JP3007812U - 表面実装用電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 相対する表面実装用電気コネクタのハウジン
グの長手方向軸心線Ｘ−Ｘに芯ズレが生じた際におい
て、各電気コネクタの一側の一対の端子と他側の一対の
端子との電気接続を良好に行なう。 【構成】 底面部２Ａ、５Ａには、底面部２Ａ、５Ａの
略中心で且つハウジング２２、３１の長手方向軸心線Ｘ
−Ｘに沿う頂部３、６よりフランジ部２、５の外側面２
Ｂ、５Ｂに向かい、外側面２Ｂ、５Ｂに向かうにつれ、
頂部３、６との間に形成される間隙Ｈが順次大となる傾
斜面部２Ｃ、５Ｃが形成される。相対する表面実装用電
気コネクタ１、４のハウジング２２、３１の長手方向軸
心線Ｘ−Ｘ間に芯ズレの有る状態において、各表面実装
用電気コネクタ１、４は、それぞれの端子２５Ａ、２５
Ｂ、３５Ａ、３５Ｂがそれぞれのプリント回路基板２
０、３６に固定された状態にて相対的に回転して嵌合さ
れる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電気コネクタに関し、そのうち特に、複数の端子がハウジングの長 手方向に沿って所定のピッチで装着されるプラグ型、あるいはリセプタクル型の 表面実装用電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

かかる表面実装用電気コネクタは、プリント回路基板上に直列方向、並列方向 に複数配置されて使用される。すなわち、図１０において、一側のプリント回路 基板２０上のリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１は、隣接する各表面 実装用電気コネクタ２１、２１のハウジング２２の長手方向軸心線Ｘ−Ｘが、直 線方向（図１０において左右方向）に沿って複数個配置されるとともに隣接する 各表面実装用電気コネクタ２１、２１のハウジング２２の長手方向軸心線Ｘ−Ｘ が並列方向（図１０において上下方向）に配置される。一方、他側のプリント回 路基板上のプラグ型の表面実装用電気コネクタは、隣接する各表面実装用電気コ ネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが、直線方向に沿って複数個配置さ れるとともに隣接する各表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線 Ｘ−Ｘが並列方向に配置される。尚、この他側のプリント回路基板、プラグ型の 表面実装用電気コネクタは図示されない。

【０００３】 前述した各表面実装用電気コネクタは各プリント回路基板上に手動あるいは自 動マウントによって実装されるものであるが、各表面実装用電気コネクタのハウ ジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プリント回路基板上の長手方向軸 心線Ｙ−Ｙに対し芯ズレＳが生ずる場合がある。そして、かかる芯ズレ状態にあ る一側のプリント回路基板２０に実装されたリセプタクル型の表面実装用電気コ ネクタ２１と、それに対向する他側のプリント回路基板に実装されたプラグ型の 表面実装用電気コネクタとを嵌合する際、芯ズレによってそれらの嵌合を行なう ことができない場合があり、仮に嵌合できたとしても各表面実装用電気コネクタ の各端子の電気接続を良好に行なうことができない恐れがあった。

【０００４】 そして、かかる表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘ における芯ズレＳを解消して嵌合する手段として下記がある。図１１、図１２に よって説明すると、２１は、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタであり、 長手方向にのびるハウジング２２を有し、該ハウジング２２の長手方向軸心線Ｘ −Ｘの左右両端の下部には、それぞれのフランジ部２３を有する。ハウジング２ ２は少なくとも上方が開口し、長手方向にのびる凹部２４が穿設され、該凹部の 内側には、一対の端子２５Ａ、２５Ｂが間隙をもって対向配置され、この端子２ ５Ａ、２５Ｂの上方端には接触部２５Ｃ、２５Ｄが形成され、下方端のテール２ ５Ｅ、２５Ｆはハウジング２２の底部２２Ａよりそれぞれ外側方に向かって折れ 曲がって突出し、更にこの一対の端子２５Ａ、２５Ｂはハウジング２２の長手方 向に沿って所定のピッチをもって複数配置される。そして、前記フランジ部２３ の底部２３Ａは、その中心部に凹部を有するものの全体として水平方向の平坦面 に形成される。そして、各端子２５Ａ、２５Ｂのテール２５Ｅ、２５Ｆが一側の プリント回路基板２０上にハンダ付けされて実装され、もってリセプタクル型の 表面実装用電気コネクタ２１が一側のプリント回路基板２０に固定される。

