JP3010097U - 薬剤の自動包装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一次包装装置のうち包装機のみをクリーン雰
囲気中に設置することにより、コストを低減すると共
に、作業員及び物の移動を容易にして作業員を削減でき
るようにした薬剤の自動包装装置を得ること。 【構成】 顆粒や粉末あるいは錠剤やカプセルなどの薬
剤を包装機１で包装したのち検査工程２，３、集積工程
４等を経て出荷する薬剤の自動包装装置において、包装
機１を、フィルタ、電動送風機等を有するファン・フィ
ルタ・ユニット８を備え、下部を開放して四周及び天井
にガラス等を装着されかつ四周の一部に扉等が設けられ
たカステンカバー７で覆ったものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、顆粒や粉末あるいは錠剤やカプセルなどの薬剤を自動的に包装する 薬剤の包装装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、顆粒や粉末などの薬剤を２巻の熱可塑性プラスチックフィルムの間に 充填し、その四方を熱溶着して封止する四方シールタイプの包装方式、あるいは 、熱可塑性プラスチックフィルムを連続的に加熱して真空又は圧縮空気によりポ ケットを成型し、このポケットに錠剤、カプセルなどの薬剤を充填してその上に アルミ箔などの金属シートを熱溶着するＰＴＰ包装方式は、広く実用化されてい る。

【０００３】 図６は従来の四方シールタイプの包装装置の全体構成を示す平面図、図７はそ の正面図である。図において、Ｉは一次包装室で、１は包装機である四方シール 機、２はウエイトチェッカ、３は検査コンベアである。IIは二次包装室で、４は 集積機、５はピロー包装機である。

【０００４】 四方シール機１の一例を図８及び図９に示す。２１は顆粒５５が装入される大 ホッパで、その出口２２には外周に多数の凹溝２４が設けられ、歯車２５，２６ を介して間欠的に回転駆動される円筒状の給粒器２３が配設されている。２７は ホッパ２１の出口に設けられた小ホッパ、２８は小ホッパ２７内に設けられ、小 ホッパ２７内の顆粒のレベルを検出するレベル検出器である。

【０００５】 ２９は小ホッパ２７の下に設けられたテーブルで、所定の間隔で包装する顆粒 ５０の容量に対応した大きさの充填穴３０ａ，３０ｂ，…３０ｎが設けられてい る。また、下面にラック３１とこれに噛合うピニオン３２が設けられており、テ ーブル２９はピニオン３２に駆動されて矢印ａ，ｂ方向に摺動する。３３は各充 填穴３０ａ〜３０ｎに対向してテーブル２９に設けた溝に摺動可能に装着された 摺動片、３４は各摺動片３３ごとに設けられた摺動片調整機構である。

【０００６】 ３５はテーブル２９の下面に摺動可能に配設されたシャッタで、常時は充填穴 ３０ａ〜３０ｎの下部に位置してこれを閉塞しているが、テーブル２９が摺動し て充填穴３０ａ〜３０ｎが後述のコレクトシュート上に達すると、ストッパ（図 示せず）によりその位置に停止し、テーブル２９のみが移動して充填穴３０ａ〜 ３０ｎを開放するように構成されている。なお、３６は揺動部材で、軸３７を中 心に揺動し、充填穴３０ａ〜３０ｎに充填された顆粒５０の表面を均して平坦に する。

【０００７】 ４０はテーブル２９の下方に配設されたコレクトシュートで、下部には開口部 ４１が設けられている。４２は軸４３に取付けられたシャッタで、コレクトシュ ート４０の開口部４１を開閉する。４４はコレクトシュート４０の下部に上下に 移動可能に配設されたシュートである。 ４５ａ，４５ｂはシュート４４の下方に設けられた加熱ローラで、外周部には それぞれ複数個の凹部４６ａ，４６ｂが形成されており、互に矢印方向に回転す る。４７ａ，４７ｂは例えば熱可塑性樹脂のフィルムやアルミニウム箔の如き熱 接着可能なフィルム（以下単にフィルムという）である。

