JP3011453U - 釣り用ビク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄冷剤をビクのケース外に装着する。 【構成】 魚を入れるケース１の外側を断熱層２で覆
い、ケースの外側を断熱層ごと保護カバーで覆う。断熱
層にはその壁を内外に貫通する開口凹部４を設ける。開
口凹部に断熱材で出来た蓋６をあてがって蓄冷剤５をケ
ースに押し付ける。これによりビク内の収納スペースが
広がる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、蓄冷剤を着脱し得る釣り用ビクに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、魚等を収納するケースを断熱材で出来たカバーで覆ったビクがあるが、 そのようなビクを保冷する場合はケース内に氷、氷結水筒、蓄冷剤等を入れるよ うにしている。

【０００３】 また、実開昭５５−１４７１７９号は餌箱の蓋の内面に蓄冷剤を固定する考案 について開示するが、これと同様に蓄冷剤をビクのケースの蓋の内側に取り付け ることも提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のように蓄冷剤等をケース内に入れるとそれだけケース内のスペ ースが狭くなり、魚の収納量が減るという問題がある。また、ケースの蓋の開閉 により蓄冷剤等が外気に直に接触し蓄冷剤等が溶け易くなるという問題や、魚体 が蓄冷剤等に直に接触したり溶解した水分に浸ることにより魚体が傷んだり変色 したりする問題や、蓄冷剤等に魚のぬめりが付着し蓄冷剤等の清掃が面倒である とともにケース内部を清潔に保つことが難しいという問題がある。

【０００５】 従って、本考案は、そのような問題点を解決することのできる釣り用ビクを提 供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、魚を入れるケース１の外側が断熱層２で 覆われ、該断熱層２で覆われたケース１の外側が保護カバー３で覆われた釣り用 ビクにおいて、蓄冷剤５を収容するための開口凹部４が上記断熱層２に設けられ 、該開口凹部４内に収納された蓄冷剤５を上記ケース１に装着するための断熱材 で形成された蓋６が該開口凹部４に開閉可能に設けられた構成を採用し、また、 上記釣り用ビクにおいて、蓄冷剤５を保持するための取付補助部材７が上記開口 凹部４に設けられた構成を採用している。

【０００７】

【作用】

蓄冷剤５が断熱層２の開口凹部４内に収納され、その上から蓋６により押えら れてケース１に接触する。これによりケース１内が冷却され、ケース１内の魚等 が保冷される。従って、ケース１内の収納スペースは蓄冷剤５により狭められる ことがなくそれだけ魚等の収納量も増加する。また、魚が蓄冷剤５に接触せず魚 の傷みや蓄冷剤５の汚れが防止される。さらに、ケース１の蓋１ａが開閉されて も蓄冷剤５に外気が直に接触しないので蓄冷剤５の保冷能力がそれだけ長く維持 される。

【０００８】 本考案において、取付補助部材７が開口凹部４に設けられる場合は、蓄冷剤５ が取付補助部材７により開口凹部４内に保持され、蓋６が開かれた際の落下が防 止され、また蓋６の閉じ操作がそれだけ簡易化される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。 図１乃至図４に示されるように、この釣り用ビクは、魚を入れるケース１の外 側が断熱層２で覆われ、上記ケース１の外側が上記断熱層２ごと保護カバー３で 覆われ、上記断熱層２にはこの断熱層２を内外に貫通する開口凹部４が設けられ 、該開口凹部４内に収納された蓄冷剤５を上記ケース１に押し付ける断熱材で出 来た蓋６が該開口凹部４に開閉可能にあてがわれた構成になっている。

【００１０】 ケース１は、金属、合成樹脂等で作られた飯盒状の容器であり、ケース本体（ 図示せず）と該ケース本体の上部開口を開閉するケース蓋１ａとを有している。 断熱層２は、ケース１の側壁に密着する側壁２ａとケース１の底壁に密着する 底壁２ｂとを有し、全体が発泡ポリエチレン、発泡塩化ビニル樹脂等で構成され ている。ケース１はこのような断熱層２により外側が覆われていることから、ケ ース内外間での伝熱が遮断されることとなる。

【００１１】 開口凹部４は断熱層２の側壁２ａに設けられ、蓄冷剤５を収納し易くするため 四角形状に形成されている。蓄冷剤５としては例えば保冷用の薬剤が合成樹脂フ ィルム等で出来た袋に充填されてなる市販品が用いられる。蓄冷剤５は全体とし て薄い偏平体であり、開口凹部４内に挿入され、ケース１の側壁に押し当てられ る。

【００１２】 該開口凹部４には、蓄冷剤５を該開口凹部４内に固定するための取付補助部材 ７が設けられている。該取付補助部材７は例えば合成樹脂等で出来たシート片で あり断熱層２に開口凹部４を横切るように接着、溶着、縫い付け等の適宜手段に より取り付けられている。蓄冷剤５は該取付補助部材７とケース側壁との間に挟 まれることにより開口凹部４に保持されることとなる。

