JP3007676B2 - 薄膜コンデンサの製造法 - Google Patents

薄膜コンデンサの製造法

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JP3007676B2 JP2307454A JP30745490A JP3007676B2 JP 3007676 B2 JP3007676 B2 JP 3007676B2 JP 2307454 A JP2307454 A JP 2307454A JP 30745490 A JP30745490 A JP 30745490A JP 3007676 B2 JP3007676 B2 JP 3007676B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐湿性を確保し、高性能で高信頼性の薄膜
コンデンサの製造法に関する。
従来の技術 近年、電子機器の急速な小型化,高性能化にともない
電子部品においても小型化,高性能化および低コスト化
の要請が強まってきている。特に、電子機器の使用環境
は厳しくなり、電子部品に求められる信頼性は高くなっ
てきている。このような状況にあり、コンデンサ業界に
おいてもより信頼性の高いコンデンサの開発が取り組ま
れている。
従来の薄膜コンデンサは、内部電極と誘電体からなる
素子部と、素子部を支持する基板と、素子部と接続され
た外部電極と、素子を保護する膜から構成されている。
従来よりこのような薄膜コンデンサの電極材料として検
討されているアルミ電極では、耐湿性を確保することが
十分にはできていない。そこで耐湿性を確保する手段と
して、 (1) 電極材料として耐食性の強い金属(貴金属等)
を使用する。
(2) 外装を行い素子部への水の侵入を防ぐ。
以上の2点が従来より行われてきている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、電極材料としてNi,NiCrなどの耐湿性
の強い金属を使用した場合、このような金属は表面抵抗
が高く、コンデンサとしての誘電損失(tanδ)を増加
させるだけでなく、わずかな水の侵入により絶縁抵抗が
低下することが知られている。また貴金属などを使用す
ることにより、耐湿性を向上させることは可能である
が、低コスト化の大きな阻害要因となってしまう。また
素子部への水の侵入を防ぐため一般的に外装として樹脂
を用いるが、樹脂自身の吸湿の問題があり、封止性が不
十分であり、高信頼性が得られていない。また内部電極
と外部電極との接続部分では保護膜によって封止されて
いないため、アルミ電極では吸湿に弱く高信頼性の薄膜
コンデンサが作り出されていない。
本発明は、安価なアルミ電極を使用し、かつ耐湿性に
優れた高性能で高信頼性の薄膜コンデンサの製造法を実
現することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成する本発明に係る薄膜コンデンサの製
造法は、無機系の材料からなる絶縁基板1上に一層ごと
にこの絶縁基板1の両端方向に位置ずれした状態で2層
以上のアルミニウムからなる内部電極層2と1層以上の
薄膜誘電体3とを交互に積層する工程、最上層の薄膜誘
電体3上に保護膜4を積層する工程、保護膜4の上面の
少なくとも一部と、絶縁基板1の下面の少なくとも一部
とが露出した状態で、絶縁基板1、内部電極層2、およ
び保護膜4を横方向から挟持する外部電極5を形成する
工程、を包含し、各々の前記アルミニウムからなる内部
電極2の積層後に、アルミニウムからなる内部電極2の
全面にプラズマ照射を行うことを特徴とする。プラズマ
照射に用いられるプラズマ発生ガスは窒素、酸素、また
はその混合ガスであることが好ましい。
作用 アルミ電極は通常薄膜形成時に表面にごくわずか自然
酸化膜が形成されているが、それだけでは耐湿性を確保
できない。そこでアルミ電極を形成後にアルミ電極にプ
ラズマを照射することにより、アルミ電極の表面はプラ
ズマガスと反応し耐湿性のある表面に改質する。すなわ
ち、プラズマ発生ガスが窒素の場合は表面は窒化され、
酸素の場合は酸化される。いずれの場合もアルミ電極の
表面上に耐湿性を確保するために十分な不動態組織を形
成する。
本発明では電極材料として使用するアルミは、電子部
品の内部電極として利用されている電気伝導性がよいも
のである。したがってアルミ電極を用いた高信頼性の薄
膜コンデンサを得ることができる。プラズマ発生に関し
ては、高周波放電,直流放電いずれの場合でも得られる
効果は同じである。
実施例 以下本発明の薄膜コンデンサの一実施例について、図
面を参照しながら説明する。
第1図は一般的な薄膜コンデンサの断面図の構成例で
ある。この図において、素子を支持する絶縁基板1の上
に内部電極2と薄膜誘電体3とが交互に積み重ねられ、
さらにその上に保護膜4が形成されている。また内部電
極2は、保護膜4に覆われていない部分を含んでおり、
絶縁基板1の両端部に形成された内部電極2の延長部上
に外部電極5が形成されている。ここで絶縁基板1とし
ては、表面実装時の高温に耐え、かつ安価なものであれ
ばアルミナ等の無機系の材料を使用できる。内部電極2
を形成するドライプロセスとして、真空蒸着法,スパッ
タリング法等の利用が可能である。また薄膜誘電体3を
形成するドライプロセスとして、蒸着重合法,プラズマ
CVD法,スパッタリング法等の使用が可能である。薄膜
誘電体3に使用される材料としては、無機系,有機系の
いずれの材料でも応用可能である。例えば、蒸着重合法
で形成可能な材料としては、ポリイミド,ポリアミド,
ポリユリア,ポリウレタンなどがある。プラズマCVD法
で形成可能な材料としては、シリコン,チタンなどの酸
化物,窒化物,酸化窒化物があげられる。また保護膜4
の形成には、プラズマCVD法等が使用され、シリコンの
酸化物,窒化物,酸化窒化物が形成される。
次に本発明をより明確にするために、以下製造上の諸
条件を変えて行った6種類の具体的製造法と、比較例と
して従来の製造法によって薄膜コンデンサを製造し、諸
特性の経時的比較試験を実施した。
以下、本発明に基づく6種類の具体的実施例と従来例
について説明する。
実施例1 基板表面のうち両端部を除く部分に膜厚20μmのガラ
スを被覆したアルミナ基板上に内部電極として電子ビー
ム法にて膜厚0.1μmのアルミを形成後、プラズマ照射
を行った。プラズマ発生ガスには窒素を使用し、プラズ
マ発生は周波数13.56MHzで行い、プラズマ発生圧力は0.
