカリ金属、例え
ば臭化カリウム又は塩化カリウム等、あるいは現像調節
剤として例えばシトラジン酸等、保恒剤としてヒドロキ
シルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体(例えばジエチ
ルヒドロキシルアミン誘導体、ヒドラジン誘導体(例え
ばヒドラジノジ酢酸)又亜硫酸塩等が用いられる。
【0076】さらにまた、各種消泡剤や界面活性剤を、
またメタノール、ジメチルフォルムアミド又はジメチル
スルフォキシド等の有機溶剤等を適宜含有せしめること
ができる。
【0077】また本発明に係る現像液のpHは通常7以
上であり、好ましくは約9〜13である。
【0078】また、本発明に用いられるカラー現像液に
は必要に応じて酸化防止剤としてテトロン酸、テトロン
イミド、2-アニリノエタノール、ジヒドロキシアセト
ン、芳香族第2アルコール、ヒドロキサム酸、ベントー
スまたはヘキソース、ピロガロール-1,3-ジメチルエー
テル等が含有されてもよい。 また本発明に係わる発色現像液中には、金属イオン封鎖
剤として、種々なるキレート剤を併用することができ
る。例えば該キレート剤としてエチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノポリカルボ
ン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸等の
有機ホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)も
しくはエチレンジアミンテトラリン酸等のアミノポリホ
スホン酸、クエン酸もしくはグルコン酸等のオキシカル
ボン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸等の
ホスホノカルボン酸、トリポリリン酸もしくはヘキサメ
タリン酸等のポリリン酸等が挙げられる。
【0079】本発明における発色現像主薬の好ましい補
充量は感光材料1m2当り800ml以下、特に好ましくは250
ml〜700mlであり、更に好ましくは300ml〜650mlであ
り、本発明の効果、特にマゼンタ濃度の上昇に対し、顕
著な効果がある。
【0080】本発明においては、定着液又は漂白定着液
に引き続いて安定液で処理する際に別なる効果として経
時保存時の未露光部ステインが改良される。
【0081】本発明に係わる安定液の補充量は処理する
撮影用カラー写真感光材料の単位面積当り前浴からの持
ち込み量の1〜80倍であり、特に2〜60倍であることが
好ましいのであるが、本発明においては安定液中の前浴
成分(漂白定着液又は定着液)の濃度は安定液槽の最終
槽で1/500以下がより好ましく、特に好ましくは1/100
0以下である。更には低公害及び液の保存性の面から1/
500〜1/100000が好ましく、より好ましくは1/2000〜
1/50000になるように安定化槽の処理槽を構成する。
【0082】安定化処理槽は複数の槽より構成されるこ
とが好ましく、該複数の槽は、2槽以上6槽以下にする
ことが好ましい。
【0083】安定化処理槽が2槽以上6槽以下の場合で
あり、しかもカウンターカレント方式(後浴に供給して
前浴からオーバーフローさせる方式)にすることから好
ましい。特に好ましくは2〜3槽、更に好ましくは2槽
とすることである。
【0084】持ち込み量は感光材料の種類、自動現像機
の搬送速度、搬送方式、感光材料表面のスクイズ方式等
により異なるが、撮影用カラー感光材料の場合通常カラ
ーフィルム(ロールフィルム)の場合、通常持ち込み量
は50ml/m2〜150ml/m2であり、この持ち込み量に対する
本発明の効果がより顕著である補充量は50ml/m2〜4.0l/
m2の範囲であり、特に効果が顕著な補充量は200ml/m2
1500ml/m2の範囲である。
【0085】安定液による処理の処理温度は15〜60℃、
好ましくは20〜45℃の範囲がよい。本発明の安定液のp
H値としては、本発明の効果の他、画像保存性を向上さ
せる目的でpH4.0〜9.0の範囲が好ましく、より好まし
くはpH4.5〜9.0の範囲であり、特に好ましくはpH5.0
〜8.5の範囲である。
【0086】本発明で好ましく用いられる安定液に含有
することができるpH調整剤は、一般に知られているア
ルカリ剤または酸剤のいかなるものも使用できる。
【0087】本発明における安定液はキレート剤として
金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩として
は、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,Mn,Ni,Bi,Pb,Sn,Z
n,Ti,Zr,Mg,Al 又はSr の金属塩であり、ハロゲン
化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等
の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使用
量としては、安定液1リットル当り1×10-4〜1×10-1モル
の範囲であり、好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範
囲である。
【0088】本発明の安定液には、有機酸塩(クエン
酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH調整剤
(リン酸塩、ホウ酸塩、塩酸、硫酸塩等)、界面活性
剤、防腐剤等を添加することができる。
【0089】これらの化合物の添加量は本発明による安
定浴のpHを維持するに必要でかつカラー写真画像の保
存時の安定性と沈澱の発生に対し悪影響を及ぼさない範
囲の量をどのような組合わせで使用してもさしつかえな
い。
【0090】本発明の安定液に好ましく用いられる防ば
い剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、フェノー
ル系化合物、チアゾール系化合物、グアニジン系化合
物、カルバメイト系化合物、モルホリン系化合物、四級
ホスホニウム系化合物、アンモニウム系化合物、尿素系
化合物、イソオキサゾール系化合物、プロパノールアミ
ン系化合物、スルファミド系化合物、アミノ酸系化合
物、活性ハロゲン放出化合物及びベンゾトリアゾール系
化合物である。
【0091】なお上記防ばい剤の中で本発明において好
ましく用いられる化合物はフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、ピリジン系化合物、グアニジン系化合
物、四級アンモニウム系化合物、活性ハロゲン放出化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物である。更に、特に好
ましくは液保存性の上からフェノール系化合物、チアゾ
ール系化合物、活性ハロゲン放出化合物及びベンゾトリ
アゾール系化合物である。
【0092】安定液への防ばい剤の添加量は、安定液1
リットル当り0.001〜50gの範囲で用いられ、好ましくは0.00
5〜10gの範囲で使用される。
【0093】本発明の処理においては安定液からも前述
の方法で銀回収してもよい。
【0094】また、本発明の安定液をイオン交換樹脂と
接触させる処理、電気透析処理(特願昭59-96352号参
照)や逆浸透処理(特願昭59-96532号参照)等を用いる
こともできる。
【0095】又、本発明の安定液に使用する水を予め脱
イオン処理したものを使用すると安定液の防ばい性や安
定液の安定性及び画像保存性向上がはかれるので好まし
く用いられる。脱イオン処理手段としては、処理後の水
洗水の誘電率を50μs/cm以下、又はCa,Mgイオンを5ppm
以下にするものであればいかなるものでもよいが、例え
ばイオン交換樹脂や逆浸透膜により処理を単独或いは併
用することが好ましい。イオン交換樹脂や逆浸透膜につ
いては公開技報87-1984号に詳細に記載されているが好
ましくは、強酸性H型カチオン交換樹脂と強塩基性OH型
アニオン交換樹脂を用いるのが好ましい。
【0096】本発明において安定液中の塩濃度は1000pp
m以下が好ましく、より好ましくは800ppm以下である。
【0097】本発明における安定液の処理時間は2分以
下が好ましく、より好ましくは1分30秒以下、特に好ま
しくは1分以下である。
【0098】本発明において安定液中に界面活性剤を含
有することが感光材料表面における析出物の発生防止及
び表面物性の改良の点から特に好ましく用いられる。界
面活性剤は特開昭62-250449号公報記載の一般式〔I〕〜
〔II〕で表される化合物及び水溶性有機シロキサン系化
合物が本発明の目的に対する効果の点から特に好ましく
用いられる。
【0099】次に本発明の処理剤が適用される感光材料
について説明する。
【0100】感光材料が撮影用感光材料の場合、ハロゲ
ン化銀粒子としては、平均沃化銀含有率が3モル%以上
の沃臭化銀又は沃塩化銀が用いられるが、特に4〜15モ
ル%までの沃化銀を含む沃臭化銀が好ましい。中でも、
本発明に好ましい平均沃化銀含有率は5〜12モル%、最
も好ましくは8〜11モル%である。
【0101】本発明の写真処理剤で処理される感光材料
に用いられるハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.308119(以下、RD308119と略す)に記載
されているものを用いることができる。以下に記載箇所
を示す。
【0102】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 ヨード組成 993 I−A項 製造方法 993 I−A項及び994 E項 晶癖 正常晶 993 I−A項 双晶 〃 エピタキシャル 〃 ハロゲン組成 一様 993 I−B項 一様でない 〃 ハロゲンコンバージョン 994 I−C項 〃 置換 〃 金属含有 994 I−D項 単分散 995 I−F項 溶媒添加 〃 潜像形成位置 表面 995 I−G項 内部 〃 適用感材 ネガ 995 I−H項 ポジ(内部カブリ粒子含) 〃 乳剤を混合して用いる 995 I−J項 脱塩 995 II−A項 ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成、化学熟成及び分光増感
を行ったものを使用する。このような工程で使用される
添加剤は、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643、N
o.18716及びNo.308119(それぞれ、以下RD17643、RD187
