JPH035307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主として金網から構成された棚本
体の両側に、掛環を介して鎖その他の適宜な吊手
を取付けてなる吊棚に関し、特に上記棚本体に対
する吊手の装着が簡単かつ確実に、しかも見栄え
良く行えるようにしたことを技術的特徴としたも
のである。

〔従来の技術及びその問題点〕

一般に、この種吊棚における棚本体は、前後の
枠及び両側の側枠間に多数の線材を互いに直交し
て張設し、上記各線材の交点及び該線材の端部と
上記各枠とを接着乃至溶着したものであるが、上
記側枠に吊手を取付ける場合には、例えば、その
側枠に直接若しくは別途連結環を介する等して、
吊手の両端に装着された掛環を係合するようにし
たものであつたから、何れの場合でも、棚が傾斜
したり外力が付加されると、その掛環が簡単に抜
外れ易かつた上、上記掛環による係合部が露見し
て見栄えが悪く商品価値を低下させるという問題
点が見られたものであつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案は、網状棚本体の各側枠前後に吊
手両端の掛環を掛着するようにした吊棚におい
て、上記棚本体の前後の枠両端を一定長屈曲して
側枠を形成する一方、上面両端に上記掛環が挿入
可能な透孔を貫設してなる上体と、該上体と合体
可能な下体とから構成される中空状カバーを、上
記各側枠に被着可能としたことによつて、上述し
た問題点を一挙に解消し得たものである。

〔作用〕

本考案は、上記カバーが側枠と掛環との係合部
及び該掛環の吊手挿入間隙を上下から被包して隠
蔽すると同時に、その上体の透孔から一部露出す
る掛環を側枠の所定位置に固定するという作用を
奏するものである。

〔実施例〕

以下、その構成を図面に示す実施例に従つて更
に具体的に述べると、図において１は棚本体、２
はその前後の枠、３は該前後各枠２の両側を一定
長屈曲して構成された側枠、又４は上記前後両側
の枠間に張設された金網であつて、前後の枠間に
線材４ａを、又これに直交して線材４ｂを張設
し、上記両線材の交点及び線材４ａの端部と上記
前後の枠とを接着乃至溶着してなるものである。

更に、５は一側に金属又はプラスチツク等から
なる鎖状吊手６の端部が挿脱可能な間隙５ａを有
し上記側枠３に係合自在な掛環、７は下述するよ
うに、上記側枠３と掛環５との係合部及び該掛環
の吊手挿入間隙５ａを上下から被包して上記両側
の側枠３に装着されたプラスチツク製の中空状カ
バーである。

尚、上記吊手６は端部が上記掛環に連結可能で
あれば鎖状のものに限らず、紐その他を使用して
も良いし、又、図示したようにその吊手が必ずし
も側枠の両端を連結する一本の連続したものであ
ることを要件とするものではない。

而して、上記カバー７は互いに合体可能な半割
の上体８と下体９とから構成され、その両端面に
は合体時に連通して側枠３を上下から挾持可能な
切欠部８ａ，９ａを形成すると共に、上記上体８
には、その上面両端に上記掛環５が挿入可能な透
孔８ｂを貫設し、又該上体８の内側下縁に上記線
材４ｂの端部が嵌入可能な切欠部８ｃを設けたも
のである。

更に上記カバーの上体８には、その上部内面の
１〜数ケ所に、先端に爪部１０ａを備えた連結杆
１０を突成する一方、下体側には上記連結杆１０
に対応する位置にその爪部１０ａが弾嵌可能な内
段部１１ａを有する係止孔１１を貫設して、合体
時に両者を固定するようにしたものであるが、
かゝる結合手段については必ずしも上例に限定さ
れるものではなく、その他の適当な手段について
も自由に選択し得るものである。

尚、図中１２，１３は必要に応じて上記上体８
の下縁及び下体９の上縁に、それぞれ形成されて
互いに係合可能な内段部と外段部を示す。

次に、上記カバーを利用して側枠に吊手を取付
ける際の要領について述べると、先ず吊手６の両
端をそれぞれ掛環一側の間隙５ａより挿入して、
該掛環５を上記カバー上体の透孔８ｂに挿入し、
この状態で掛環５の下半部を側枠端部に外嵌・掛
合した上、上記上体８の両端面の切欠部８ａを側
枠上に、又内側下縁の切欠部８ｃを線材４ｂの各
端部にそれぞれ嵌合させる。

而る後、下体両端の切欠部９ａを側枠３の下面
に嵌合して上体８と突き合わせた上、両者を上下
から押圧することによつて、上体８の連結杆先端
の爪部１０ａが下体の係止孔の内段部１１ａに弾
嵌・係合し、上体８と下体９が側枠３及び線材４
ｂの各端部を挾んで一体化されるから、上述した
作用で吊手６は側枠上の所定位置に確実に装着さ
れるものである。

尚、上記側枠３から吊手６を取外す場合には、
下体下面の透孔開口部を利用してドライバー等で
上記爪部１０ａと内段部１１ａと係合を解除すれ
ば、簡単にカバーを分解できて、速やかに吊手６
を離脱し得るものである。

〔考案の効果〕

叙上の構成に係る本考案の吊棚は、上記カバー
によつて側枠と掛環及び該掛環と吊手とが確実に
係合して、棚の傾斜や外力による位置ずれや抜け
外れが生ずることがない上、その組立てが極めて
簡単に行えるものである。

更に、本考案では上記カバーの存在で側枠の中
間部を省略することができると共に、カバー内側
に線材４ｂの端部が支持されて、充分な強度が得
られるため、該部を従来のように側枠に溶着乃至
は接着する手間が省略できて、材料並びに工作上
の効率を高め、安価な商品を提供し得るものであ
る。

この他、本案吊棚は、上記掛環と側枠との係合
部分がカバーによつて完全に隠蔽され、掛環の上
部だけがカバーから露出するに止まるため、見栄
えが良く斬新なデザインが得られて商品価値を著
しく高め得る等の多くの優れた実用的利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案吊棚の一側を分解して示す斜視
図、第２図は側枠と掛環及びカバーの係合状態を
拡大して示す縦断面図、又第３図はそのＡ−Ａ線
断面図である。 尚、図中１……棚本体、２……前後枠、３……
側枠、４ａ，４ｂ……線材、５……掛環、６……
吊手、７……カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 網状棚本体の各側枠前後に吊手両端の掛環を
   掛着するようにした吊棚において、上記棚本体
   １の前後の枠２両端を一定長屈曲して側枠３を
   形成する一方、上面両端に上記掛環５が挿入可
   能な透孔８ｂを貫設してなる上体８と、該上体
   ８と合体可能な下体９とから構成される中空状
   カバー７を、上記各側枠３に被着可能としたこ
   とを特徴とする吊棚。 ２ カバー７が、その内側に前後の枠２と平行な
   線材４ｂの端部が係合可能な切欠部８ｃを有す
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の吊棚。