JP3007622B1 - 低粘度多糖誘導体水溶液の製造法 - Google Patents

低粘度多糖誘導体水溶液の製造法

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JP3007622B1 JP32012798A JP32012798A JP3007622B1 JP 3007622 B1 JP3007622 B1 JP 3007622B1 JP 32012798 A JP32012798 A JP 32012798A JP 32012798 A JP32012798 A JP 32012798A JP 3007622 B1 JP3007622 B1 JP 3007622B1
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Abstract

【要約】 【課題】 低粘度で高濃度化ができる低粘度多糖誘導体
水溶液の製造法を提供する。 【解決手段】 分子内の水酸基の水素原子の一部又は全
部が疎水性置換基及びイオン性親水性置換基で置換され
てなる、1重量%水溶液の25℃における粘度が100
0mPa・s以上の多糖誘導体100重量部と、(メタ)ア
クリル酸系重合体10〜1000重量部とを混合する低
粘度多糖誘導体水溶液の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取り扱い性、膜分
離等の操作に供する場合の操作性に優れた低粘度多糖誘
導体水溶液の製造法、精製法及び多糖誘導体水溶液の粘
度低減法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多糖誘
導体は、化粧料等の増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマル
ジョン安定剤、凝集剤、薬理活性剤として広く利用でき
る。しかし、多糖誘導体は、水溶液の粘度が著しく高
く、チキソトロピー性の流動特性を有している。このた
め、工業用素材として利用する際の操作性が悪く、高粘
度ゆえに高濃度化が困難であり、生産性が悪く製品形態
への制約も大きいため、低粘度化が望まれてきた。
【0003】多糖誘導体水溶液の低粘度化方法として
は、分子量を小さくすることが最も容易でかつ有効な方
法とされており、これは大きく化学的方法と物理的方法
に分けられる。前者の例として、加水分解法が一般的で
あり、特開平6−256208号公報に、紅藻類起源の
アガロースを基本骨格とする酸性多糖に糖分解酵素β−
アガラーゼを作用させて低粘度化する加水分解法が提案
されている。また後者の例として、加熱、磨砕又は紫外
線、放射線、超音波等の手段があり、特公昭59−19
121号公報には、β−1,3−及びβ−1,6−グル
カン類溶液に超音波を照射することにより低粘度化する
方法が開示されている。しかし、これらの方法はいずれ
も分子を切断して低粘度化するため、多糖誘導体の性能
の低下等を引き起こす。
【0004】本発明の課題は、多糖誘導体の基本骨格を
破壊することなく、その水溶液を低粘度化できる低粘度
多糖誘導体水溶液の製造法、前記低粘度多糖誘導体水溶
液の精製法、さらには多糖誘導体水溶液の粘度低減法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子内の水酸
基の水素原子の一部又は全部が疎水性置換基及びイオン
性親水性置換基で置換されてなる、1重量%水溶液の2
5℃における粘度が1000mPa・s以上の多糖誘導体
と、(メタ)アクリル酸系重合体とを混合する低粘度多
糖誘導体水溶液の製造法を提供する。また本発明は、上
記の製造法により得られる低粘度多糖誘導体水溶液を膜
分離又は電気透析して、低分子量水溶性不純物を除去す
る低粘度多糖誘導体水溶液の精製法を提供する。さらに
本発明は、分子内の水酸基の水素原子の一部又は全部が
疎水性置換基及びイオン性親水性置換基で置換されてな
る、1重量%水溶液の25℃における粘度が1000mP
a・s以上の多糖誘導体に、(メタ)アクリル酸系重合体
を添加する多糖誘導体水溶液の粘度低減法を提供する。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸は、アクリル
酸とメタクリル酸の両方を意味する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる多糖誘導体は、多
糖類又はそのアルキル化、ヒドロキシアルキル化もしく
はアルケニル化誘導体の一部又は全部の水酸基の水素原
子が、疎水性置換基及びイオン性親水性置換基(以下、
単に「親水性置換基」という)で置換されてなる。
【0007】多糖類又はそのアルキル化、ヒドロキシア
ルキル化誘導体は、特開平9−110901号第3頁第
4欄第39行〜第50行に記載されているものが挙げら
れ、なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース等のセルロース及びその誘導体が好
ましい。アルケニル化誘導体は、好ましくは炭素数2〜
36、より好ましくは16〜24のアルケニル基を有す
るものが挙げられる。
【0008】また、これらの多糖類のメチル基、エチル
基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヘキ
サデセニル基等の置換基は、単一の置換基で置換された
ものでもよいし、複数の置換基で置換されたものでもよ
く、その構成単糖1単位あたりの付加モル数は好ましく
は0.1〜5、より好ましくは0.5〜3である。ま
た、置換基がオキシアルキレン基の場合には、その構成
単糖1単位あたりの付加モル数は好ましくは0.1〜1
0、より好ましくは0.5〜5である。また、これらの
多糖誘導体の重量平均分子量は好ましくは1万〜100
0万、より好ましくは10万〜500万である。
【0009】疎水性置換基は、炭素数8〜40の炭化水
素鎖を部分構造として有するものが挙げられる。より具
体的には、炭素数8〜40、好ましくは12〜36、よ
り好ましくは16〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
を有するアルキルグリセリルエーテル基;同じ炭素数の
直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を有するアルケニルグリ
セリルエーテル基;ヒドロキシル基が置換していてもよ
く、オキシカルボニル基が挿入されていてもよい炭素数
8〜40、好ましくは12〜36、より好ましくは16
〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又
はアシル基等である。これらの中でも製造上の容易性の
観点から、好ましくはアルキルグリセリルエーテル基、
長鎖アルキル基であり、より好ましくはアルキルグリセ
リルエーテル基である。ここで、アルキルグリセリルエ
ーテル基とは、アルキルグリセリルエーテルの水酸基を
1個除いた残余の部分の構造をいう。アルキルグリセリ
ルエーテル基の具体例としては、2−ヒドロキシ−3−
アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロ
キシメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニ
ルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒ
ドロキシメチル)エチル基等が挙げられる。これらの疎
水性置換基は多糖分子に結合しているヒドロキシエチル
基やヒドロキシプロピル基の水酸基の水素原子と置換し
ていてもよい。
【0010】親水性置換基は、スルホン酸基、カルボキ
シル基、リン酸基及び硫酸エステル基から選ばれる1種
以上の基を部分構造として含有する置換基が挙げられ、
これらは塩を形成していてもよい。具体的には、ヒドロ
キシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホア
ルキル基又はその塩、カルボキシアルキル基又はその
塩、リン酸アルキル基又はその塩、硫酸エステルアルキ
ル基又はその塩等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキ
シル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアル
キル基である。より具体的には、2−スルホエチル基、
3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプ
ロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチ
ル基等が挙げられ、その全て又は一部がナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等
のアルカリ土類金属、アミン類等の有機カチオン基、ア
ンモニウムイオン等との塩になっていてもよい。
【0011】これらの多糖誘導体は、疎水性置換基と親
水性置換基による置換の度合いにより、溶媒への溶解性
や粘性が変化する。即ち、疎水性置換基と親水性置換基
の置換度を好ましい範囲にすることにより、溶媒への適
度な溶解性や粘性を得ることができる。なお、置換度と
は構成単糖あたりの置換基の平均数を示す。
【0012】こうした観点から、疎水性置換基による置
換度は、好ましくは0.0001〜1、より好ましくは
0.0001〜0.05である。また、親水性置換基に
よる置換度は、好ましくは0.001〜2、より好まし
くは0.01〜1である。特に好ましい置換度は、疎水
性置換基が0.0001〜0.01であり、親水性置換
基が0.10〜0.35である。
【0013】本発明で用いる多糖誘導体は、多糖類又は
そのアルキル化もしくはヒドロキシアルキル化誘導体の
水酸基の水素原子を部分的に疎水化(疎水性置換基の導
入)又は親水化(親水性置換基の導入)した後、残りの
水酸基の一部又は全部の水素をそれぞれ親水化又は疎水
化することにより、又は疎水化及び親水化を同時に行う
ことにより得られる。
【0014】置換基の導入は、一例として次のようにし
て行う。即ち、多糖誘導体を、アルカリの存在下でアル
キル基の炭素数が8〜40のアルキル又はアルケニルグ
リシジルエーテル、炭素数が8〜40の直鎖又は分岐鎖
の飽和又は不飽和アルキルのエポキシド、ハライド、ハ
ロヒドリン、アシルハライド、或いは炭素数が8〜40
のアシル基を有するエステル又はカルボン酸無水物と反