16及びRD308119と略す)に記載されている。以下に記載
箇所を示す。
【0103】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 化学増感剤 996 III−A項 23 648 分光増感剤 996 IV-A-A,B,C,D,E,H,I,J項 23〜24 648〜9 強色増感剤 996 IV-A-E,J項 23〜24 648〜9 カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649 安定剤 998 VI 24〜25 649 写真用添加剤も上記リサーチ・ディスクロージャーに記
載されている。以下に関連ある記載箇所を示す。
【0104】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 〔RD18716〕 色濁り防止剤 1002 VII-I項 25 650 色素画像安定剤 1001 VII-J項 25 増白剤 998 V 24 紫外線吸収剤 1003 VIII C, XIII C項 25〜26 光吸収剤 1003 VIII 25〜26 光散乱剤 1003 VIII フィルター染料 1003 VIII 25〜26 バインダー 1003 IX 26 651 スタチック防止剤 1006 XIII 27 650 硬膜剤 1004 X 26 651 可塑剤 1006 XII 27 650 潤滑剤 1006 XII 27 650 活性剤・塗布助剤 1005 XI 26〜27 650 マット剤 1007 X VI 現像剤(感光材料中に含有)1011 XX-B項 本発明の写真処理剤で処理される感光材料には種々のカ
プラーを使用することができ、その具体例は上記リサー
チ・ディスクロージャーに記載されている。以下に関連
ある記載箇所を示す。
【0105】 〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕 イエローカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 マゼンタカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 シアンカプラー 1001 VII-D項 VII C〜G項 DIRカプラー 1001 VII-F項 VII F項 BARカプラー 1002 VII-F項 その他の有用残基放出カプラー 1001 VII-F項 アルカリ可溶カプラー 1001 VII-E項 添加剤は、RD308119 XIVに記載されている分散法などに
より添加することができる。
【0106】本発明においては、前述RD17643第28頁、R
D18716第647〜648頁及びRD308119のXIXに記載されてい
る支持体を使用することができる。
【0107】感光材料中のハロゲン化銀粒子としては、
塩化銀を少なくとも80モル%以上含有する塩化銀主体の
ハロゲン化銀粒子が用いられ、好ましくは90モル%以
上、特に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは99モ
ル以上%含有するものが用いられる。
【0108】上記塩化銀主体のハロゲン化銀乳剤は、塩
化銀の他にハロゲン化銀組成として臭化銀及び/又は沃
化銀を含むことができ、この場合、臭化銀は20モル%以
下が好ましく、より好ましくは10モル%以下、更に好ま
しくは3モル%以下であり、又、沃化銀が存在するとき
は1モル%以下が好ましく、より好ましくは0.5モル%
以下、最も好ましくはゼロである。このような塩化銀50
モル%以上からなる塩化銀主体のハロゲン化銀粒子は、
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層に適用されればよ
いが、好ましくは全ての感光性ハロゲン化銀乳剤層に適
用されることである。
【0109】前記ハロゲン化銀粒子の結晶は、正常晶で
も双晶でもその他でもよく、[100]面と[111]面の比
率は任意のものが使用できる。更に、これらのハロゲン
化銀粒子の結晶構造は、内部から外部まで均一なもので
あっても、内部と外部が異質の層(相)状構造(コア・
シェル型)をしたものであってもよい。又、これらのハ
ロゲン化銀は、潜像を主として表面に形成する型のもの
でも、粒子内部に形成する型のものでもよい。更に平板
状ハロゲン化銀粒子(特開昭58‐113934号、特願昭59‐
170070参照)を用いることもできる。又、特開昭64-268
37号、 同64-26838号、 同64-77047号等に記載のハロゲン
化銀を使用できる。
【0110】前記ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法
又はアンモニア法等のいずれの調製法により得られたも
のでもよい。又、例えば種粒子を酸性法で作り、更に、
成長速度の速いアンモニア法により成長させ、所定の大
きさまで成長させる方法でもよい。ハロゲン化銀粒子を
成長させる場合に、反応釜内のpH,pAg等をコントロー
ルし、例えば特開昭54‐48521号に記載されているよう
なハロゲン化銀粒子の成長速度に見合った量の銀イオン
とハライドイオンを逐次同時に注入混合することが好ま
しい。
【0111】本発明の写真処理剤によって処理される感
光材料がカラー用の場合、ハロゲン化銀乳剤層はカラー
