JP3011181B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

エンジン始動装置

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JP3011181B2
JP3011181B2 JP10107987A JP10798798A JP3011181B2 JP 3011181 B2 JP3011181 B2 JP 3011181B2 JP 10107987 A JP10107987 A JP 10107987A JP 10798798 A JP10798798 A JP 10798798A JP 3011181 B2 JP3011181 B2 JP 3011181B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの始動を行う
エンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジン始動装置は、回転力を発
生するモータと、このモータの通電制御およびピニオン
を押し出す力を発生する電磁スイッチとを備え、この電
磁スイッチがモータの回転軸と並列に配置された並列軸
型スタータと、電磁スイッチがモータの回転軸後方に配
置された直列軸型スタータとが周知である。
【0003】直列軸型スタータは、例えば、特開昭63
−90665号公報に示されるように、中空状に設けら
れたモータ回転軸の内部に出力軸を通して、その出力軸
の後端部を電磁スイッチの磁力を利用して押圧し、出力
軸を前進させることで、出力軸の先端に設けられたピニ
オンとリングギヤとを噛み合わせるスタータが提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特開
昭63−90665号公報に開示されたスタータは、モ
ータ回転軸を中空状に形成して、その内部に出力軸を同
軸に通す必要があることから、構造が複雑となり製造が
極めて困難である。また、電磁スイッチは、モータの回
転軸後方に配置されることから、エンジンへの取り付け
位置より遠くなる。このことは、エンジン振動が装置の
取り付け位置から離れるに従って大きく影響することか
ら、耐振性において不利である。
【0005】本発明は、上記事情に基づいて成されたも
ので、その目的は、電動機側方への突出を無くすととも
に、耐振性に優れたエンジン始動装置の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1では、シャフトとこのシャフト
に設けられたコンミテ−タとこのコンミテ−タの外周面
に押圧されるブラシとを有し、通電を受けて回転力を発
生する電動機と、この電動機のシャフトと同軸に配さ
れ、電動機の回転力を受けて回転する出力軸と、前記電
動機のシャフトの回転を減速して前記出力軸に伝達する
遊星歯車減速機構と、前記出力軸の先端部外周にヘリカ
ルスプライン嵌合し、出力軸上を移動可能に配されたピ
ニオンと、バッテリに接続された固定接点と、この固定
接点に当接する可動接点とを有し、前記電動機へ給電す
るための接点装置と、前記可動接点を移動させると共
に、前記出力軸の外周に設けられた直動筒と、前記出力
軸の外周でかつ出力軸を中心に配されると共に、前記直
動筒を前記ピニオン側に移動させるための励磁コイル
と、前記ピニオンと前記励磁コイルを収納すると共に、
エンジンに取り付けるためのフランジ部を有するカバー
とを備え、前記カバーのフランジ部の内周側に前記励磁
コイルを配する技術的手段を採用する。
【0007】
【作用および発明の効果】直動筒及び励磁コイルを出力
軸の外周に配設する構造としており、従来の直列軸型ス
タータのように、電動機の回転軸を中空状に形成して、
その内部に出力軸を同軸に通すと言った複雑な構造を採
用する必要がない。また、リングギヤに噛み合ったピニ
オンは、直動筒に押圧された状態でリングギヤからの離
脱が防止される。従って、励磁コイルは、ピニオンを押
圧した状態で直動筒を保持するだけの保持力(吸引力)
があれば良い。このため、励磁コイルの巻数を少なくし
て、励磁コイルを小型化することができる。
【0008】また、電動機の回転を減速する遊星歯車減
速機構を採用することで、電動機と出力軸とを一直線上
に配置することができる。これにより、径方向の大きさ
を縮小してエンジンへの装着性を向上させることができ
る。さらには、電動機の回転が遊星歯車減速機構で減速
されて出力軸に伝達されることから、ピニオンとリング
ギヤとの噛み合い時において、急速な電動機の回転立ち
上がりによるピニオンおよびリングギヤの欠けや異常摩
