JP2000115051A - 無線マルチキャストデータ転送方法及び該方法を用いた無線通信システム - Google Patents

無線マルチキャストデータ転送方法及び該方法を用いた無線通信システム

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JP2000115051A
JP2000115051A JP28851598A JP28851598A JP2000115051A JP 2000115051 A JP2000115051 A JP 2000115051A JP 28851598 A JP28851598 A JP 28851598A JP 28851598 A JP28851598 A JP 28851598A JP 2000115051 A JP2000115051 A JP 2000115051A
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Yasuhiko Inoue
保彦 井上
Masataka Iizuka
正孝 飯塚
Hitoshi Takanashi
斉 高梨
Masahiro Morikura
正博 守倉
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信局からの応答数を削減することが可能な
無線マルチキャストデータ転送方法及び該方法を用いた
無線通信システムを提供すること。 【解決手段】 無線基地局100は、マルチキャストに
よりフレームを送信した後、受信局グループ210,2
20にポーリングを行って応答を要求し、否定応答が返
った場合には時間間隔T1後にフレームを再送信し、ポ
ーリングされた移動局は、フレームを正しく受信できた
場合には肯定応答を、正しく受信できなかった場合には
否定応答を返し、ポーリングされた移動局以外の各移動
局は、ポーリングされた前記移動局が返す応答をモニタ
し、該応答が肯定応答であり且つ前記フレームを正しく
受信できなかった場合に、この肯定応答をモニタした時
点から時間T1よりも大きな時間間隔T2とランダムに
選択される自然数nとの積で与えられる時間間隔T4の
経過後に否定応答を返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優先制御を用いて
無線により高信頼マルチキャストデータ配送を行う無線
マルチキャストデータ転送方法及び該方法を用いた無線
通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高信頼マルチキャスト通信を行う
方法では、マルチキャストソースホストが送信したマル
チキャストデータに対して送達確認を行うことが必要と
されている。また、この場合、システムが持つ帯域、周
波数等の資源を有効に活用するためには、効率の良い送
達確認を行う必要があり、これを目的とした方法が幾つ
か知られている。
【0003】例えば、城下,佐野,山ノ内,串田による
文献「“Performance evaluation of reliable multica
st transport protocol for large-scale delivery”,I
FIPTC6 WG6.1/6.4 Fifth International Workshop on P
fHSN■96,pp.149-164,Oct.,1996」には、送信したデー
タに対しトランスポート層で一括して送達確認、並び
に、再送制御を行うことにより、データ配送の信頼性を
高める方法が開示されている。また、井上,飯塚,高
梨,守倉らによる文献「“無線マルチキャスト通信にお
ける高信頼化プロトコルの検討”,電子情報通信学会’
97秋期ソサイエティ大会B−5−211」には、無線
区間に閉じた形でデータリンク層で再送を行うことによ
り信頼性を高め、また、送達確認を移動局個別にではな
く、複数の移動局から構成される受信局グループ毎に行
うことにより、高効率化を行う方法が開示されている。
【0004】ところで、有線LANのプロトコルとして
最も広く普及している「Ethernet」は、アクセ
ス制御方式として衝突検出型搬送波感知多元接続(CS
MA/CD)を採用しており、前記LANに接続された
ホストは衝突検出機能を持ち、衝突検出時にはバックオ
フアルゴリズムを用いた衝突解決が行われている。Et
hernet上でマルチキャスト通信を行った場合、あ
るソースホストから送られてくるマルチキャストデータ
に対して、各ホストは、前記マルチキャストデータを正
しく受信したことを表す肯定応答(Acknowledgement:
以下、「ACK」と記す)、または前記マルチキャスト
データのフレームに誤りを検出したことを表す否定応答
(Negative Acknowledgement:以下、「NAK」と記
す)などの応答を返す。これらACK,NAK等の応答
は前記CSMA/CDの手順にしたがって返され、同一
ネットワークセグメントに接続されたホストは前記応答
を傍受することが可能である。
【0005】このことに着目して、マルチキャストデー
タ受信後、他のホストの応答を傍受し、同一セグメント
上の他のホストが自局と同一の応答を返したことを傍受
した場合、自局は応答の送信を中止することにより、あ
るマルチキャストデータフレームに対して返される同一
ネットワークセグメント上の応答数を削減する方法が知
られている。
【0006】図6を用いてこの方法を説明する。図6に
示す例では、マルチキャストソースホスト190と端末
291〜293が、有線LANの同一セグメントに接続
されている。前記マルチキャストソースホスト190が
送信したマルチキャストデータ391は、同一セグメン
ト内の前記マルチキャストデータの受信を希望する全て
の端末に受信される。同図では、端末291〜293が
受信している。
【0007】前記マルチキャストデータ391を受信し
た端末291〜293は応答を返そうとするが、このと
き、自局の応答と他の端末の返す応答が衝突しないよう
に、バックオフアルゴリズムとキャリアセンスを用いて
応答を送信する。即ち、前記マルチキャストデータ39
1を受信した各端末は、応答を返すまでの時間を乱数を
発生させることにより決定すると同時にタイマー(図中
のバックオフタイマー)を始動させ、先に決定した時間
が経過するのを待つ。前記端末は、前記バックオフタイ
マーのタイムアウトを機に、チャネルがアイドルであれ
ば応答を送信する。
【0008】また各端末は、前記バックオフタイマーが
タイムアウトするまでの間キャリアセンスを行って、他
の端末が応答を返すのをモニターし、自局と同一の応答
を返したことを傍受した場合、応答の送信を中止する。
従って、最初にバックオフタイマーがタイムアウトした
端末のみが応答を返すことになる。図2では、端末29
2のバックオフタイマーが最初にタイムアウトしたもの
としている。これを機に端末292は応答を返す。この
とき、端末291並びに端末293は、前記応答をモニ
ターし、該応答が自端末が返そうとしている応答と同じ
種類(ACKまたはNAK)であれば、応答の送信をキ
ャンセルする。
【0009】高信頼無線マルチキャスト通信において効
率的な送達確認を行う第一の例として、上記の方法を無
線回線に適用した方法が知られており、同一セルに存在
する複数のマルチキャスト受信局からの応答数を削減す
る効果があるとされている。この第一の例では、セル内
のマルチキャスト受信局はマルチキャストデータを受信
後、キャリアセンスにより他のマルチキャスト受信局が
応答を送信中であるか否かを判断し、他に応答を送信し
ている局が無いと判断した場合に、自局の応答の送信を
行う。また、応答を返そうとしているマルチキャスト受
信局は、他のマルチキャスト受信局が返した応答を傍受
した際、該応答が自局の返そうとしている応答と同一で
あった場合には、送信を取りやめ、異なる場合には応答
を送信する。
【0010】また、高信頼無線マルチキャスト通信にお
いて効率的な送達確認を行う第二の例として、例えば、
井上,飯塚,高梨,守倉により発表された文献「”無線
