JP3008853B2 - 同報通信システム - Google Patents

同報通信システム

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JP3008853B2
JP3008853B2 JP8169486A JP16948696A JP3008853B2 JP 3008853 B2 JP3008853 B2 JP 3008853B2 JP 8169486 A JP8169486 A JP 8169486A JP 16948696 A JP16948696 A JP 16948696A JP 3008853 B2 JP3008853 B2 JP 3008853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】親局から複数の子局に対し、
同報データを無線回線又は衛星回線を用いて送信する同
報通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例1.親局から複数の子局へ情報伝送を行う同報通
信システムにおいて、データの再送要求をするために複
数の子局群に対して共通の1回線を設定する方式が特開
昭63−42244号公報に開示されている。以下に、
特開昭63−42244号公報の文章と図面の一部を記
載する。
【0003】以下、従来例を図面に従って説明する。図
16は、従来例1の衛星を利用した同報通信システムの
構成図である。このシステムは、1つの送信局121及
び複数の受信局122a,122b,・・・,122n
から構成される。送信局121から複数の受信局122
a,122b,・・・,122nへ同報されるべき情報
信号は、f1 なる周波数を持つ信号として通信衛星12
3へ向けて送出される。この信号は、通信衛星123に
おいて周波数変換され、f1 ’なる周波数を持つ信号と
して地上へ向けて送り返される。この信号は、通信衛星
123のアンテナ・ビーム内にある複数の受信局122
a,122b,・・・,122nによってそれぞれ受信
される。各受信局は、受信した情報信号の誤りを検出し
た場合に、送信局に対する再送要求信号をf2 なる周波
数を持つ信号として送出する。この信号は、通信衛星1
23によりf2 ’なる周波数を持つ信号として地上に送
り返され、送信局121によって受信されるようになっ
ている。ここで、通信衛星123は、周波数f1
1 ’にf2 をf2 ’にそれぞれ変換するだけであり、
1 ,f1 ’は、送信局から受信局への順方向伝送路を
構成し、f2 ,f2 ’は、受信局から送信局への逆方向
伝送路を構成していることが分かる。
【0004】図17は、従来例1における送受信局の構
成図であり、図17(A)は、送信局121の構成を示
す図、図17(B)は、受信局122の構成を示す図で
ある。送信局121の端末装置110から出力される同
報すべき情報信号は、バッファ・メモリ120に蓄積さ
れるとともに、符号器130に入力され、受信局122
において誤り検出が可能な符号化される。符号化された
情報信号は、バースト送受信回路140に入力され、同
期制御回路150からの同期制御信号により、バースト
信号として変復調回路160に入力され変調される。変
調された信号は、周波数変換回路170で送信周波数f
1 なる信号に変換され、アンテナ180から通信衛星1
23に向けて送信される。一方、受信局122a,12
2b,・・・,122nからのf2 ’なる周波数の再送
要求信号は、アンテナ180、周波数変換回路170、
変復調回路160、バースト送受信回路140により受
信され、再送要求信号有無検出回路190に入力され、
再送要求信号の有無を検出する。再送要求信号の存在検
出信号は、バッファ・メモリ120に入力され、対応す
る情報信号の再送が行われる。受信局122において
は、送信局121からのf1 ’なる周波数の情報信号を
アンテナ310、周波数変換回路320、変復調回路3
30、バースト送受信回路340により受信される。バ
ースト送受信回路340からは、送信局からの受信信号
の同期情報が出力され、同期制御回路350に入力され
る。また、バースト送受信回路340からは、符号化さ
れた情報信号も出力され、誤り検出回路360に入力さ
れ、ここで復号されてバッファ・メモリ370に蓄積さ
れ、情報信号を再構成して、端末装置380に出力され
る。また、誤り検出情報は、再送要求信号生成回路39
0に入力され、ここで生成された再送要求信号は、バー
スト送受信回路340に入力される。再送要求信号は、
同期制御回路350の同期制御信号によって変復調回路
330に入力され、変調された後、周波数変換回路32
0によりf2 なる周波数の信号に変換され、アンテナ3
10により通信衛星に向けて送出される。
【0005】図18は、前記順方向伝送路上のデータ・
バーストと前記逆方向伝送路上の再送要求信号送出用の
スロットの関係を示した図である。順方向伝送路上のデ
ータ・バースト1,2,3,・・・,nに対応する再要
求信号は、それぞれスロット1,2,・・・,nに送出
されるよう前記受信局122の同期制御回路350によ
り同期がとられている。このことにより、送信局におい
て、例えば、スロット1に再送要求信号の存在が検出さ
れるだけで、それがデータ・バースト1の再送を要求す
るものであることが分かることになり、また、複数の受
信局122からほぼ同時に再送要求信号が送出され、衝
突を生じても、少なくとも1つ以上の局から再送要求が
あったことを知ることが可能となる。この再送要求に応
じて送信局は、受信局に対して再送を行うことになる。
ここで、再送要求信号の形態は、例えば、変(復)調さ
れる情報信号に対して、無変調信号とすればよい。ま
た、情報信号が周波数f1 ,f1 ’,f2 として送受信
されているなら、これら以外の周波数、特にランダムな
周波数を割り当ててもよい。更に無変調信号は、その時
間量をランダムに設定してもよい。これは、同一の再送
要求信号送出用のスロットに対して、複数の受信局12
2からほぼ同時に再送要求信号が送出された、即ち、衝
突が生じたとしても送信局121側で少なくとも1種類
の再送要求信号の検出がより容易となるからである。再
送要求信号を周波数変調信号とした場合、ランダム信号
で変調することが好ましく、上述のようにその時間長
