JP3010932U - 組立式収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 棚部材と支柱とを結合させる際の作業性がよ
く、しかも双方を間違いなく結合することができ、簡単
に組立可能な組立式収納ケースを提供する。 【構成】 棚部材１１の四隅に上下方向の支柱取付孔１
４を形成し、上側を第１内壁部１５とし、下側を第２内
壁部１６とし、上段支柱部材１２に第１挿着部１７およ
び第１嵌合手段１９を設け、下段支柱部材１３に第２挿
着部１８および第２嵌合手段２１を設け、第１内壁部１
６には第２挿着部１８が不一致になり、第２内壁部１５
には第１挿着部１７が不一致となる形状とし、挿着部選
択手段を形成した。また、第１内壁部１５と第２挿着部
１８又は、第２内壁部１６と第１挿着部１７の何れか一
方のみの形状が不一致となる挿着部選択手段を設けた。
第１挿着部１７を長く形成し、第２挿着部１８を短く形
成し、第２内壁部１６に誤って第１挿着部１７が挿着さ
れた場合には第２挿着部１８の挿着位置を越えて侵入す
ることを阻止する凸状の挿着部選択手段を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数の部材によって組み立てられる組立式収納ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、支柱の延在途中に棚部材が支持された組立式収納ケースには、例えば、 図６に示されるような特公昭５８−５８０８７号公報に示されるものがある。こ のような組立式収納ケース１は、棚部材２に筒状部を形成して設けた取付孔３に 、長さ方向に分割された２本の支柱４の双方の端部をそ両側からそれぞれ挿入し 、双方の端部を取付孔の内部で嵌合させるとともに、外部から筒状部に挿入した クリップ５を双方の端部に貫通させ、これにより簡易な作業により２本の支柱４ を棚部材２に結合させることができ、又クリップ５を抜くことにより分解するこ とができるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の構造では、組立後の分解を可能とする場合に はよい反面、分解を必要としない場合には、取付孔の両側に２本の支柱の各々の 端部を挿入した後、さらに、クリップを挿入する作業が必要であるため、棚部材 と支柱とを結合させる際の作業性が悪い。また、２本の支柱を別部材であるクリ ップを介して結合する構造であるため、初めての人には組立が困難であった。

【０００４】 本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、棚部材と支柱 とを結合させる際の作業性がよく、しかも双方を間違いなく結合することができ 、初めての人でも簡単に組立可能な組立式収納ケースを提供することを目的とす る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、棚部材の四隅に上下方向の支柱取付孔を形成し、支柱取付 孔の上側部を第１内壁部として形成し、支柱取付孔の下側部を第２内壁部として 形成し、支柱取付孔に対して上方から取付る支柱部材の一端に第１挿着部を形成 し、第１挿着部に第１嵌合手段を設け、支柱部材の他端に第２挿着部を設け、第 ２挿着部に第１嵌合手段に嵌合する第２嵌合手段を設け、第１内壁部には第２挿 着部の形状が不一致になり、第２内壁部には第１挿着部の形状が不一致となるこ とで、挿着部を規制する挿着選択手段を設けた組立式収納ケースにある。

【０００６】 請求項２の考案は、第１内壁部と第２挿着部又は、第２内壁部と第１挿着部の 何れか一方のみの形状が不一致となる挿着部選択手段を設けた組立式収納ケース にある。

【０００７】 請求項３の考案は、第１挿着部を長く形成し、第２挿着部を短く形成し、第２ 内壁部に誤って第１挿着部が挿着された場合には第２挿着部の挿着位置を越えて 侵入することを阻止する凸状の挿着部選択手段を設けた組立式収納ケースにある 。

【０００８】

【作用】

請求項１の考案によれば、第１嵌合手段および第２嵌合手段が嵌合されると、 何れか一方を構成する嵌合爪は、背部が支柱取付孔の内壁面に保持されるので、 強固な連結作用を発生する。また、第１内壁部と第１挿着部、第２内壁部と第２ 挿着部の組合せ以外は、挿着部の形状が一致しないので、支柱取付孔に支柱部材 を挿着することができない。

【０００９】 請求項２の考案によれば、第１嵌合手段および第２嵌合手段により強固な連結 作用が得られるとともに、第１挿着部と第２内壁部、又は第２挿着部と第１内壁 部との組合せの何れか一方の形状が不一致となるので、誤った接続を防止する。