【０００８】 次に、上記のように構成した包装装置の作用を説明する。大ホッパ２１には顆 粒５０が装入されており、給粒器２３の凹溝２４に供給され、間欠的に回転して 少量ずつ小ホッパ２７に送り込まれる。いま、例えば、テーブル２９を矢印ａ方 向に摺動させ、充填穴３０ａが小ホッパ２７の下に位置すると、小ホッパ２７内 の顆粒５０が落下して充填穴３０ａに充填される。次に、テーブル２９を矢印ｂ 方向に摺動させると、図のように傾動している揺動部材３６によって充填穴３０ ａ内の顆粒５０の表面が平坦に均され、所定量となる。 なお、小ホッパ２７内の顆粒５０のレベルが低下すると、レベル検出器２８が これを検出して歯車２５の駆動モータ（図示せず）に信号を送り、給粒器２３を 回転させて大ホッパ２１内の顆粒５０を小ホッパ２７に供給する。

【０００９】 さらに、テーブル２９が矢印ｂ方向に摺動すると、シャッタ３５はその位置に 停止し、テーブル２９のみが引続き移動する。これにより充填穴３０ａの下部が 開放され、内部に充填された顆粒５０はコレクトシュート４０内に落下する。 ついで、シャッタ４２が開かれ、顆粒５０はシュート４４にガイドされて加熱 ローラ４５ａ，４５ｂ上のフィルム４７ａ，４７ｂの間に落下する。落下した顆 粒５０は加熱ローラ４５ａ，４５ｂの凹部４６ａ，４６ｂ内においてフィルム４ ７ａ，４７ｂ間に収容され、その周囲が熱溶着されて内部に封止され、反対側か ら製品４８として送り出される。

【００１０】 このようにして四方シール機１で包装された製品は、ウエイトチェッカ２で正 しい量の顆粒が充填されているかどうかがチェックされ、所定の範囲内にあるも のだけが次の検査コンベア３に送られる。そして、封止状態などが検査され、こ れに合格したものが二次包装室IIに送り出され、集積機４で複数包が積重ねられ てビロー包装機５に搬送され、帯などにより緊縛されて出荷される。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような包装装置では、四方シール機１において、顆粒などはフィルム４ ７ａ，４７ｂで封止されるまでは大気中に露出しているため、大気中の集塵等が 付着したり混入したりするおそれがある。そのため、一次包装室Ｉと二次包装室 IIとを隔壁６で仕切り、一次包装室Ｉをクリーンルームとしてその中に四方シー ル機１、ウエイトチェッカー２及び検査コンベア３を収容していた。

【００１２】 このため、一次包装室Ｉのクリーン度を向上させるために設備及び運転費に多 額の費用を必要とし、製品のコストアップを招いていた。また、一次包装室Ｉと 二次包装室IIとの間には隔壁６が設けられているため、作業者及び物の移動が面 倒で、作業者を増員しなければならない等、種々問題があった。

【００１３】 本考案は、上記の課題を解決すべくなされたもので、一次包装室のうち包装機 のみをクリーン雰囲気中に設置することにより、コストを低減すると共に、作業 者及び物の移動を容易にして作業員を削減できるようにした薬剤の自動包装装置 を得ることを目的としたものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、顆粒や粉末あるいは錠剤やカプセルなどの薬剤を包装機で包装した のち検査工程、集積工程等を経て出荷する薬剤の自動包装装置において、上記包 装機を、フィルタ、電動送風機等を有するファン・フィルタ・ユニットを備え、 底部を除く外周及び天井にガラス等が装着されかつ正面に扉等が設けられたカス テンカバーで覆ったものである。

【００１５】

【作用】

電源をＯＮして電動送風機を駆動すると、これによって吸引された外気はフィ ルタで清浄化され、カステンカバー内に送り込まれる。カステンカバー内の空気 は下部のすき間から外部に排出されるので、カステンカバー内の空気を常に清浄 に保つことができる。

【００１６】

【実施例】

図１は本考案実施例の平面図、図２はその正面図である。なお、本実施例は、 図６、図７で説明した従来技術とは全体構成が異なるようにみえるが、基本的に は同じ機能を備えているので、従来技術と同じ機能の部分にはこれと同じ符号を 付し、説明を省略する。 本考案は、一次包装室Ｉと二次包装室IIの間に設けた隔壁をなくし、一次包装 室Ｉの四方シール機１の一部をカステンカバー７で覆い、内部を清浄化したもの である。