マルチキャスト通信における高信頼化プロトコルの検
討”,電子情報通信学会,’97秋期ソサイエティ大
会,1997年9月」に開示されているように、セル内
のマルチキャスト受信局をグループ分けし、マルチキャ
ストデータに対する送達確認をグループ毎に行うこと
で、応答数の削減を行う方法がある。
【0011】この方法によると、図7に例示するよう
に、同一のセル内に存在するマルチキャスト受信局は、
互いに直接送受信可能な範囲に位置する局同士でグルー
プ化され、受信局グループ210,220を構成してい
る。また、各受信局グループには代表局が存在し、この
代表局は、マルチキャスト送信局である無線基地局10
0がマルチキャストデータを送信した後に行うポーリン
グによる問い合わせに対し、応答を返す。
【0012】一方、前記受信局グループ内の代表局以外
のマルチキャスト受信局は、前記マルチキャスト送信局
からの問い合わせに対して代表局が返した応答が、自局
の受信結果と一致しておらず、かつ、前記マルチキャス
ト送信局に前記マルチキャストデータの再送を要求する
場合にのみNAKを返す。図8及び図9を用いて、この
シーケンスを説明する。
【0013】図8は、従来の応答数削減方法の第二の例
であり、マルチキャスト送信局である無線基地局100
が、マルチキャスト受信局である移動局211〜21
4,並びに、移動局221〜223に対してマルチキャ
ストデータの転送を行っている様子を表している。ここ
では、移動局211〜214が移動局211を代表局と
する受信局グループ210を、また、移動局221〜2
23が移動局221を代表局とする受信局グループ22
0を構成している。
【0014】無線基地局100はマルチキャストデータ
301の送信後、受信局グループに対して送達確認を行
う。図4で無線基地局100は、ポーリング401を受
信局グループ210の代表局に対して送ることにより、
該受信局グループの代表局に前記マルチキャストデータ
に対する応答を返すことを要求する。ポーリングされた
受信局グループ210の代表局である移動局211は、
ポーリング401の受信を機に、マルチキャストデータ
301の受信結果を応答として返す。同図のACK50
1がこれに該当する。
【0015】このとき、受信局グループ210内の移動
局211以外のマルチキャスト受信局、即ち移動局21
2〜214は、移動局211が返す応答をモニターす
る。また、無線基地局100はACK501を受信時に
タイマーを始動し、該タイマーがタイムアウトするまで
の間、受信局グループ210内の代表局以外の移動局か
ら送信されるNAKを受信すべく待機する。
【0016】ここで、移動局が無線基地局からのマルチ
キャストデータの受信に失敗すると、この移動局はマル
チキャストデータの再送を必要とする。図8の例では、
マルチキャストデータ301が送信された際に、移動局
212と移動局213が、該マルチキャストデータの受
信に失敗している。これら移動局212と移動局213
は、移動局211が返した応答がACKであったため、
このままでは、データが得られず、データの再送を要求
する必要が生じる。従って、移動局212並びに移動局
213は、NAKを送信するための手順を実行する。
【0017】即ち、移動局212並びに移動局213
は、それぞれ乱数を発生させ、発生させた乱数をタイム
アウト値とするタイマー(バックオフタイマー)を始動
する。そして、バックオフタイマーがタイムアウトする
までキャリアセンスを実行し、他局が送信するNAKが
無いかモニターする。図8では、移動局212のバック
オフタイマーが先にタイムアウトした場合を示してい
る。移動局212は、バックオフタイマーのタイムアウ
トを機に、NAK601を無線基地局100へ送信す
る。一方、移動局213は移動局212が送信したNA
K601を傍受すると、自局のバックオフタイマーを停
止し、NAKの送信をキャンセルする。
【0018】無線基地局100は、NAK601を受信
すると、マルチキャストデータ301の再送を行う。図
中のマルチキャストデータ311がこれに該当する。無
線基地局100は再送を行った後、先にNAKを返して
きた移動局の所属する受信局グループから送達確認を再
開する。図8の場合、無線基地局100は、ポーリング
411を受信局グループ210の代表局211に対して
送信している。
【0019】ポーリング411を受信した受信局グルー
プ210の代表局である移動局211は、マルチキャス
トデータ311の受信に成功すると、再度応答を返す。
図中のACK511がこれに該当する。移動局212並
びに移動局213はこの応答をモニターする。図8の例
では、移動局212,213は、前記マルチキャストデ
ータ311の受信に成功し、代表局が返したACK51
1を確認した時点で受信完了とする。
【0020】無線基地局100は、ACK511を受信
後タイマーを始動し、一定時間以内にNAKを受信しな
ければ、受信局グループ210に対する送達確認は終了
したものとし、次の受信局グループである受信局グルー
プ220に対する送達確認を開始する。図4で、無線基
地局100はポーリング402を受信局グループ220
の代表局である移動局221に対して送信している。
【0021】ポーリング402を受信した受信局グルー
プの代表局である移動局221は、マルチキャストデー
タ301の受信結果を応答として返す。このとき、移動
局221は、マルチキャストデータ301またはマルチ
キャストデータ311両方とも受信に失敗した場合にの
みNAKを返し、少なくともどちらか一方の受信に成功
していた場合にはACKを応答として返す。図8の例で
は、代表局である移動局221は、マルチキャストデー
タ301およびマルチキャストデータ311の両方とも
受信に成功し、ACK502を返している。
【0022】受信局グループ220に所属する移動局2
21以外のマルチキャスト受信局は、代表局の返した応
答を傍受し、再送を要求する必要がある場合にのみNA
Kを送信する。図8の例では、移動局222,223は
先に送られた前記マルチキャストデータの受信に成功し
ており、再送の必要がないため、この場合は代表局の返
したACKを確認した時点で、先に送られてきたマルチ
キャストデータの受信処理を終了する。
【0023】無線基地局100は、移動局221からの
ACK502を受信後、一定時間以内にNAKを受信し
なければ、受信局グループ220に対する送達確認は終
了したものとする。図8の例では、この時点で送達確認
が行われていない受信局グループは存在しないため、無
線基地局100はマルチキャストデータ301の送信は
完了したものとする。
【0024】高信頼無線マルチキャスト通信において効
率的な送達確認を行う上述の第二の例では、マルチキャ
スト送信局は送達確認を個々のマルチキャスト受信局に
対してではなく、複数のマルチキャスト受信局から構成
される受信局グループに対して行うため、それぞれのマ
ルチキャスト受信局に対して送達確認を行う場合より
も、必要とされる応答数が削減されることがこの方法の
利点とされている。
【0025】図9は、従来の応答数削減方法の上述の第
二の例において、他の移動局が返したNAKを傍受し損
じた際のシーケンスの一例を示し、マルチキャスト送信
局である無線基地局100が、マルチキャスト受信局で
ある移動局211〜214,並びに移動局221〜22
3に対してマルチキャストデータの再々転送を行う様子
を表している。
【0026】同図において、無線基地局100はマルチ
キャストデータ301の送信後、受信局グループ210
の代表局である移動局211に対してポーリング401
を送り、移動局211がマルチキャストデータに対する
応答としてACK501を返す。ここで、マルチキャス
トデータの受信に失敗した移動局212並びに移動局2
13は、代表局である移動局211が返したACK50
1を傍受した場合に、NAKを返すためのバックオフア
ルゴリズムを実行する。即ち、乱数を発生させ、該乱数
に基づいたタイムアウト値を設定したバックオフタイマ
ーを始動し、該タイマーがタイムアウトするまでキャリ
アセンスを行いながら待機する。
