JP3012288B2 - 遊星歯車変速機 - Google Patents

遊星歯車変速機

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JP3012288B2
JP3012288B2 JP2156399A JP15639990A JP3012288B2 JP 3012288 B2 JP3012288 B2 JP 3012288B2 JP 2156399 A JP2156399 A JP 2156399A JP 15639990 A JP15639990 A JP 15639990A JP 3012288 B2 JP3012288 B2 JP 3012288B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は3組の遊星歯車列を用いて構成した遊星歯車
変速機に関する。
(従来の技術) 遊星歯車変速機は自動車の自動変速機用等として広く
用いられている。従来の遊星歯車変速機は、ラビニヨ歯
車列、シンプソン歯車列等のように2組の遊星歯車を一
体に組合わせて構成した変速機が多く、この場合には、
変速段としては前進4速までのものが一般的であった。
しかしながら、走行特性の向上等を目的として変速段の
多段化の要求があり、このため、従来から前進5速以上
の変速段を有する変速機が提案され、一部実用化されて
いる。
このような多段化された変速機としては、例えば、特
開昭63−318349号公報、実開昭61−103654号公報に開示
の変速機がある。この変速機においては、2組の遊星歯
車列にそれぞれ3つのクラッチおよびブレーキを組合わ
せて前進6段、後進1段の変速機を構成している。この
ような構成の変速機の場合には、遊星歯車列は従来と同
様に2組で良く、従来の変速機と部品の共通化が図れる
といった利点がある。しかし、この変速機においては、
同時に2つの係合手段(クラッチもしくはブレーキ)の
係合を解除するとともに別の2つの係合手段を係合させ
るという操作が必要となる変速が生じるのが避けられ
ず、変速制御が複雑となるという問題がある。
例えば、上記公報に開示の変速機の場合には、2速か
ら3速への変速もしくはこれと逆の変速に際して1つの
クラッチおよび1つのブレーキの係合を解除するととも
に、これらとは別のクラッチおよびブレーキを係合させ
る必要がある。
一方、例えば、特開昭59−222644号公報や、特開平1
−320362号公報には、3組の遊星歯車列を有した変速機
が提案されている。この提案の変速機では、各遊星歯車
列における2つの要素をそれぞれ他の遊星歯車列の要素
に機械的に連結し、これに4つのクラッチおよび3つの
ブレーキを取り付け、これら係合手段(クラッチおよび
ブレーキ)の作動制御により前進5速、後進1速の一体
遊星歯車変速機を構成している。このような構成の変速
機では、前進5速の間での隣り合う全ての変速を、1つ
の係合手段(クラッチもしくはブレーキ)の係合を解除
をするとともに別の1つの係合手段を係合させて行うこ
とができ、上述のように制御が複雑になるという問題は
生じない。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような3組の遊星歯車列を用いた
一体遊星歯車変速機においては、いくつかの速度レンジ
(例えば、LOW(1ST)レンジ)において、遊星歯車の要
素(サンギヤ、キャリアおよびリングギヤ)のいずれか
がエンジン回転(入力回転)よりかなり高速度で回転す
るという問題、すなわち、いずれかの要素が過回転する
という問題がある。このため、この形式の一体遊星歯車
変速機は、ディーゼルエンジン等のような低回転型エン
ジンには適用できても、高回転型のエンジンに適用する
のが難しいという問題がある。
なお、4速から5速へ多段化するに際して、変速比の
範囲、すなわち、1速(LOW)から5速までの変速比の
幅は、4速の場合より広げて走行特性を向上させること
が要求されることが多く、このように変速比の範囲を広
げた場合、上記過回転の問題がさらに大きくなりやす
い。
本発明はこのような問題に鑑みたもので、変速制御が
容易で、且つ過回転の問題が生じないようにした3組の
遊星歯車列を用いた遊星歯車変速機を提供することを目
的とする。