は、ランダムであることが好ましい。再送要求信号を位
相変調信号とした場合にもランダム信号で変調をし、更
に、その時間長をランダムに設定することが好ましい。
再送要求信号を振幅変調信号とした場合にもランダム信
号で変調をし、更に、その時間長をランダムに設定する
ことが好ましい。ランダムに設定することは、各受信局
122毎に再送要求信号の送出毎になされてもよい。ま
た、各受信局122毎にランダムに一旦設定し、以後同
一量をもって再送要求信号を送出してもよい。また、再
送要求信号のフォーマットは、該再送要求信号を送出す
る受信局122を示す情報、例えば、アドレスを含まな
くとも、このシステムでの再送要求は満たすことができ
る。以上のように、複数の受信局によって再送要求信号
送出用のスロットを共有することが可能となり、逆方向
伝送路の容量を飛躍的に減少させ、通信路の利用効率を
大幅に向上させることが可能となる。
【0006】従来例2.また、特開平1−109937
号公報において、1対1通信で送信局がデータを送信し
た場合、その折り返し信号を該送信局も受信し、他局の
送信したデータと衝突した場合、該送信局が受信する折
り返し信号は受信誤りが生じ、これにより送信局は、送
信が失敗したと認識するデータ送出装置が開示されてい
る。以下、特開平1−109937号公報の文章と図面
の一部を記載する。
【0007】以下、従来例のデータ送出装置について、
図面を参照しながら説明する。衛星を用いたデータパケ
ット通信の概念図は、図19で示される。図20は、従
来例2におけるデータ送出装置の構成を示すブロック図
である。同図において、211は入力端子であり送信デ
ータが入力する。212は入力した送信データをパケッ
ト化するパケット部、213はデータパケットを記憶す
るメモリ部、214はメモリ部213に記憶されたデー
タを電波に乗せて送出するデータ送出部、215はデー
タパケット送出手段である。216は入力端子であり衛
星101からの電波が入力する。217は基準信号検出
部であり衛星101からの電波に含まれる基準信号を検
出する。基準信号は、例えば、あらかじめ決められた地
球局の1つが衛星101を介して他の全ての地球局に基
準信号を送出するように構成されている。218は基準
信号検出部217で検出された基準信号を基に、タイム
スロットの頭を判別するタイムスロット判別部、220
は受信した衛星101からのデータに誤りがあるかどう
かにより自分の送出したデータと他人の出したデータと
が衝突したかどうかを検出する衝突検出手段である。2
19はゲート回路部、221は衝突の回数を数えるカウ
ンタ、222は時間領域を判別する時間領域判別部、2
23は演算処理部であり、224はデータ送出領域制御
手段である。
【0008】図21は、図20のデータ送出装置の動作
によるデータ送出方法の概念図である。図21におい
て、102,103,104は地球局、200は図19
の衛星101が受信する電波の様子を時間軸上に表した
ものであり、T1,T2,T3,・・・はタイムスロッ
トである。201,202,203はそれぞれ地球局1
02,103,104から送出される電波、204,2
05は地球局103,104から再送出される電波を示
している。タイムスロットT1からT10をフレームと
し、フレームをタイムスロットT1からT5までのA領
域とタイムスロットT6からT10までのB領域に分け
ている。
【0009】図22は、データ送出装置の動作を説明す
るフローチャートである。図20,図21,図22を参
照しながら、データ送出装置について説明する。各地球
局は、図22に示す方法によってデータ送出を行う。即
ち、初期設定を行いメモリ213及びカウンタ221の
値(以後、M値と呼ぶ)をクリアする(図22−3
2)。パケット部212において、送信データが発生す
るかどうかを監視し(図22−33)、送信データが発
生すれば、前記送信データに宛先等の付加情報を付けパ
ケット化する(図22−34)。上記パケット化した送
信データをメモリ213に格納する(図22−35)。
タイムスロット判別部218で、図21における20の
タイムスロットの頭かどうかを判別する(図22−3
6)。タイムスロットの頭であれば、次にカウンタ22
1のM値を判別する(図22−37)。時間領域判別部
222でA領域かB領域かを判別し、演算処理部223
でM値が0の時には、A領域にデータが出力する。(図
22−38)のように、ゲート回路部219を制御し、
M値が1以上であれば、B領域にデータを出力する。
(図22−39)のように、ゲート回路部219を制御
する。その後、メモリ213に格納されている送信デー
タがゲート回路部からの信号のタイミングで送出される
(図22−40)。ここで、上記メモリ213に格納さ
れている送信データのパケット長は、上記タイムスロッ
ト長よりも短い。そして、上記タイムスロットの頭から
上記データが送出される。初めて送出されるデータ(以
後、初送データと呼ぶ)は、A領域で送信される。図2
1の例では、地球局102からの送信電波は、タイムス
ロットT1に、地球局103及び104からの送信電波
は、タイムスロットT4に送出されている。従って、タ
イムスロットT1の情報は、図19に示すごとく衛星1
01で周波数変換され、他の地球局に届く。一方、タイ
ムスロットT4では、地球局103,104の電波が衝
突している。従って、衛星101で周波数変換されて各
地球局に折り返されたタイムスロットT4の情報は、デ
ータに間違いを起こしたエラー信号となって各地球局に
届き、衝突検出手段220でエラー検出される。地球局
103及び104では、タイムスロットT4の位置にエ
ラーがあることにより自分の出した電波が衝突を起こし
たと認識することができる(図22−41)。衝突を起
こしたと認識した地球局はカウンタ221において、M
値を1つインクリメントする(図22−42)。演算処
理部223で乱数を発生させ、前記乱数値で決まる時間
経過後(図22−43)、ゲート回路部219を制御
し、再び図21における20のタイムスロットめがけて
上記メモリ213に格納されている送信データを電波に
乗せて送出することになる。この時、M値は、1以上と
なっているため、再送のためのデータ(以後、再送デー
タと呼ぶ)は、B領域のタイムスロットめがけて送出さ
