JP3011029B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

エンジン始動装置

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JP3011029B2
JP3011029B2 JP6250668A JP25066894A JP3011029B2 JP 3011029 B2 JP3011029 B2 JP 3011029B2 JP 6250668 A JP6250668 A JP 6250668A JP 25066894 A JP25066894 A JP 25066894A JP 3011029 B2 JP3011029 B2 JP 3011029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの始動を行う
エンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジン始動装置は、回転力を発
生するモータと、このモータの通電制御およびピニオン
を押し出す力を発生する電磁スイッチとを備え、この電
磁スイッチがモータの回転軸と並列に配置された並列軸
型スタータと、電磁スイッチがモータの回転軸後方に配
置された直列軸型スタータとが周知である。
【0003】一般に、並列軸型スタータは、電磁スイッ
チがモータの側方に突出して配置されることからエンジ
ンへの装着性が悪いという問題がある。そこで、実公昭
56−1971号公報では、図3に示すように、ピニオ
ン100と連結された一方向クラッチ110をクラッチ
ケース120内に収容し、そのクラッチケース120を
可動鉄心として励磁コイル130の内周に配置した始動
装置が提案されている。この構成によれば、出力軸14
0を中心としてピニオン100の外周に励磁コイル13
0を配置することができるため、装置の小型化が可能と
なる。
【0004】また、直列軸型スタータは、例えば、特開
昭63−90665号公報に示されるように、中空状に
設けられたモータ回転軸の内部に出力軸を通して、その
出力軸の後端部を電磁スイッチの磁力を利用して押圧
し、出力軸を前進させることで、出力軸の先端に設けら
れたピニオンとリングギヤとを噛み合わせるスタータが
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の実公
昭56−1971号公報に開示された始動装置は、励磁
コイル130以外に、モータMの通電制御を行う電磁式
のメインスイッチ150が設けられており、このメイン
スイッチ150がモータMの側方に併設されることか
ら、側方への突出を解消することはできない。また、モ
ータMは、ピニオン100がエンジン側のリングギヤ2
00と正常に噛み合った時点でメインスイッチ150が
オンして通電される。つまり、ピニオン100とリング
ギヤ200との噛み合いは、モータMの回転を利用する
ことなく、励磁コイル130の励磁力とヘリカルスプラ
インの作用で行われる。このため、ピニオン100を前
進させるために大きな励磁力が必要となることから励磁
コイル130が大きくなる。さらに、ピニオン100は
ヘリカルスプラインの作用によって回転力を与えられる
が、モータMが回転していないことから、ピニオン10
0はリングギヤ200に対して略直線的に前進すること
になるため、ピニオン100とリングギヤ200との良
好な噛み合いが得られ難いと言った問題を有している。
【0006】一方、特開昭63−90665号公報に開
示されたスタータは、モータ回転軸を中空状に形成し
て、その内部に出力軸を同軸に通す必要があることか
ら、構造が複雑となり製造が極めて困難である。また、
電磁スイッチは、モータの回転軸後方に配置されること
から、エンジンへの取り付け位置より遠くなる。このこ
とは、エンジン振動が装置の取り付け位置から離れるに
従って大きく影響することから、耐振性において不利で
ある。
【0007】本発明は、上記事情に基づいて成されたも
ので、その目的は、電動機側方への突出を無くすととも
に、ピニオンとリングギヤとの良好な噛み合いが得ら
れ、且つエンジン振動の影響を受け難い接点構造を備え