【0027】先にタイムアウトした移動局212は、バ
ックオフタイマーのタイムアウトを機にNAK601を
送信する。このとき、前記移動局213がNAK601
を傍受し損じたとする。この場合、移動局213では、
バックオフタイマーの停止、並びにNAK送信のキャン
セルが行われないため、移動局213はバックオフタイ
マーのタイムアウトを機にNAK611を送信する。一
方、無線基地局100では、NAK601を正常に受信
した場合に、再送処理が行われ、マルチキャストデータ
301の複製であるマルチキャストデータ311が送信
される。
【0028】ここで、マルチキャストデータ311とN
AK611の送信時刻は、互いに無関係に定められてい
るため、これらのデータが衝突する場合が生じる。マル
チキャストデータ311とNAK611が衝突した場
合、再送されたマルチキャストデータ311は、正しく
受信されず、再送に続き無線基地局100が送信するポ
ーリング411に対しては、代表局がACK511を送
信後、移動局213からNAK621が返されることに
なる。従って、前記マルチキャストデータは、再々送さ
れ、マルチキャストデータ321の送信の後に受信局グ
ループ210における送達確認がとれる。図9の例で
は、受信局グループ220への送達確認は受信局グルー
プ210の送達確認が完了した後であり、そのシーケン
スは図8と同様であるが、送達確認が開始されるまでの
時間が、図8の例に比べて非常に長くなる。従来は上記
のような方法により、高信頼無線マルチキャスト通信に
おける応答数の削減を行っていた。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高信頼無線
マルチキャスト通信において効率的な送達確認を行う上
述の第一の例では、セル内のマルチキャスト受信局はマ
ルチキャストデータを受信後、他に応答を送信している
局が無いと判断した場合に自局の応答の送信を行ない、
他のマルチキャスト受信局が返した応答が自局の返そう
としている応答と同一であった場合には、送信を取りや
めることにより、受信局からの応答数の削減を図ってい
る。
【0030】しかし、実際のマルチキャスト通信では、
マルチキャスト受信局はマルチキャストデータを受信後
に応答を返そうとするため、マルチキャスト送信局がデ
ータの送信を終えた直後の応答のトラヒックが非常に高
くなる。また、前記マルチキャストデータ送信終了直後
は、チャネルが一度アイドル状態になるため、トラヒッ
クが集中した場合に送信される応答の衝突確率が高くな
るという問題がある。
【0031】また、無線システムにおけるCSMAプロ
トコルでは隠れ端末間題がある。すなわち、キャリアセ
ンスを行っている局が感知できない場所がセル内に存在
した場合、そこにいる局から送られてくる信号に対して
はキャリアセンスが有効に働かないという問題が指摘さ
れている。この場合、マルチキヤストデータに対して返
される応答は、前記マルチキャストデータの送信が終了
した直後ではなくても衝突する可能性が高くなるという
問題がある。
【0032】従来の高信頼無線マルチキャスト通信にお
いて効率的な送達確認を行う第二の例では、マルチキャ
スト受信局は互いに直接送受信可能な範囲に存在する局
同士でグループ化されているために隠れ端末問題は起こ
りにくくなっている。また、受信局グループ内の代表局
以外のマルチキャスト受信局がNAKを返す場合には、
バックオフアルゴリズムにより送信タイミングがランダ
ム化されるため、NAKの集中による衝突は起こりにく
くなっている。
【0033】しかしながら、この方式においても、隠れ
端末の影響を完全に排除するには至っておらず、またフ
ェージングによる受信レベルの瞬時変動により伝送誤り
が生じた場合には、応答の傍受機能が十分に働かない場
合が存在する。代表局の応答を傍受し損じた場合、NA
Kを返そうとしているマルチキャスト受信局は、NAK
フレームの送信を試みる。したがって、隠れ端末問題や
伝送誤りといった要因により、マルチキャストデータの
効率的な送達確認が行えなくなるという問題がある。
【0034】また、上述したように、NAKを返そうと
するマルチキャスト局が複数存在した場合、伝送路の状
況等により他のマルチキャスト受信局が返したNAKを
傍受し損じたマルチキャスト受信局はNAKを返すた
め、マルチキャスト送信局が再送したマルチキャストデ
ータと前記NAKが衝突する可能性があるという問題が
ある。これにより、再送の再送が必要になり、送達確認
に非常に時間がかかること、また、そのために効率が非
常に低くなる可能性があることが問題となっていた。
【0035】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、従来いわゆる隠れ端末問題や伝送誤りによりマル
チキャストデータの送達確認が効率的に行えなかったと
いう点を考慮し、フレーム送信に優先制御を用いた高信
頼無線マルチキャスト通信において、移動局(マルチキ
ャスト受信局)からの応答数を削減することが可能な無
線マルチキャストデータ転送方法及び該方法を用いた無
線通信システムを提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決達成する
ため、この発明は以下の構成を有する。すなわち、請求
項1に記載された発明にかかる無線マルチキャストデー
タ転送方法は、基地局となる送信局が同報データに宛先
を付与したフレームを作成し、これをマルチキャストで
複数の受信局にデータ転送を行い、前記受信局は前記フ
レームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前記フ
レームに誤りがあれば否定応答を返し、前記送信局が前
記否定応答を受信した時に、該否定応答で要求されたフ
レームを再送信する無線マルチキャストデータ転送方法
であって、(a)前記送信局は、前記フレームを送信し
た後、前記複数の受信局のいずれかにポーリングを行っ
て応答を要求し、前記応答として否定応答が返った場合
には第1の所定時間後に前記フレームを再送信し、
(b)ポーリングされた前記受信局は、前記フレームを
正しく受信できた場合には肯定応答を、正しく受信でき
なかった場合には否定応答を返し、(c)ポーリングさ
れた前記受信局以外の各受信局は、ポーリングされた前
記受信局が返す応答をモニタし、該応答が肯定応答であ
り且つ前記フレームを正しく受信できなかった場合に、
前記肯定応答をモニタした時点から前記第1の所定時間
よりも大きな第2の所定時間とランダムに選択される自
然数との積で与えられる時間の経過後に否定応答を返す
ことを特徴とする。
【0037】この方法によれば、各受信局が返す否定応
答の送信タイミングは、第2の所定時間に自然数の乱数
を乗じた時間により設定される。したがって、各受信局
が返す否定応答の送信タイミングの間には、少なくとも
第2の所定時間以上の時間が設定される。これにより、
送信局から再送されるフレームの送信タイミングは、各
受信局の否定応答の送信タイミングの間に設定される。
したがって、例えば、再送データと否定応答が衝突する
ことがなくなり、受信局からの不要な応答数を削減する
ことが可能となる。
【0038】請求項2に記載された発明にかかる無線マ
ルチキャストデータ転送方法は、基地局となる送信局が
同報データに宛先を付与したフレームを作成し、これを
マルチキャストで複数の受信局にデータ転送を行い、前
記受信局は前記フレームを正しく受信していれば肯定応
答を返し、前記フレームに誤りがあれば否定応答を返
し、前記送信局が前記否定応答を受信した時に、該否定
応答で要求されたフレームを再送信する無線マルチキャ
ストデータ転送方法であって、相互に直接送受信が可能
な前記受信局同士を予めグループ化しておき、前記各グ
ループの中から1つの受信局を代表局として選び、前記
送信局は、前記フレームを送信した後、前記グループの
一つにポーリングを行って応答を要求し、ポーリングさ
れた前記グループの代表局は、前記フレームを正しく受
信できた場合には肯定応答を、正しく受信できなかった