【００１３】 蓋６は開口凹部４に合致した形状になるよう断熱層２と同様な断熱材を用いて 作られており、その上端は開口凹部４の上縁に溶着、接着、縫い付け等の手段に よって一体型ヒンジが形成されるように連結されている。蓋６の下端には面ファ スナーの一方のファスナー部８ａが取り付けられ、断熱層２の底壁２ｂには他方 のファスナー部８ｂが取り付けられている。ファスナー部８ａ，８ｂ同士の係合 により蓋６は断熱層２に強固に固定されることから、蓋６は開口凹部４内の蓄冷 剤５をケース１の側壁に押し付けることとなる。

【００１４】 なお、開口凹部４及び蓋６の設置箇所は断熱層２の側壁２ａに限られることは なく、底壁２ｂに設けることもできる。また、複数箇所に設けることもできる。 また、開口凹部４を図示のものよりも大きく形成することにより蓄冷剤を多く入 れて保冷効果を高めるようにすることもできる。さらに、取付補助部材７は上記 実施例では側壁２ａの外面に設けたが、開口凹部４内に設けることもできる。

【００１５】 保護カバー３は、布、合成樹脂シート等により作られており、断熱層２の側壁 ２ａ及び底壁２ｂを覆うカバー本体３ａと、ケース１の蓋１ａを覆うカバー蓋３ ｂとを有している。カバー蓋３ｂはカバー本体３ａにファスナー９を介して繋が れており、カバー蓋３ｂを開くとケース１の蓋１ａが露出し、該ケース１の蓋１ ａを開ければ直ちに魚等をケース本体に対して出し入れすることができるように なっている。

【００１６】 次に、この釣り用ビクの使用方法について説明する。 蓄冷剤５を装填するには、図１に示されるように、ケース１を断熱層２ごと保 護カバー３から取り出し、面ファスナー８ａ，８ｂを解除して蓋６を開ける。蓋 ６は一体型ヒンジ１０の箇所で折れ曲り、開口凹部４が露出する。この開口凹部 ４内に冷却状態にある蓄冷剤５を収納する。その際、蓄冷剤５を取付補助部材７ とケース１との間に差し込んで固定するようにすれば蓄冷剤５の脱落を防止する ことができる。この後、再び蓋６で開口凹部４を塞ぎ、面ファスナーの両ファス ナー部８ａ，８ｂ間を繋いで蓄冷剤５の装填を終える。

【００１７】 装填された蓄冷剤５は、蓋６により押えられてケース１に接触する。これによ りケース１内が冷却され、魚等の保冷が可能になる。この後、ケース１は断熱ケ ース２ごと保護カバー３内に戻され、ビクとして使用される。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によれば、蓄冷剤がケース外の断熱層の開口凹部内に収納されるので、 それだけケース内のスペースが広がり魚等の収納量が増加する。また、ケースの 蓋が頻繁に開閉されても蓄冷剤に外気が直に接触しないので蓄冷剤の保冷能力が それだけ長く維持される。また、魚体が蓄冷剤に直に接触したり結露した水分等 に浸ったりすることがないので、それだけ魚体の傷みや変色を防止し魚体を新鮮 に保存することができる。さらに、蓄冷剤等に魚のぬめりが付着しないので、蓄 冷剤等の清掃が容易になるとともに蓄冷剤によってケース内部が汚されることな く清潔に保たれることとなる。

【００１９】 本考案において、取付補助部材が開口凹部に設けられる場合は、蓄冷剤が開口 凹部内に保持されることから、蓋が開かれた際の落下が防止され、また蓋の閉じ 操作がそれだけ簡易化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る釣り用ビクの斜視図である。

【図２】断熱層で覆われたケースの斜視図である。

【図３】ケースを覆う断熱層の断熱蓋が開かれた状態を
示す斜視図である。

【図４】断熱層で覆われたケースをその底側から見た斜
視図である。

【符号の説明】

１…ケース ２…断熱層 ３…保護カバー ４…開口凹部 ５…蓄冷剤 ６…蓋 ７…取付補助部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚を入れるケースの外側が断熱層で覆わ
   れ、該断熱層で覆われたケースの外側が保護カバーで覆
   われた釣り用ビクにおいて、蓄冷剤を収容するための開
   口凹部が上記断熱層に設けられ、該開口凹部内に収納さ
   れた蓄冷剤を上記ケースに装着するための断熱材で形成
   された蓋が該開口凹部に開閉可能に設けられたことを特
   徴とする釣り用ビク。
2. 【請求項２】 蓄冷剤を保持するための取付補助部材が
   上記開口凹部に設けられたことを特徴とする請求項１の
   釣り用ビク。