【００１０】 請求項３の考案によれば、第１嵌合手段および第２嵌合手段により強固な連結 作用が得られるとともに、第１挿着部を長く、第２挿着部を短く形成し、第２内 壁部には第１挿着部が第２挿着部の長さを越えて挿入されると係合する凸状部を 設けたので、誤った接続を防止できる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案における第１実施例を図にしたがって説明する。図１および図２ は、本考案に係る構造を備えた合成樹脂製の組立式収納ケース１０の要部を示す 図である。この組立式収納ケース１０は、複数枚の棚部材１１を、その間の４隅 に結合された上段側支柱部材１２および下段側支柱部材１３を介して上下に複数 連結するとともに、各段に引き出しを収納する構造となっている。

【００１２】 棚部材１１の左右の側面の前後には、支柱取付孔１４が一体形成されている。 この支柱取付孔１４は上下に貫通して形成されている。支柱取付孔１４の上部に は、凸条輪郭を形成した第１内壁部１５が形成されている。

【００１３】 また、支柱取付孔１４の下部には、５角形状の輪郭を有する第２内壁部１６が形 成されている。

【００１４】 このように形成された支柱取付孔１４に、上段側支柱部材１２と前記下段側支 柱部材１３の双方の端部が内嵌されている。

【００１５】 ここで、上段側支柱部材１２の下端には、第１内壁部１５の凸条形状に対応す る凹溝形状が形成された第１挿着部１７が形成されている。つまり、第１挿着部 １７は、第１内壁部１５の内壁輪郭形状に嵌合する形状を成して形成されており 、第２内壁部１６には嵌合しない形状に設定されている。

【００１６】 さらに、下段側支柱部材１３の上端には、第２内壁部１６の５角形状に対応す る５角部分を備えた輪郭を有する第２挿着部１８が形成されている。つまり、第 ２挿着部１８は、第２内壁部１６の内壁輪郭形状に嵌合する形状を成して形成さ れており、第１内壁部１５には嵌合しない形状に設定されている。

【００１７】 さらに、上段側支柱部材１２の第１挿着部１７の先端側には図２に示されるよ うに、第１嵌合手段１９が設けられている。この第１嵌合手段１９は、第１挿着 部１７の先端側に延長された連結片２０の肉厚方向に貫通された四角形状の嵌合 孔１９である。

【００１８】 下段側支柱部材１３の第２挿着部１８の先端側には、第２嵌合手段２１が設け られている。この第２嵌合手段２１は、第２挿着部１８の先端側に延長して形成 された嵌合爪２１である。この嵌合爪２１の背部は、図５に示すように、嵌合状 態において支柱取付孔１４の内壁面に当接して保持されるので、容易に嵌合が外 れることを防止できる。つまり、一度、第１および第２嵌合手段１９，２１が嵌 合すると、簡単には外せない強固な結合構造を備えている。

【００１９】 以上のように構成された支柱部材１２，１３の接続構造は、嵌合手段１９．２ １により、支柱部材１２，１３を棚部材１１の支柱取付孔１４に対して、極めて 容易に接続することができ、接続部分は極めて強固な連結強度を得ることができ る。

【００２０】 以下本考案の第２実施例を図３から図５を参照して説明する。組立式収納ケー ス１０は、複数枚の棚部材１１を、その間の４隅に結合された上段側支柱部材１ ２および下段側支柱部材１３を介して上下に複数連結するとともに、各段に引き 出しを収納する構造となっている。

【００２１】 棚部材１１の左右の側面の前後には、支柱取付孔１４が一体形成されている。 この支柱取付孔１４は上下に貫通して形成されている。支柱取付孔１４の上部に は、外側に向かう部分に円弧形状を有して形成された第１内壁部１５が形成され ている。

【００２２】 また、支柱取付孔１４の下部には、第１内壁部１５と同様の形状を成した第２ 内壁部１６が形成されている。ここで、第２内壁部１６の上部には、挿着部選択 手段としての一対の規制リブ２２が形成されている。

【００２３】 このように形成された支柱取付孔１４に、図５に示されるように上段側支柱部 材１２と前記下段側支柱部材１３の双方の端部が内嵌されている。

【００２４】 ここで、上段側支柱部材１２の下端には、第１内壁部１５の壁面に対応する形 状の第１挿着部１７が形成されている。この第１挿着部１７は軸方向の長さ寸法 Ｕが後述する第２挿着部１８よりも長く設定されている。