場合には否定応答を返し、ポーリングされた前記グルー
プの代表局以外の受信局は、前記代表局が返す応答をモ
ニタし、該応答が肯定応答であり且つ前記フレームを正
しく受信できなかった場合に、前記肯定応答をモニタし
た時点から前記第1の所定時間より大きな第2の所定時
間とランダムに選択される自然数との積で与えられる時
間の経過後に否定応答を返し、前記送信局は、前記応答
として否定応答が返った場合には第1の所定時間後に前
記フレームを再送信することを特徴とする。
【0039】この方法によれば、各グループの受信局が
返す否定応答の送信タイミングは、第2の所定時間に自
然数の乱数を乗じた時間により設定され、各受信局が返
す否定応答の送信タイミングの間には、少なくとも第2
の所定時間以上の時間が設定される。これにより、送信
局から再送されるフレームの送信タイミングは、各受信
局の否定応答の送信タイミングの間に設定される。した
がって、例えば、再送データと否定応答が衝突すること
がなくなり、グループ分けされた受信局からの不要な応
答数を削減することが可能となる。
【0040】請求項3に記載された発明にかかる無線マ
ルチキャストデータ転送方法は、前記送信局が、前記受
信局から否定応答が返された場合にポーリングを中断し
て該否定応答で要求されたフレームを再送信した後、ポ
ーリングされた前記グループの代表局へ改めてポーリン
グを行って応答を要求し、前記代表局から肯定応答が返
り、且つ該肯定応答が返ってから前記第2の所定時間と
ランダムに選択される自然数との積で与えられる時間が
とり得る最大値よりも大きい時間以内に他の受信局から
否定応答が返らない場合に、ポーリングの対象を次のグ
ループに移すことを特徴とする。
【0041】この方法によれば、現在ポーリングの対象
とするグループが肯定応答を返してから、第2の所定時
間と自然数の乱数との積で与えられる時間がとり得る最
大値よりも大きい時間以内に否定応答が無い場合に、次
のグループにポーリングを移す。すなわち、最も遅い否
定応答の送信タイミングの後に、ポーリングの対象が次
のグループに移される。したがって、否定応答を返そう
とするすべての受信局について、否定応答の受信が可能
となる。
【0042】請求項4に記載された発明にかかる無線マ
ルチキャストデータ転送方法は、前記送信局が、前記受
信局から否定応答が返された場合にポーリングを中断し
て該否定応答で要求されたフレームを再送信した後、前
記否定応答を返した受信局へ改めてポーリングを行って
応答を要求し、前記否定応答を返した受信局から肯定応
答が返り、且つ該肯定応答が返ってから前記第2の所定
時間とランダムに選択される自然数との積で与えられる
時間がとり得る最大値よりも大きい時間以内に他の受信
局から否定応答が返らない場合に、ポーリングの対象を
次のグループに移すことを特徴とする。この方法によれ
ば、代表局が肯定応答を返した後に否定応答を返した受
信局は、代表局の応答を傍受する必要がなくなり、した
がってデータの転送を一層効率的に行うことが可能とな
る。
【0043】請求項5に記載された発明にかかる無線マ
ルチキャストデータ転送方法は、送信局が同報データに
宛先受信局群のアドレスを付与したフレームを作成し、
一度のフレーム送信で前記受信局にデータ転送を行い、
前記受信局は前記フレームを正しく受信していれば肯定
応答を返し、前記フレームに誤りがあれば否定応答を返
して、前記送信局が前記否定応答を受信した時に、該否
定応答で要求されたフレームを再送信する無線マルチキ
ャスト通信システムにおけるデータ転送方法であって、
相互に直接送受信が可能な前記受信局同士を予めグルー
プ化しておき、前記各グループの中から1つの受信局を
代表局として選び、前記送信局は、前記受信局に前記フ
レームをマルチキャストで送信し、更に前記フレームを
送信した後、第1の所定時間後に前記グループの一つに
ポーリングを行って応答を要求し、ポーリングされた前
記グループの代表局は、前記フレームを正しく受信でき
た場合には肯定応答を、正しく受信できなかった場合に
は否定応答を返し、ポーリングされた前記グループの代
表局以外の受信局は、前記代表局が返す応答をモニタ
し、該応答が肯定応答であり且つ前記フレームを正しく
受信できなかった場合には、前記肯定応答をモニタした
時点から前記第1の所定時間よりも大きな第2の所定時
間とランダムに選択される自然数との積で与えられる時
間の経過後に否定応答を返し、前記送信局は、否定応答
が返されたときにはポーリングを中断し、該否定応答で
要求されたフレームを否定応答を受信してから前記第1
の所定時間後にマルチキャストで再送信した後、ポーリ
ングされた前記グループの代表局へ改めてポーリングを
行って応答を要求し、前記代表局から肯定応答が返り、
且つ該肯定応答が返ってから前記第2の所定時間とラン
ダムに選択される自然数との積で与えられる時間がとり
得る最大値よりも大きい時間以内に他の受信局から否定
応答が返らない場合に、ポーリングの対象を次のグルー
プに移すことを特徴とする。
【0044】この方法によれば、各グループの受信局が
返す否定応答の送信タイミングは、第2の所定時間に自
然数の乱数を乗じた時間により設定され、各受信局が返
す否定応答の送信タイミングの間には、少なくとも第2
の所定時間以上の時間が設定される。これにより、送信
局から再送されるフレームの送信タイミングは、各受信
局の否定応答の送信タイミングの間に設定される。した
がって、例えば、再送データと否定応答が衝突すること
がなくなり、グループ分けされた受信局からの不要な応
答数を削減することが可能となる。しかも、現在ポーリ
ングの対象とするグループが肯定応答を返してから、第
2の所定時間と自然数の乱数との積で与えられる時間が
とり得る最大値よりも大きい時間以内に否定応答が無い
場合に、次のグループにポーリングを移すので、最も遅
い否定応答の送信タイミングの後に、ポーリングの対象
が次のグループに移される。したがって、否定応答を返
そうとするすべての受信局について、否定応答の受信が
可能となる。
【0045】請求項6に記載された発明にかかる無線通
信システムは、無線マルチキャスト通信で同報データ転
送を行う送信局と受信局群から構成され、相互に直接送
受信が可能な前記受信局同士が予めグループ化され、且
つ前記各グループの中から1つの受信局が代表局として
選出され、前記送信局が同報データに宛先受信局群のア
ドレスを付与したフレームを作成し、一度のフレーム送
信で前記受信局にデータ転送を行い、前記受信局は、前
記フレームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前
記フレームに誤りがあれば否定応答を返して、前記送信
局が否定応答を受信した時に、該否定応答で要求された
フレームを再送信する無線通信システムであって、前記
送信局は、前記受信局に前記フレームをマルチキャスト
で送信する送信手段と、前記送信手段が前記フレームを
送信した後、前記グループの一つの代表局にポーリング
を行って応答を要求するポーリング手段と、前記受信局
からの否定応答を検出する度に、ポーリングを中断し、
該否定応答を受信してから第1の所定時間後に該否定応
答で要求されたフレームをマルチキャストで再送信した
後、ポーリングされた前記グループの代表局へ改めてポ
ーリングを行って応答を要求する再送手段とを具備し、
ポーリングされた前記グループの代表局は、前記フレー
ムを正しく受信できたか否かを判定する判定手段と、前
記フレームを正しく受信できた場合には肯定応答を、正
しく受信できなかった場合には否定応答を返す応答手段
とを具備し、ポーリングされた前記グループの代表局以
外の受信局は、前記代表局が返す応答をモニタし、該応
答を判定する判定し、該応答が肯定応答であり且つ前記
フレームを正しく受信できなかった場合には、前記肯定
応答をモニタした時点から前記第1の所定時間よりも大
きな第2の所定時間とランダムに選択される自然数との
積で与えられる時間の経過後に否定応答を返す再送要求
手段を具備することを特徴とする。
【0046】この無線通信システムによれば、送信局