ロ.発明の構成 (課題を解決するための手段) このような目的達成のため、本発明においては、それ
ぞれサンギヤ要素、キャリア要素及びリングギヤ要素を
有してなる第1、第2および第3遊星歯車列G1,G2,G3が
同軸上に並列配置するとともに、第1遊星歯車列G1を構
成する2つの要素と第2遊星歯車列G2を構成する2つの
要素とをそれぞれ連結させて第1および第2遊星歯車列
を一体に、連結し、さらに、このように一体となった第
1および第2遊星歯車列に、クラッチ手段(例えば、実
施例における第1〜第3クラッチK1,K2,K3)を介して係
脱自在に入力部材1を連結し、出力部材2を直接連結
し、且つ、所定の要素を固定保持する第1のブレーキ手
段(例えば、実施例における第2もしくは第3ブレーキ
B2,B3)を取り付けており、一方、第3遊星歯車列G3を
構成する1つの要素を入力部材1に直接連結するととも
にクラッチ手段(例えば、実施例における第1〜第3ク
ラッチK1,K2,K3)を介して一体構成の第1および第2遊
星歯車列G1,G2に連結し、第3遊星歯車列G3を構成する
別の1つの要素を出力部材2に直接連結し、第3遊星歯
車列G3を構成する残りの1つの要素にこれを固定保持可
能な第2のブレーキ手段(例えば、実施例における第1
ブレーキB1)が取り付けられて遊星歯車変速機を構成し
ている。
(作用) このような構成の遊星歯車変速機を用いた場合には、
一体構成の第1および第2遊星歯車列と入力部材とのク
ラッチ手段を介した連結をこのクラッチ手段により切り
離し、さらに、一体構成の第1および第2遊星歯車列と
第3遊星歯車列とのクラッチ手段を介した連結もこのク
ラッチ手段により切り離すことにより、第3遊星歯車列
のみによりLOWレンジ用の減速比設定を行うことが可能
となる。前述のようにLOWレンジにおいて遊星歯車を構
成するギヤ要素の過回転の問題が生じやすいのである
が、このように第1および第2遊星歯車列を切り離して
第3遊星歯車列のみによりLOWレンジを設定すれば、LOW
レンジにおいてギヤ要素の過回転の問題が生ずることが
なくなる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明に係る変速機の具体的構成
について説明する。
本発明に係る変速機を代表する構成としては、以下に
示す2つのタイプを挙げることができ、以下、それぞれ
タイプ1,2と称し、各タイプ毎に分けて説明する。
タイプ1 タイプ1の遊星歯車変速機のスケルトンを第1図に示
しており、この変速機は、同軸上に並列に配置された第
1、第2および第3遊星歯車列G1,G2,G3を有する。但
し、本タイプの変速機の場合には、第1および第2遊星
歯車列G1,G2のキャリアC1とリングギヤR1とが共通であ
り、両歯車列G1,G2が一体となってラビニヨ歯車列を構
成している。このラビニヨ遊星歯車列G1,G2は、変速機
入力軸1と同軸に並列に配設されたラージサンギヤSL
よびスモールサンギヤSS、このスモールサンギヤSSに噛
合してこのスモールサンギヤSSの周りを自転しながら公
転するショートピニオンPS、このショートピニオンPS
噛合するとともにラージサンギヤSLにも噛合してラージ
サンギヤSLの周りを自転しながら公転するロングピニオ
ンPL、ショートピニオンPSおよびロングピニオンPLを回
転自在に且つ一体に保持してラージおよびスモールサン
ギヤSL,SSの軸を中心に回転するラビニヨ用キャリアC
1、並びにロングピニオンPLに噛合する内歯を有したラ
ビニヨ用リングギヤR1から構成される。この場合、第1
遊星歯車列G1は、ラージサンギヤSL、ラビニヨ用キャリ
アC1およびラビニヨ用リングギヤR1から構成され、第2
遊星歯車列G2はスモールサンギヤSS、ラビニヨ用キャリ
アC1およびラビニヨ用リングギヤR1から構成される。
また、第3遊星歯車列G3は、第3サンギヤS3と、第3
ピニオンP3と、第3キャリアC3と、第3リングギヤR3と
から構成される。
このような遊星歯車列構成において、ラージサンギヤ
SLは第1クラッチK1を介して係脱自在に入力軸1に連結
され、且つ、このラージサンギヤSLを固定保持可能な第
3ブレーキB3が取り付けられている。ラビニヨ用キャリ
アC1は第2クラッチK2を介して係脱自在に入力軸1に連