耗等を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明のエンジン始動装置
の一実施例を説明する。図1はエンジン始動装置の断面
図である。本実施例のエンジン始動装置1は、回転力を
発生する電動機2、この電動機2の回転力を伝達する回
転力伝達手段(後述する)、この回転力伝達手段より回
転力を受けて回転する出力軸3、この出力軸3の先端部
外周に装着されたピニオン4、出力軸3に対してピニオ
ン4を前方へ押し出すピニオン押出手段(後述する)、
電動機2のモータ回路(図示しない)を開閉する接点装
置(後述する)等より構成される。
【0010】(電動機2の説明)電動機2は、円筒状に
設けられたヨーク5、このヨーク5の内周面に固定され
た界磁用の永久磁石6、この永久磁石6の内周に回転自
在に配されたアーマチュア7、およびアーマチュア7に
電流を流すためのブラシ8等より構成されている。アー
マチュア7は、回転軸を成すシャフト9が出力軸3の後
方で出力軸3と同軸に配されて、シャフト9の先端部が
出力軸3の後端面に形成された凹部の内周面に軸受10
を介して回転自在に支持され、シャフト9の後端部が電
動機2の後部を覆うエンドカバー11に軸受12を介し
て回転自在に支持されている。シャフト9には、軸受1
0で支持された先端部より後端側外周に遊星歯車減速機
構(下述する)を構成するサンギヤ9aが形成され、さ
らにサンギヤ9aより後端側外周にコンミテータ13が
圧入固定されている。
【0011】ブラシ8は、熱硬化性樹脂(例えばフェノ
ール樹脂)により成形されたブラシホルダ14に収容さ
れて、ブラシ8の後端側(図1の上側)に配されたスプ
リング15によりコンミテータ13の外周面に押圧され
ている。ブラシホルダ14は、回転力伝達手段の外周を
覆う中間ケース16とヨーク5との間に挟持されてい
る。
【0012】(回転力伝達手段の説明)回転力伝達手段
は、アーマチュア7側から出力軸3側へのみ回転力を伝
達する一方向クラッチ(下述する)と、この一方向クラ
ッチを介してアーマチュア7の回転を減速する遊星歯車
減速機構(下述する)とから成る。遊星歯車減速機構
は、前述のサンギヤ9aと、このサンギヤ9aと噛み合
う遊星ギヤ17と、この遊星ギヤ17と噛み合う中間ギ
ヤ18より構成されて、シャフト9の回転によってサン
ギヤ9aが回転することにより、サンギヤ9aと中間ギ
ヤ18とに噛み合う遊星ギヤ17が自転(サンギヤ9a
と逆回転)しながらサンギヤ9aと同一方向に公転を行
う。
【0013】遊星ギヤ17は、ピン19の外周に軸受1
7aを介して回転自在に挿入されている。ピン19は、
出力軸3の後端部に一体に設けられたフランジ壁3aに
圧入固定されている。従って、遊星ギヤ17がサンギヤ
9aおよび中間ギヤ18と噛み合いながらサンギヤ9a
の外周を公転することで、その公転力がピン19を介し
て出力軸3に伝達される。
【0014】中間ギヤ18は、中間ケース16の内周に
固定される内部ケース20の内周に配されて、中間ケー
ス16に対して回転可能に設けられている。また、この
中間ギヤ18は、遊星ギヤ17と噛み合うギヤ部と一体
に一方向クラッチのアウタ18aを構成する。内部ケー
ス20は、金属製で、中空状に設けられた円筒部20
a、およびアウタ18aとの間にローラ室(図示しな
い)を形成するインナ20bが設けられている。なお、
円筒部20aの外周面には、軸方向に沿った縦溝(図示
しない)が1本、あるいは複数本形成されている。
【0015】一方向クラッチは、内部ケース20に設け
られたインナ20b、中間ギヤ18のアウタ18a、お
よび前述のローラ室に収容されるローラ21等より構成
される。この一方向クラッチは、インナ20b(回転不
能)に対してアウタ18a(中間ギヤ18)をアーマチ
ュア7と同一回転方向にのみ回転を許容し、アーマチュ
ア7と逆回転方向には回転を規制する。従って、アーマ
チュア7の回転によりサンギヤ9aが回転すると、サン
ギヤ9aと噛み合う遊星ギヤ17を介して中間ギヤ18
がサンギヤ9aと逆回転方向に回転しようとするが、中
間ギヤ18の回転が規制されることから、遊星ギヤ17
に公転力が発生し、その公転力がピン19を介して出力
軸3に伝達される。
【0016】一方、エンジンが始動してピニオン4がエ
ンジン側のリングギヤ(図示しない)により回転される
と、出力軸3の回転力がピン19を介して遊星ギヤ17
に伝達されるため、遊星ギヤ17の公転速度の方がアー
マチュア7(サンギヤ9a)の回転速度より速くなる。
ここで、中間ギヤ18がサンギヤ9aと同一回転方向に
回転を許容されることから、遊星ギヤ17は、サンギヤ