1torrとした。プラズマ照射後、薄膜誘電体として蒸着
重合法により膜厚0.2μmの芳香族ポリユリア膜を形成
した。その後、アルミ電極と薄膜誘電体を交互に10層積
み重ねた。なお前述のプラズマ照射はアルミ電極を形成
したあとその度ごとに行った。次に保護膜としてプラズ
マCVD法により膜厚2μmの窒化シリコン膜を形成し
た。さらに減圧プラズマ溶射法によって銅合金からなる
外部電極を形成し、薄膜コンデンサを得た。
実施例2 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行った。プ
ラズマ発生ガスには窒素を使用し、プラズマ発生は周波
数2.45GHzで行い、プラズマ発生圧力は0.2torrとした。
薄膜誘電体,保護膜,外部電極を実施例1と同様に形成
し、薄膜コンデンサを得た。
実施例3 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行った。プ
ラズマ発生ガスには窒素を使用し、プラズマ発生は周波
数400KHzで行い、プラズマ発生圧力は0.3torrとした。
薄膜誘電体,保護膜,外部電極を実施例1と同様に形成
し、薄膜コンデンサを得た。
実施例4 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行った。プ
ラズマ発生ガスには窒素を使用し、プラズマ発生は直流
放電で行い、プラズマ発生圧力は0.1torrとした。薄膜
誘電体,保護膜,外部電極を実施例1と同様に形成し、
薄膜コンデンサを得た。
実施例5 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行った。プ
ラズマ発生ガスには酸素を使用し、プラズマ発生は周波
数13.56MHzで行い、プラズマ発生圧力は0.1torrとし
た。薄膜誘電体,保護膜,外部電極を実施例1と同様に
形成し、薄膜コンデンサを得た。
実施例6 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行った。プ
ラズマ発生ガスには窒素と酸素の混成比が4:1の混合ガ
スを使用し、プラズマ発生は周波数13.56MHzで行い、プ
ラズマ発生圧力は0.2torrとした。薄膜誘電体,保護
膜,外部電極を実施例1と同様に形成し、薄膜コンデン
サを得た。
比較例1 実施例1と同一のアルミナ基板上に、実施例1と同様
にアルミ電極を形成した後、プラズマ照射を行わずに、
薄膜誘電体と交互に積み重ねた。薄膜誘電体,保護膜,
外部電極を実施例1と同様に形成し、薄膜コンデンサを
得た。
上記実施例1〜6および比較例1の薄膜コンデンサに
ついて、耐湿試験(温度:60℃,湿度:95%RH,印加電圧:
25VDC,試験時間:1000h)を行った。その結果を第2図に
示す。比較例1の薄膜コンデンサにおいては、100hでア
ルミ電極表面のうち保護膜で被覆されていない部分から
腐食が発生し、誘電損失の劣化が生じた。さらに時間の
経過に伴い腐食は素子対向部まで進行し、オープン不良
が発生した。実施例1〜6については、試験前のコンデ
ンサの特性(容量,誘電損失,絶縁抵抗)を維持するこ
とができた。すなわち、照射するプラズマが高周波放
電,直流放電いずれの場合でも耐湿性は向上する。また
プラズマ発生ガスに関しても窒素,酸素またはその混合
ガスのいずれの場合でも得られる効果は同じである。
発明の効果 以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、
アルミ電極を使用しプラズマ照射を電極表面に行うこと
により、耐湿性を確保することが可能となり、安価なア
ルミ電極を使用しながら高性能でかつ高信頼性の薄膜コ
ンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般的な薄膜コンデンサの断面図、第2図は本
発明の製造法によって製造した薄膜コンデンサと従来の
製造法によって製造した薄膜コンデンサの経時的特性図
である。 1……絶縁基板、2……内部電極、3……薄膜誘電体、
4……保護膜、5……外部電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 善一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 羽賀 幹夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 飯島 正行 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (72)発明者 高橋 善和 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真 空技術株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−86212(JP,A) 特開 平2−121313(JP,A) 特開 平2−271606(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 4/00 - 4/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機系の材料からなる絶縁基板(1)上に
    一層ごとに前記絶縁基板(1)の両端方向に位置ずれし
    た状態で2層以上のアルミニウムからなる内部電極層
    (2)と1層以上の薄膜誘電体(3)とを交互に積層す
    る工程、 最上層の前記薄膜誘電体(3)上に保護膜(4)を積層
    する工程、 前記保護膜(4)の上面の少なくとも一部と、前記絶縁
    基板(1)の下面の少なくとも一部とが露出した状態
    で、前記絶縁基板(1)、内部電極層(2)、および保
    護膜(4)を横方向から挟持する外部電極(5)を形成
    する工程、 を包含する薄膜コンデンサの製造法において、 各々の前記アルミニウムからなる内部電極(2)の積層
    後に、前記アルミニウムからなる内部電極(2)の全面
    にプラズマ照射を行うことを特徴とする、薄膜コンデン
    サの製造法。
  2. 【請求項2】前記プラズマ照射に用いられるプラズマ発
    生ガスが窒素、酸素、またはその混合ガスである、請求
    項1に記載の薄膜コンデンサの製造法。
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