【０００５】 ３０はプラグ型の表面実装用電気コネクタであり、長手方向にのびるハウジン グ３１を有し、該ハウジング３１の長手方向軸心線Ｘ−Ｘの左右両端の上部には それぞれフランジ部３２を有する。ハウジング３１は少なくとも下方が開口し、 長手方向にのびる嵌合凹部３３が穿設され、嵌合凹部３３の中心部には絶縁部３ ４を介して背中合わせに一対の端子３５Ａ、３５Ｂが嵌合凹部３３内に突出して 配置され、上方端のテール３５Ｃ、３５Ｄは、ハウジング３１の上部３１Ａより それぞれ外側方に向かって折れ曲がって突出し、更にこの一対の端子３５Ａ、３ ５Ｂはハウジング３１の長手方向に沿って所定のピッチをもって複数配置される 。そして前記フランジ部３２の上部３２Ａは、その中心部に凹部を有するものの 全体として水平方向の平坦面に形成される。そして、各端子３５Ａ、３５Ｂのテ ール３５Ｃ、３５Ｄが他側のプリント回路基板３６上にハンダ付けされて実装さ れ、もってプラグ型の表面実装用電気コネクタ３０が他側のプリント回路基板３ ６に固定される。図１２は、一対のリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２ １とプラグ型の表面実装用電気コネクタ３０が一側のプリント回路基板２０、他 側のプリント回路基板３６に固定された状態を示す。

【０００６】 そして、各表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定 められた各プリント回路基板上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレのない場 合、プラグ型の表面実装用電気コネクタ３０はリセプタクル型の表面実装用電気 コネクタ２１に図１１の如く嵌合される。すなわち、プラグ型の表面実装用電気 コネクタ３０の嵌合凹部３３はリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１の ハウジング２２の外側壁２２Ｂの外周に配置され、一方、プラグ型の表面実装用 電気コネクタ３０の端子３５Ａ、３５Ｂはリセプタクル型の表面実装用電気コネ クタ２１の端子２５Ａ、２５Ｂの各接触部２５Ｃ、２５Ｄに正確に接続され、も ってプラグ型の表面実装用電気コネクタ３０とリセプタクル型の表面実装用電気 コネクタ２１との電気接続を確実に行なうことができる。そして、かかる嵌合時 において、プラグ型の表面実装用電気プラグ３０の嵌合凹部３３と、リセプタク ル型の表面実装用電気コネクタ２１のハウジング２２の外側壁２２Ｂとの間には 略均等の間隙Ａが形成されるので、嵌合凹部３３から外側壁２２Ｂを介して端子 ２５Ａ、２５Ｂ及び３５Ａ、３５Ｂに向けて何等の外力が作用することがなく、 それら端子の接続部に何等の悪影響を与えることがない。

【０００７】 そして、前記芯ズレのない状態に比較して各表面実装用電気コネクタのハウジ ングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プリント回路基板上の長手方向軸心 線Ｙ−Ｙに対して芯ズレし、プラグ型の表面実装用電気コネクタ３０とリセプタ クル型の表面実装用電気コネクタ２１の各ハウジング３１、２２の長手方向軸心 線Ｘ−Ｘ間に相対的に芯ズレＡが発生した場合、プラグ型の表面実装用電気コネ クタ３０はリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１に図１３の如く嵌合さ れる。すなわち、プラグ型の表面実装用電気コネクタ３０のハウジング３１の嵌 合凹部３３の右側壁３３Ａはリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１のハ ウジング２２の右外側壁２２Ｃに当接して配置され、嵌合凹部３３の左側壁３３ Ｂとハウジング２２の左外側壁２２Ｄの間には２Ａなる間隙が形成される。一方 、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１の左方の端子２５Ａは心ズレＡ 分だけ前記芯ズレの無い状態よりプラグ型の表面実装用電気コネクタ３０の左方 の端子３５Ａにて押圧され、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ２１の右 方の端子２５Ｂは、芯ズレＡ分だけ前記芯ズレの無い状態よりプラグ型の表面実 装用電気コネクタ３０の右方の端子３５Ｂより離れる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