9aと同一回転方向に自転しながらサンギヤ9aの回転
速度より速く公転することができる。その結果、遊星ギ
ヤ17はサンギヤ9aに対してサンギヤ9aの外周を空
回りしながら公転することになり、遊星ギヤ17の公転
力がサンギヤ9aを介してアーマチュア7に伝達される
ことはない。
【0017】(出力軸3の説明)出力軸3は、内部ケー
ス20に設けられた円筒部20aの中空内部を通って円
筒部20aと同軸に配され、円筒部20aの内周面に軸
受22、23を介して回転自在に支持されている。 (ピニオン4の説明)ピニオン4は、出力軸3の先端部
外周にヘリカルスプライン嵌合されて、出力軸3の先端
に装着されたカラー24とピニオン4との間に配された
スプリング25により後方へ付勢されている。カラー2
4は、出力軸3の先端外周面に形成された周溝(図示し
ない)に嵌合するスナップリング26に係止されてい
る。
【0018】(ピニオン押出手段の説明)ピニオン押出
手段は、通電を受けて磁力を発生する励磁コイル27
と、この励磁コイル27の磁力により吸引されてピニオ
ン4を前方へ押し出す直動筒28より成る。励磁コイル
27は、出力軸3を中心として、静止位置(図1に示す
位置)にあるピニオン4の外周に配され、装置の前端側
を覆うフロントカバー29の内部に保持されている。こ
の励磁コイル27は、図示しない始動スイッチ(イグニ
ッションスイッチ)をオンすることにより通電される。
【0019】直動筒28は、内部ケース20の円筒部2
0aの外周に嵌合して、励磁コイル27の内周側を軸方
向に摺動自在(回転不能)に配されている。直動筒28
と内部ケース20とは、直動筒28の内周面に軸方向に
沿って延設された突起部28a(1本、あるいは複数
本)が、内部ケース20の円筒部20aの外周面に形成
された縦溝に嵌まり合うことで、内部ケース20に対し
て直動筒28が軸方向に移動可能に設けられている。
【0020】直動筒28の先端には、直動筒28が励磁
コイル27の磁力を受けて吸引された際に、ピニオン4
の後端面を押圧する押圧部28bが設けられており、直
動筒28の後端部には、後述の接点装置を支持する接点
支持壁28cが径方向外周に延設されている。この直動
筒28は、励磁コイル27との間に配されたスプリング
30により後方へ付勢されており、励磁コイル27が通
電されていない時に、直動筒28の後端に設けられた接
点支持壁28cが内部ケース20の壁面に当節した状態
(図1に示す状態)で静止している。また、この静止状
態において、直動筒28の先端に設けられた押圧部28
bとピニオン4後端面との間には若干の隙間が確保され
ている。
【0021】(接点装置の説明)図2に接点装置の構造
を示す。接点装置は、図2に示すように、給電線(図示
しない)によりバッテリ(図示しない)の正極に接続さ
れる端子ボルト31(本発明の外部端子)、この端子ボ
ルト31の頭部31aに固定された固定接点32、正極
ブラシ8のリード線33に接続される主可動接点34、
この主可動接点34に起動抵抗35を介して接続される
副可動接点36より構成される。
【0022】端子ボルト31は、フロントカバー29と
中間ケース16との間に挟持される樹脂ケース37に取
り付けられて、かしめワッシャ38により固定されてい
る。固定接点32は、樹脂ケース37の内部で端子ボル
ト31の頭部31aに溶接等により固定されている。主
可動接点34は、固定接点32に対向して配置され、直
動筒28の接点支持壁28cに圧入固定されたピン39
の先端部に摺動自在に嵌め合わされて、接点圧スプリン
グ40によりピン39の先端側へ付勢されている。但
し、主可動接点34は、接点圧スプリング40の付勢力
に対して、ピン39の先端に係止された止め輪41によ
り前進規制されている。
【0023】起動抵抗35は、例えば、ニッケルより成
り、コイル状に巻回されてバネ作用を有し、一端が主可
動接点34にかしめ固定されて、他端が副可動接点36
にかしめ固定されている。副可動接点36は、端子ボル
ト31の頭部31aに対向して配置され、励磁コイル2
7が通電されていない時に、起動抵抗35のバネ作用に
より内部ケース20の壁面に当接されて(図1および図
2に示す状態)、電気的に導通状態となっている。
【0024】この接点装置は、主可動接点34および副
可動接点36が、励磁コイル27の磁力により吸引され
る直動筒28と連動して前方へ移動することにより、主
可動接点34は固定接点32に当接し、副可動接点36
は端子ボルト31の頭部31aに当接する。但し、主可
動接点34と固定接点32との間隔より副可動接点36
と端子ボルト31の頭部31aとの間隔の方が小さく設
定されて、主可動接点34が固定端子に当接する前に副