れる。図21の場合で言えば、地球局103からの電波
204は、タイムスロットT7に、地球局104からの
電波205は、タイムスロットT9に送出される。以上
の手順により各地球局からの情報は、宛先地球局に向け
て送出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来例1において特開
昭63−42244号公報に開示された同報通信システ
ムでは、複数子局に対し共通の1回線を設定し再送要求
を処理している。しかし、衛星通信システムでは降雨減
衰などの気象条件により再送要求を受信できない場合が
あるが、これについて考慮していない。従って、従来例
1は受信データが欠損する場合があり、システムとして
完結しないという課題があった。また、従来例1におい
て、たまたま複数子局からの再送要求が衝突した場合で
も、少なくとも1つ以上の局から再送要求があったこと
を知ることが可能となるとしている。しかし、衝突した
データの受信レベルが一定以上で受信誤りと判断するこ
とをもって再送するが、ノイズとの区別が明確ではない
という課題があった。また、従来例2において、特開平
1−109937号公報に開示されたデータ送出装置で
は、送信局も自局の送信データを受信し衝突による受信
誤りにより、送信失敗を認識する。しかし、同報通信方
式ではなく、対象としているシステムが異なり、回線効
率の向上は不可能であった。
【0011】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、再送に失敗した場合の再再送要
求を送信する手段を備え送信データの欠損を防ぎ、回線
を効果的に利用する同報通信システムを提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る同報通信
システムは、親局から複数の子局に対し同報データを送
信する同報通信システムにおいて、上記親局が上記複数
の子局にデータを送信するためのデータ回線を1回線
と、上記親局が送信したデータが上記複数の子局に到達
したことを確認するための送達確認コマンドを送信しそ
の折り返し信号を受信し、上記複数の子局が送信された
データを再び送信することを親局に要求する再送要求コ
マンドを送信するための制御回線を1回線とを備え、上
記データ回線と上記制御回線とをスロットにより時分割
して、上記スロットを上記親局と上記複数の子局との間
で同期させ、上記親局が上記送達確認コマンドを送信す
るスロットの位置と、上記子局が上記再送要求コマンド
を送信するスロットの位置とを上記制御回線上で一致さ
せ、上記親局は上記送達確認コマンドと上記再送要求コ
マンドが衝突する事による上記送達確認コマンドの折り
返し信号の受信誤りにより再送要求を検出することを特
徴とする。
【0013】上記親局は、送信すべきデータを決定する
データ送信処理手段と、上記データ送信処理手段が送信
したデータが上記複数の子局に到達したことを確認する
ための送達確認コマンドを送信する送達確認処理手段
と、上記送達確認処理手段により送信した上記送達確認
コマンドの折り返し信号の受信誤りを上記子局からの再
送要求とみなす再送検出手段とを備え、上記子局は、上
記親局から送出されたデータの受信処理を行うデータ受
信処理手段を備え、受信されたデータの受信誤りを検出
するデータ誤り検出手段と、上記データ誤り検出手段に
より受信誤りが検出されたデータを再び送信する旨親局
に要求する再送要求コマンドを送信する再送要求送信手
段とを備えることを特徴とする。
【0014】上記データ回線は、一定間隔のスロットに
同期を取るための基準バースト信号を割り当て、上記子
局は、更に、再送要求を出したデータを受信していない
と判定し、再び該当データの再再送要求を上記制御回線
の基準バースト信号に対応する位置のスロットを用いて
送信する再再送要求送信手段を備え、上記親局は、更
に、子局から送信された再再送要求を検出する再再送検
出手段とを備えることを特徴とする。
【0015】上記データ回線と上記制御回線は無線回線
であることを特徴とする。
【0016】上記同報通信システムは、更に、通信衛星
を備え、上記データ回線と上記制御回線は衛星回線であ
ることを特徴とする。
【0017】上記再再送要求送信手段は、スロット付ア
ロハ方式を用いることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は、この実施の形態における同報通
信システムのネットワーク構成図である。1は通信衛星
である。ネットワーク構成は、親局11から多数の子局
へ同報する1対Nのネットワーク構成とする。衛星回線
は、高速データ回線と低速制御回線の2回線を時分割し
て使用する。同報するデータは、高速データ回線を用い
親局11が送信し、子局1a、子局1b,・・・,子局
1nが受信する。同報データを識別するために、同報デ
ータには、ユニークな値を持つシーケンス番号が付与さ
れる。親局11が高速データ回線を用いて一定間隔で送
信する基準バーストにより、高速データ回線と低速制御
回線の時分割したスロットを親局と全ての子局の間で同
期させる。親局11は、同報データを送信した後、該同
報データに対する送達確認コマンドを通信衛星1に向け
て送信し、その折り返し信号を受信する。子局1aから
1nのいずれかの子局で、同報データの受信に失敗した
場合、再送要求コマンドを通信衛星1に向けて低速制御
回線で送信する。親局11が送達確認コマンドを送信す
るスロット位置と、子局1aから1nの少なくとも1つ
が再送要求コマンドを送信するスロット位置を低速制御
回線上で一致させる。これにより、送達確認コマンドと
再送要求コマンドは、低速制御回線上で衝突し、親局の
受信する送達確認コマンドの折り返し信号は、受信誤り
となる。この受信誤りにより親局は再送要求有りとみな
し、該送達確認コマンドに対応する同報データを再び全
ての子局に対し送信する。また、全ての子局で同報デー
タが正常受信された場合は、子局は再送要求コマンドを
送信しないため、親局の出した送達確認コマンドの折り
返し信号は、親局で正常受信される。送達確認コマンド
の折り返し信号の正常受信をもって、親局11は、その
同報データの送信が成功したとみなす。
【0019】図2は、この実施の形態における同報通信
