JP3011099U - 内燃機関用ブローオフバルブ - Google Patents

内燃機関用ブローオフバルブ

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JP3011099U
JP3011099U JP1994015087U JP1508794U JP3011099U JP 3011099 U JP3011099 U JP 3011099U JP 1994015087 U JP1994015087 U JP 1994015087U JP 1508794 U JP1508794 U JP 1508794U JP 3011099 U JP3011099 U JP 3011099U
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信一郎 横田
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有限会社京浜精密製作所
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作領域の調節を簡単に行うことができるよ
うにする。 【構成】 スロットルバルブ6の後方に設けられたサー
ジタンク7の圧力を、圧力センサ21によって電気的に
検出する。吸気管5内の空気を排出還流するために電磁
弁22を設ける。基準圧力値P,オフセット量ΔP,弁
開放時間Tを可変抵抗器などから構成される各設定器2
3,24,25によって設定する。制御装置26は、圧
力検出値Dが、基準圧力値Pに到達した後、はじめて弁
作動圧力値(P−ΔP)に到達した場合に、電磁弁22
を弁開放時間Tだけ開放状態にする制御を行う。弁開放
時間Tが経過する前に、圧力検出値Dが基準圧力値Pに
到達したら、弁開放時間Tの経過を待たずに弁を閉鎖す
る。圧力設定器23,時間設定器25は、運転席から設
定操作可能な位置に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は内燃機関用ブローオフバルブ、特に、電気信号を利用して弁の開閉制 御を行うことができる内燃機関用ブローオフバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の出力を向上させるために、過給機を用いて空気をエンジンに強制的 に供給する技術は広く知られている。通常は、エンジンの排気ガスによって過給 機のタービンを回転させ、加圧空気を送り込む方法が採られる。このような過給 機を用いた内燃機関では、スロットルを開いてエンジンを高速回転させている状 態では、タービンによって圧縮された空気がエンジン内に送り込まれ、高出力を 得ることが可能であるが、スロットルを閉じた場合には問題が生じることになる 。すなわち、アクセルペダルを放してスロットルを閉じた状態にしても、過給機 のタービンは慣性力により回転しつづけ、依然として加圧空気が送り込まれる状 態がしばらく続く。スロットルバルブは既に閉じられているので、行き場を失っ た加圧空気は、過給機側に逆流することになる。このような加圧空気の逆流は、 タービンブレードに過大な負荷をかけることになり、タービンの耐久性を損なう 要因となる。
【0003】 このような問題を解決するために、ブローオフバルブが用いられている。すな わち、過給機からスロットルバルブへ至る経路に制御弁を設けておき、通常はこ の制御弁を閉じておくが、スロットルが閉じられたときには、この制御弁を開放 状態にして、過給機側に逆流しようとする空気を排出するのである。従来、一般 に用いられているブローオフバルブは、ダイヤフラム式およびピストン式のもの である。ダイヤフラム式は、スロットルバルブの後方に位置するサージタンクの 負圧によってダイヤフラムを吸引し、弁を開放するものであり、ピストン式は、 サージタンクの負圧によってピストンを動作させて、弁を開放するものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上述した従来のブローオフバルブは、動作領域の調節が困難であるという問題 がある。