JP3011507U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 雑芥やゴム屑、プラスチック類、厨芥等の混
合雑芥等を無煙、無臭、無公害状態で焼却処理し、その
際の発生熱エネルギーを温水器等に使用可能にする。 【構成】 底部にロストル１３を持つ一次燃焼室１を形
成する燃焼炉体２を二重鋼板水冷ジャケット６で構成
し、２の一端側に焼却物投入口７と焼却灰排出口８とを
設け、７と８にそれぞれ開閉自在の密閉用扉９、１０を
設け又１０に燃焼空気供給調節口１４を設ける。他方、
２の他端閉塞側には一次燃焼室１に連通して二次燃焼室
３と共に排気口４に連通する排気筒５を設け、５には二
次燃焼室３に空気を供給する昇温バーナ１５を設け、ま
た、２の閉塞端側には水冷ジャケット６に水を供給する
フロート式レベル保持水タンク１７と温水を取出す開閉
弁１９を設け、更に、２の上部には蒸気を排出する蒸気
排出筒２１を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、紙屑、木屑、ウエス等の雑芥や、これら雑芥にゴム屑、プラスチッ ク類、厨芥等が少量混ざった混合雑芥を無煙、無臭、無公害状態で焼却処理する 焼却炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の焼却炉としては、種々の形式のものが提案されている。これら の基本形は、雑芥等の焼却物の投入口を有し燃焼室を形成する燃焼炉体と、燃焼 室に連通する排気筒とからなり、燃焼炉体には投入口を開閉する扉と、燃焼室に 燃焼空気を供給する１次空気吸入口が設けられている。

【０００３】 また、上記基本形の改良形として、燃焼効率を良くするために、燃焼室に強制 的に２次空気を供給する送風器を設けたり、燃焼を助成する助燃バーナーを設け たものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の焼却炉にあっては、いづれのものも焼却処理 する雑芥の種類により、特にゴム屑やプラスチック類が少量混ざった混合雑芥を 焼却する場合に、黒煙と悪臭が発生して環境に悪影響を及ぼすという問題があっ た。

【０００５】 これに対し、排気筒からの排気をクリーンにするために、燃焼室と排気筒との 間に、例えばサイクロン式集塵器を設けたものがあるが、無煙状態にするまでに は至らず、しかも装置が大型化すると共にコスト高になるという問題があった。

【０００６】 そこで本考案は、紙屑、木屑、ウエス等の雑芥や、これら雑芥にゴム屑、プラ スチック類、厨芥等が少量混ざった混合雑芥を無煙、無臭、無公害状態で焼却処 理することができると共に、その際に発生する熱エネルギーを利用して温水器等 に使用することができる焼却炉を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の焼却炉は、底部にロストルを備え、一 次燃焼室を形成する燃焼炉体を二重鋼板水冷ジャケットで構成し、該燃焼炉体の 一端側には焼却物投入口と焼却灰排出口とを設け、前記焼却物投入口と前記焼却 灰排出口にそれぞれ密閉用扉を開閉自在に設けると共に前記焼却灰排出口の密閉 用扉に燃焼空気供給調節口を設け、他方、前記燃焼炉体の他端閉塞側には前記一 次燃焼室に連通して二次燃焼室を形成すると共に上端の排気口に連通する排気筒 を設け、該排気筒には二次燃焼室に連通し燃焼ガスを昇温させると共に空気を供 給する昇温用バーナを設け、また、前記燃焼炉体の閉塞端側には前記水冷ジャケ ットに連通し該水冷ジャケットに水を供給するフロート式レベル保持水タンクを 設けると共に温水を取出す開閉弁を設け、さらに、前記燃焼炉体の上部には前記 水冷ジャケットに連通し該水冷ジャケット内で発生する蒸気を排出する蒸気排出 筒を設けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