システムの親局のシステム構成図である。通信処理部2
は、データ送信処理手段21、送達確認処理手段22、
再送検出手段23、再再送検出手段24、再送待ちデー
タ領域25、再再送待ちデータ領域26、待ちデータ領
域27からなる。データ送信処理手段21は、基準バー
スト信号、再送待ちデータ、再再送待ちデータ、新たな
同報データの中から、どれを送信するかを決定し同報す
る。送達確認処理手段22は、データ送信処理手段21
が送信したデータに対応する送達確認コマンドを低速制
御回線で送信する。基準バースト信号に対しては、送達
確認コマンドは送信しない。再送検出手段23は、送達
確認処理手段22により送信した送達確認コマンドの折
り返し信号の受信誤りにより、子局からの再送要求有り
とみなす。再再送検出手段24は、子局から低速制御回
線に送信された再再送要求を受信し、再再送要求を検出
する。再送待ちデータ領域25は、再送検出手段23に
より再送要求有りとされた同報データをキューイングす
る領域である。再再送待ちデータ領域26は、再再送検
出手段24により検出された再再送要求で指定された同
報データをキューイングする領域である。待ちデータ領
域27は、同報データをキューイングする領域である。
4は送信系インタフェース部、5は受信系インタフェー
ス部、6は同期制御部である。7は送受信部、8は地球
局、9はアンテナである。送信系インタフェース部4と
受信系インタフェース部5は、通信処理部2と送受信部
7との間の送受信データの送受を行う。同期制御部6
は、送信するバーストデータをスロットに同期させる。
送受信部7は、符号器71、変調器72、基準周波数発
生器73、復調器74、復号器75からなる。送信部7
に入力された送信データは、符号器71で符号化され、
プリアンブルを付加された後、変調器72により位相変
調と、周波数変換され、地球局8に出力される。地球局
8のアンテナ9から、通信衛星1に向けて送信される。
一方、通信衛星1からの信号は、地球局8のアンテナ9
で受信される。受信された信号は、送受信部7の復調器
74に入力され、復調された後、復号器75で復号さ
れ、受信系インタフェース部5を介し通信処理部2に送
られる。
【0020】図3は、子局のシステム構成図である。通
信処理部3は、データ受信処理手段31、データ誤り検
出手段32、再送要求送信手段33、再再送要求送信手
段34、再送要求領域35、受信データ記憶領域36か
らなる。再送要求領域35は、再送要求コマンドをキュ
ーイングしておく領域である。受信データ記憶領域36
は、受信済みデータのシーケンス番号を記憶しておく領
域である。データ受信処理手段31は、親局から送出さ
れたデータの受信処理を行う。即ち、基準バースト信号
を受信したならばタイミング処理を行い、受信済みデー
タを受信したならばデータ廃棄を行い、正常データを受
信したならば正常データ受信処理を行う。データ誤り検
出手段32は、受信されたデータの受信誤りを検出し、
該当データに対する再送要求コマンドを送信するための
再送要求を再送要求領域35にキューイングする。再送
要求送信手段33は、親局11が送達確認コマンドを送
信するタイミングに合わせ、再送要求領域35に該送達
確認コマンドに対応する再送要求があれば、再送要求コ
マンドを低速制御回線に送信する。再再送要求送信手段
34は、受信データ記憶領域36に記憶された受信済み
データのシーケンス番号から未受信データの有無を調
べ、未受信データがあれば、所定のアルゴリズムで計算
した送信タイミングで再再送要求を送信する。図2の親
局のシステム構成図と同様の機能を持つものは同じ番号
で示してあり、説明は省略する。
【0021】再送シーケンス例を図4を用い、シーケン
ス番号4のデータ(以下、データ4と呼ぶ)に着目して
説明する。図4において、3,4,5,6は同報データ
のシーケンス番号である。−は受信誤りを示す。K3,
K4,K5,K6は送達確認コマンドである。Rは子局
の出す再送要求コマンドである。*は送達確認コマンド
と再送要求コマンドが衝突を起こしたことを示す。な
お、以下の説明で最初の数値は、図のスロット位置を示
す。 04:高速データ回線を用いて親局はデータ4を送信。 08:子局1でデータ4を受信誤り。 09:親局は子局群がデータ4を受信後、データ4に対
応して一意に決定した低速制御回線のスロット位置へデ
ータ4に対する送達確認コマンドを送信。子局1も低速
制御回線の同一スロット位置に向けて再送要求コマンド
を送信。 13:低速制御回線上で送達確認コマンドと再送要求コ
マンドは衝突し、親局は送達確認コマンドを受信誤り
(図中、−で示す)。 14:親局は高速データ回線へ新データよりも再送デー
タ4を優先して送信。 18:子局1,2で再送データ4を受信誤り。 19:09と同様に、親局は再送データ4の送達確認コ
マンドを送信。子局1,2ともに再送要求コマンドを送
信。 以下、データ4を全ての子局が同時に正常受信し、親局
が送達確認コマンドを正常受信してデータ4の再送を完
了する。
【0022】次に、子局が再送要求を送信しても降雨等
の影響を受け、通信衛星1に届かず、親局の送達確認コ
マンドと衝突せず、送達確認コマンドの折り返し信号が
親局に正常受信される場合の再再送シーケンス例を示
す。図5を用い、データ4に着目して説明する。図5に
おいて、○は基準バーストである。4,5,9は同報デ
ータのシーケンス番号である。−は受信誤りであり、K
4,K5,K9は親局の出す送達確認コマンドである。
Rは再送要求コマンドであり、RRは再再送要求コマン
ドである。*は衝突を表す。未は未使用、即ち、親局が
制御回線に送達確認コマンドを出さないスロットを示
す。なお、以下の説明で最初の数値は、図のスロット位
置を示す。04から09の動作は、上記の再送シーケン
ス例(図4)と同じ。 13:親局は送達確認コマンドを正常受信。 14:親局は、図4の例ではデータ4を再送した高速デ
ータ回線のスロット位置へ新データ9を送信。 18:子局1で新データ9を正常受信。 36:子局1は受信データのシーケンス番号をチェック
し、親局が送達確認コマンドを送信しない低速制御回線
のスロットを用いてフレーム4の再送要求コマンドをス
ロット付アロハ方式により送信。図では、直ちに再送し
ているが、再送要求コマンドは、スロット付アロハ方式