【００２５】 さらに、下段側支柱部材１３の上端には、第２内壁部１６の壁面に対応する形 状の第２挿着部１８が形成されている。この第２挿着部１８は軸方向の長さ寸法 Ｄが前述した第１挿着部１７よりも短く設定されている。

【００２６】 さらに、上段側支柱部材１２の第１挿着部１７の先端側には図２に示されるよ うに、第１嵌合手段１９が設けられている。この第１嵌合手段１９は、第１挿着 部１７の先端側に延長された連結片２０の肉厚方向に貫通された四角形状の嵌合 孔１９である。

【００２７】 下段側支柱部材１３の第２挿着部１８の先端側には、第２嵌合手段２１が設け られている。この第２嵌合手段２１は、第２挿着部１８の先端側に延長して形成 された嵌合爪２１である。この嵌合爪２１の背部は、嵌合状態において支柱取付 孔１４の内壁面に当接して保持されるので、容易に嵌合が外れることを防止でき る。つまり、一度、第１および第２嵌合手段１９，２１が嵌合すると、簡単には 外せない強固な結合構造を備えている。

【００２８】 以上のように構成された支柱部材１２，１３の接続構造は、嵌合手段１９．２ １により、支柱部材１２，１３を棚部材１１の支柱取付孔１４に対して、極めて 容易に接続することができ、接続部分は極めて強固な連結強度を得ることができ る。さらに、支柱取付孔１４の下側に位置する第２内壁部１６の上部分には、規 制リブ２２が形成されている。これらの規制リブ２２は、支柱取付孔１４を上下 部分に分離する金型のパーティングラインＬに上端を接する状態で形成されてい る。

【００２９】 そして、規制リブ２２は、第２内壁部１６側に寸法Ｄの第２挿着部１８が挿入 された場合には、障害とならずに接続することができ、寸法Ｕの第１挿着部１７ が挿入された場合には、図４に示されるように規制リブ２２が第１挿着部１７に 緩衝して、完全な挿入ができないようになっている。

【００３０】 つまり、寸法の長い第１挿着部１７は、第１内壁部１５側にのみ完全挿入でき るようになっていおり、組立ミスを防止するようになっている。

【００３１】 なお、寸法の短い第２挿着部１８は第１内壁部１５および第２内壁部１６の双 方に挿入可能であるが、第１挿着部１７が前述のような第１内壁部１５のみを選 択するように形成されているので、誤った接続は不可能である。

【００３２】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、上段支柱部材と下段支柱部材とを支柱取付孔に挿入 するだけで、第１嵌合手段および第２嵌合手段が嵌合され、何れか一方を構成す る嵌合爪は、背部が支柱取付孔の内壁面に保持されるので、極めて強固な連結作 用を発生する。また、第１内壁部と第１挿着部、第２内壁部と第２挿着部の組合 せ以外は、挿着部の形状が一致しないので、支柱取付孔に支柱部材を挿着するこ とができない。よって、方向を誤って接続することを防止して、初めての人でも 簡単に且つ正確に組み立てることができる。

【００３３】 請求項２の考案によれば、第１嵌合手段および第２嵌合手段により強固な連結 作用が得られるとともに、第１挿着部と第２内壁部、又は第２挿着部と第１内壁 部との組合せの何れか一方の形状が不一致となるので、誤った接続を防止して、 初めての人でも簡単に且つ正確に組立ることができる。

【００３４】 請求項３の考案によれば、第１嵌合手段および第２嵌合手段により強固な連結 作用が得られるとともに、第１挿着部を長く、第２挿着部を短く形成し、第２内 壁部には第１挿着部が第２挿着部の長さを越えて挿入されると係合する凸状部を 設けたので、誤った接続を防止でき、初めての人でも簡単に且つ正確に組立てる ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の棚部材に支柱部材を接続する構造
を示す分解斜視図である。