かかる従来の表面実装用電気コネクタによると、次の課題を有する。各表面 実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プリン ト回路基板上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレが発生した場合、リセプタ クル型の表面実装用電気コネクタとプラグ型の表面実装用電気コネクタの嵌合時 において、一側の対向する一対の端子間にあっては、その接触圧が増加するもの であるが、他側の対向する一対の端子間にあっては接触圧が低下するか、又は芯 ズレの大なる場合にあっては非接触状態となり、芯ズレ時における電気接続に対 する信頼性が確保できない。各表面実装用電気コネクタの芯ズレに対する嵌合 の許容範囲は、プラグ型の表面実装用電気コネクタの嵌合凹部と、リセプタクル 型の表面実装用電気コネクタのハウジングの外側壁とによって形成される間隙に よって決まるものであり、芯ズレに対応する為にこの間隙を大きく取りすぎるこ とは自動車等の大なる振動の発生する機器にかかる表面実装用電気コネクタを搭 載した際、前記間隙内において、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタのハ ウジングとプラグ型の表面実装用電気コネクタのハウジングが振動する恐れがあ り、これによると端子の接触部に摩耗を生ずる恐れがあり、耐久品質上好ましい ものでない。

【０００９】 本考案になる表面実装用電気コネクタはかかる不具合に鑑み成されたもので各 表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プ リント回路基板上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレを生じた場合にあって も、相対するリセプタクル型の表面実装用電気コネクタと、プラグ型の表面実装 用電気コネクタとの嵌合を円滑に行なうことができるとともに前記各コネクタの 一側の一対の端子及び他側の一対の端子の電気接続を良好に行なうことのできる 表面実装用電気コネクタを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決する為の手段】

本考案になる表面実装用電気コネクタは、前記課題を達成する為に、複数の端 子がハウジングの長手方向に沿って所定のピッチで装着される表面実装用電気コ ネクタにおいて、ハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘの両端に、プリント回路基 板に対向する底面部を備えたフランジ部を各々設け、該フランジ部の底面部の略 中心であって且つハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘに沿う頂部よりフランジ部 の外側面に向けて傾斜面部を形成し、該傾斜面部は、頂部より外側面に向かうに つれ、頂部と傾斜面部とによって形成される間隙を順次大としたことを特徴とす る。

【００１１】

【作用】

一側のプリント回路基板に固定されたリセプタクル型の表面実装用電気コネク タのハウジングが他側のプリント回路基板に固定されたプラグ型の表面実装用電 気コネクタのハウジングに嵌合され、それぞれの表面実装用電気コネクタの端子 が電気的に接続される。両表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心 線Ｘ−Ｘの相対位置に芯ズレの生じた際、表面実装用電気コネクタのフランジ部 の底面部を頂部から外側面に向かう傾斜面部としたことにより、それぞれの表面 実装用電気コネクタは各プリント回路基板に端子のテールを介して固定された状 態において、相互に回転し、芯ズレ状態における両表面実装用電気コネクタのそ れぞれ端子における相対位置を変化させることなく、良好な電気接続を得られる 。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案になる表面実装用電気コネクタの一実施例を図１、図２により説 明する。尚、図１１に示された従来の表面実装用電気コネクタと同一構造部分は 同一符号を使用して説明を省略する。１は一側のプリント回路基板２０に固定さ れたリセプタクル型の表面実装用電気コネクタであり、ハウジング２２の長手方 向軸心線Ｘ−Ｘの左右両端にはフランジ部２が形成される。このフランジ部２は 一側のプリント回路基板２０に対向する底面部２Ａと、底面部２Ａの両外側端か ら上方に向かってそれぞれのびる外側面２Ｂ、２Ｂを有し、更にこの底面部２Ａ には傾斜面部２Ｃ、２Ｃが形成される。