の送信確率決定アルゴリズムに従い送信する。スロット
付アロハ方式の概念は、後に示す。 40:親局はデータ4の再送要求を受信。親局は基準バ
ーストに対応したスロット位置での受信であることか
ら、再再送要求であることを認識。 42:親局は新データに優先してデータ4を再送。 以下、データ4が正常に受信されるまで、36から42
の処理を繰り返す。
【0023】スロット付アロハ方式の概念図を図6に示
す。この方式では、各ユーザ局がランダムにスロットを
選んで送信する。各ユーザ局が独立にランダムに送信す
るため、衝突する場合もあるが、トラヒックが小さけれ
ば衝突は少なく、通信が可能となる(最大約38%のス
ロットが利用できる)。衝突した場合は、再びランダム
にスロットを選んで再送が行われる。この方式は、遅延
時間が比較的短いが、トラヒックが大きくなると輻輳状
態になる可能性がある。そこで、再送回数法又はCLC
法を用いてトラヒック制御を行っている。
【0024】図7は、親局11における高速データ回線
の送信処理のフローチャートである。親局11における
高速データ回線の送信処理は、データ送信処理手段21
が行う。ステップS2において、基準バースト送信タイ
ミングか否か判定し、Y、即ち、基準バースト送信タイ
ミングであれば、ステップS4において基準バーストを
送信する。ステップS2において、N、即ち、基準バー
スト送信タイミングでなければ、ステップS6の処理を
行う。ステップS6において、再送待ちデータ領域25
に再送待ちデータがあるか否か調べ、有りであれば、ス
テップS8の処理を行う。ステップS8において、再送
待ちデータ領域25にキューイングされている再送待ち
データを送信し、処理を終了する。ステップS6におい
て、再送待ちデータが無しであれば、ステップS10の
処理を行う。ステップS10において、再再送待ちデー
タ領域26に再再送待ちデータがあるか否か調べ、有り
であれば、ステップS12の処理を行う。ステップS1
2において、再再送待ちデータ領域26にキューイング
されている再再送待ちデータを送信し、処理を終了す
る。ステップS10において、再再送待ちデータが無し
であれば、ステップS14において、待ちデータ領域2
7にキューイングされている新同報データを送信し、処
理を終了する。
【0025】図8は、親局11が低速制御回線に送達確
認コマンドを送信する送信処理のフローチャートであ
る。ステップS20において、高速データ回線が基準バ
ースト送信タイミングか否か判定し、Y、即ち、基準バ
ースト送信タイミングであれば、処理を終了する。ステ
ップS20において、N、即ち、基準バースト送信タイ
ミングでなければ、ステップS22において、子局群に
送信した同報データの送達確認コマンドを送信し、処理
を終了する。以上の処理は、送達確認処理手段22が行
う。
【0026】図9は、子局1aから1nの高速データ回
線における受信処理のフローチャートである。ステップ
S30において、データ受信処理手段31は、基準バー
スト受信タイミングか否か判定し、N、即ち、基準バー
スト受信タイミングでなければ、ステップS32の処理
を行う。ステップS32において、データ誤り検出手段
32は、データを正常受信したか否か判定し、N、即
ち、データを正常に受信できなかった場合は、ステップ
S34の処理を行う。ステップS34において、データ
誤り検出手段32は、該当データに対する再送要求を再
送要求領域35にキューイングする。ステップS30に
おいて、基準バースト受信タイミングであれば、即ち、
Yであれば、ステップS36の処理を行う。ステップS
36において、データ受信処理手段31は、基準バース
トを正常受信したか否か判定し、N、即ち、基準バース
トを正常受信できなかった場合は、処理を終了する。即
ち、基準バースト信号を正常受信できなくても無視す
る。ステップS36において、Y、即ち、基準バースト
正常受信であれば、ステップS38においてタイミング
処理を行い、処理を終了する。ステップS32におい
て、データを正常受信すれば、即ち、Yであれば、ステ
ップS40の処理を行う。ステップS40において、デ
ータ受信処理手段31は、受信データのシーケンス番号
と受信データ記憶領域36に格納されている受信済みデ
ータのシーケンス番号を比べ、受信データが既に受信し
たデータであれば、即ち、Yであれば、ステップS42
の処理を行う。ステップS42において、受信したデー
タを廃棄し、処理を終了する。ステップS40におい
て、受信済みデータでなければ、即ち、Nならば、ステ
ップS44において正常データ受信処理を行い、処理を
終了する。ステップS30,S36からS44は、デー
タ受信処理手段31が処理を行う。ステップS32,ス
テップS34は、データ誤り検出手段32が処理を行
う。
【0027】子局1aから1nが高速データ回線から受
信する信号は、親局11から送信される基準バースト信
号か同報データである。同報データは、新たな同報デー
タか、再送データか、再再送データである。子局が高速
データ回線で受信する信号に対しては、データ受信処理
手段31により基準バースト信号ならばタイミング処理
を行い、受信したデータが既に受信したデータと同じも
のであればデータ廃棄を行い、受信済みデータでなけれ
ば正常データ受信処理を行う。この場合、新たな同報デ
ータであるか、再送された同報データであるか、再再送
された同報データであるかは問わない。受信済みデータ
であっても、他の子局が再送要求を出せば、再び全ての
子局に該当データが同報される。また、データ誤り検出
手段32は、データが正常受信されなければ、再送要求
をキューイングする。
【0028】図10は、子局1aから1nの制御回線に
おける送信処理のフローチャートである。ステップS5
0において、再送要求送信手段33は、親局が低速制御
回線に送達確認コマンドを送信するタイミングか否か判
定し、Y、即ち、送達確認コマンド送信タイミングであ
れば、ステップS52の処理を行う。ステップS52に
おいて、再送要求送信手段33は、再送要求領域35に
再送要求があるか否か判定し、N、即ち、再送要求がな
ければ処理を終了する。ステップS52において、Y、
即ち、再送要求があればステップS54の処理を行う。
ステップS54において、再送要求領域35にキューイ
ングされている再送要求コマンドを送信し、処理を終了