【図２】図１の上段側支柱部材の第１挿着部を示す側面
図である。

【図３】第２実施例の支柱取付孔の構造を破断面をもっ
て示す斜視図である。

【図４】図３の棚部材に支柱部材を逆に挿入した状態を
示す正断面図である。

【図５】図３の支柱部材を正常に挿入した状態を示す正
断面図である。

【図６】従来の支柱部材を接続する構造を示す分解斜視
図である。

【符号の説明】

１０ 組立式収納ケース １１ 棚部材 １２ 上段側支柱部材（支柱部材） １３ 下段側支柱部材（支柱部材） １４ 支柱取付孔 １５ 第１内壁部 １６ 第２内壁部 １７ 第１挿着部 １８ 第２挿着部 １９ 嵌合孔（第１嵌合手段） ２１ 嵌合爪（第２嵌合手段） ２２ 規制リブ（挿着部選択手段）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形枠状の棚部材と、 棚部材の四隅部分に設けられ、上下方向に貫通された支
   柱取付孔と、 支柱取付孔の上側部を形成する第１内壁部と、 支柱取付孔の下側部を形成する第２内壁部と、 支柱取付孔に嵌着される支柱部材と、 支柱部材の一端に形成され支柱取付孔に対して上方から
   挿着される第１挿着部と、 第１挿着部に形成され背部が支柱取付孔の内壁面に保持
   される嵌合爪又は嵌合孔を備えた第１嵌合手段と、 支柱部材の他端に形成され支柱取付孔に対して下方から
   挿着される第２挿着部と、 第２挿着部に形成された嵌合孔又は背部が支柱取付孔の
   内壁面に保持される嵌合爪を備えて第１嵌合手段と嵌合
   する第２嵌合手段と、 第１内壁部の挿着方向の輪郭形状には第２挿着部の挿着
   方向の輪郭形状が、第２内壁部の挿着方向の輪郭形状に
   は第１挿着部の挿着方向の輪郭形状が不一致となるよう
   に構成された挿着部選択手段と、 を備えたことを特徴とする組立式収納ケース。
2. 【請求項２】矩形枠状の棚部材と、 棚部材の四隅部分に設けられ、上下方向に貫通された支
   柱取付孔と、 支柱取付孔の上側部を形成する第１内壁部と、 支柱取付孔の下側部を形成する第２内壁部と、 支柱取付孔に嵌着される支柱部材と、 支柱部材の一端に形成され支柱取付孔に対して上方から
   挿着される第１挿着部と、 第１挿着部に形成され背部が支柱取付孔の内壁面に保持
   される嵌合爪又は嵌合孔を備えた第１嵌合手段と、 支柱部材の他端に形成され支柱取付孔に対して下方から
   挿着される第２挿着部と、 第２挿着部に形成された嵌合孔又は背部が支柱取付孔の
   内壁面に保持される嵌合爪を備えて第１嵌合手段と嵌合
   する第２嵌合手段と、 第１内壁部の挿着方向の輪郭形状に対して第２挿着部の
   挿着方向の輪郭形状が、不一致となるか、又は、第２内
   壁部の挿着方向の輪郭形状には第１挿着部の挿着方向の
   輪郭形状が不一致となるように、何れか一方の輪郭形状
   のみを不一致に構成された挿着部選択手段と、 を備えたことを特徴とする組立式収納ケース。
3. 【請求項３】矩形枠状の棚部材と、 棚部材の四隅部分に設けられ、上下方向に貫通された支
   柱取付孔と、 支柱取付孔の上側部を形成する第１内壁部と、 支柱取付孔の下側部を形成する第２内壁部と、 支柱取付孔に嵌着される支柱部材と、 支柱部材の一端に形成され支柱取付孔に対して上方から
   長い寸法で挿着される第１挿着部と、 第１挿着部に形成され背部が支柱取付孔の内壁面に保持
   される嵌合爪又は嵌合孔を備えた第１嵌合手段と、 支柱部材の他端に形成され支柱取付孔に対して下方から
   第１挿着部よりも短い寸法で挿着される第２挿着部と、 第２挿着部に形成された嵌合孔又は背部が支柱取付孔の
   内壁面に保持される嵌合爪を備えて第１嵌合手段と嵌合
   する第２嵌合手段と、 第２内壁部の挿着方向の第２挿着部の挿着位置よりも深
   い位置にあって凸状を成し、第２内壁部に誤って第１挿
   着部が挿着された場合には第２挿着部の挿着位置を越え
   て侵入することを阻止する挿着部選択手段と、 を備えたことを特徴とする組立式収納ケース。