たエンジン始動装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1では、通電を受けて回転力を発
生する電動機と、この電動機の回転力を伝達する回転力
伝達手段と、この回転力伝達手段より回転力を受けて回
転する出力軸と、この出力軸に対して軸方向に移動可能
に嵌合されて、エンジンのリングギヤと噛み合うことで
前記リングギヤに回転力を伝達するピニオンと、前記出
力軸を中心として前記ピニオンの外周に配された励磁コ
イルと、前記ピニオンより後端側で軸方向に移動可能に
配されて、前記励磁コイルの発生する磁力により吸引さ
れて前記ピニオンを前方へ押圧する可動部材と、車載バ
ッテリより給電線を介して電力の供給を受ける外部端子
と、この外部端子と導通して装置内部に固定された固定
接点と、前記可動部材と連動して移動可能に設けられる
とともに、抵抗を介して前記電動機のリード線に接続さ
れて、前記ピニオンが前記リングギヤと噛み合うまでの
間に前記固定接点に当接する副可動接点と、前記可動部
材と連動して移動可能に設けられるとともに、前記抵抗
を介さず前記リード線に接続されて、前記ピニオンが前
記リングギヤと噛み合った後、前記固定接点に当接する
主可動接点とを備えた技術的手段を採用する。
【0009】請求項2では、請求項1に記載されたエン
ジン始動装置において、前記回転力伝達手段は、前記電
動機側から前記出力軸側へのみ回転力を伝達する一方向
クラッチと、この一方向クラッチを介して前記電動機の
回転を減速する遊星歯車減速機構とから成ることを特徴
とする。
【0010】請求項3では、請求項1または2に記載さ
れたエンジン始動装置において、前記ピニオンは、前記
出力軸の外周上にヘリカルスプライン嵌合されたことを
特徴とする。
【0011】
【作用および発明の効果】
(請求項1に記載した本発明のエンジン始動装置)励磁
コイルが通電されて発生する磁力により可動部材が吸引
される。この可動部材の吸引により、出力軸に対して軸
方向に移動可能に嵌合されたピニオンが前方へ押し出さ
れる。一方、可動部材の移動(吸引)に伴って、可動部
材と連動する副可動接点が固定接点に当接することで、
抵抗を介して電動機に給電される。これにより、電動機
は低速で回転し、その回転力が回転力伝達手段を介して
出力軸に伝達されることで、出力軸が低速で回転する。
この出力軸の回転に伴ってピニオンも低速で回転しなが
ら可動部材に押圧されて前進することで、エンジンのリ
ングギヤと噛み合うことができる。
【0012】ピニオンがリングギヤと噛み合った後、主
可動接点が固定接点に当接することで、抵抗が短絡され
て電動機に定格電圧が印加される。これにより、電動機
は高速で回転し、その結果、ピニオンと噛み合うリング
ギヤが回転してエンジンが始動する。
【0013】このように、本発明のエンジン始動装置
は、励磁コイルの磁力によって可動部材を吸引し、その
可動部材の移動によって直接ピニオンを前方へ押し出す
構造である。このため、励磁コイルは、出力軸を中心と
してピニオンの外周に配設することができる。その結
果、電動機の側方への突出がなくなり、エンジンへの搭
載性が大幅に向上する。また、励磁コイルをピニオンの
外周に配設する構造とする上で、従来の直列軸型スター
タのように、電動機の回転軸を中空状に形成して、その
内部に出力軸を同軸に通すと言った複雑な構造を採用す
る必要がない。
【0014】リングギヤに噛み合ったピニオンは、可動
部材に押圧された状態でリングギヤからの離脱が防止さ
れる。従って、励磁コイルは、ピニオンを押圧した状態
で可動部材を保持するだけの保持力(吸引力)があれば
良い。このため、励磁コイルの巻数を少なくして、励磁
コイルを小型化することができる。
【0015】また、励磁コイルがリングギヤと噛み合う
ピニオンの外周に配されて、副可動接点および主可動接
点が励磁コイルの磁力により吸引される可動部材と連動
するように設けられている。つまり、副可動接点および
主可動接点を含む電動機の接点構造を、ピニオンの外周
に配された励磁コイルの近傍、即ちエンジンの取り付け
部近傍に配置することができる。これにより、エンジン
への取り付け部に近い程、エンジン振動の影響が小さく