結され、且つこのラビニヨ用キャリアC1を固定保持可能
な第2ブレーキB2が取り付けられている。スモールサン
ギヤSSは第3クラッチK3を介して係脱自在に入力軸1に
連結されている。一方、第3サンギヤS3は入力軸1に直
接連結され、第3キャリアC3はラビニヨ用リングギヤR1
および出力ギヤ2と連結されており、第3リングギヤR3
にはこれを固定保持可能な第1ブレーキB1が取り付けら
れている。
以上のようにして各要素(サンギヤ、キャリアおよび
リングギヤ)、入力軸1および出力ギヤ2を連結して構
成した変速機において、第1〜第3クラッチK1〜K3およ
び第1〜第3ブレーキB1〜B3の係脱制御を行うことによ
り、変速段の設定および変速制御を行うことができる。
具体的には、第2図の表に示すように、係脱制御を行え
ば、前進5速(LOW,2ND,3RD,4THおよび5TH)、後進1速
(REV)を設定できる。なお、第2図の表において、○
印のクラッチおよびブレーキが係合されていることを示
す。但し、LOWレンジにおける第2ブレーキB2は係合さ
れるが駆動力伝達には寄与しないため、括弧を付けてい
る。なお、各速度レンジでの減速比(レシオ)は、各ギ
ヤの歯数により変化するが、第2図にこのレシオの一例
を参考として示している。
この表から分かるように、前進側5速(LOW〜5TH)の
各変速レンジはクラッチ、ブレーキ(これらを係合手段
と称する)の内の2つを係合させて設定される。また、
隣り合う変速レンジ間での変速に際しては、これら2つ
の係合手段のうちの1つを解放し、別の1つの係合手段
を係合させて行うようになっており、2つの係合手段の
同時解放もしくは同時係合を行うことはない。このた
め、変速制御が簡単である。
上記構成のタイプ1の変速機における各要素の速度の
関係を示す速度線図を第3図〜第5図に示しており、こ
れに基づいて、各速度レンジでの減速比について説明す
る。なお、ラビニヨ歯車列を構成する第1および第2遊
星歯車列G1,G2は常に一体であるため、この線図におい
ても合体して示している。さらに、第2遊星歯車列G2は
スモールピニオンPSおよびラージピニオンPLからなるダ
ブルピニオンタイプの歯車列であるため、サンギヤに対
するリングギヤの回転方向がシングルピニオンタイプの
歯車列とは反対であるため、線図上でのキャリアC1に対
するリングギヤR1とサンギヤSSとの位置関係が他の歯車
列とは逆になっている。
この速度線図においては、各遊星歯車列に対応する線
図において、各縦線がその構成要素を示すとともに縦線
の長さが回転数に対応する。さらに、各縦線の間隔は、
サンギヤの歯数の逆数およびリングギヤの歯数の逆数に
比例する。
例えば、第3遊星歯車列G3の場合には、3本の縦線
は、右から順に、第3サンギヤS3、第3キャリアC3、第
3リングギヤR3に対応し、各縦線の上方向への長さが前
進方向の回転数を示す。また、第3サンギヤS3を示す縦
線と第3キャリアC3を示す縦線との間隔“a"は、第3サ
ンギヤS3の歯数Zsの逆数(=1/Zs)に対応し、第3キャ
リアC3を示す縦線と第3リングギヤR3を示す縦線との間
隔“b"は、第3リングギヤR3の歯数Zrの逆数(=1/Zr)
に対応する(第3図参照)。
まず、LOWレンジの場合には、全クラッチK1〜K3およ
び第3ブレーキB3が解放され、第1および第2ブレーキ
B1,B2が係合される。この場合、第3クラッチK3が解放
されているため、第3遊星歯車列G3は、上記一体になっ
た第1および第2遊星歯車列G1,G2(ラビニヨ歯車列)
とは分離され、第3遊星歯車列G3の1つの要素(第3キ
ャリアC3)のみが第1および第2遊星歯車列G1,G2と連
結されるだけとなる。
ここで、入力軸1の回転数をn0とすると、この入力軸
1に連結する第3サンギヤS3の回転数もn0であり、第3
リングギヤR3は第1ブレーキB1により固定されているた
め、第3図に示しているように、両状態を表す点を結ぶ
点線直線L1と第3キャリアC3を示す縦線との交点の回転
数n1が第3キャリアC3すなわち出力ギヤ2の回転数とな
る。
第3キャリアC3はラビニヨ用リングギヤR1と連結され
ているため、このラビニヨ用リングギヤR1も回転数n1
回転する。ここで第1および第2遊星歯車列(ラビニヨ