上記焼却炉では、燃焼炉体の一次燃焼室に投入された雑芥は、燃焼空気供給調 節口から吸入される適量の燃焼空気によって一次燃焼し燃焼ガス化される。

【０００９】 この燃焼ガスは、排出筒の二次燃焼室に流れる。二次燃焼室では昇温用バーナ の火炎で高温になっているので、二次燃焼室に流れる燃焼ガスは引火点以上に熱 せられ、前記昇温用バーナから供給される空気中の酸素に触れて二次燃焼し、上 端排気口に達するまでに完全に二酸化炭素に変化していることは勿論、不完全燃 焼によって生じたススも完全に酸化し、また、臭気の原因となる化学成分も高温 雰囲気で酸化されるとか分解されるとかして無臭になる。

【００１０】 従って、紙屑、木屑、ウエス等の雑芥や、これら雑芥にゴム屑、プラスチック 類、厨芥等が少量混ざった混合雑芥を無煙、無臭、無公害状態で焼却処理するこ とが可能となる。

【００１１】 また、二重鋼板水冷ジャケットで燃焼時に発生する熱を吸収し、この熱吸収に よって発生する温湯を利用する温水器として使用することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案に係る焼却炉の一実施例を図１乃至図３により詳細に説明する。

【００１３】 この焼却炉は、雑芥等の焼却物を燃焼させる一次燃焼室１を形成する焼却炉体 ２と、前記一次燃焼室１に連通して二次燃焼室３を形成し上端に排気口４を有す る排気筒５とから構成されている。

【００１４】 燃焼炉体２は鋼管等により所要の直径を有する二重構造の筒状に形成され、そ の両端面も鋼板の二重構造で閉塞し、いわゆる二重鋼板水冷ジャケット６で構成 されている。

【００１５】 燃焼炉体２の一端側には、焼却物投入口７と燃焼灰排出口８とが設けられてい る。

【００１６】 燃焼物投入口７には、投入口密閉用扉９が、また燃焼灰排出口８には、排出口 密閉用扉１０がそれぞれヒンジ１１、１２を介して開閉自在に設けられている。

【００１７】 燃焼炉体２の底部には、ロストル１３が着脱自在に設置され、また、他端の閉 塞側には一次燃焼室１に連通する排気筒５が連設されている。

【００１８】 前記排出口密閉用扉１０には、一次燃焼室１における燃焼空気を調節可能に吸 入する燃焼空気供給調節口１４が設けられている。

【００１９】 排気筒５には、二次燃焼室３に連通し、図示しない燃料タンクに連通する昇温 用バーナ１５が取り付けられている。この昇温用バーナ１５は従来より公知のも のであるので説明を省略する。

【００２０】 燃焼炉体２の閉塞端側には水冷ジャケット６より若干上方に位置させてフロー ト式レベル保持水タンク１７が取り付けられている。この水タンク１７は供給管 １８を介して水冷ジャケット６の下端側に連通されている。

【００２１】 前記フロート式レベル保持水タンク１７は図示しない自動給水弁を備えタンク １７内の水位レベルを常時一定にしておくことにより水冷ジャケット６内の冷却 水のレベルを一定に保つように構成されている。

【００２２】 また、燃焼炉体２の閉塞端側の水冷ジャケット６には、温水を取出す開閉弁１ ９が設けられている。さらに、燃焼炉体２の上部には、水冷ジャケット６に連通 して、該水冷ジャケット６内で発生する蒸気を排出する蒸気排出筒２１が温水タ ンク２２を介して取付けられている。

【００２３】 つぎに、上記一実施例の作用について説明する。

【００２４】 まず、フロート式レベル保持水タンク１７に水を供給し、水冷ジャケット６内 の冷却水のレベルを一定に保持しておく。つぎに、昇温用バーナ１５をＯＮにす る。

【００２５】 そして、投入口密閉用扉９を開けて一次燃焼室１のロストル１３上に雑芥等の 焼却物を投入し、点火した油布等により焼却物に着火する。焼却物に着火した後 は、投入口密閉用扉９を再び閉塞し、燃焼空気供給調節口１４の開度を調節する 。