は、否定応答が返ってから第1の所定時間後にデータの
送信を行う。一方、各受信局は、送信局から送信された
データの受信に失敗した場合、否定応答の送信タイミン
グを、第2の所定時間と自然数の乱数とを乗じて得られ
る時間により設定し、各受信局が返す否定応答の送信タ
イミングの間に少なくとも第2の所定時間以上の時間を
設定する。したがって、第2の所定時間は第1の所定時
間よりも大きいことから、送信局から送信されるフレー
ムの送信タイミングは、各受信局の否定応答の送信タイ
ミングの間に設定される。この結果、再送データと否定
応答が衝突することがなくなり、グループ分けされた受
信局からの不要な応答数を削減することが可能となる。
【0047】請求項7に記載された発明にかかる無線通
信システムは、前記送信局が、前記代表局から肯定応答
が返り、且つ該肯定応答が返ってから前記第2の所定時
間とランダムに選択される自然数との積で与えられる時
間がとり得る最大値よりも大きい時間以内に他の受信局
から否定応答が返らない場合に、ポーリングの対象を次
のグループに移し、最後のグループのデータ受信が確認
できた時点で前記フレームのデータ転送を完了させるこ
とを特徴とする。このシステムによれば、代表局が肯定
応答を返した後に否定応答を返した受信局は、代表局の
応答を傍受する必要がなくなり、したがってデータの転
送を一層効率的に行うことが可能となる。
【0048】したがって、請求項1ないし7に記載され
た発明によれば、マルチキャストデータ転送手順の中で
送信されるフレームの種類毎に時間間隔による優先制御
を用いることにより、不要な応答数を削減することが可
能となる。特に、マルチキャスト受信局が返すNAK同
士の送信間隔をNAKが返されてからデータの再送が始
まるまでの時間間隔より長くすることで、不要なNAK
がマルチキャスト送信に対して返されることを防止する
ことができる。即ち、NAKを返そうとしているマルチ
キャスト受信局が2局以上存在し、そのいずれかのマル
チキャスト受信局が最初に返ったNAKを傍受し損じた
場合でも、最初のNAKが正しくマルチキャスト送信局
に届いていれば直ちに再送が行われるため、それ以降の
NAKは返さずに済み、送達確認の時間が削減可能にな
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、前述の図7に示すように、
相互に直接送受信可能な移動局(マルチキャスト受信
局)同士が予めグループ化され、各グループの中から1
つの移動局が代表局として選ばれたマルチキャストデー
タ通信システムにおいて、基地局(マルチキャスト送信
局)からマルチキャストにより各移動局にデータ送信す
る場合を例とし、この発明の実施の形態にかかる無線通
信システムを図面を参照しながら説明する。なお、以下
の説明において、マルチキャスト送信局を単に「送信局
(基地局)」と記し、マルチキャスト受信局を単に「受
信局(移動局)」と記す。また、各図において、共通す
る要素には同一符号を付す。
【0050】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1にかかる無線通信システムにおいて送信局となる無
線基地局の構成例を示す図である。この基地局は、受信
局となる移動局に同報データを送信するものであって、
同報データをフレーム化してマルチキャストにより送信
する機能(送信手段)と、受信局グループの一つの代表
局にポーリングを行って応答を要求する機能(ポーリン
グ手段)と、移動局から否定応答を受信した場合に、該
否定応答で要求されたフレームをマルチキャストで再送
信し、改めてポーリングを行って応答を要求する機能
(再送手段)とを有する。
【0051】図1において、プロトコル処理部13は、
基地局の上述の各機能を実現するもので、所定のプロト
コルに従って移動局へ送信される同報データ(図示省
略)を処理し、また移動局からの応答信号を処理する。
この同報データはフレーム化されて送信機11によりア
ンテナ10を介して送信される。また、移動局からの応
答信号は、アンテナ10を介して受信機12により受信
され、プロトコル処理部13の受信結果判定手段13C
により正常に受信されたか否かが判定される。
【0052】ここで、データ送信/再送手段13Aは、
同報データに対しフレーム化などの所定の処理を行な
い、マルチキャストでデータ送信するための処理を行う
ものであると共に、移動局からの否定応答を受信してか
ら時間間隔T1(第1の所定時間)後に該否定応答で要
求されたフレームをマルチキャストで再送信するための
処理を行うものである。また、送達確認手段13Bは、
データ送信/再送手段13Aが移動局にマルチキャスト
でデータ送信した後、そのグループの代表局にポーリン
グを行って応答を要求するものである。タイマー13D
は、データ送信/再送手段13Aおよび送達確認手段1
3Bによる送信タイミング時間(後述の時間間隔T1〜
T3)のカウントに用いられる。
【0053】また、基地局は、現在ポーリングの対象と
なっている受信局グループに所属するすべての移動局か
らNAKが返されることがなくなった時点で、ポーリン
グの対象を次の受信局グループに移す機能を有する。す
なわち、基地局は、受信局グループの代表局から肯定応
答が返り、且つ該肯定応答が返ってから時間間隔T2
(第2の所定時間)(T2>T1)と自然数n(ランダ
ム値)との積で与えられる時間がとり得る最大値よりも
大きい時間以内に他の移動局から否定応答が返らない場
合、ポーリングの対象を次のグループに移す。そして、
最後のグループのデータ受信が確認できた時点でフレー
ムのデータ転送を完了させる。
【0054】図2は、本発明の実施の形態にかかる無線
通信システムにおいて受信局となる移動局(代表局)の
構成例を示す図である。この移動局(代表局)は、基地
局からフレーム化されて送信された同報データを受信す
るものであって、前記フレームを正しく受信できたか否
かを判定する機能(判定手段)と、前記フレームを正し
く受信できた場合には肯定応答を、正しく受信できなか
った場合には否定応答を返す機能(応答手段)を有す
る。
【0055】図2において、プロトコル処理部23は、
移動局の上述の各機能を実現するもので、アンテナ20
を介して受信機22により受信されたデータを所定のプ
ロトコルに従って処理するとともに、基地局からのポー
リングに対して応答を返すための処理を行う。ポーリン
グに対する応答はアンテナ20を介して送信機21によ
り送信される。
【0056】ここで、応答手段23Aは、フレームを正
しく受信できたか否かを判定し、レームを正しく受信で
きた場合には肯定応答を、正しく受信できなかった場合
には否定応答を返すための処理を行うものである。タイ
マー13Dは、応答手段23Aによる時間(後述の時間
間隔T4)のカウントに用いられる。また、代表局以外
の移動局では、応答手段23Aは、代表局の応答が肯定
応答であり且つフレームを正しく受信できなかった場合
に、前記肯定応答をモニタした時点から時間間隔T2
(T2>T1)と自然数nとの積で与えられる時間の経
過後に否定応答を返す再送要求手段として機能する。
【0057】以下、図3を参照して、この発明の実施の
形態にかかる無線通信システムの動作(無線マルチキャ
ストデータ転送方法)を説明する。図3は、縦方向を時
間軸として、無線基地局100と各受信局グループに所
属する移動局との間のデータと応答の様子を表す。同図
に示す例では、無線基地局100をマルチキャスト送信
局とし、移動局211〜214並びに移動局221〜2
23をマルチキャスト受信局としている。また、前記移
動局211〜214は受信局グループ210を構成し、
移動局221〜223は受信局グループ220を構成し
ており、受信局グループ210では移動局211を代表
局とし、受信局グループ220では移動局221を代表
局としている。
【0058】まず、無線基地局100は、マルチキャス
トデータ301を送信する。このとき、受信局グループ
210において、移動局211及び移動局214がマル