なることから、耐振性に優れたエンジン始動装置を提供
することができる。
【0016】さらには、ピニオンがリングギヤと噛み合
うまでの間に副可動接点が固定接点に当接して電動機が
低速回転することにより、ピニオンとリングギヤとの歯
筋が合致しない様な場合でも、出力軸の回転に伴ってピ
ニオンが回転することから、常にピニオンとリングギヤ
との良好な噛み合いを達成することができる。
【0017】請求項2に記載した発明によれば、ピニオ
ンがリングギヤと噛み合ってエンジンが始動した後、ピ
ニオンがリングギヤにより回転された場合でも、一方向
クラッチの作用によってエンジンの回転力が電動機へ伝
達されることはなく、電動機の過回転を防止することが
できる。また、電動機の回転を減速する遊星歯車減速機
構を採用することで、電動機と出力軸とを一直線上に配
置することができる。これにより、径方向の大きさを縮
小してエンジンへの装着性を向上させることができる。
さらには、電動機の回転が遊星歯車減速機構で減速され
て出力軸に伝達されることから、ピニオンとリングギヤ
との噛み合い時において、急速な電動機の回転立ち上が
りによるピニオンおよびリングギヤの欠けや異常摩耗等
を防止することができる。
【0018】請求項3に記載した発明によれば、ピニオ
ンが出力軸の外周上にヘリカルスプライン嵌合されるこ
とから、励磁コイルの磁力により可動部材が吸引されて
ピニオンを前方へ押し出す際に、ピニオンは、出力軸自
体の回転による回転力とともに、ヘリカルスプラインの
作用による回転力を受けながら前進することができる。
これにより、ピニオンとリングギヤとの噛み合いを更に
良好に行うことができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明のエンジン始動装置の一実施例
を説明する。図1はエンジン始動装置の断面図である。
本実施例のエンジン始動装置1は、回転力を発生する電
動機2、この電動機2の回転力を伝達する回転力伝達手
段(後述する)、この回転力伝達手段より回転力を受け
て回転する出力軸3、この出力軸3の先端部外周に装着
されたピニオン4、出力軸3に対してピニオン4を前方
へ押し出すピニオン押出手段(後述する)、電動機2の
モータ回路(図示しない)を開閉する接点装置(後述す
る)等より構成される。
【0020】(電動機2の説明)電動機2は、円筒状に
設けられたヨーク5、このヨーク5の内周面に固定され
た界磁用の永久磁石6、この永久磁石6の内周に回転自
在に配されたアーマチュア7、およびアーマチュア7に
電流を流すためのブラシ8等より構成されている。
【0021】アーマチュア7は、回転軸を成すシャフト
9が出力軸3の後方で出力軸3と同軸に配されて、シャ
フト9の先端部が出力軸3の後端面に形成された凹部の
内周面に軸受10を介して回転自在に支持され、シャフ
ト9の後端部が電動機2の後部を覆うエンドカバー11
に軸受12を介して回転自在に支持されている。シャフ
ト9には、軸受10で支持された先端部より後端側外周
に遊星歯車減速機構(下述する)を構成するサンギヤ9
aが形成され、さらにサンギヤ9aより後端側外周にコ
ンミテータ13が圧入固定されている。
【0022】ブラシ8は、熱硬化性樹脂(例えばフェノ
ール樹脂)により成形されたブラシホルダ14に収容さ
れて、ブラシ8の後端側(図1の上側)に配されたスプ
リング15によりコンミテータ13の外周面に押圧され
ている。ブラシホルダ14は、回転力伝達手段の外周を
覆う中間ケース16とヨーク5との間に挟持されてい
る。
【0023】(回転力伝達手段の説明)回転力伝達手段
は、アーマチュア7側から出力軸3側へのみ回転力を伝
達する一方向クラッチ(下述する)と、この一方向クラ
ッチを介してアーマチュア7の回転を減速する遊星歯車
減速機構(下述する)とから成る。
【0024】遊星歯車減速機構は、前述のサンギヤ9a
と、このサンギヤ9aと噛み合う遊星ギヤ17と、この
遊星ギヤ17と噛み合う中間ギヤ18より構成されて、
シャフト9の回転によってサンギヤ9aが回転すること
により、サンギヤ9aと中間ギヤ18とに噛み合う遊星
ギヤ17が自転(サンギヤ9aと逆回転)しながらサン