カプラーを含有する。
【0112】赤感光性層は、例えばシアン部分カラー画
像を生成する非拡散性シアンカプラー、一般にフェノー
ル又はα-ナフトール系カプラーを含有することができ
る。
【0113】緑感光性層は、例えばマゼンタ部分カラー
画像を生成する少なくとも一つの非拡散性マゼンタカプ
ラー、通常5-ピラゾロン系及びピラゾロトリアゾール系
カプラーを含むことができる。青感光性層は、例えば黄
部分カラー画像を生成する少なくとも一つの非拡散性イ
エローカプラー、一般に開鎖ケトメチレン基を有するカ
プラーを含むことができる。これらカプラーは、例えば
6、4又は2当量カプラーであることができる。
【0114】本発明の写真処理剤が適用されるカラー感
光材料においては、とりわけ2当量カプラーが好まし
い。
【0115】適当なカプラーは例えば次の刊行物に開示
されている:アグファの研究報告書(Mitteilunglnausd
en Forschungslaboratorien der Agfa),レーフェルク
ーゼン/ミュンヘン(Leverkusen/Munchen)Vol.III,
111頁(1961)中ダブリュー・ペルツ(W.Pelz)による
「カラーカプラー」(Farbkuppler);ケイ・ベンタカ
タラマン(K.Venkataraman),「ザ・ケミストリー・オ
ブ・シンセティック・ダイズ」(The Chemistry of Syn
thetic Dyes)Vol.4,341〜387頁,アカデミック・プ
レス(Academic Press)、「ザ・セオリ・オブ・ザ・フ
ォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the Ph
otographic Process)4版,353〜362頁;及びRD17643
のVII。
【0116】本発明の写真処理剤が適用されるカラー感
光材料においては、とりわけ特開昭63-106655号26頁に
記載されるが如き一般式[M−1]で示されるマゼンタ
カプラー(具体的例示マゼンタカプラーとしては、同号
29〜34頁記載のNo.1〜No.77が挙げられる)、同じく34
頁に記載されている一般式[C−I]又は[C−II]で
示されるシアンカプラー(具体的例示シアンカプラーと
しては、同号37〜42頁に記載の(C′−1)〜(C′−
82)、(C″−1)〜(C″−36)が挙げられる)、同
じく20頁に記載されている高速イエローカプラー(具体
的例示イエローカプラーとしては、同号21〜26頁に記載
の(Y′−1)〜(Y′39)が挙げられる)を用いるこ
とが本発明の効果の点から好ましい。
【0117】
【実施例】
実施例1 次に本発明を実施例に従い更に具体的に説明するが、本
発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0118】以下に示すパート構成のカラーペーパー用
漂白定着剤用濃縮液を補充液4l分作成し、表1に示さ
れる包材で図1に示すような写真感光材料処理剤容器1
に入れ、開封部10をヒートシールを、行ないカラーペー
パー用漂白定着剤用キットを作成した。
【0119】 漂白定着剤用キット パートA チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 400ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 360g メタ亜硫酸ナトリウム 120g 純水を加え0.8リットルに仕上げ容器に充填した。
【0120】 パートB エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 220g エチレンジアミン4酢酸 12g 純水を加え0.68リットルに仕上げ容器に充填した。
【0121】 パートC 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 0.88モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え0.30リットルに仕上げる。
【0122】 漂白定着剤用キット パートA チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 400ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 360g メタ亜硫酸ナトリウム 120g 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 0.44モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え0.95リットルに仕上げ容器に充填した。
【0123】 パートB エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 220g エチレンジアミン4酢酸 12g 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 0.44モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え0.83リットルに仕上げる。