チキャストデータ301の受信に成功し、移動局212
並びに前記移動局213が前記マルチキャストデータ3
01の受信に失敗したものとする。なお、マルチキャス
トデータの受信が成功したということは、無線基地局1
00からのフレームが正しく受信されたことを意味し、
マルチキャストデータの受信に失敗したということは、
無線基地局100からのフレームに誤りが検出されたこ
とを意味する。
【0059】無線基地局100は、マルチキャストデー
タ301の送信を終えた後、時間間隔T1で受信局グル
ープ210の代表局である移動局211にポーリングを
行う。受信に成功した移動局211は、前記ポーリング
に対し、マルチキャストデータ301の受信結果を返
す。すなわち、移動局211は、ポーリングされた後、
時間間隔T1で肯定応答としてACK501を返す。な
お、この実施の形態では、時間間隔T1は、後述するよ
うに、基地局がNAKを受信してからデータを再送信す
るまでの時間間隔でもある。
【0060】一方、受信に失敗した移動局212、21
3は、データを再送してもらう必要がある。しかし、受
信局グループ210を代表する移動局211は受信に成
功してACK501を返しているので、このままでは、
データは再送されない。そこで、各移動局では、マルチ
キャストデータ301の受信に失敗しており、且つ、移
動局211の返した応答がACKであった場合、NAK
を返し、データの再送を要求する。
【0061】すなわち、受信に失敗した移動局212、
213は、ACK501が返された後、時間間隔T2経
過後にバックオフアルゴリズムにより送信タイミングを
ランダム化させNAKを返す。NAKを返そうとしてい
る移動局は、バックオフアルゴリズムにより決定された
送信タイミング(バックオフ時間)が訪れるまでは、キ
ャリアセンスを行い他局が返すNAKのモニターを行
う。そして、自局の送信タイミングが訪れる以前に他局
が同じフレームの再送を要求するNAKを返した場合に
は、自局のNAK送信を取りやめる。
【0062】ここで、各移動局におけるNAKの送信タ
イミングの設定について説明する。NAKの送信タイミ
ングは、バックオフアルゴリズムによりランダム化さ
れ、次式1により得られる時間間隔T4で決定される。
【0063】 T4=n×T2 ・・・(1)
【0064】ただし、nはランダムに設定される自然数
であり、この自然数nのとりうる範囲は無線通信システ
ムの仕様に応じて適切に設定される。また、T2は、基
地局がNAKを受信してからデータを再送信するまでの
時間間隔T1よりも大きな時間間隔であり、T1くT2
なる条件を満足するように時間間隔T2が決定される。
例えば、この時間間隔T2は、上述の時間間隔T1と、
受信局グループ内での無線基地局と移動局との間の信号
伝搬遅延時間の最大値Tmとの和以上の値に設定され
る。
【0065】例えば、代表局211以外の移動局212
〜214のすべてが受信に失敗したとすると、図4に例
示するように、各移動局では、自然数nをランダムに発
生させて時間間隔T4を求め、NAKの送信タイミング
を設定する。すなわち、図4の例では、移動局212で
は、自然数nとして「2」が発生され、移動局213で
は、自然数nとして「3」が発生され、移動局214で
は、自然数nとして「5」が発生されている。したがっ
て、NAKの送信タイミングを定める時間間隔T4は、
移動局212については、「2×T2」が設定され、移
動局213については、「3×T2」が設定され、移動
局214については、「5×T2」が設定される。
【0066】ここで、説明を図3に戻す。図3では、上
述のようにNAKの送信タイミングが設定された結果、
移動局212が移動局213よりも先に送信タイミング
が訪れる。移動局212はバックオフアルゴリズムによ
り決定された送信タイミングでNAK601を送信す
る。このとき、各移動局は他の移動局が返すNAKを傍
受(モニタ)しており、移動局213はNAK601を
傍受した場合に、自局が行おうとしているNAKの送信
を中止する。無線基地局100は、NAK601を受信
すると、要求されたマルチキャストデータの再送データ
としてマルチキャストデータ311を時間間隔T1後に
送信する。
【0067】ここで、NAK601が返されたときに、
移動局213がNAK601を傍受し損じた場合、即
ち、検出はできたが復調ができなかった場合でも、T1
くT2という条件より、マルチキャストデータ311と
の衝突を生じることなく、移動局213がNAKを送信
することができる。また、移動局213がNAK601
を傍受した場合には、移動局213は、NAKを送信す
るまで少なくとも時間間隔T2だけさらに待つ必要があ
る。したがって、この間にデータの再送があった場合に
は、移動局213からのNAKの送信は中止され、これ
により移動局213から不要なNAKが返されることが
なくなる。
【0068】再送時のマルチキャストデータ311は、
既に受信に成功しているマルチキャスト受信局(受信局
グループ210では移動局211と移動局214が該当
する)では無視され、先のデータ送信時に受信に失敗し
たマルチキャスト受信局(受信局グループ210では移
動局212と移動局213が該当する)においてのみ処
理される。
【0069】無線基地局100は、マルチキャストデー
タ311の送信終了から時間間隔T1後に、先にNAK
を返してきた受信局グループからポーリングを再開す
る。すなわち、受信局グループ210にポーリング41
1を行ない、ポーリングされた受信局グループの代表局
である移動局211がACK511を返す。
【0070】無線基地局100は、ACK511を受信
後、受信局グループ210に所属する他の受信局からN
AKが返されないことを確認して、次の受信局グループ
220にポーリングの対象を移す。ここで、無線基地局
100は、代表局211からACK511が返り、且つ
ACK511が返ってから前記時間間隔T2とランダム
に選択される自然数nとの積で与えられる時間間隔T4
がとり得る最大値よりも大きい時間間隔T3以内に他の
受信局212,213,214から否定応答が返らない
場合(即ち時間間隔T3がタイムアウトした場合)、ポ
ーリングの対象を次のグループ220に移し、受信局グ
ループ220へポーリング402を送信する。
【0071】ポーリングされた受信局グループ220の
代表局である移動局221は、先のマルチキャストデー
タ301または311に対する応答を返す。受信局グル
ープ220に属する各マルチキャスト受信局(移動局2
21,222,223)では、先に送信されたマルチキ
ャストデータ301とマルチキャストデータ311との
どちらか一方でも正しく受信することができていれば、
受信成功とみなし、ACK502を返す。
【0072】無線基地局100は、ACK502を受信
後、時間間隔T3以内に受信局グループ220からNA
Kを受信しなければ、この受信局グループ220に対す
るデータの送達確認は終了したものとみなし、その後、
送達確認を行っていない受信局グループが無ければ、前
記マルチキャストデータ301の送信は完了したものと
する。すなわち、最後のグループのデータ受信が確認で
きた時点でフレームのデータ転送を完了させる。
【0073】実施の形態2.以下、図5を参照して、実
施の形態2を説明する。上述の実施の形態1では、図3
に示すように、マルチキャストデータ311に対するポ
ーリング(411)を、受信局グループ210の代表局
である移動局211に送信して送達確認を行うものとし
たが、この実施の形態2では、マルチキャストデータ3
11の送信を要求するNAK601を送信した移動局2
12に直接送信する。
【0074】すなわち、図5に示すように、無線基地局
100は、マルチキャストデータ311の送信終了から
時間間隔T1後に、先にNAK601を返してきた移動
局212にポーリング411aを行なう。このとき、ポ
ーリングされた移動局212は、マルチキャストデータ
311の受信に成功していれば、ACK511aを返
す。無線基地局100は、ACK511を受信後、受信
局グループ210に所属する他の受信局からNAKが返