ギヤ9aと同一方向に公転を行う。
【0025】遊星ギヤ17は、ピン19の外周に軸受1
7aを介して回転自在に挿入されている。ピン19は、
出力軸3の後端部に一体に設けられたフランジ壁3aに
圧入固定されている。従って、遊星ギヤ17がサンギヤ
9aおよび中間ギヤ18と噛み合いながらサンギヤ9a
の外周を公転することで、その公転力がピン19を介し
て出力軸3に伝達される。
【0026】中間ギヤ18は、中間ケース16の内周に
固定される内部ケース20の内周に配されて、中間ケー
ス16に対して回転可能に設けられている。また、この
中間ギヤ18は、遊星ギヤ17と噛み合うギヤ部と一体
に一方向クラッチのアウタ18aを構成する。
【0027】内部ケース20は、金属製で、中空状に設
けられた円筒部20a、およびアウタ18aとの間にロ
ーラ室(図示しない)を形成するインナ20bが設けら
れている。なお、円筒部20aの外周面には、軸方向に
沿った縦溝(図示しない)が1本、あるいは複数本形成
されている。
【0028】一方向クラッチは、内部ケース20に設け
られたインナ20b、中間ギヤ18のアウタ18a、お
よび前述のローラ室に収容されるローラ21等より構成
される。この一方向クラッチは、インナ20b(回転不
能)に対してアウタ18a(中間ギヤ18)をアーマチ
ュア7と同一回転方向にのみ回転を許容し、アーマチュ
ア7と逆回転方向には回転を規制する。従って、アーマ
チュア7の回転によりサンギヤ9aが回転すると、サン
ギヤ9aと噛み合う遊星ギヤ17を介して中間ギヤ18
がサンギヤ9aと逆回転方向に回転しようとするが、中
間ギヤ18の回転が規制されることから、遊星ギヤ17
に公転力が発生し、その公転力がピン19を介して出力
軸3に伝達される。
【0029】一方、エンジンが始動してピニオン4がエ
ンジン側のリングギヤ(図示しない)により回転される
と、出力軸3の回転力がピン19を介して遊星ギヤ17
に伝達されるため、遊星ギヤ17の公転速度の方がアー
マチュア7(サンギヤ9a)の回転速度より速くなる。
ここで、中間ギヤ18がサンギヤ9aと同一回転方向に
回転を許容されることから、遊星ギヤ17は、サンギヤ
9aと同一回転方向に自転しながらサンギヤ9aの回転
速度より速く公転することができる。その結果、遊星ギ
ヤ17はサンギヤ9aに対してサンギヤ9aの外周を空
回りしながら公転することになり、遊星ギヤ17の公転
力がサンギヤ9aを介してアーマチュア7に伝達される
ことはない。
【0030】(出力軸3の説明)出力軸3は、内部ケー
ス20に設けられた円筒部20aの中空内部を通って円
筒部20aと同軸に配され、円筒部20aの内周面に軸
受22、23を介して回転自在に支持されている。 (ピニオン4の説明)ピニオン4は、出力軸3の先端部
外周にヘリカルスプライン嵌合されて、出力軸3の先端
に装着されたカラー24とピニオン4との間に配された
スプリング25により後方へ付勢されている。カラー2
4は、出力軸3の先端外周面に形成された周溝(図示し
ない)に嵌合するスナップリング26に係止されてい
る。
【0031】(ピニオン押出手段の説明)ピニオン押出
手段は、通電を受けて磁力を発生する励磁コイル27
と、この励磁コイル27の磁力により吸引されてピニオ
ン4を前方へ押し出す直動筒28(本発明の可動部材)
より成る。励磁コイル27は、出力軸3を中心として、
静止位置(図1に示す位置)にあるピニオン4の外周に
配され、装置の前端側を覆うフロントカバー29の内部
に保持されている。この励磁コイル27は、図示しない
始動スイッチ(イグニッションスイッチ)をオンするこ
とにより通電される。
【0032】直動筒28は、内部ケース20の円筒部2
0aの外周に嵌合して、励磁コイル27の内周側を軸方
向に摺動自在(回転不能)に配されている。直動筒28
と内部ケース20とは、直動筒28の内周面に軸方向に
沿って延設された突起部28a(1本、あるいは複数
本)が、内部ケース20の円筒部20aの外周面に形成
された縦溝に嵌まり合うことで、内部ケース20に対し
て直動筒28が軸方向に移動可能に設けられている。
【0033】直動筒28の先端には、直動筒28が励磁
コイル27の磁力を受けて吸引された際に、ピニオン4