【００１３】 この傾斜面部２Ｃ、２Ｃについて以下に詳述する。３はフランジ部２の底面部 ２Ａの略中心であって且つハウジング２２の長手方向軸心線Ｘ−Ｘに沿って形成 された頂部であり、本実施例における頂部３はハウジング２２の長手方向軸心線 Ｘ−Ｘに沿って線状に形成された。傾斜面部２Ｃは、前記頂部３よりそれぞれ左 右の外側面２Ｂ、２Ｂに向かう傾斜面をなすもので、この傾斜面部２Ｃは、頂部 ３より外側面２Ｂに向かうにつれ、頂部３と傾斜面部２Ｃとによって形成される 間隙Ｈが順次大となるよう形成された。実際には、頂部３を含む水平線と傾斜面 部２Ｃによって間隙Ｈが形成される。すなわち、この間隙Ｈは頂部３において形 成されるものでなく、頂部３よりフランジ部２の外側面２Ｂに向かうにつれて順 次大となり、外側面２Ｂにおいてもっとも大なる間隙Ｈが形成される。本実施例 において、この傾斜面部２Ｃは、頂部３を含む左右の水平線Ｚ−Ｚに対して、頂 部３より上方に向かって直線状に傾斜させた。

【００１４】 かかる傾斜面部２Ｃを有するフランジ部２を備えたハウジング２２は、従来と 同様に端子２５Ａ、２５Ｂのテール２５Ｅ、２５Ｆを介して一側のプリント回路 基板２０上にハンダ付けされて実装されるもので、これによってリセプタクル型 の表面実装用電気コネクタ１が一側のプリント回路基板２０に固定され、かかる 際においてフランジ部２の頂部３は一側のプリント回路基板２０に対して間隙を もって配置される。但し、わずかに当接されてもさしつかえない。以上によれば 、一側のプリント回路基板２０と、フランジ部２の底面部２Ａに形成した傾斜面 部２Ｃとの間にはフランジ部２の頂部３から左右の外側面２Ｂ、２Ｂに向かって 順次大なる間隙がそれぞれが形成されることになる。

【００１５】 ４は他側のプリント回路基板３６に固定されたプラグ型の表面実装用電気コネ クタであり、ハウジング３１の長手方向軸心線Ｘ−Ｘの左右両端にはフランジ部 ５が形成される。このフランジ部５は他側のプリント回路基板３６に対向する底 面部５Ａと（図１において上方に位置するが底面部という）、底面部５Ａの両外 側端から下方に向かってそれぞれのびる外側面５Ｂ、５Ｂを有し、更にこの底面 部５Ａには傾斜面部５Ｃ、５Ｃが形成される。この傾斜面部５Ｃ、５Ｃについて 以下に詳述する。

【００１６】 ６はフランジ部５の底面部５Ａの略中心であって且つハウジング３１の長手方 向軸心線Ｘ−Ｘに沿って形成された頂部であり、本実施例における頂部６はハウ ジング３１の長手方向軸心線Ｘ−Ｘに沿って線状に形成された。傾斜面部５Ｃは 、前記頂部６よりそれぞれ左右の外側面５Ｂ、５Ｂに向かう傾斜面をなすもので 、この傾斜面部５Ｃは、頂部６より外側面５Ｂに向かうにつれ、頂部６と傾斜面 部５Ｃとによって形成される間隙Ｈが順次大となるよう形成された。本実施例に おいて、この傾斜面部５Ｃは、頂部６を含む左右の水平線Ｚ−Ｚに対して、頂部 ６より下方に向かって直線状に傾斜させた。かかる傾斜面部５Ｃ、５Ｃを有する フランジ部５を備えたハウジング３１は、従来と同様に端子３５Ａ、３５Ｂのテ ール３５Ｃ、３５Ｄを介して他側のプリント回路基板３６上にハンダ付けされて 実装されるもので、これによってプラグ型の表面実装用電気コネクタ４が他側の プリント回路基板３６に固定され、かかる際においてフランジ部５の頂部６は他 側のプリント回路基板３６に対して間隙をもって配置される。以上によれば、他 側のプリント回路基板３６と、フランジ部５の底面部５Ａに形成した傾斜面部５ Ｃとの間にはフランジ部５の頂部６から左右の外側面５Ｂ、５Ｂに向かって順次 大なる間隙がそれぞれが形成されることになる。