すなわち、ダイヤフラム式にしても、ピストン式にしても、いずれも機 械的に動作する弁を用いているため、サージタンク側の負圧がどの程度になった ら弁を開放するか、という動作領域の設定は、スプリングの調節などの機械的な 調節手段によらなければならない。しかも、調節すべき制御弁は、エンジンルー ム内に取り付けられているため、調節が必要な場合には、エンジンルームを開い て工具によってスプリングなどの調節を行う作業が必要になる。一般に、ブロー オフバルブの最適な動作領域は、エンジンの状態、ドライバーの運転能力、走行 路の環境、などによって左右され、その都度、設定を変えるのが望ましい。とこ ろが、従来の機械式のブローオフバルブでは、動作領域を設定しなおすたびに、 エンジンルームを開いてスプリングなどを調節する必要があるため、非常に使い ずらいという問題があった。
【0005】 そこで本考案は、動作領域の調節を簡単に行うことができる内燃機関用ブロー オフバルブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本考案の第1の態様は、過給機を備えた内燃機関において、スロットル を閉じたときに過給機側に逆流する空気を排出するために用いられるブローオフ バルブにおいて、 スロットルバルブとエンジンとの間に設けられたサージタンクの圧力を電気的 な検出信号として取り出す圧力センサと、 電気的な制御信号に基づいて開閉し、開放状態においては、過給機からスロッ トルバルブに至る経路内の空気を排出する機能を有する制御弁と、 圧力センサから得られる検出信号の示す圧力値が所定値以下になったときに、 弁を所定時間開放して空気を排出する旨を指示する制御信号を制御弁に与える制 御装置と、 を設けたものである。
【0007】 (2) 本考案の第2の態様は、過給機を備えた内燃機関において、スロットル を閉じたときに過給機側に逆流する空気を排出するために用いられるブローオフ バルブにおいて、 スロットルバルブとエンジンとの間に設けられたサージタンクの圧力を電気的 な検出信号として取り出す圧力センサと、 電気的な制御信号に基づいて開閉し、開放状態においては、過給機からスロッ トルバルブに至る経路内の空気を排出する機能を有する制御弁と、 所定の基準圧力値Pを設定する圧力設定器と、 圧力に関する所定のオフセット量ΔPを設定するオフセット量設定器と、 所定の弁開放時間Tを設定する時間設定器と、 圧力センサから得られる検出信号の示す圧力検出値が、基準圧力値Pに到達し た後、はじめて弁作動圧力値(P−ΔP)に到達した場合に、制御弁を弁開放時 間Tだけ開放状態にすべき制御信号を、制御弁に与えて開閉制御を行う制御装置 と、 を設けたものである。
【0008】 (3) 本考案の第3の態様は、上述の第2の態様に係る内燃機関用ブローオフ バルブにおいて、 制御弁を開放状態にしてから弁開放時間Tが経過する前に、圧力センサから得 られる検出信号の示す圧力検出値が基準圧力値Pに到達した場合には、制御装置 から制御弁に対して、弁開放時間Tの経過を待たずに弁を閉鎖状態にすべき制御 信号を与えるようにしたものである。
【0009】 (4) 本考案の第4の態様は、上述の第2または第3の態様に係る内燃機関用 ブローオフバルブにおいて、 圧力設定器および時間設定器を、車両の室内から設定操作が可能なように構成 したものである。
【0010】
【作 用】
本考案に係る内燃機関用ブローオフバルブは、従来の機械式のブローオフバル ブに対して、電子式のブローオフバルブと言うことができる。サージタンクの圧 力は、圧力センサによって電気信号として検出される。また、過給機側に逆流す る空気を排出する弁として、電気信号によって開閉動作する制御弁が用いられる 。制御装置は、圧力センサから与えられる電気信号の示す圧力値が所定値以下に なったときに、弁を所定時間だけ開放して加圧空気を排出する制御信号を制御弁 に対して与える動作を行うので、スロットルバルブが閉じられたときには、制御 弁が開いて空気が排出されることになる。制御装置は、電気信号に基づいて動作 するので、その調節は、回路素子を利用して容易に行うことができる。