の後端面を押圧する押圧部28bが設けられており、直
動筒28の後端部には、後述の接点装置を支持する接点
支持壁28cが径方向外周に延設されている。この直動
筒28は、励磁コイル27との間に配されたスプリング
30により後方へ付勢されており、励磁コイル27が通
電されていない時に、直動筒28の後端に設けられた接
点支持壁28cが内部ケース20の壁面に当節した状態
(図1に示す状態)で静止している。また、この静止状
態において、直動筒28の先端に設けられた押圧部28
bとピニオン4後端面との間には若干の隙間が確保され
ている。
【0034】(接点装置の説明)図2に接点装置の構造
を示す。接点装置は、図2に示すように、給電線(図示
しない)によりバッテリ(図示しない)の正極に接続さ
れる端子ボルト31(本発明の外部端子)、この端子ボ
ルト31の頭部31aに固定された固定接点32、正極
ブラシ8のリード線33に接続される主可動接点34、
この主可動接点34に起動抵抗35を介して接続される
副可動接点36より構成される。
【0035】端子ボルト31は、フロントカバー29と
中間ケース16との間に挟持される樹脂ケース37に取
り付けられて、かしめワッシャ38により固定されてい
る。固定接点32は、樹脂ケース37の内部で端子ボル
ト31の頭部31aに溶接等により固定されている。
【0036】主可動接点34は、固定接点32に対向し
て配置され、直動筒28の接点支持壁28cに圧入固定
されたピン39の先端部に摺動自在に嵌め合わされて、
接点圧スプリング40によりピン39の先端側へ付勢さ
れている。但し、主可動接点34は、接点圧スプリング
40の付勢力に対して、ピン39の先端に係止された止
め輪41により前進規制されている。
【0037】起動抵抗35は、例えば、ニッケルより成
り、コイル状に巻回されてバネ作用を有し、一端が主可
動接点34にかしめ固定されて、他端が副可動接点36
にかしめ固定されている。副可動接点36は、端子ボル
ト31の頭部31aに対向して配置され、励磁コイル2
7が通電されていない時に、起動抵抗35のバネ作用に
より内部ケース20の壁面に当接されて(図1および図
2に示す状態)、電気的に導通状態となっている。
【0038】この接点装置は、主可動接点34および副
可動接点36が、励磁コイル27の磁力により吸引され
る直動筒28と連動して前方へ移動することにより、主
可動接点34は固定接点32に当接し、副可動接点36
は端子ボルト31の頭部31aに当接する。但し、主可
動接点34と固定接点32との間隔より副可動接点36
と端子ボルト31の頭部31aとの間隔の方が小さく設
定されて、主可動接点34が固定端子に当接する前に副
可動接点36が端子ボルト31の頭部31aに当接する
ように設けられている。具体的には、励磁コイル27の
磁力を受けて吸引された直動筒28によりピニオン4が
押し出されてリングギヤと噛み合うまでの間に副可動接
点36が端子ボルト31の頭部31aに当接し、その
後、ピニオン4がリングギヤと噛み合った時点で主可動
接点34が固定接点32に当接するように設けられてい
る。
【0039】上記構成より成るエンジン始動装置1は、
エンドカバー11からフロントカバー29に至るスルー
ボルト42を締め付けて固定されている。なお、エンジ
ンへの取り付けは、フロントカバー29の外周に設けら
れたフランジ部29aの端面(図1の左側面)をエンジ
ン壁面に当接させた状態で固定される。
【0040】次に、本実施例の作動を説明する。始動ス
イッチがオンされて励磁コイル27が通電されることに
より、直動筒28が励磁コイル27の磁力を受けて吸引
される。これにより、直動筒28は、先端に設けられた
押圧部28bがピニオン4の後端面に当接した後、スプ
リング25およびスプリング30の付勢力に抗して前進
し、ピニオン4はヘリカルスプラインに沿って出力軸3
上を前進する。
【0041】一方、直動筒28の前進に伴って副可動接
点36が端子ボルト31の頭部31aに当接し、起動抵
抗35、主可動接点34、リード線33、正極ブラシ8
を経てアーマチュア7へ給電される。但し、アーマチュ
ア7に印加される電圧が起動抵抗35により降圧される
ため、アーマチュア7は低速で回転する。このアーマチ