【００１７】 このように、一側のプリント回路基板２０に固定されたリセプタクル型の表面 実装用電気コネクタ１及び他側のプリント回路基板３６に固定されたプラグ型の 表面実装用電気コネクタ４は図２に示される。尚、図２には一対のリセプタクル 型の表面実装用電気コネクタ１とプラグ型の表面実装用電気コネクタ４のみが示 される。

【００１８】 そして、リセプタクル型及びプラグ型の表面実装用電気コネクタ１、４の各ハ ウジング２２、３１の長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プリント回路基板２ ０、３６上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレのない場合、プラグ型の表面 実装用電気コネクタ４はリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１に図１の如 く嵌合される。プラグ型の表面実装用電気コネクタ４のハウジング３１の嵌合凹 部３３はリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１のハウジング２２の外側壁 ２２Ｂの外周に配置され、一方、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４の端子３ ５Ａ、３５Ｂは、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の端子２５Ａ、２ ５Ｂの各接触部２５Ｃ、２５Ｄに正確に接続される。

【００１９】 すなわち、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の端子２５Ａ、２５Ｂ 間の端子に沿う長手方向中心線Ｐ−Ｐとプラグ型の表面実装用電気コネクタ４の 端子３５Ａ、３５Ｂ間の端子に沿う長手方向中心線Ｒ−Ｒとを同一線上に配置す ることかできる。かかる嵌合時において、プラグ型の表面実装用電気プラグ４の 嵌合凹部３３と、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１のハウジング２２ の外側壁２２Ｂとの間には嵌合に必要な微少な間隙が形成されればよいものであ る。従来の如き大なる間隙を必要としない。

【００２０】 そして、前記芯ズレのない状態に比較して各表面実装用電気コネクタ１、４の ハウジング２２、３１の長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プリント回路基板 上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレし、プラグ型の表面実装用電気コネク タ４とリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の各ハウジング３１、２２の 長手方向軸心線Ｘ−Ｘ間に相対的に芯ズレＡが発生した場合、プラグ型の表面実 装用電気コネクタ４はリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１に図３の如く 嵌合される。すなわち、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４の嵌合凹部３３を 、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１のハウジング２２の外側壁２２Ｂ に向けて嵌合する際、嵌合凹部３３の下方開口端３３Ａが拡大されていることか ら嵌合の初期において、嵌合凹部３３は円滑にハウジング２２の外側壁２２Ｂの 上端に向かって進入しつつ嵌合し、嵌合の終期において嵌合凹部３３はハウジン グ２２の外側壁２２Ｂに微少なる間隙をもって嵌合される。そして、本考案の表 面実装用電気コネクタにあっては、かかる嵌合時において両表面実装用電気コネ クタ間に芯ズレＡがあったとしても、嵌合の進行と同期して両表面実装用電気コ ネクタ１、４が相対的に回転し、この芯ズレＡを吸収し得る。すなわち、リセプ タクル型の表面実装用電気コネクタ１にあっては、端子２５Ａ、２５Ｂが一側の プリント回路基板２０に固定された状態において反時計方向に回転する。このよ うに、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１が回転できることは、フラン ジ部２の底面部２Ａに、頂部３よりそれぞれ左右の外側面２Ｂ、２Ｂに向かって 傾斜面部２Ｃ、２Ｃを設けたことによるもので、フランジ部２の回転時において 、フランジ部２の底面部２Ａが一側のプリント回路基板２０に当接することが抑 止され、フランジ部２の回転が許容されたことによるものである。尚、かかるフ ランジ部２の回転時にあっても、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の 端子２５Ａ、２５Ｂは比較的薄い金属板材料で形成されて弾性を有することから 、端子２５Ａ、２５Ｂのテール２５Ｅ、２５Ｆが一側のプリント回路基板２０に 固定された状態でリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の前記回転に追従 しうる。