【００２６】 このようにして着火が完了すると、一次燃焼室１内の雑芥等の焼却物は、燃焼 空気供給調節口１４から吸収される適量の空気によって一次燃焼し燃焼ガス化す る。この燃焼ガスは、排気筒５の二次燃焼室３に流れる。

【００２７】 二次燃焼室３に流れる燃焼ガスは、昇温用バーナ１５の火炎によって高温にな っている空気によって引火点以上に熱せられ、前記昇温用バーナ１５から供給さ れる空気中の酸素に触れて二次燃焼する。

【００２８】 そして、排気筒５の上端排気口４に達するまでに完全に二酸化炭素に変化して いることは勿論、不完全燃焼によって生じたススも完全に酸化し、また、臭気の 原因となる化学成分も高温雰囲気で酸化されるとか分解されるとかして無臭にな っている。

【００２９】 従って、紙屑、木屑、ウエス等の雑芥や、これら雑芥にゴム屑、プラスチック 類、厨芥等が少量混ざった混合雑芥を無煙、無臭、無公害状態で燃焼処理するこ とが可能となる。

【００３０】 また、一次燃焼時に発生する熱を水冷ジャケット６で吸収するので、燃焼炉体 ２の内壁を保護し耐久性に優れる。さらに、水冷ジャケット６で熱吸収によって 発生する温湯を利用して温水器等として使用することができる。

【００３１】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案の焼却炉は、紙屑、木屑、ウエス等の 雑芥や、これら雑芥にゴム屑、プラスチック類、厨芥等が少量混ざった混合雑芥 を一次燃焼で燃焼ガス化し、この燃焼ガスを高温燃焼の二次燃焼によって無煙、 、無臭、無公害状態で焼却処理することが可能となった。

【００３２】 また、燃焼炉体の水冷ジャケットで燃焼の際に発生する熱を吸収し、この熱吸 収によって発生する温湯を利用して温水器等として使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る焼却炉の側断面図であ
る。

【図２】本考案の一実施例に係る焼却炉の正面図であ
る。

【図３】本考案の一実施例に係る焼却炉の背面図であ
る。

【符号の説明】

１…一次燃焼室 ２…燃焼炉体 ３…二次燃焼室 ４…排気口 ５…排気筒 ６…二重鋼板水冷ジャケット ７…焼却物投入口 ８…焼却灰排出口 ９…投入口密閉用扉 １０…排出口密閉用扉 １３…ロストル １４…燃焼空気供給調節口 １５…昇温用バーナ １７…フロート式レベル保持水タンク １９…開閉弁 ２１…蒸気排出筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部にロストル（１３）を備え、一次燃
   焼室（１）を形成する燃焼炉体（２）を二重鋼板水冷ジ
   ャケット（６）で構成し、該燃焼炉体（２）の一端側に
   は焼却物投入口（７）と焼却灰排出口（８）とを設け、
   前記焼却物投入口（７）と前記焼却灰排出口（８）にそ
   れぞれ密閉用扉（９、１０）を開閉自在に設けると共に
   前記焼却灰排出口（８）の密閉用扉（１０）に燃焼空気
   供給調節口（１４）を設け、他方、前記燃焼炉体（２）
   の他端閉塞側には前記一次燃焼室（１）に連通して二次
   燃焼室（３）を形成すると共に上端の排気口（４）に連
   通する排気筒（５）を設け、該排気筒（５）には二次燃
   焼室（３）に連通し燃焼ガスを昇温させると共に空気を
   供給する昇温用バーナ（１５）を設け、また、前記燃焼
   炉体（２）の閉塞端側には前記水冷ジャケット（６）に
   連通し該水冷ジャケット（６）に水を供給するフロート
   式レベル保持水タンク（１７）を設けると共に温水を取
   出す開閉弁（１９）を設け、さらに、前記燃焼炉体
   （２）の上部には前記水冷ジャケット（６）に連通し該
   水冷ジャケット（６）内で発生する蒸気を排出する蒸気
   排出筒（２１）を設けたことを特徴とする焼却炉。