【0011】 また、基準圧力値Pおよびオフセット量ΔPを設定しておき、圧力センサから 得られる検出信号の示す圧力検出値が、基準圧力値Pに到達した後、はじめて弁 作動圧力値(P−ΔP)に到達した場合に、制御弁を開放状態にするようにすれ ば、圧力検出値が上昇している過程で制御弁が作動することはなく、スロットル を開いている加速中に誤って弁が開くことを防止できる。なお、制御弁を開放状 態にする期間を示す弁開放時間Tを自由に設定できるようにしておけば、より自 由度の高い調節が可能になる。また、設定した弁開放時間Tが経過する前に、圧 力検出値が基準圧力値Pに到達した場合には、弁開放時間Tの経過を待たずに弁 を閉じるようにすれば、やはり加速中に弁が開くことを防止できる。
【0012】 更に、圧力設定器および時間設定器を車両の室内に設け、基準圧力値Pおよび 弁開放時間Tの設定を室内から行えるようにしておけば、ドライバーは、エンジ ンルームを開くことなしに、ブローオフバルブの動作領域の調節を行うことがで きるようになる。
【0013】
【実施例】
以下、本考案を図示する実施例に基づいて詳述する。図1は、一般的な内燃機 関の吸排気関連部分を示すモデル図およびこの内燃機関に取り付けられた本考案 に係るブローオフバルブの構成を示すブロック図である。はじめに、図1の上半 分に示された一般的な内燃機関の吸排気関連部分のモデル図を説明する。エアク リーナ1から吸入された空気は、エアフローメータ2を経て吸気管3に取り込ま れ、過給機4によって吸気管5内に送り込まれる。吸気管5内には、図示しない 燃料供給系から気化した燃料が供給され、気化燃料と空気との混合気は、スロッ トルバルブ6を経てサージタンク7内に取り込まれる。サージタンク7内の混合 気は、更に吸気管8を経てエンジン9に供給される。エンジン9のシリンダ内で は、混合気の燃焼により排気ガスが発生する。この排気ガスは、排気管10を通 ってマフラー11へと排出されることになるが、その途中で過給機4のタービン 4aを回転させる。こうして、排気ガスの力を利用してタービン4aを回転させ 、このタービン4aの回転によって、吸気管3内の空気を吸気管5内に強制的に 送り込むのである。
【0014】 図1において、実線の矢印で示す経路は、上述した空気の経路である。スロッ トルバルブ6を開いて、エンジン9を高出力で駆動している間は、過給機4によ って吸気管5内に加圧空気を効率良く送り込むことができる。ところが、スロッ トルバルブ6が閉じられても、過給機4のタービン4aは慣性力をもって回転し 続けるため、吸気管5内には依然として圧縮空気が送り込まれる状態になる。こ のとき、スロットルバルブ6は閉じられており、サージタンク7側へはアイドル に必要な微量の混合気が流れ込むだけであるから、行き場を失った吸気管5内の 圧縮空気は、過給機4側へと逆流することになる。この逆流空気は、タービン4 aを逆方向に回転させる力を作用させるので、タービン4aには過剰な負荷がか かることになり、耐久性を損なわせ、場合によっては破損するような事態も生じ る。
【0015】 ブローオフバルブは、このような現象が生じたときに、吸気管5内の圧縮空気 を外部に排気するためのバルブである。前述したように、従来のブローオフバル ブは、ダイヤフラム式あるいはピストン式といった機械式のバルブであったが、 本考案に係るブローオフバルブは、次のような構成をもった電気式もしくは電子 式のバルブである。
【0016】 この実施例に係るブローオフバルブは、サージタンク7に設けられた圧力セン サ21と、吸気管5の側部に設けられた制御弁22と、図1の下半分のブロック 図に示されている圧力設定器23,オフセット量設定器24,時間設定器25, 制御装置26によって構成されている。ここで、圧力センサ21および制御弁2 2は、いずれもエンジンルーム内の所定箇所に設けられているが、圧力設定器2 3,オフセット量設定器24,時間設定器25,制御装置26は、車両内部の運 転席に設けられている。