可動接点36が端子ボルト31の頭部31aに当接する
ように設けられている。具体的には、励磁コイル27の
磁力を受けて吸引された直動筒28によりピニオン4が
押し出されてリングギヤと噛み合うまでの間に副可動接
点36が端子ボルト31の頭部31aに当接し、その
後、ピニオン4がリングギヤと噛み合った時点で主可動
接点34が固定接点32に当接するように設けられてい
る。
【0025】上記構成より成るエンジン始動装置1は、
エンドカバー11からフロントカバー29に至るスルー
ボルト42を締め付けて固定されている。なお、エンジ
ンへの取り付けは、フロントカバー29の外周に設けら
れたフランジ部29aの端面(図1の左側面)をエンジ
ン壁面に当接させた状態で固定される。次に、本実施例
の作動を説明する。始動スイッチがオンされて励磁コイ
ル27が通電されることにより、直動筒28が励磁コイ
ル27の磁力を受けて吸引される。これにより、直動筒
28は、先端に設けられた押圧部28bがピニオン4の
後端面に当接した後、スプリング25およびスプリング
30の付勢力に抗して前進し、ピニオン4はヘリカルス
プラインに沿って出力軸3上を前進する。
【0026】一方、直動筒28の前進に伴って副可動接
点36が端子ボルト31の頭部31aに当接し、起動抵
抗35、主可動接点34、リード線33、正極ブラシ8
を経てアーマチュア7へ給電される。但し、アーマチュ
ア7に印加される電圧が起動抵抗35により降圧される
ため、アーマチュア7は低速で回転する。このアーマチ
ュア7の回転は、遊星歯車減速機構で減速されて出力軸
3に伝達されることにより、出力軸3はアーマチュア7
の回転よりさらに低速で回転することになる。
【0027】この出力軸3の回転に伴ってピニオン4も
低速で回転しながら前進することで、ピニオン4はエン
ジンのリングギヤと噛み合うことができる。ピニオン4
がリングギヤと噛み合うと、主可動接点34が固定接点
32に当接することで、起動抵抗35が短絡されて電動
機2に定格電圧が印加される。これにより、アーマチュ
ア7が高速回転して、その回転力がピニオン4に伝達さ
れることにより、ピニオン4と噛み合うリングギヤが回
転してエンジンが始動する。
【0028】なお、ピニオン4は、回転不能に設けられ
た直動筒28により常時前方へ押圧されていることか
ら、直動筒28とピニオン4との間で相対回転を生じる
が、その直動筒28によって回転が規制されることはな
く、直動筒28先端の押圧部28bの端面でピニオン4
の回転を受けることにより、ピニオン4の回転が許容さ
れる。
【0029】ピニオン4が前進してリングギヤと噛み合
った状態では、スプリング25が圧縮してピニオン4を
後方へ付勢する付勢力が大きくなる。また、エンジンの
始動によりピニオン4がリングギヤによって回転される
と、エンジンの回転力がヘリカルスプラインの作用によ
ってピニオン4を後退させる方向に働く。これに対し
て、ピニオン4は、励磁コイル27の保持力(直動筒2
8を吸引する吸引力)によってリングギヤから離脱する
ことなく、リングギヤとの噛み合い状態が保持される。
【0030】また、ピニオン4がリングギヤにより回転
されることで、ピニオン4が装着された出力軸3も高速
で回転することになるが、一方向クラッチによって中間
ギヤ18および遊星ギヤ17が空転することにより、エ
ンジンの回転力がアーマチュア7へ伝達されることはな
く、アーマチュア7の過回転によるコンミテータ13の
遠心破壊を防止している。
【0031】エンジン始動後、始動スイッチがオフされ
ると、励磁コイル27の磁力が消滅することで、直動筒
28がスプリング30の付勢力によって静止位置へ復帰
する。また、ピニオン4は、励磁コイル27の保持力が
消滅することで、スプリング25の付勢力によりリング
ギヤと離脱し、出力軸3上をヘリカルスプラインに沿っ
て静止位置まで後退する。なお、ピニオン4の静止位置
は、出力軸3に形成されたヘリカル歯の切り上がり部で
位置決めされる。
【0032】直動筒28が復帰する際に、主可動接点3
4が固定接点32から離れた後、続いて副可動接点36
が端子ボルト31の頭部31aから離れることにより、
電動機2への通電が停止される。さらに、直動筒28が
静止位置まで復帰すると、副可動接点36が起動抵抗3
5のバネ作用によって内部ケース20の環状壁に当接す
ることで、正極ブラシ8が起動抵抗35を介して電気的
にアース(接地)されるため、アーマチュア7の惰性回
転による発電電圧が制動抵抗となってアーマチュア7の
回転が急速に停止する。
【0033】(本実施例の効果)本実施例のエンジン始
動装置1は、出力軸3を中心としてピニオン4の外周に