されないことを確認して、次の受信局グループ220に
ポーリングの対象を移す。以上により、無線基地局10
0から送信されたマルチキャストデータは、各受信局グ
ループのすべての移動端末に配信される。
【0075】上述した実施の形態によれば、移動局が返
すNAK同士の送信間隔をNAKが返されてからデータ
の再送が始まるまでの時間間隔より長くしたので、不要
なNAKがマルチキャスト送信局に対して返されなくな
る。即ち、NAKを返そうとしているマルチキャスト受
信局が2局存在し、一方のマルチキャスト受信局が最初
に返ったNAKを傍受し損じた場合でも、最初のNAK
が正しくマルチキャスト送信局に届いていれば直ちに再
送が行われる。このため、NAKを傍受し損じた移動局
からの二つ目のNAKは返さずに済み、送達確認の時間
が削減される。また、不要な応答が削減されることか
ら、効率的な送達確認が行え、マルチキャストデータ転
送そのものの高効率化が可能となる。
【0076】また、この実施の形態によると、あるマル
チキャスト受信局(A)がNAKを返そうとしたとき、
既に他のマルチキャスト受信局(B)がNAKを返して
いた場合で、前記マルチキャスト受信局(A)がマルチ
キャスト受信局(B)の返したNAKを検出できない場
合には、自ら別のNAKを返そうとする。この場合、N
AKよりもデータフレームの方が送信時の優先順位が高
いため、NAKの送信よりも先にマルチキャストデータ
の再送が行われ、不要なNAKが返されずに済むと同時
に、マルチキャストデータフレームとNAKとの衝突が
なくなる。
【0077】以上、この発明の一実施の形態を説明した
が、この発明は、この実施形態に限られるものではな
く、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があ
っても本発明に含まれる。例えば、上述の実施の形態1
および2では、NAKが返ってから無線基地局100が
マルチキャストデータを再送信するまでの時間間隔が、
マルチキャストデータの送信が終了してからポーリング
が送信されるまでの時間間隔、あるいはポーリングの送
信が終了してから受信局から応答(ACK,NAK)が
返されるまでの時間間隔に等しいとしたが、これに限定
されるものではなく、NAKが返されてからマルチキャ
ストデータが送信されるまでの時間間隔よりも大きな時
間間隔で各受信局からのNAKの送信タイミングが設定
されればよい。
【0078】また、上述の実施の形態では、移動局をグ
ループ分けして代表局を設けるものとしたが、これに限
ることなく、この発明は、グループ分けされない移動局
と基地局から構成された無線通信システムに適用するこ
ともできる。
【0079】さらに、本発明は、ランダムに発生される
自然数nにより各移動局からのNAKの送信タイミング
を設定するようにしたが、予め準備された複数の整数の
中からランダムに整数を選択し、選択された整数を用い
てNAKの送信タイミングを設定するように構成するこ
とも可能である。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、マルチキャストデータ転送手順の中で送信されるフ
レームの種類毎に時間間隔による優先制御を用い、移動
局が返すNAK同士の送信間隔をNAKが返されてから
データの再送が始まるまでの時間間隔より長くするよう
にしたので、フレーム送信に優先制御を用いた高信頼無
線マルチキャスト通信において、移動局(マルチキャス
ト受信局)からの不要な応答数を削減することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる送信局(基
地局)の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1にかかる受信局(代
表局)の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1にかかる無線通信シ
ステムの全体動作を説明するための図である。
【図4】 この発明の実施の形態1にかかる無線通信シ
ステムの詳細動作(NAKの送信タイミングの設定)を
説明するための図である。
【図5】 この発明の実施の形態2にかかる無線通信シ
ステムの全体動作を説明するための図である。
【図6】 従来技術にかかる無線通信システムの全体動
作を説明するための図である。
【図7】 受信局がグループ分けされた無線通信システ
ムの構成を示す図である。
【図8】 受信局がグループ分けされた従来技術にかか
る無線通信システムの全体動作を説明するための図であ
る。
【図9】 受信局がグループ分けされた従来技術にかか
る無線通信システムにおいて発生するデータ衝突を説明
するための図である。
【符号の説明】
10,20…アンテナ、11,21…送信機、12,2
2…受信機、13,23…プロトコル処理部、13A…
データ送信/再送手段、13B…送達確認手段、13
C,23B…受信結果判定手段、13D,23C…タイ
マー、23A…応答手段、100…無線基地局(送信
局)、210,220…受信局グループ、211,22
1…移動局(代表局)、212〜214,222,22
3…移動局(受信局)、301,311…マルチキャス
トデータ、T1〜T4…時間間隔、401,402,4
11,411a…ポーリング、501,502,51
1,511a…ACK(肯定応答)、601…NAK
(否定応答)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04L 29/02 H04L 13/00 301B (72)発明者 高梨 斉 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 守倉 正博 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K014 AA03 AA04 DA02 FA05 HA00 5K030 GA08 GA12 JL01 LA02 LD02 MB10 5K034 AA05 BB07 DD02 EE03 HH11 NN02 NN26 QQ01 5K067 AA11 BB21 CC14 DD23 DD24 EE02 EE10 EE22 EE25 GG01 GG06 GG11 HH28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局となる送信局が同報データに宛先
    を付与したフレームを作成し、これをマルチキャストで
    複数の受信局にデータ転送を行い、前記受信局は前記フ
    レームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前記フ
    レームに誤りがあれば否定応答を返し、前記送信局が前
    記否定応答を受信した時に、該否定応答で要求されたフ
    レームを再送信する無線マルチキャストデータ転送方法
    であって、 (a)前記送信局は、前記フレームを送信した後、前記
    複数の受信局のいずれかにポーリングを行って応答を要
    求し、前記応答として否定応答が返った場合には第1の
    所定時間後に前記フレームを再送信し、 (b)ポーリングされた前記受信局は、前記フレームを
    正しく受信できた場合には肯定応答を、正しく受信でき
    なかった場合には否定応答を返し、 (c)ポーリングされた前記受信局以外の各受信局は、
    ポーリングされた前記受信局が返す応答をモニタし、該
    応答が肯定応答であり且つ前記フレームを正しく受信で
    きなかった場合に、前記肯定応答をモニタした時点から
    前記第1の所定時間よりも大きな第2の所定時間とラン
    ダムに選択される自然数との積で与えられる時間の経過
    後に否定応答を返すことを特徴とする無線マルチキャス
    トデータ転送方法。
  2. 【請求項2】 基地局となる送信局が同報データに宛先
    を付与したフレームを作成し、これをマルチキャストで
    複数の受信局にデータ転送を行い、前記受信局は前記フ
    レームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前記フ
    レームに誤りがあれば否定応答を返し、前記送信局が前
    記否定応答を受信した時に、該否定応答で要求されたフ
    レームを再送信する無線マルチキャストデータ転送方法
    であって、 相互に直接送受信が可能な前記受信局同士を予めグルー
    プ化しておき、 前記各グループの中から1つの受信局を代表局として選
    び、 前記送信局は、前記フレームを送信した後、前記グルー
    プの一つにポーリングを行って応答を要求し、 ポーリングされた前記グループの代表局は、前記フレー
    ムを正しく受信できた場合には肯定応答を、正しく受信
    できなかった場合には否定応答を返し、 ポーリングされた前記グループの代表局以外の受信局
    は、前記代表局が返す応答をモニタし、該応答が肯定応
    答であり且つ前記フレームを正しく受信できなかった場
    合に、前記肯定応答をモニタした時点から前記第1の所
    定時間より大きな第2の所定時間とランダムに選択され
    る自然数との積で与えられる時間の経過後に否定応答を
    返し、 前記送信局は、前記応答として否定応答が返った場合に
    は第1の所定時間後に前記フレームを再送信することを
    特徴とする無線マルチキャストデータ転送方法。
  3. 【請求項3】 前記送信局は、 前記受信局から否定応答が返された場合にポーリングを
    中断して該否定応答で要求されたフレームを再送信した
    後、ポーリングされた前記グループの代表局へ改めてポ
    ーリングを行って応答を要求し、 前記代表局から肯定応答が返り、且つ該肯定応答が返っ
    てから前記第2の所定時間とランダムに選択される自然
    数との積で与えられる時間がとり得る最大値よりも大き
    い時間以内に他の受信局から否定応答が返らない場合
    に、ポーリングの対象を次のグループに移すことを特徴
    とする請求項1または2のいずれかに記載された無線マ
    ルチキャストデータ転送方法。
  4. 【請求項4】 前記送信局は、 前記受信局から否定応答が返された場合にポーリングを
    中断して該否定応答で要求されたフレームを再送信した
    後、前記否定応答を返した受信局へ改めてポーリングを
    行って応答を要求し、 前記否定応答を返した受信局から肯定応答が返り、且つ
    該肯定応答が返ってから前記第2の所定時間とランダム
    に選択される自然数との積で与えられる時間がとり得る
    最大値よりも大きい時間以内に他の受信局から否定応答
    が返らない場合に、ポーリングの対象を次のグループに
    移すことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記
    載された無線マルチキャストデータ転送方法。
  5. 【請求項5】 送信局が同報データに宛先受信局群のア
    ドレスを付与したフレームを作成し、一度のフレーム送
    信で前記受信局にデータ転送を行い、前記受信局は前記
    フレームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前記
    フレームに誤りがあれば否定応答を返して、前記送信局
    が前記否定応答を受信した時に、該否定応答で要求され
    たフレームを再送信する無線マルチキャスト通信システ
    ムにおけるデータ転送方法であって、 相互に直接送受信が可能な前記受信局同士を予めグルー
    プ化しておき、 前記各グループの中から1つの受信局を代表局として選
    び、 前記送信局は、前記受信局に前記フレームをマルチキャ
    ストで送信し、更に前記フレームを送信した後、第1の
    所定時間後に前記グループの一つにポーリングを行って
    応答を要求し、 ポーリングされた前記グループの代表局は、前記フレー
    ムを正しく受信できた場合には肯定応答を、正しく受信
    できなかった場合には否定応答を返し、 ポーリングされた前記グループの代表局以外の受信局
    は、前記代表局が返す応答をモニタし、該応答が肯定応
    答であり且つ前記フレームを正しく受信できなかった場
    合には、前記肯定応答をモニタした時点から前記第1の
    所定時間よりも大きな第2の所定時間とランダムに選択
    される自然数との積で与えられる時間の経過後に否定応
    答を返し、 前記送信局は、否定応答が返されたときにはポーリング
    を中断し、該否定応答で要求されたフレームを否定応答
    を受信してから前記第1の所定時間後にマルチキャスト
    で再送信した後、ポーリングされた前記グループの代表
    局へ改めてポーリングを行って応答を要求し、前記代表
    局から肯定応答が返り、且つ該肯定応答が返ってから前
    記第2の所定時間とランダムに選択される自然数との積
    で与えられる時間がとり得る最大値よりも大きい時間以
    内に他の受信局から否定応答が返らない場合に、ポーリ
    ングの対象を次のグループに移すことを特徴とする無線
    マルチキャストデータ転送方法。
  6. 【請求項6】 無線マルチキャスト通信で同報データ転
    送を行う送信局と受信局群から構成され、相互に直接送
    受信が可能な前記受信局同士が予めグループ化され、且
    つ前記各グループの中から1つの受信局が代表局として
    選出され、前記送信局が同報データに宛先受信局群のア
    ドレスを付与したフレームを作成し、一度のフレーム送
    信で前記受信局にデータ転送を行い、前記受信局は、前
    記フレームを正しく受信していれば肯定応答を返し、前
    記フレームに誤りがあれば否定応答を返して、前記送信
    局が否定応答を受信した時に、該否定応答で要求された
    フレームを再送信する無線通信システムであって、 前記送信局は、 前記受信局に前記フレームをマルチキャストで送信する
    送信手段と、 前記送信手段が前記フレームを送信した後、前記グルー
    プの一つの代表局にポーリングを行って応答を要求する
    ポーリング手段と、 前記受信局からの否定応答を検出する度に、ポーリング
    を中断し、該否定応答を受信してから第1の所定時間後
    に該否定応答で要求されたフレームをマルチキャストで
    再送信した後、ポーリングされた前記グループの代表局
    へ改めてポーリングを行って応答を要求する再送手段と
    を具備し、 ポーリングされた前記グループの代表局は、 前記フレームを正しく受信できたか否かを判定する判定
    手段と、 前記フレームを正しく受信できた場合には肯定応答を、
    正しく受信できなかった場合には否定応答を返す応答手
    段とを具備し、 ポーリングされた前記グループの代表局以外の受信局
    は、 前記代表局が返す応答をモニタし、該応答を判定し、該
    応答が肯定応答であり且つ前記フレームを正しく受信で
    きなかった場合には、前記肯定応答をモニタした時点か
    ら前記第1の所定時間よりも大きな第2の所定時間とラ
    ンダムに選択される自然数との積で与えられる時間の経
    過後に否定応答を返す再送要求手段を具備することを特
    徴とする無線通信システム。
  7. 【請求項7】 前記送信局は、 前記代表局から肯定応答が返り、且つ該肯定応答が返っ
    てから前記第2の所定時間とランダムに選択される自然
    数との積で与えられる時間がとり得る最大値よりも大き
    い時間以内に他の受信局から否定応答が返らない場合
    に、ポーリングの対象を次のグループに移し、最後のグ
    ループのデータ受信が確認できた時点で前記フレームの
    データ転送を完了させることを特徴とする請求項6に記
    載された無線通信システム。
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