【００１７】 上記のカステンカバー７とは、例えば、図３に示すように、アルミニウム型材 等で箱状の枠体８を構成し、この枠体８の底部を除く外周及び上面に板ガラス又 は透明の合成樹脂板９を取付け、正面に人の出入及びフィルム等の搬入搬出のた めの扉又は引戸１０を設けたもので、天板には大ホッパ２１の取付口１１及び後 述のファン・フィルタ・ユニット１３の取付口１２が設けられている。

【００１８】 上述のファン・フィルタ・ユニット１３は、図４、図５に示すように、上下が 開口された枠体１４の下部にフィルタ１５を設け、その上方に電動送風機１６及 びプレフィルタ１７を取付けたものである。１８はカステンカバー７内と外気と の圧力差を検出する差圧計、１９はこの差圧に応じて電動送風機の回転を制御す る制御器、２０は電源コードである。

【００１９】 上記のようにしてファン・フィルタ・ユニット１３が取付けられたカステンカ バー７は、図１、図２に示すように、四方シール機１を覆うように設置され、天 井に設けた取付口１１から大ホッパ２１を挿入して小ホッパ２７と連結し、取付 口１１と大ホッパ２１との間に形成されたすき間をシール材でシールする。この とき、カステンカバー７の下部には僅かなすき間が形成される。

【００２０】 いま、電源をＯＮしてファン・フィルタ・ユニット１３の電動送風機１６を駆 動すると、プレフィルタ１７及びフィルタ１５を通過して清浄化された空気がカ ステンカバー７内に送り込まれ、カステンカバー７内の空気は下部のすき間から 外部に排出されるので、カステンカバー７内の空気を常に清浄に保つことができ る。なお、上記の説明では、大ホッパ２１は上部が開放されていて、ここから顆 粒などを装入するようになっているが、この開口部から塵埃等が侵入するおそれ があるので、開閉可能な蓋を設けることが望ましい。

【００２１】 上記の説明では、四方シール方式の包装機にカステンカバーを設置した場合を 示したが、ＰＴＰ包装方式の包装機にも同様にして設置することができ、同様の 効果を得ることができる。

【００２２】

【考案の効果】 本発明に係る薬剤の自動包装装置は、顆粒や粉末あるいは錠剤やカプセルなど の薬剤を包装機で包装したのち検査工程、集積工程等を経て出荷する薬剤の自動 包装装置において、上記包装機を、フィルタ、電動送風機等を有するファン・フ ィルタ・ユニットを備え、底部を除く外周及び天井にガラス等が装着されかつ正 面に扉等が設けられたカステンカバーで覆って清浄な雰囲気中で薬剤を包装する ようにしたので、設備を大幅に簡素化することができる。そのため、設備費及び 運転費が軽減されてコストを低減することができ、また、一次包装室と二次包装 室との間の作業者および物の移動が容易になり、作業員を減らすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の平面図である。

【図２】図１の正面図である。

【図３】本考案の要部をなす、カステンカバーの実施例
の斜視図である。

【図４】図３のファン・フィルタ・ユニットの実施例の
平面図である。

【図５】図４の正面図である。

【図６】従来の薬剤の自動包装装置の一例の平面図であ
る。

【図７】図６の正面図である。

【図８】図７の四方シール機の正面説明図である。

【図９】図７の四方シール機の側面説明図である。

【符号の説明】

Ｉ 一次包装室 II 二次包装室 １ 四方シール機 ２ ウエイトチェッカ ３ 検査コンベア ４ 集積機 ５ ピロー包装機 ６ 隔壁 ７ カステンカバー １３ ファン・フィルタ・ユニット １５ フィルタ １６ 電動送風機 ２１ 大ホッパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 顆粒や粉末あるいは錠剤やカプセルなど
   の薬剤を包装機で包装したのち検査工程、集積工程等を
   経て出荷する薬剤の自動包装装置において、 上記包装機を、フィルタ、電動送風機等を有するファン
   ・フィルタ・ユニットを備え、底部を除く外周及び天井
   にガラス等が装着されかつ正面に扉等が設けられたカス
   テンカバーで覆ったことを特徴とする薬剤の自動包装装
   置。