【００２１】 一方、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４にあっては、端子３５Ａ、３５Ｂ が他側のプリント回路基板３６に固定された状態において反時計方向に回転する 。このように、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４が回転できることは、フラ ンジ部５の底面部５Ａに、頂部６よりそれぞれ左右の外側面５Ｂ、５Ｂに向かっ て傾斜面部５Ｃ、５Ｃを設けたことによるもので、フランジ部５の回転時におい て、フランジ部５の底面部５Ａが他側のプリント回路基板３６に当接することが 抑止され、フランジ部５の回転が許容されたことによるものである。尚、かかる フランジ部５の回転時にあっても、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４の端子 ３５Ａ、３５Ｂは比較的薄い金属板材料で形成されて弾性を有することから、端 子３５Ａ、３５Ｂのテール３５Ｃ、３５Ｄが他側のプリント回路基板３６に固定 された状態でプラグ型の表面実装用電気コネクタ４の前記回転に追従しうる。

【００２２】 以上によれば、プラグ型、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ４、１の 各ハウジング３１、２２の長手方向軸心線Ｘ−Ｘに芯ズレＡがあったとしても、 両表面実装用電気コネクタ４、１が相対的に反時計方向に回転して、リセプタク ル型の表面実装用電気コネクタ１のハウジング２２の外側壁２２Ｂにプラグ型の 表面実装用電気コネクタ４のハウジング３１の嵌合凹部３３が微少なる間隙をも って嵌合配置されたので、リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の端子２ ５Ａ、２５Ｂ間の端子に沿う長手方向中心線Ｐ−Ｐとプラグ型の表面実装用電気 コネクタ４の端子３５Ａ、３５Ｂ間の端子に沿う長手方向中心線Ｒ−Ｒとを同一 線上に配置することができ、もって、プラグ型の表面実装用電気コネクタ４の端 子３５Ａ、３５Ｂをリセプタクル型の表面実装用電気コネクタ１の端子２５Ａ、 ２５Ｂの各接触部２５Ｃ、２５Ｄに正確に電気接続することができたものである 。

【００２３】 尚、両表面実装用電気コネクタ１、４のハウジング２２、３１の長手方向軸心 線Ｘ−Ｘが前記芯ズレと逆方向、すなわち図３において右方向に芯ズレした場合 、両表面実装用電気コネクタ１、４は相対的に時計方向に回転し、リセプタクル 型の表面実装用電気コネクタ１の端子２５Ａ、２５Ｂ間の端子に沿う長手方向中 心線Ｐ−Ｐとプラグ型の表面実装用電気コネクタ４の端子３５Ａ、３５Ｂ間の端 子に沿う長手方向中心線Ｒ−Ｒとを同一線上に配置することができ、もってプラ グ型の表面実装用電気コネクタ４の端子３５Ａ、３５Ｂをリセプタクル型の表面 実装用電気コネクタ１の端子２５Ａ、２５Ｂの各接触部２５Ｃ、２５Ｄに正確に 電気接続することができたものである。