歯車列)G1,G2においては、第2ブレーキB2によりラビ
ニヨ用キャリアC1が固定されているため、n1回転のラビ
ニヨ用リングギヤR1と固定保持されたラビニヨ用キャリ
アC1の状態を示す点を結ぶ点線直線L1′を引き、この点
線直線L1′との交点が第1および第2遊星歯車列の各要
素の回転数となる。この図から分かるように、この場合
のスモールサンギヤSSの回転数はn11であり、ラージサ
ンギヤSLの回転数はn12であるが、その値はいずれも入
力回転n0より小さく、過回転となるおそれはない。
次に、2速〜4速の場合について、第4図を用いて説
明する。この速度レンジの場合には、第3クラッチK3が
係合され、スモールサンギヤSSが入力軸1と連結され、
この結果、スモールサンギヤSSは第3サンギヤS3と連結
される。このため、第1〜第3遊星歯車列G1〜G3の各2
つの要素が相互に連結され、全ての遊星歯車列が一体に
合体された状態となり、速度線図も第4図のように合体
して表される。
まず、2速のときには、第2ブレーキB2は係合された
ままであり、ラビニヨ用キャリアC1が固定保持される。
なお、スモールサンギヤSSおよび第3サンギヤS3は入力
軸1と同一の回転数n0で回転する。このため、両状態を
表す点を結んだ点線直線L2と各要素を表す縦線との交点
が各要素の回転数となり、ラビニヨ用リングギヤR1およ
び第3キャリアC3を示す縦線との交点の回転数n2が出力
ギヤ2の回転数となる。同様に、第3リングギヤR3の回
転数はn21であり、ラージサンギヤSLの回転数はn22であ
る。この図から分かるように、いずれの要素の回転数も
入力軸の回転数n0以下であり、過回転の問題はない。
3速のときには、第2ブレーキB2が解放されるととも
にこれに代えて第3ブレーキB3が係合され、ラージサン
ギヤSLが固定保持される。このため、点線直線L3との交
点が各要素の回転数となり、ラビニヨ用リングギヤR1お
よび第3キャリアC3を示す縦線との交点の回転数n3が出
力ギヤ2の回転数となる。同様に、第3リングギヤR3の
回転数はn31であり、ラビニヨ用キャリアC1の回転数はn
32である。この場合においても、いずれの要素の回転数
も入力軸の回転数n0以下であり、過回転の問題はない。
4速のときには、第3ブレーキB3が解放され、第3ク
ラッチK3に加えて第2クラッチK2が係合される。このた
め、第1〜第3遊星歯車列G1〜G3全体が一体になって入
力軸1と同一回転する。線図上では、横に延びた実線直
線L4とラビニヨ用リングギヤR1および第3キャリアC3を
示す縦線との交点の回転数n4(=n0)が出力ギヤ2の回
転数となる。この線図から分かるように、全要素の回転
数が入力回転n0と同一であり、この場合にも過回転は生
じない。
次に、5速の場合には、第3クラッチK3が解放され、
第3遊星歯車列G3は第1および第2遊星歯車列G1,G2か
ら分離され、速度線図は第5図のようになる。5速では
第3ブレーキB3が係合されてラージサンギヤSLが固定保
持される。一方、第2クラッチK2は係合されたままであ
り、このため、ラビニヨ用キャリアC1が入力軸1と同一
回転数n0で駆動される。このため、点線直線L5との交点
が各要素の回転数となり、ラビニヨ用リングギヤR1を示
す縦線との交点の回転数n5が出力ギヤ2の回転数とな
る。また、スモールサンギヤSSの回転数はn51となる。
なお、第3遊星歯車列G3においては、第3キャリアC3
が上記回転数n5で回転し、入力軸1に連結する第3サン
ギヤS3が入力回転数n0で回転するため、両状態を示す点
を結ぶ点線直線L5′との交点の回転数から、第3リング
ギアR3の回転数がn52となる。これら回転数n51,n52はと
もに入力回転数n0より大きくなるが、5速で走行の場合
には車速が大きいので走行抵抗が大きく、エンジンがあ
まり高回転領域まで使用されることはほとんどなく、こ
のような過回転の問題が生じることはほとんどない。
リバース(REV)の場合にも、第3クラッチK3が解放
され、第3遊星歯車列G3は第1および第2遊星歯車列G
1,G2から分離されるので、速度線図は第5図のようにな
る。リバースでは第2ブレーキB2が係合されてラビニヨ
用キャリアC1が固定保持される。一方、第2クラッチK2
に代えて第1クラッチK1が係合され、このため、ラージ