【0017】 圧力センサ21は、サージタンク7の内部の圧力値を、電気的な検出信号とし て取り出す機能をもったセンサであり、検出された圧力は、圧力検出値Dとして 制御装置26に伝達される。一方、制御弁22は、電気的な制御信号に基づいて 開閉するいわゆる電磁弁であり、開放状態においては、吸気管5内の空気を排出 する機能を有する。この実施例では、制御弁22と吸気管3との間に還流管22 a(図では破線で示す)を設けており、制御弁22によって排出された空気は、 吸気管3内に戻される。図の破線で示す矢印は、制御弁22によって排気される 空気の還流路を示すものである。制御弁22の開閉動作は、制御装置26から与 えられる弁制御信号Cによってコントロールされる。
【0018】 圧力設定器23は、所定の基準圧力値Pを設定する機能をもった設定器であり 、オフセット量設定器24は、圧力に関する所定のオフセット量ΔPを設定する 機能をもった設定器である。また、時間設定器25は、所定の弁開放時間Tを設 定する機能をもった設定器である。これらの設定器は、いずれも制御装置26の 制御動作に必要なパラメータを設定するためのものである。この実施例では、制 御装置26をトランジスタなどの回路素子で構成してあるので、各設定器は可変 抵抗器あるいは可変容量器で構成している。もちろん、制御装置26を種々の論 理回路やCPUで構成することも可能であり、その場合には、各設定器をレジス タやメモリで構成することができる。
【0019】 制御装置26の主たる制御動作は、圧力センサ21から得られる圧力検出値D が、基準圧力値Pに到達した後、はじめて弁作動圧力値(P−ΔP)に到達した 場合に、制御弁22を弁開放時間Tだけ開放状態にすることである。以下、この 制御装置26の制御動作を、図2の流れ図に基づいて詳述する。
【0020】 まず、ステップS1において、圧力検出値Dと基準圧力値Pとの比較が行われ る。すなわち、圧力センサ21の出力値と圧力設定器23内の設定値とが比較さ れることになる。そして、続くステップS2において、D>Pであった場合にの みステップS3へ進む。別言すれば、圧力センサ21の出力値が設定値Pを越え るまで、ステップS1,S2のループにより待機することになる。D>Pになっ たら、ステップS3において、圧力検出値Dと圧力値(P−ΔP)との比較が行 われる。ここで、圧力値(P−ΔP)は、圧力設定器23に設定された基準圧力 値Pから、オフセット量設定器24に設定されたオフセット量ΔPを減じた値で あり、ここではこの圧力値を弁作動圧力値と呼ぶことにする。そして、続くステ ップS4において、D<P−ΔPであった場合にのみステップS5へ進む。別言 すれば、圧力センサ21の出力値が弁作動圧力値(P−ΔP)に下がるまで、ス テップS3,S4のループにより待機することになる。
【0021】 こうして、D<P−ΔPになったら、ステップS5において弁開放を行う。す なわち、制御弁22に対して、弁を開く弁制御信号Cを与えることになる。この 実施例では、制御弁22として、通電した場合にのみ開放状態となるような電磁 弁を用いているので、ステップS5では、制御弁22に対する通電が開始される ことになる。そして、続くステップS6において、弁開放後(通電後)の経過時 間が弁開放時間Tを越えたか否かが判断される。弁開放時間Tだけ経過していた ら、ステップS7において弁閉鎖を行う。すなわち、制御弁22に対して、弁を 閉じる弁制御信号Cを与えることになる(この実施例では、電磁弁に対する通電 を停止する)。一方、弁開放時間Tだけ経過していない場合には、ステップS8 において、圧力検出値Dと基準圧力値Pとの比較を行った上で、D>Pだった場 合にだけ、ステップS9を介してステップS7へ進み、弁閉鎖が行われる。それ 以外の場合には、ステップS9を介してステップS6に戻ることになる。
【0022】 結局、ステップS5において弁が開放された後は、基本的には、弁開放時間T だけ弁を開放状態に保ってから弁を閉鎖する処理が行われるが、弁開放時間Tが 経過しないうちに、圧力センサ21から与えられる圧力検出値Dが、基準圧力値 Pに達してしまった場合には、弁開放時間Tの経過を待たずして、弁を閉鎖する 処理を行うことになる。