励磁コイル27を配置したことにより、電動機2の側方
へ励磁コイル27全体が突出することはない。また、そ
の励磁コイル27も、ピニオン4がリングギヤと噛み合
った状態で直動筒28を保持できるだけの保持力(吸引
力)があれば良い。このため、巻数を少なくした小型
(特に外径寸法が小さい)の励磁コイル27を採用する
ことができる。これらの結果、エンジン始動装置1の小
型化を図ることで、エンジンへの搭載性を大幅に向上さ
せることができる。
【0034】また、励磁コイル27をピニオン4の外周
に配置したことに伴って、電動機2の接点装置をエンジ
ンへの取り付け部近傍に配置することができる。これに
より、エンジン振動の影響を受けにくい耐振性に優れた
構造とすることができる。さらには、ピニオン4がリン
グギヤと噛み合うまで(ピニオン4とリングギヤとの噛
み合いが完了するまで)は、アーマチュア7を低速回転
させることで、噛合時にピニオン4とリングギヤとの歯
筋が合致しない様な場合でも、出力軸3の回転に伴って
容易にピニオン4をリングギヤに噛み合わせることがで
きる。
【0035】本実施例では、直動筒28によりピニオン
4単体を押し出す構造であることから、エンジン始動
後、ピニオン4の戻り不良が生じても、始動スイッチを
オフして励磁コイル27への通電を停止することによ
り、磁力の消滅に伴って、スプリング30の付勢力によ
り直動筒28のみ静止位置へ復帰させることができる。
これにより、直動筒28と連動する主可動接点34が固
定接点32より離れ、続いて副可動接点36が端子ボル
ト31の頭部31aより離れて電動機2のモータ回路を
開くことができる。その結果、ピニオン4の戻り不良に
伴うアーマチュア7への連続通電を防止して、アーマチ
ュア7への悪影響を防ぐこともできる。
【0036】アーマチュア7の回転力を減速する減速手
段として遊星歯車減速機構を採用したことにより、アー
マチュア7のシャフト9と出力軸3とを一直線上に配置
することができる。装置の全体形状において側方への突
出をなくすことができる。また、ピニオン4とリングギ
ヤとの噛み合い時において、アーマチュア7の回転が減
速されて出力軸3に伝達されることから、アーマチュア
7の急速な回転立ち上がりによるピニオン4およびリン
グギヤの歯の欠けや異常摩耗等を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン始動装置の断面図である。
【図2】接点装置の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン始動装置 2 電動機 3 出力軸 4 ピニオン 9a サンギヤ(遊星歯車減速機構) 17 遊星ギヤ(遊星歯車減速機構) 18 中間ギヤ(遊星歯車減速機構) 18a アウタ(一方向クラッチ) 20b インナ(一方向クラッチ) 21 ローラ(一方向クラッチ) 27 励磁コイル 28 直動筒 31 端子ボルト(外部端子) 31a 端子ボルトの頭部(固定接点) 32 固定接点 33 リード線 34 主可動接点 35 起動抵抗(抵抗) 36 副可動接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02N 15/06 F02N 15/06 A

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シャフトとこのシャフトに設けられたコン
    ミテ−タとこのコンミテ−タの外周面に押圧されるブラ
    シとを有し、通電を受けて回転力を発生する電動機と、 この電動機のシャフトと同軸に配され、電動機の回転力
    を受けて回転する出力軸と、 前記電動機のシャフトの回転を減速して前記出力軸に伝
    達する遊星歯車減速機構と、 前記出力軸の先端部外周にヘリカルスプライン嵌合し、
    出力軸上を移動可能に配されたピニオンと、 前記出力軸の外周に設けられた直動筒と、 前記出力軸の外周でかつ出力軸を中心に配されると共
    に、前記直動筒を前記ピニオン側に移動させるための励
    磁コイルと、 前記ピニオンと前記励磁コイルを収納すると共に、エン
    ジンに取り付けるためのフランジ部を有するカバ−とを
    備え、 前記カバ−のフランジ部の内周側に前記励磁コイルを配
    したことを特徴とするエンジン始動装置。
JP10107987A 1998-04-17 1998-04-17 エンジン始動装置 Expired - Lifetime JP3011181B2 (ja)

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