ュア7の回転は、遊星歯車減速機構で減速されて出力軸
3に伝達されることにより、出力軸3はアーマチュア7
の回転よりさらに低速で回転することになる。
【0042】この出力軸3の回転に伴ってピニオン4も
低速で回転しながら前進することで、ピニオン4はエン
ジンのリングギヤと噛み合うことができる。ピニオン4
がリングギヤと噛み合うと、主可動接点34が固定接点
32に当接することで、起動抵抗35が短絡されて電動
機2に定格電圧が印加される。これにより、アーマチュ
ア7が高速回転して、その回転力がピニオン4に伝達さ
れることにより、ピニオン4と噛み合うリングギヤが回
転してエンジンが始動する。
【0043】なお、ピニオン4は、回転不能に設けられ
た直動筒28により常時前方へ押圧されていることか
ら、直動筒28とピニオン4との間で相対回転を生じる
が、その直動筒28によって回転が規制されることはな
く、直動筒28先端の押圧部28bの端面でピニオン4
の回転を受けることにより、ピニオン4の回転が許容さ
れる。
【0044】ピニオン4が前進してリングギヤと噛み合
った状態では、スプリング25が圧縮してピニオン4を
後方へ付勢する付勢力が大きくなる。また、エンジンの
始動によりピニオン4がリングギヤによって回転される
と、エンジンの回転力がヘリカルスプラインの作用によ
ってピニオン4を後退させる方向に働く。これに対し
て、ピニオン4は、励磁コイル27の保持力(直動筒2
8を吸引する吸引力)によってリングギヤから離脱する
ことなく、リングギヤとの噛み合い状態が保持される。
【0045】また、ピニオン4がリングギヤにより回転
されることで、ピニオン4が装着された出力軸3も高速
で回転することになるが、一方向クラッチによって中間
ギヤ18および遊星ギヤ17が空転することにより、エ
ンジンの回転力がアーマチュア7へ伝達されることはな
く、アーマチュア7の過回転によるコンミテータ13の
遠心破壊を防止している。
【0046】エンジン始動後、始動スイッチがオフされ
ると、励磁コイル27の磁力が消滅することで、直動筒
28がスプリング30の付勢力によって静止位置へ復帰
する。また、ピニオン4は、励磁コイル27の保持力が
消滅することで、スプリング25の付勢力によりリング
ギヤと離脱し、出力軸3上をヘリカルスプラインに沿っ
て静止位置まで後退する。なお、ピニオン4の静止位置
は、出力軸3に形成されたヘリカル歯の切り上がり部で
位置決めされる。
【0047】直動筒28が復帰する際に、主可動接点3
4が固定接点32から離れた後、続いて副可動接点36
が端子ボルト31の頭部31aから離れることにより、
電動機2への通電が停止される。さらに、直動筒28が
静止位置まで復帰すると、副可動接点36が起動抵抗3
5のバネ作用によって内部ケース20の環状壁に当接す
ることで、正極ブラシ8が起動抵抗35を介して電気的
にアース(接地)されるため、アーマチュア7の惰性回
転による発電電圧が制動抵抗となってアーマチュア7の
回転が急速に停止する。
【0048】(本実施例の効果)本実施例のエンジン始
動装置1は、出力軸3を中心としてピニオン4の外周に
励磁コイル27を配置したことにより、電動機2の側方
へ励磁コイル27全体が突出することはない。また、そ
の励磁コイル27も、ピニオン4がリングギヤと噛み合
った状態で直動筒28を保持できるだけの保持力(吸引
力)があれば良い。このため、巻数を少なくした小型
(特に外径寸法が小さい)の励磁コイル27を採用する
ことができる。これらの結果、エンジン始動装置1の小
型化を図ることで、エンジンへの搭載性を大幅に向上さ
せることができる。
【0049】また、励磁コイル27をピニオン4の外周
に配置したことに伴って、電動機2の接点装置をエンジ
ンへの取り付け部近傍に配置することができる。これに
より、エンジン振動の影響を受けにくい耐振性に優れた
構造とすることができる。さらには、ピニオン4がリン
グギヤと噛み合うまで(ピニオン4とリングギヤとの噛
み合いが完了するまで)は、アーマチュア7を低速回転
させることで、噛合時にピニオン4とリングギヤとの歯
筋が合致しない様な場合でも、出力軸3の回転に伴って
容易にピニオン4をリングギヤに噛み合わせることがで