【0023】 制御装置26によるこのような制御動作が、ブローオフバルブの動作としてう まく機能することを、図3のグラフを用いて説明しよう。このグラフは、圧力セ ンサ21による圧力検出値Dの変化を示すもので、横軸は時間軸、縦軸は圧力軸 である。いま、時刻t1から、アクセルペダルを踏み込んでスロットルを徐々に 開いていった場合を考えると、圧力検出値Dは、時刻t2における点aを経て、 更に上昇する。アクセルペダルをある程度踏み込んだところで維持すると、圧力 検出値Dは定常状態となるが、アクセルペダルを放してスロットルを閉じると、 圧力検出値Dは急激に落下し、時刻t3における点bを経て、アイドル状態にま で低下する。時刻t4における点cを経て、しばらくして再びアクセルペダルを 踏み込んでスロットルを徐々に開いてゆくと、点d,点eを経て圧力検出値Dは 上昇するが、再びアクセルペダルを放してスロットルを閉じると、圧力検出値D は点fを経て落下する。再度アクセルペダルを踏み込んでスロットルを開けば、 圧力検出値Dは点gを経て上昇する。
【0024】 自動車を運転する場合、ギアチェンジやブレーキ操作のたびに、上述したよう なスロットルの開閉動作が繰り返されることになる。このとき、制御装置26は どのような弁制御を行うかを図2の流れ図に沿って見てみる。まず、時刻t1か らt2にかけて、徐々にスロットルを開いてゆく過程では、ステップS1,S2 のループが繰り返し実行される。そして、時刻t2における点aを過ぎると、D >Pとなるため、ステップS3へ進むことになる。以下、しばらくの間、ステッ プS3,S4のループが繰り返し実行されるが、時刻t3における点bを過ぎる と、D<P−ΔPとなるため、ステップS5へ進み、弁が開放されることになる 。やがて、時刻t4における点cに到達すると、弁を開放してからの経過時間が 弁開放時間Tに等しくなり、ステップS7において弁閉鎖が行われ、ステップS 1へと戻ることになる。結局、図3の下のタイムチャートにおいてハッチングを 施して示した時刻t3〜t4の期間(弁開放時間T)だけ、制御弁22が開放と なり、吸気管5内の圧縮空気が排気還流されることになる。
【0025】 要するに、制御装置26による制御の基本理念は、圧力検出値Dが所定の弁作 動圧力値になった時点で、制御弁22を開放し、所定の弁開放時間Tだけ開放状 態を維持した後に閉鎖することにある。ただ、圧力検出値Dが弁作動圧力値にな った時点で無条件に制御弁22を開放する動作を行うようにすると、圧力検出値 Dが上昇しているときにも、弁開放動作が行われてしまい問題である。たとえば 、図3のグラフで、圧力検出値Dが弁作動圧力値(P−ΔP)に到達した点bや 点fにおいて、制御弁22の開放動作を行うのは正しい制御である。しかしなが ら、点dにおいて、制御弁22の開放動作を行うのは誤りである。点dは、スロ ットルを開いてエンジンを高出力で回転させる途中の点であり、この時点では、 制御弁22を閉鎖して吸気管5内に圧縮空気を大量に取り込む必要がある。
【0026】 結局、圧力検出値Dが下降しながら弁作動圧力値(P−ΔP)に到達した場合 にのみ、制御弁22を開放し、圧力検出値Dが上昇しながら弁作動圧力値(P− ΔP)に到達した場合には、制御弁22を閉鎖状態に保つ必要がある。そこで、 この実施例では、基準圧力値Pと、それよりオフセット量ΔPだけ小さい弁作動 圧力値(P−ΔP)と、の2とおりの設定値を設け、圧力検出値Dが基準圧力値 Pに到達した後、はじめて弁作動圧力値(P−ΔP)に到達した場合に、制御弁 を開放する動作を行うようにしている。図3の例の場合、点bは、圧力検出値D が、基準圧力値Pに到達した後(点a)、はじめて弁作動圧力値(P−ΔP)に 到達した点になるが、点dは、はじめてではなく2回目に弁作動圧力値(P−Δ P)に到達した点になる。したがって、制御弁を開放する動作は、点bでは行わ れるが、点dでは行われない。