【0124】 パートA チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 400ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 360g メタ亜硫酸ナトリウム 120g エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 220g エチレンジアミン4酢酸 12g 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 0.88モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え1.80リットルに仕上げる。
【0125】これらのカラーペーパー用漂白定着剤用キ
ットを50℃湿度30%で3週間保存した。保存後の包材の
接着面の状態と包材の着色状態を観察した。
【0126】また補充液を該キットより作製したときの
補充液のpHを測定した。
【0127】以下の基準で評価した。
【0128】保存後の包材の接着面 ○まったく劣化を
認められない △わずかに層と層にすきまが発生しているが、問題には
ならない ×包材の層と層の間がはがれていて、商品にならない 保存後の包材の着色 ○着色なし △わずかに着色 ×黒く着色している 酸素透過量ml/m2・24hrs・atm 酸素透過量ml/m2・24hrs・atm 包材 a.LDPE 50μ :2700 b.OPP 20μ/LLDPE 50μ :2100 c.ONy 30μ/LLDPE 60μ : 25 d.K-ONy 40μ/LLDPE 50μ : 4.0 e.ONy 14μ/LLDPE 50μ : 2.4 f. : g.Ny 15μ/EVOH 12μ/LLDPE 50μ : 2.0 h.OPP 20μ/EVOH 20μ/LLDPE 50μ : 0.4 i.K-ONy 15μ/LLDPE 60μ : 5.0 j.OOP 20μ/LLDPE 40 μ :1000 k.K-OPP 20μ/LLDPE 40μ : 4.0 l.ONy 15μ/EVOH 12μ/LLDPE 50μ : 1.0 m.ポリエステル 12μ/ アルミニウム蒸着ポリエステル12μ/ LLDPE 40μ : 0.3 n.PET 12μ/Ny 5μ/EVOH 5μ/Ny 5μ/ LLDPE 25μ/S・PE 25μ/LLDPE 80μ : 0.3 o.ONy 25μ/Ny 5μ/EVOH 5μ/LLDPE 5μ/ S・PE 20μ/LLDPE 80μ : 0.6 p.PET 12μ/Ny 5μ/EVOH 5μ/Ny 5μ/ LLDPE 5μ/S・PE 20μ/HDPE 40μ/ S ・PE 20μ/LLDPE 80μ : 1.1 LDPE :低密度ポリエチレン OPP :延伸ポリプロピレン ONy :延伸ナイロン Ny :無延伸ナイロン K-ONy :塩化ビニリデンコーティング延伸ナイロン PVA :ポリビニルアルコール EVOH :エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂 LLDPE :リニアー低密度ポリエチレン PET :ポリエチレンテレフタレート S・PE :サンドポリエチレン
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
【表3】
【0132】
【表4】
【0133】実施例2 以下に示すパート構成のカラーネガ用漂白剤用濃縮液を
補充液5l分作成し、表1に示される包材で図1に示す
ような写真感光材料処理剤容器1に入れ、開封部をヒー
トシールを行ないカラーネガ用漂白剤用キットを作成し
た。
【0134】漂白剤用キット 漂白剤用キット (A−1)の第2鉄錯塩 0.45モル エチレンジアミン4酢酸 2g 臭化アンモニウム 1.4モル 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 (カルボキシル基換算での添加モル数) 1.3モル 硝酸アンモニウム 120g 25%アンモニア水 8.5g 純水を加えて0.70リットルに仕上げる。
【0135】これらのカラーネガ用漂白剤用キットを50
℃湿度30%で3週間保存した。
【0136】保存後の包材の接着面の状態を包材の着色
状態を観察した。また保存後のキットのpHを測定し
た。
【0137】
【表5】
【0138】実施例3 実施例1と同様のカラーペーパー用漂白定着剤用濃縮液
を表6に示す包材に充填した。使用した包材は実施例1
に用いたものに加えて、 q ONy 14μ/EVOH 5μ/LLDPE 40μ r ONy 14μ/ 〃 5μ/ 〃 30μ s ONy 14μ/ 〃 5μ/ 〃 20μ t ONy 14μ/ 〃 5μ/ 〃 10μ u ONy 14μ/PVA 40μ/PET 5μ を追加して実験を行った。実施例1と同様の保存を行な
い、保存前後での重量を測定し、キット内容量の減少率
を求めた。また保存後の包材の接着面の状態を観察し
た。
【0139】
【表6】
【0140】水蒸気透過度が10g/m2・day以下の包材を用
いるのが内容量の減少率が少なくより好ましいことがわ
かる。
【0141】実施例4 ハロゲン化銀カラー写真感光材料(カラーペーパー)の
作成 紙支持体の片面にポリエチレンを、別の面の第1層側に
酸化チタンを含有するポリエチレンをラミネートした支