する。この再送要求は、送達確認コマンドが確認を出す
同報データに対する再送要求であり、低速制御回線上で
衝突するタイミングで送信される。衝突するタイミング
に送信することは、基準バーストにより親局と全ての子
局との間で同期をとっているための可能である。ステッ
プS50において、N、即ち、親局11が制御回線に送
達確認コマンドを送信しないタイミングであれば、ステ
ップS56の処理を行う。親局11が送達確認コマンド
を送信しないタイミングとは、図5の親局11が送達確
認コマンドを低速制御回線に送信する時に、未(未使
用)となっているスロットのタイミングである。親局1
1は、同報データ(再送データ、再再送データを含む)
を高速データ回線に送信すると、必ず低速制御回線で送
達確認コマンドを送信する。しかし、親局が高速データ
回線で基準バーストを送信した場合は、送達確認コマン
ドを出さないため、低速制御回線で対応するスロットが
未使用となる。再再送要求送信手段34は、この未使用
のスロットを利用し、再再送要求を親局に送信する。ス
テップS56において、再再送要求送信手段34は、正
常受信済みデータの最大シーケンス番号から再送処理時
間より前のシーケンス番号を計算する。再再送要求送信
手段34は、受信データ記憶領域36に記憶されている
受信済み同報データのシーケンス番号から最大シーケン
ス番号を得る。図11に示すように、例えば、現時点の
最大シーケンス番号が150とする。例えば、再送処理
時間の間に30スロット子局が受信するとすれば、シー
ケンス番号120から150の間の受信できなかった同
報データ(シーケンス番号125,126,147)
は、現時点より以降に到着する可能性がある。そのた
め、再再送要求を出す対象となる未受信データは、シー
ケンス番号120より以前の未受信データが対象とな
る。
【0029】ステップS58において、再再送要求送信
手段34は、受信データ記憶領域36を調べ、未受信デ
ータがあるか否か判定する。図11の例では、シーケン
ス番号120より小さい番号で未受信であるシーケンス
番号112のデータが未受信データとなる。ステップS
58において、未受信データがなければ処理を終了す
る。未受信データがあれば、ステップS60の処理を行
う。ステップS60において、スロット付アロハ方式再
送アルゴリズムの計算を行う。再再送要求コマンドを制
御回線の未使用のスロットで送信するが、この時点で対
象となる未使用のスロットで送信するか否かを、再送ア
ルゴリズム計算する。再送アルゴリズムは、確率で計算
するか、再送回数法で計算するか、CLC法を用いて計
算するかのいずれでもよい。ステップS62において、
スロット付アロハ方式再送アルゴリズムの計算結果が、
現在対象となっている未使用のスロットで送信するとな
ったか否か判定する。N、即ち、送信しないならば処理
を終了する。Y、即ち、送信するならばステップS64
において、再再送要求コマンドを低速制御回線の未使用
のスロットで送信する。他の子局も対象となっている未
使用のスロットで親局11に再再送要求コマンドを送信
する可能性があり、この場合は、再再送要求同士が衝突
し、親局に再再送コマンドを送ることができない。その
ため、スロット付アロハ方式を使い、再送するか否か計
算する。ステップS50からステップS54は、再送要
求送信手段33が処理を行う。ステップS56からステ
ップS64は、再再送要求送信手段34が処理を行う。
再再送要求送信手段34は、再再送要求を出す未受信デ
ータについて記録を取ることはせず、未使用スロットを
使用できるタイミングがくる毎に、未受信データがある
か否か調べ、未受信データがあれば、スロット付アロハ
方式再送アルゴリズムの計算を行う。これは、他の子局
が同一の未受信データに対し再再送要求を出し、そのデ
ータが受信される可能性があるからである。
【0030】図12は、親局11の低速制御回線におけ
る受信処理のフローチャートである。ステップS70に
おいて、再送検出手段23は、送達確認コマンド受信タ
イミングであるか否か判定し、Y、即ち、送達確認コマ
ンドの受信タイミングであるならば、ステップS72の
処理を行う。ステップS72において、送達確認コマン
ドを正常受信したか否か判定し、Y、即ち、正常受信な
らば処理を終了する。ステップS72において、N、即
ち、送達確認コマンド受信誤りであればステップS74
の処理を行う。ステップS74において、送達確認コマ
ンドを出したデータを再送待ちデータ領域25に、再送
待ちデータとしてキューイングし、処理を終了する。ス
テップS70において、N、即ち、送達確認コマンドの
受信タイミングでなければ、ステップS76の処理を行
う。ステップS76において、再再送検出手段24は、
再再送要求コマンドを正常受信したか否か判定する。送
達確認コマンド受信タイミングではないスロットは、子
局が再再送要求コマンドを送信するために使用される。
ステップS76において、Y、即ち、再再送要求コマン
ドを正常受信したならば、ステップS78の処理を行
う。ステップS78において、再再送検出手段24は、
再再送要求コマンドに指定されたシーケンス番号のデー
タを再再送待ちデータとして、再再送待ちデータ領域2
6にキューイングし、処理を終了する。ステップS76
において、N、即ち、再再送要求コマンドを受信しなか
ったならば処理を終了する。ステップS70からステッ
プS74は、再送検出手段23が処理を行う。ステップ
S76とステップS78は、再再送検出手段24が処理
を行う。
【0031】次に、子局数Nのシステムで制御回線を1
回線としたことによる伝送路の効率と回線品質に対する
効率を述べ、これらのトータルスループットを評価す
る。従来方式として、比較対象とするシステムは、子局
数Nに対しそれぞれN本の制御回線を備える場合であ
る。始めに、伝送路の効率を従来方式とこの実施の形態
における提案方式とで比較する。
【0032】データ回線の回線速度を1とすると、例え
ば、データ回線の1/100の回線速度の制御回線を使
用した子局数Nのシステムで必要な伝送路の速度の合計
は、以下の通りとなる。 従来方式:1+N/100 提案方式:1+1/100 ここでは、逆数を伝送路効率と呼ぶことにする。子局数
に対する従来方式と提案方式の伝送路効率を、図13に