【0027】 時刻t4以降の制御動作もほぼ同様である。すなわち、徐々にスロットルを開 いてゆき、点dを経て点eを過ぎると、D>Pとなるため、ステップS3へ進む 。以下、しばらくの間、ステップS3,S4のループが繰り返し実行されるが、 時刻t6における点fを過ぎると、D<P−ΔPとなるため、ステップS5へ進 み、弁が開放されることになる。ところが、今度は、経過時間が弁開放時間Tに 達しない時刻t7において、点gに到達してしまうため、ステップS8,S9を 経て、ステップS7の弁閉鎖が行われることになる。したがって、弁の閉鎖は時 刻t8ではなく、時刻t7において行われ、弁が開放していた時間は、弁開放時 間Tよりも短くなる。このように、基本的には、弁の開放は、時間設定器25に 設定された弁開放時間Tの間だけ行われるが、この時間Tの経過前に、圧力検出 値Dが基準圧力値Pにまで上昇してしまった場合には、その時点で弁を閉鎖する 点がこの実施例のひとつの特徴である。これは、圧力検出値Dが圧力設定値Pま で上昇したということは、スロットルが開かれ、エンジンに対して高出力が要求 される状態になりつつあることを示すからである。このような場合には、制御弁 22を直ちに閉じて、エンジンに大量の圧縮空気を送る準備を行わねばならない 。
【0028】 このように、制御装置26による制御動作を、図2に示す流れ図に基づいて行 えば、ブローオフバルブの最適制御が可能になることがわかるであろう。なお、 この制御動作の動作領域は、基準圧力値P、オフセット量ΔP、弁開放時間Tの 設定を変えることによって自由に調節できる。上述したように、圧力設定器23 ,オフセット量設定器24,時間設定器25は、可変抵抗器や可変容量器、ある いはレジスタやメモリによって構成できるので、車内に調節つまみなどを設けて おき、これらの設定器に対する設定操作を車内から行えるようにしておけば、ド ライバーは運転席に座ったまま動作領域の調節を行うことができるようになる。 一般に、オフセット量ΔPは、一度設定しておけば、設定を変える必要性はあま りないが、基準圧力値Pおよび弁開放時間Tは、エンジンの状態、ドライバーの 運転能力、走行路の環境、などに応じてその都度、設定を変えるのが望ましい。 したがって、少なくとも圧力設定器23および時間設定器25は、運転席から直 ちに設定値を変えることができるようにしておくのが好ましい。
【0029】 なお、基準圧力値P、オフセット量ΔP、弁開放時間Tの調節範囲は、個々の 内燃機関に応じて適宜決めればよいが、参考までに、この実施例における調節範 囲を記述しておくと、基準圧力値Pについては、−0.3〜+0.3kgf/c m、オフセット量ΔPについては、0〜+0.3kgf/cm、弁開放時間 Tについては、0〜2秒を調節範囲として定め、可変抵抗器や可変容量器を操作 することにより、この調節範囲内の所定値を設定できるようにしている。
【0030】 また、この実施例における制御弁22としては、最低作動圧が0kgf/cm 、最高作動圧が10kgf/cmという規格の市販の電磁式流体制御バルブ を用いた。このため、制御弁22は、吸気管5内の圧力が0kgf/cmの場 合でも動作可能であり、また、吸気管5内の圧力が10kgf/cmを越える までは、リークすることなく正常に動作する。このような動作条件は、レーシン グカーに適用した場合であっても十分なものである。
【0031】 従来の機械式のブローオフバルブでは、動作領域の設定をスプリングの締めつ け具合などによって調節していたため、最適な動作領域を設定することが困難で あった。すなわち、スプリングを弱く締めつけて動作領域を低圧側に設定してお くと、吸気管5内の圧力が低くてもバルブを開放する動作が可能になるが、逆に 高過給を行うときの圧力に耐えきれずにリークする可能性が出てくる。一方、ス プリングを強く締めつけて動作領域を高圧側に設定しておくと、高過給時のリー クを抑えることはできるが、逆に吸気管5内の圧力が低いときにはバルブが開放 動作しなくなってしまう。本実施例のブローオフバルブでは、上述したように、 0kgf/cm〜10kgf/cmという広い圧力範囲に適用できる電磁式 バルブを用いているため、たとえ吸気管5内の圧力が0kgf/cmであって も十分に開放動作が可能であり、また、高過給時に吸気管5内の圧力が10kg f/cmになった場合でもリークのない正常動作が可能になる。
【0032】
【考案の効果】