持体上に表7、表8に示す構成の各層を塗設し、多層ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を作成した。
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】塗布液は下記のように調製した。
【0145】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)26.7g、色素画像安定化剤
(ST−1)100g、(ST−2)6.67g、添加剤(H
Q−1)0.67gを高沸点溶剤(DNP)6.67gに酢酸エ
チル60cc.を加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤
(SU−1)7cc.を含有する10%ゼラチン水溶液220c
c.に超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイ
エローカプラー分散液を作製した。この分散液を下記条
件にて作製した青感性ハロゲン化銀乳剤(銀10g含有)
と混合し第1層塗布液を調製した。
【0146】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調製した。
【0147】又、硬膜剤として第2層及び第4層に(H
−1)を、第7層に(H−2)を添加した。塗布助剤と
しては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加
し、表面張力を調整した。
【0148】上記感光材料に用いた化合物の構造式を以
下に示す。
【0149】
【化9】
【0150】
【化10】
【0151】
【化11】
【0152】
【化12】
【0153】[青感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法]40
℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000cc.中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=6.5、pH=3.0に制御しつつ3
0分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)
をpAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添
加した。
【0154】このとき、pAgの制御は特開昭59-45437号
記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナ
トリウムの水溶液を用いて行った。
【0155】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200cc. (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200cc. (C液) 塩化ナトリウム 102.7g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600cc. (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600cc. 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、粒径
分布の変動係数7%、塩化銀含有率99.5モル%の単分散
立方体乳剤EMP−1を得た。
【0156】上記乳剤EMP−1に対し、下記化合物を
用い50℃にて90分化学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀
乳剤(Em−A)を得た。
【0157】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤(STAB−1) 6×10-4モル/モルAgX 増感色素(BS−1) 4×10-4モル/モルAgX 〃 (BS−2) 1×10-4モル/モルAgX [緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法](A液)と(B
液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変
更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.43μ
m、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%
の単分散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0158】EMP−2に対し、下記化合物を用いて55
℃で120分化学熟成を行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤
(Em−B)を得た。
【0159】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤(STAB−1) 6×10-4モル/モルAgX 増感色素(BS−1) 4×10-4モル/モルAgX [赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法](A液)と(B