きる。
【0050】本実施例では、直動筒28によりピニオン
4単体を押し出す構造であることから、エンジン始動
後、ピニオン4の戻り不良が生じても、始動スイッチを
オフして励磁コイル27への通電を停止することによ
り、磁力の消滅に伴って、スプリング30の付勢力によ
り直動筒28のみ静止位置へ復帰させることができる。
これにより、直動筒28と連動する主可動接点34が固
定接点32より離れ、続いて副可動接点36が端子ボル
ト31の頭部31aより離れて電動機2のモータ回路を
開くことができる。その結果、ピニオン4の戻り不良に
伴うアーマチュア7への連続通電を防止して、アーマチ
ュア7への悪影響を防ぐこともできる。
【0051】アーマチュア7の回転力を減速する減速手
段として遊星歯車減速機構を採用したことにより、アー
マチュア7のシャフト9と出力軸3とを一直線上に配置
することができる。装置の全体形状において側方への突
出をなくすことができる。また、ピニオン4とリングギ
ヤとの噛み合い時において、アーマチュア7の回転が減
速されて出力軸3に伝達されることから、アーマチュア
7の急速な回転立ち上がりによるピニオン4およびリン
グギヤの歯の欠けや異常摩耗等を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン始動装置の断面図である。
【図2】接点装置の構造を示す断面図である。
【図3】従来技術に係わるスタータの断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン始動装置 2 電動機 3 出力軸 4 ピニオン 9a サンギヤ(遊星歯車減速機構) 17 遊星ギヤ(遊星歯車減速機構) 18 中間ギヤ(遊星歯車減速機構) 18a アウタ(一方向クラッチ) 20b インナ(一方向クラッチ) 21 ローラ(一方向クラッチ) 27 励磁コイル 28 直動筒(可動部材) 31 端子ボルト(外部端子) 31a 端子ボルトの頭部(固定接点) 32 固定接点 33 リード線 34 主可動接点 35 起動抵抗(抵抗) 36 副可動接点

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)通電を受けて回転力を発生する電動機
    と、 b)この電動機の回転力を伝達する回転力伝達手段と、 c)この回転力伝達手段より回転力を受けて回転する出
    力軸と、 d)この出力軸に対して軸方向に移動可能に嵌合され
    て、エンジンのリングギヤと噛み合うことで前記リング
    ギヤに回転力を伝達するピニオンと、 e)前記出力軸を中心として前記ピニオンの外周に配さ
    れた励磁コイルと、 f)前記ピニオンより後端側で軸方向に移動可能に配さ
    れて、前記励磁コイルの発生する磁力により吸引されて
    前記ピニオンを前方へ押圧する可動部材と、 g)車載バッテリより給電線を介して電力の供給を受け
    る外部端子と、 h)この外部端子と導通して装置内部に固定された固定
    接点と、 i)前記可動部材と連動して移動可能に設けられるとと
    もに、抵抗を介して前記電動機のリード線に接続され
    て、前記ピニオンが前記リングギヤと噛み合うまでの間
    に前記固定接点に当接する副可動接点と、 j)前記可動部材と連動して移動可能に設けられるとと
    もに、前記抵抗を介さず前記リード線に接続されて、前
    記ピニオンが前記リングギヤと噛み合った後、前記固定
    接点に当接する主可動接点と を備えたエンジン始動装置。
  2. 【請求項2】前記回転力伝達手段は、前記電動機側から
    前記出力軸側へのみ回転力を伝達する一方向クラッチ
    と、この一方向クラッチを介して前記電動機の回転を減
    速する遊星歯車減速機構とから成ることを特徴とする請
    求項1に記載されたエンジン始動装置。
  3. 【請求項3】前記ピニオンは、前記出力軸の外周上にヘ
    リカルスプライン嵌合されたことを特徴とする請求項1
    または2に記載されたエンジン始動装置。
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