以上のとおり本考案に係る内燃機関用ブローオフバルブによれば、電気信号と して検出された圧力値に基づいて、電気信号によって開閉動作する制御弁を制御 するようにしたため、動作領域の調節を簡単に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な内燃機関の吸排気関連部分を示すモデ
ル図およびこの内燃機関に取り付けられた本考案に係る
ブローオフバルブの構成を示すブロック図である。
【図2】本考案に係るブローオフバルブの制御動作を示
す流れ図である。
【図3】本考案に係るブローオフバルブの具体的な制御
動作を示すグラフである。
【符号の説明】
1…エアクリーナ 2…エアフローメータ 3…吸気管 4…過給機 4a…タービン 5…吸気管 6…スロットルバルブ 7…サージタンク 8…吸気管 9…エンジン 10…排気管 11…マフラー 21…圧力センサ 22…制御弁 22a…還流管 23…圧力設定器 24…オフセット量設定器 25…時間設定器 26…制御装置 C…弁制御信号 D…圧力検出値 P…基準圧力値 ΔP…オフセット量 T…弁開放時間

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機を備えた内燃機関において、スロ
    ットルを閉じたときに過給機側に逆流する空気を排出す
    るために用いられるブローオフバルブであって、 スロットルバルブとエンジンとの間に設けられたサージ
    タンクの圧力を電気的な検出信号として取り出す圧力セ
    ンサと、 電気的な制御信号に基づいて開閉し、開放状態において
    は、過給機からスロットルバルブに至る経路内の空気を
    排出する機能を有する制御弁と、 前記圧力センサから得られる検出信号の示す圧力値が所
    定値以下になったときに、弁を所定時間開放して空気を
    排出する旨を指示する制御信号を前記制御弁に与える制
    御装置と、 を備えることを特徴とする内燃機関用ブローオフバル
    ブ。
  2. 【請求項2】 過給機を備えた内燃機関において、スロ
    ットルを閉じたときに過給機側に逆流する空気を排出す
    るために用いられるブローオフバルブであって、 スロットルバルブとエンジンとの間に設けられたサージ
    タンクの圧力を電気的な検出信号として取り出す圧力セ
    ンサと、 電気的な制御信号に基づいて開閉し、開放状態において
    は、過給機からスロットルバルブに至る経路内の空気を
    排出する機能を有する制御弁と、 所定の基準圧力値Pを設定する圧力設定器と、 圧力に関する所定のオフセット量ΔPを設定するオフセ
    ット量設定器と、 所定の弁開放時間Tを設定する時間設定器と、 前記圧力センサから得られる検出信号の示す圧力検出値
    が、前記基準圧力値Pに到達した後、はじめて弁作動圧
    力値(P−ΔP)に到達した場合に、前記制御弁を前記
    弁開放時間Tだけ開放状態にすべき制御信号を、前記制
    御弁に与えて開閉制御を行う制御装置と、 を備えることを特徴とする内燃機関用ブローオフバル
    ブ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の内燃機関用ブローオフ
    バルブにおいて、 制御弁を開放状態にしてから弁開放時間Tが経過する前
    に、圧力センサから得られる検出信号の示す圧力検出値
    が基準圧力値Pに到達した場合には、制御装置から制御
    弁に対して、弁開放時間Tの経過を待たずに弁を閉鎖状
    態にすべき制御信号を与えるようにしたことを特徴とす
    る内燃機関用ブローオフバルブ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3のいずれかに記載の内
    燃機関用ブローオフバルブにおいて、 圧力設定器および時間設定器を、車両の室内から設定操
    作が可能なように構成したことを特徴とする内燃機関用
    ブローオフバルブ。
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