液)の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変
更する以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.50μ
m、粒径分布の変動係数8%、塩化銀含有率99.5モル%
の単分散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0160】EMP−3に対し、下記化合物を用いて60
℃で90分化学熟成を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(E
m−C)を得た。
【0161】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤(STAB−1) 6×10-4モル/モルAgX 増感色素(BS−1) 4×10-4モル/モルAgX 上記各乳剤の調製に用いた化合物の構造式を次に示す。
【0162】
【化13】
【0163】この試料を常法に従って露光後、次の処理
工程と処理液を使用して処理を行った。
【0164】 処理工程 処理温度 処理時間 補充量 (1)発色現像 39.0±0.3℃ 20秒 55cc./m2 (2)漂白定着 37.5±0.5℃ 20秒 55cc./m2 (3)安定(3槽カスケード) 30〜34℃ 90秒 248cc./m2 (4)乾 燥 60〜80℃ 30秒 〔発色現像液〕 トリエタノールアミン 10g ジエチレングリコール 10g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5.0g 臭化カリウム 20mg 塩化カリウム 2.5g ジエチレントリアミン五酢酸 5g 亜硫酸カリウム 0.2g 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-(β- メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩) 6.0g 炭酸カリウム 25g 炭酸水素カリウム 5g 水を加えて全量を1リットルとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH10.10に調整する 。
【0165】 〔発色現像補充液〕 トリエタノールアミン 14.0g ジエチレングリコール 12g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 7.5g 塩化カリウム 0.1g ジエチレントリアミン五酢酸 7.5g 亜硫酸カリウム 0.3モル 発色現像主薬(3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-(β- メタンスルホンアミドエチル)-アニリン硫酸塩) 9.8g 炭酸カリウム 30g 炭酸水素カリウム 1g 水を加えて全量を1lとし、水酸化カリウム又は硫酸でpH10.65に調整する。
【0166】漂白定着補充液 実施例1と同様の方法で以下の10l分の漂白定着剤用キ
ットを作成した。
【0167】 漂白定着剤用キット パートA チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 1000ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 900g メタ亜硫酸ナトリウム 300g 純水を加え2.0リットルに仕上げ容器に充填した。
【0168】 パートB エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 550g エチレンジアミン4酢酸 30g 純水を加え1.70リットルに仕上げ容器に充填した。
【0169】 パートC 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 2.2モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え0.75リットルに仕上げる。
【0170】 漂白定着剤用キット パートA チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 1000ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 900g メタ亜硫酸ナトリウム 300g 90%あるいは一般式〔B〕で示される化合物 1.1モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え2.38リットルに仕上げ容器に充填した。
【0171】 パートB エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム2水塩 550g エチレンジアミン4酢酸 30g 90%酢酸あるいは一般式〔B〕で示される化合物 1.1モル (カルボキシル基換算での添加モル数) 純水を加え2.08リットルに仕上げる。
【0172】これらのカラーペーパー用漂白定着剤用キ
ットを50℃,湿度30%で3週間保存したものを溶解して
漂白定着補充液とした。
【0173】漂白定着液 上記漂白定着液を水で各添加剤の濃度を0.8倍にしpH7.