示す。また、設備の面でも、図14に示す通り従来方式
は、子局の増加の都度、親局も受信設備の増設が必要と
なり、子局の増加が親局システムへ与える影響は大き
い。しかし、提案方式は、親局の設備を増設する必要が
なく、経済性と回線設定の柔軟性に優れている。
【0033】次に、回線品質に対する効率について述べ
る。子局数をNとする。親局が送信するデータは、発生
するビット・エラーに対し畳み込み符号、リードソロモ
ン符号等により自動誤り訂正後、フレーム誤り率PF
各々の子局が受信するものとする。以下、まず提案方式
のデータ回線のスループットを求める。親局が送受信す
る送達確認コマンドも自動誤り訂正後、フレーム誤り率
F で受信するものとする。また、ここでは、再再送要
求が発生する確率は、フレーム誤りが発生し、かつ、送
達確認コマンドが再送コマンドとの衝突をくぐり抜け正
常に受信する確率であり、ここでは0と仮定する。全て
の子局がデータを正常に受信し、親局がその送達確認も
正常に受信する確率をPすると、 P=(1−PF N+1 となる。故に、親局からのi回目の送信で全ユーザ局が
データを正常受信し、かつ、親局が送達確認を正常に受
信する確率Pi は、 Pi =(1−P)i-1 ×P で与えられる。従って、全ユーザ局が正常に受信するま
での親局の平均送信回数Kは、 K=1×P1 +2×P2 +3×P3 +・・・ =1×P+2×(1−P)×P+3×(1−P)2 ×P
+・・・ =P-1 となり、データ回数のスループットT1 は、 T1 =1/K=P=(1−PF N+1 となる。ここでは、Ti を回線実効率という。単に、再
送回数を削減する従来の方式の回線実効率T2 は、 T2 <1−PF 従来の再送データの符号化による再送データをブロッキ
ングする方式でも、回線実効率T3 は当然、 T3 <1 であるが、ここでは、従来方式の回線実効率を1として
評価する。即ち、子局数Nのシステムの回線実効率は、 従来方式:1 提案方式:(1−P)N+1 となる。この結果、図15に示す通り、提案方式は、フ
レーム誤り率が高くなると、従来方式より効率は低下し
ているが、フレーム誤り率が10-4以下では、子局数の
増加による効率の著しい低下はない。
【0034】上述した伝送路効率と回線実効率を総合評
価したトータルスループットについて述べる。伝送路効
率と回線実効率を総合評価すると、提案方式は、従来方
式よりフレーム誤り率が10-4以下の条件のもとで多数
の子局をサポートするシステムでトータルスループット
が優れているといえる。例えば、フレーム誤り率10-4
以下の場合、制御回線速度がデータ回線の1/1000
でも、提案方式は、従来方式よりトータルスループット
は、以下の通り向上している。 なお、トータルスループットの計算方法は、伝送路効率
×回線実効率で計算した。上記の性能評価では、親局の
送信する送達確認コマンドと子局の送信する再送要求コ
マンドが低速制御回線上で100%衝突し、これにより
親局が子局の再送要求を認識することを仮定している。
この結果、フレーム誤り率が比較的低い設備・環境のも
とで、提案方式は子局の増加に伴う回線効率の著しい低
下がなく、従来方式より回線効率が良いといえることが
解った。加えて、提案方式は、子局の増加に際し、親局
受信設備の増設が必要なく、経済性と回線設定の柔軟性
に優れていることも大きな特長といえる。
【0035】上記の性能評価では、再送要求が100%
親局により認識されるものと仮定したが、実際には、降
雨減衰、雷等の気象条件により送達確認コマンドと再送
要求コマンドの衝突が発生しない場合がある。これに対
してこの実施の形態における同報通信システムは、多数
の小規模子局を想定しているため、降雨減衰等に対応し
てダイナミックに送信出力をアップする機能を子局毎に
備えることは、経済性等の面から得策ではない。従っ
て、低速制御回線には、低周波数帯を選択すること、ト
ランスポンダに過入力にならない範囲で子局の送信出力
を親局よりアップすることが望ましい。このような対応
により、親局が子局の再送要求を認識する率を高めるこ
とはできるが、100%とすることは実際問題として不
可能である。そのため、この実施の形態のける同報通信
システムは、再再送検出手段24により、子局が既に受
信した同報データのシーケンス番号を調べ、受信洩れの
データを再再送要求コマンドにより親局に要求する。従
って、この実施の形態における同報通信システムは、送
信データが欠損することはなく、完結したシステムを提
供することができる。また、親局が子局の再送要求を認
識する方法も、親局が低速制御回線に送達確認コマンド
を送信し、これと必ず衝突するタイミングで子局が再送
要求コマンドを送信する。親局は、送達確認コマンドの
折り返し信号の受信誤りにより再送要求を検出する。送
達確認コマンドの折り返し信号に受信誤りがなければ、
データの子局への送信が成功したとみなす。これによ
り、親局は、再送要求を明確に検出することができる。
【0036】また、再再送要求送信手段34は、低速制
御回線の未使用のスロットを使用し、再再送要求を親局
11に送信する。この時、該当スロットで再再送要求を
送信するか否かをスロット付アロハ方式により計算し決
定していたが、スロット付アロハ方式以外の方式を用い
てもよい。例えば、予約方式を用いてもよい。予約方式
は、子局が予め再再送要求を送信するスロットを予約し
てから再再送要求信号を送信する方式である。また、予
約方式とスロット付アロハ方式を併用してもよい。いず
れにせよ、データ回線でスロットの同期を取るための基
準バースト信号を送信し、制御回線で基準バースト信号
に対応する位置のスロットを用いて再再送要求を送るこ
とにすればよい。
【0037】また、上記では、高速データ回線と低速制
御回線は、衛星回線を用いる例を述べたが、無線回線を
用いてもよい。無線回線を用いた場合であっても、同様
な効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、親局
が子局からの再送要求を確実に検出することができる。
また、複数の子局で制御回線を1回線備えることによ
り、回線効率の良い同報通信システムを提供することが
できる。また、子局の増加に際し、親局受信設備の増設
が必要なく、経済性と回線設定の柔軟性に優れている。
【0039】また、この発明によれば、子局からの再送