サンギヤSLが入力軸1と同一回転数で駆動される。この
ため、両状態を示す点を結ぶ点線直線LRとの交点が各要
素の回転数となり、ラビニヨ用リングギヤR1を示す縦線
との交点の回転数nR(負の値)が出力ギヤ2の回転数と
なる。また、スモールサンギヤSSの回転数はnR1とな
る。
なお、この場合にも、第3遊星歯車列G3においては、
第3キャリアC3が上記回転数nRで回転し、入力軸1に連
結する第3サンギヤS3が入力回転数n0で回転するため、
両状態を示す点を結ぶ点線直線LR′との交点から、第3
リングギヤR3の回転数がnR2となる。これら回転数nR1,n
R2はともに負の値であるが、その絶対値は入力回転数n0
より大きくなる。しかし、リバースにおいてエンジンを
フルスロットル状態で使用することはほとんどなく、こ
の場合にも過回転の問題が生じることはほとんどない。
タイプ 2 タイプ2の遊星歯車変速機のスケルトンを第6図に示
しており、この変速機は、同軸上に並列に配置された第
1、第2および第3遊星歯車列G1,G2,G3を有する。各遊
星歯車列はそれぞれ、中央に位置する第1〜第3サンギ
ヤS1,S2,S3と、これら第1〜第3サンギヤに噛合してそ
の回りを自転しながら公転する第1〜第3プラネタリピ
ニオンP1,P2,P3と、このピニオンを回転自在に保持して
ピニオンの公転と同一回転する第1〜第3キャリアC1,C
2,C3と、上記ピニオンと噛合する内歯を有した第1〜第
3リングギアR1,R2,R3とから構成される。
第3サンギヤS3は入力軸に連結され、第3キャリアC3
は第1キャリアC1および第2リングギヤR2に連結される
とともに出力ギヤ2にも連結されている。第3リングギ
ヤR3にこれを固定保持可能な第1ブレーキB1が取り付け
られている。第1サンギヤS1は第3クラッチK3を介して
入力軸1に係脱自在に連結されている。第1リングギヤ
R1は第2キャリアC2と連結され、これら第1リングギヤ
R1および第2キャリアC2は第2クラッチK2を介して係脱
自在に入力軸1と連結する。さらに、これら第1リング
ギヤR1および第2キャリアC2にはこれらを固定保持可能
な第2ブレーキB2が取り付けられている。第2サンギヤ
S2は第1クラッチK1を介して係合脱自在に入力軸1に連
結され、且つこの第2サンギヤS2を固定保持可能な第3
ブレーキB3が取り付けられている。
この構成から分かるように、第1および第2遊星歯車
列G1,G2においては、第1キャリアC1と第2リングギヤR
2が連結されるとともに第1リングギヤR1と第2キャリ
アC2とが連結されており、すなわち、各2要素が連結さ
れており、両歯車列G1,G2は一体となってシンプソン歯
車列を形成している。
以上のようにして各要素(サンギヤ、キャリアおよび
リングギヤ)、入力軸1および出力ギヤ2を連結して構
成した変速機において、第1〜第3クラッチK1〜K3およ
び第1〜第3ブレーキB1〜B3の係脱制御を行うことによ
り、変速段の設定および変速制御を行うことができる。
具体的には、第7図の表に示すように、係脱制御を行え
ば、前進5速(LOW,2ND,3RD,4THおよび5TH)、後進1速
(REV)を設定できる。
この表から分かるように、前進側5速(LOW〜5TH)の
各変速レンジはクラッチ、ブレーキ(これらを係合手段
と称する)の内の2つを係合させて設定される。また、
隣り合う変速レンジ間での変速に際しては、これら2つ
の係合手段のうちの1つを解放し、別の1つの係合手段
を係合させて行うようになっており、2つの係合手段の
同時解放もしくは同時係合を行うことはない。このた
め、変速制御が簡単である。
上記構成のタイプ2の変速機における各要素の速度の
関係を示す速度線図を第8図に示している。この場合に
もこの速度線図を用いて各変速レンジでのギヤ比を求め
ることができるが、その説明は省略する。
以上のように、本発明の変速機は、ラビニヨ歯車列も
しくはシンプソン歯車列からなる第1および第2遊星歯
車列に、シンプル遊星歯車列である第3遊星歯車列を組
合わせて構成されている。このため、従来4速用変速機
として用いられていたラビニヨ歯車列もしくはシンプソ
ン歯車列をそのまま用いて5速用変速機を作ることがで
き、従来の変速機との部品の互換性を維持することがで