【００２４】 又、表面実装用電気コネクタのフランジ部の底面部に形成される傾斜面部の形 状は前記実施例に限定されるものでなく、以下にしるす図４から図９の形状でも よい。本例は、リセプタクル型の表面実装用の電気コネクタへの適用例である。 図４に示す例は頂部３を含む傾斜面部２Ｃが単一の円弧で形成されたものであり 、図５に示す例は頂部３から円弧と直線とによって形成された傾斜面部２Ｃが頂 部３より左側に示され、頂部３から直線と円弧によって形成された傾斜面部２Ｃ が頂部３より右側に示される。図６に示す例は頂部３にＢなる巾を有する平坦面 が形成され、頂部３より左側に直線状の傾斜面部２Ｃが示され、頂部３より右側 に円弧状の傾斜面部２Ｃが示される。尚、図５、図６において頂部３の左右に形 成される傾斜面部２Ｃの形状に差異をもたせたのは実施例を示す為に用いたもの であり、左右の傾斜面部２Ｃに差異をもたせる必要はない。又、図７に示した例 は、傾斜面部２Ｃをステップ状に外側面２Ｂに向けて形成したものであり、図８ 、図９に示した例は頂部３に凹部を形成し、頂部３の左右からそれぞれの外側面 ２Ｂに向けて直線状あるいは円弧状の傾斜面部を形成した例を示すものである。 以上の如く、傾斜面部２Ｃは、頂部３より外側面２Ｂ、２Ｂに向かうにつれ、頂 部３を含む水平線と傾斜面部２Ｃとによって形成される間隙が大となればよいも のである。

【００２５】

【考案の効果】

以上の如く、本考案になる表面実装用電気コネクタによると、フランジ部の底 面部の略中心であって且つハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘに沿う頂部よりフ ランジ部の外側面に向けて傾斜面部を形成し、該傾斜面部は、頂部より外側面に 向かうにつれ、頂部と傾斜面部とによって形成される間隙を順次大としたので各 表面実装用電気コネクタのハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘが定められた各プ リント回路基板上の長手方向軸心線Ｙ−Ｙに対して芯ズレを生じた場合にあって も、相対するリセプタクル型の表面実装用電気コネクタと、プラグ型の表面実装 用電気コネクタとが相対的に回転して両電気コネクタの嵌合を円滑に行なうこと ができるとともに前記各コネクタの一側の一対の端子の中心線と他側の一対の端 子の中心線とを同一線上に配置することができ、端子の電気接続を良好に行なう ことができたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の表面実装用電気コネクタの一実施例を
示すもので、両コネクタ間に芯ズレの無い状態を示す縦
断面図。

【図２】本考案になる各表面実装用電気コネクタがそれ
ぞれのプリント回路基板に固定され、未嵌合状態を示す
斜視図。

【図３】本考案の表面実装用電気コネクタの芯ズレ時に
おける嵌合状態を示す縦断面図。

【図４】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第２実施例を示す側面図。

【図５】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第３実施例を示す側面図。

【図６】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第４実施例を示す側面図。

【図７】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第５実施例を示す側面図。

【図８】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第６実施例を示す側面図。

【図９】表面実装用電気コネクタの底面部に形成される
傾斜面部の第７実施例を示す側面図。

【図１０】従来のリセプタクル型の表面実装用電気コネ
クタが一側のプリント回路基板に直列、並列に複数配置
された状態を示す平面図。

【図１１】従来の表面実装用電気コネクタの芯ズレの無
い状態における嵌合状態を示す縦断面図。

【図１２】従来の各表面実装用電気コネクタがそれぞれ
のプリント回路基板に固定され、未嵌合状態を示す斜視
図。

【図１３】従来の表面実装用電気コネクタの芯ズレ時に
おける嵌合状態を示す縦断面図。

【符号の説明】

１ リセプタクル型の表面実装用電気コネクタ ２、５ フランジ部 ２Ｂ、５Ｂ 外側面 ３、６ 頂部 ４ プラグ型の表面実装用電気コネクタ ２Ｃ、５Ｃ 傾斜面部 ２０ 一側のプリント回路基板 ２２ ハウジング ３１ ハウジング ３６ 他側のプリント回路基板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の端子がハウジングの長手方向に沿
   って所定のピッチで装着される表面実装用電気コネクタ
   において、ハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘの両端
   に、プリント回路基板に対向する底面部を備えたフラン
   ジ部を各々設け、該フランジ部の底面部の略中心であっ
   て且つハウジングの長手方向軸心線Ｘ−Ｘに沿う頂部よ
   りフランジ部の外側面に向けて傾斜面部を形成し、該傾
   斜面部は、頂部より外側面に向かうにつれ、頂部と傾斜
   面部とによって形成される間隙を順次大としたことを特
   徴とする表面実装用電気コネクタ。