要求が親局に受信されない場合に対し、再再送要求を送
信するため、データ欠損のない同報通信システムを提供
することができる。
【0040】また、この発明によれば、データ回線と制
御回線は、無線回線を用いることができる。
【0041】また、この発明によれば、データ回線と制
御回線は、衛星回線を用いることができる。
【0042】また、この発明によれば、再再送要求を送
出するか否かは、スロット付アロハ方式により計算する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態におけるネットワー
ク構成図である。
【図2】 図1における親局のシステム構成図である。
【図3】 図1における子局のシステム構成図である。
【図4】 同報通信システムの再送シーケンス例を示す
図である。
【図5】 同報通信システムの再再送シーケンス例を示
す図である。
【図6】 スロット付アロハ方式の概念図である。
【図7】 親局のデータ回線における送信処理のフロー
チャート図である。
【図8】 親局の制御回線における送信処理のフローチ
ャート図である。
【図9】 子局のデータ回線における受信処理のフロー
チャート図である。
【図10】 子局の制御回線における送信処理のフロー
チャート図である。
【図11】 再再送要求を出す同報データのシーケンス
番号を説明するための図である。
【図12】 親局の制御回線における受信処理のフロー
チャート図である。
【図13】 伝送路効率対子局数を示す図である。
【図14】 回線数と通信設備の比較の図である。
【図15】 回線効率対フレーム誤り率の関係を表す図
である。
【図16】 従来例1における衛星を利用した同報通信
システムの構成図である。
【図17】 従来例1における送受信局の構成図であ
る。
【図18】 従来例1におけるデータ・バーストと再送
要求信号送出用のスロットとの関係を示す図である。
【図19】 従来例2における衛星を用いたデータパケ
ット通信の概念図である。
【図20】 従来例2におけるデータ送出装置の構成を
示すブロック図である。
【図21】 従来例2におけるデータ送出装置のフロー
チャート図である。
【図22】 従来例2におけるデータ送出装置のデータ
送出方法の概念図である。
【符号の説明】
1 通信衛星、1a,1b,1n 子局、2,3 通信
処理部、4 送信系インタフェース部、5 受信系イン
タフェース部、6 同期制御部、7 送受信部、8 地
球局、9 アンテナ、11 親局、21 データ送信処
理手段、22送達確認処理手段、23 再送検出手段、
24 再再送検出手段、25 再送待ちデータ領域、2
6 再々送待ちデータ領域、27 待ちデータ領域、3
1 データ受信処理手段、32データ誤り検出手段、3
3 再送要求送信手段、34再再送要求送信手段、35
再送要求領域、36 受信データ記憶領域、71符号
器、72 変調器、73 基準周波数発生器、74 復
調器、75 復号器。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親局から複数の子局に対し同報データを
    送信する同報通信システムにおいて、 上記親局が上記複数の子局にデータを送信するためのデ
    ータ回線を1回線と、 上記親局が送信したデータが上記複数の子局に到達した
    ことを確認するための送達確認コマンドを送信しその折
    り返し信号を受信し、上記複数の子局が送信されたデー
    タを再び送信することを親局に要求する再送要求コマン
    ドを送信するための制御回線を1回線とを備え、 上記データ回線と上記制御回線とをスロットにより時分
    割して、上記スロットを上記親局と上記複数の子局との
    間で同期させ、 上記親局が上記送達確認コマンドを送信するスロットの
    位置と、上記子局が上記再送要求コマンドを送信するス
    ロットの位置とを上記制御回線上で一致させ、上記親局
    は上記送達確認コマンドと上記再送要求コマンドが衝突
    する事による上記送達確認コマンドの折り返し信号の受
    信誤りにより再送要求を検出することを特徴とする同報
    通信システム。
  2. 【請求項2】 上記親局は、 送信すべきデータを決定するデータ送信処理手段と、 上記データ送信処理手段が送信したデータが上記複数の
    子局に到達したことを確認するための送達確認コマンド
    を送信する送達確認処理手段と、 上記送達確認処理手段により送信した上記送達確認コマ
    ンドの折り返し信号の受信誤りを上記子局からの再送要
    求とみなす再送検出手段とを備え、 上記子局は、 上記親局から送出されたデータの受信処理を行うデータ
    受信処理手段を備え、 受信されたデータの受信誤りを検出するデータ誤り検出
    手段と、 上記データ誤り検出手段により受信誤りが検出されたデ
    ータを再び送信する旨親局に要求する再送要求コマンド
    を送信する再送要求送信手段とを備えることを特徴とす
    る請求項1記載の同報通信システム。
  3. 【請求項3】 上記データ回線は、一定間隔のスロット
    に同期を取るための基準バースト信号を割り当て、 上記子局は、更に、 再送要求を出したデータを受信していないと判定し、再
    び該当データの再再送要求を上記制御回線の基準バース
    ト信号に対応する位置のスロットを用いて送信する再再
    送要求送信手段を備え、 上記親局は、更に、子局から送信された再再送要求を検
    出する再再送検出手段とを備えることを特徴とする請求
    項2記載の同報通信システム。
  4. 【請求項4】 上記データ回線と上記制御回線は無線回
    線であることを特徴とする請求項3記載の同報通信シス
    テム。
  5. 【請求項5】 上記同報通信システムは、更に、通信衛
    星を備え、 上記データ回線と上記制御回線は衛星回線であることを
    特徴とする請求項4記載の同報通信システム。
  6. 【請求項6】 上記再再送要求送信手段は、スロット付
    アロハ方式を用いることを特徴とする請求項3から5い
    ずれかに記載の同報通信システム。
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