きる。
また、上記実施例から良く分かるように、3つのクラ
ッチK1,K2,K3はいずれも入力軸1との連結部に用いられ
ており、そのトルク容量は入力軸トルクでよく、クラッ
チ容量が小さくて良いという利点がある。逆に言えば、
例えば、入力軸より下流側における歯車列により減速さ
れた部分にクラッチを配設した場合には、このクラッチ
部の伝達トルクは入力トルクより大きくなり、クラッチ
容量もその分大きくする必要があるが、本例の場合には
このような問題がない。
ハ.発明の効果 以上説明したように、本発明においては、一体構成の
第1および第2遊星歯車列と入力部材との連結をクラッ
チ手段により切り離し、さらに、一体構成の第1および
第2遊星歯車列と第3遊星歯車列との連結もクラッチ手
段により切り離すことができるように構成されているの
で、第3遊星歯車列のみによりLOWレンジ用の減速比設
定を行うことが可能であり、ギヤ要素の過回転の問題が
生じやすいLOWレンジを第1および第2遊星歯車列を切
り離して第3遊星歯車列のみにより設定することがで
き、LOWレンジにおけるギヤ要素の過回転の問題を確実
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第6図はそれぞれ本発明に係る遊星歯車変
速機の構成を示すスケルトン図、 第2図および第7図は、上記変速機でのクラッチ、ブレ
ーキの作動と変速レンジとの関係を示す表図、 第3図から第5図および第8図は、上記第1図および第
6図の変速機の各要素の速度関係を表す速度線図であ
る。 1……入力軸、2……出力ギヤ G1,G2,G3……遊星歯車列 S1,S2,S3,SS,SL……サンギヤ C1,C2,C3……キャリア R1,R2,R3……リングギヤ B1,B2,B3……ブレーキ K1,K2,K3……クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 洋一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 菊池 公彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 新山 常文 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 熊谷 頼範 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 阪口 伸一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 熊谷 智治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−28334(JP,A) 特公 昭46−39961(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/44 - 3/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれサンギヤ要素、キャリア要素及び
    リングギヤ要素を有してなる第1、第2および第3遊星
    歯車列が同軸上に並列配置され、 前記第1遊星歯車列を構成する2つの要素が前記第2遊
    星歯車列を構成する2つの要素にそれぞれ連結されて第
    1および第2遊星歯車列が一体に連結され、 この一体となった第1および第2遊星歯車列には、クラ
    ッチ手段を介して係脱自在に入力部材が連結され、出力
    部材が直接連結され、且つ、所定の要素を固定保持する
    第1のブレーキ手段が取り付けられており、 前記第3遊星歯車列を構成する1つの要素が前記入力部
    材に直接連結されるとともにクラッチ手段を介して前記
    一体となった第1および第2遊星歯車列に連結され、前
    記第3遊星歯車列を構成する別の1つの要素が前記出力
    部材に直接連結され、前記第3遊星歯車列を構成する残
    りの1つの要素にこれを固定保持可能な第2のブレーキ
    手段が取り付けられていることを特徴とする遊星歯車変
    速機。
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