0に調整した。
【0174】 安定液及び補充液 オルトフェニルフェノール 0.1g ユビテックスMST(チバガイギー社製) 1.0g ZnSO4 0.2g 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 5.0cc. 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(60%溶液) 5.0g エチレンジアミン4酢酸 1.5g アンモニア水又は硫酸でpH7.8とすると共に水で1リットルとする。
【0175】次に、先に作成したカラーペーパー及び処
理液を用いて、ランニング処理を行った。
【0176】ランニング処理は自動現像機に上記の発色
現像タンク液を満たすと共に、漂白定着タンク液及び安
定タンク液を満たし、前記カラーペーパー試料を処理し
ながら上記した発色現像補充液と漂白定着補充液と安定
補充液を定量ポンプを通じて補充しながら行った。
【0177】ランニング処理は漂白定量タンク液中に補
充された漂白定着タンク液の量が漂白定着タンク液の容
量の3倍になるまで、連続処理を行った。
【0178】処理後、カラーペーパーを二つに分け、一
つは蛍光X線にて照射露光部の残存銀量を測定した。も
う一つは、未露光部のイエロー濃度を測定した。
【0179】
【表9】
【0180】上記表9より明らかなように、本発明の場
合、良好な脱銀性能を得ることができ、またYステイン
も低く押えることができる。
【0181】実施例5 実施例4と同様のカラーペーパーを作成し、同様のラン
ニング処理を行なう。
【0182】下記表10のように包材を種類を変える。実
施例4と同様の評価を行なった。ただし漂白定着剤用キ
ットを用いた。
【0183】
【表10】
【0184】表10から明らかなように、水蒸気透過度が
10g/m2・day以下の包材を用いることが脱銀性能及びYス
テインに本発明の効果をよりよく表す。
【0185】
【発明の効果】本発明によれば、キット保存性が向上
し、キット包材の劣化等の改良がなされ、保存後のキッ
トを用いて処理したとき良好な写真性能が得られるハロ
ゲン化銀写真感光材料用処理剤キット及び該キット処理
方法で提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料用処理
剤容器の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1のII-II線断面図である。
【図3】本発明の好ましい処理剤容器のヒートシール部
と切り取り線を表す図である。
【図4】本発明の好ましい処理剤容器のヒートシール部
と切り取り線を表す図である。
【符号の説明】
1 本体 2 底部 3 ヒートシール部 L 切り取り線

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料用処理剤キッ
    トにおいて、下記一般式〔B〕で示される化合物を少な
    くとも一つ含有することを特徴として、該キットの包材
    が可撓性を有する容器であり、かつ該包材の酸素透過度
    が5.0cc/24hrs.atm以下であることを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料用処理剤キット。 一般式〔B〕 X2-A-COOM3 式中X2は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アミノ基
    又は−COOM3を表す。Aは飽和、不飽和のアルキレン基
    を表し、置換基を有していてもよい。M3は水素原子、
    アンモニウム基、アルカリ金属原子又は有機アンモニウ
    ム基を表す。
  2. 【請求項2】 該キットの包材の水蒸気透過度が10.0g
    /m2・day以下であることを特徴とする請求項1記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット。
  3. 【請求項3】 該キットの包材が多層構成されているこ
    とを特徴とする請求項1及び2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料用処理剤キット。
  4. 【請求項4】 該処理剤キットが漂白能を有する処理液
    を含有することを特徴とする請求項1.2.3記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料用処理剤キット。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀写真感光材料を請求項1に
    記載のキットから作成された処理液で処理することを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 該キットの包材の水蒸気透過度が10.0g
    /m2・day以下であることを特徴とする請求項5記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  7. 【請求項7】 該処理剤キットが漂白能を有する処理液
    を含有することを特徴とする請求項5又は6記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用処理剤キットの処理方法。
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