応させて疎水性置換基を導入し、さらにアルカリの存在
下でビニルスルホン酸又はヒドロキシル基が置換してい
てもよい炭素数1〜5のハロアルカンスルホン酸、ハロ
カルボン酸、ハロリン酸エステル、ハロ硫酸エステル又
はそれらの塩と反応させて親水性置換基を導入する。
【0015】本発明で用いる多糖誘導体は、1重量%水
溶液の25℃における粘度が1000mPa・s以上、好ま
しくは1000〜100000mPa・s、より好ましくは
2000〜80000mPa・s、特に好ましくは3000
〜60000mPa・sである。粘度が1000mPa・s以上で
あると本発明による粘度低減効果が大きく、取り扱い性
が良好となるばかりでなく、高濃度化も可能となり、製
品として使用する際、配合濃度の制約が小さくなるため
好ましい。
【0016】本発明で用いる(メタ)アクリル酸系重合
体は、下記一般式(1)で表される単量体と、下記一般
式(2)及び(3)で表される化合物の中から選ばれる
一種以上を含有する単量体とを重合して得られる、オキ
シアルキレン基を有する水溶性ビニル共重合体が特に好
ましく用いられる(例えば花王(株)製マイティ300
0)。こうした(メタ)アクリル酸系重合体について
は、例えば特開平7−223852号公報第3頁第3欄
第8行〜第27行及び同公報第3頁第4欄第1行〜第2
0行に記載がある。
【0017】
【化1】
【0018】[式中、R1,R2:水素原子又はメチル基 m1:0〜2の数 AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基 n:2〜300の数 x:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す]。
【0019】
【化2】
【0020】[式中、R3,R4,R5:水素原子、メチル
基又は(CH2)m2COOM26:水素原子又はメチル基 M1,M2,Y:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム又は置換ア
ルキルアンモニウム m2:0〜2の数を表す]。
【0021】上記一般式(1)で表される単量体として
は、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエ
チレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレ
ングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレング
リコール、プロポキシポリエチレングリコール及びプロ
ポキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末
端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル
酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水素反応物とのエステ
ル化物や、アクリル酸、メタクリル酸又は脂肪酸の脱水
素反応物へのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド付加物が挙げられる。
【0022】また、ポリアルキレングリコールのモノマ
ーの繰り返し単位としては、エチレンオキサイド単独、
プロピレンオキサイド単独、エチレンオキサイドとプロ
ピレンオキサイドのランダム、ブロック、交互付加の何
れでも用いることができる。ポリアルキレングリコール
のモノマーの繰り返し単位の付加モル数は、110〜3
00であると多糖誘導体水溶液の減粘効果の面で特に好
ましい。
【0023】上記一般式(2)で表される化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和
モノカルボン酸系単量体又はこれらのアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、置換
アミン塩等が挙げられる。また、無水マレイン酸、マレ
イン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン
酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸系
単量体又はこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩、置換アミン塩等が挙げ
られる。
【0024】上記一般式(3)で表される化合物として
は、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸又はこれら
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩、置換アミン塩等が挙げられる。
【0025】本発明の低粘度多糖誘導体水溶液の製造法
においては、上記した多糖誘導体水溶液と、水溶液又は
粉末の(メタ)アクリル酸系重合体とを混合する。この
混合方法は、一度に全量混合する方法又は数回に分割し
て混合する方法のどちらでもよい。また、多糖誘導体水
溶液がアルコール類等の水溶性溶媒を含有する場合は、
(メタ)アクリル酸系重合体と混合した後、溶媒を留去
してもよい。
【0026】本発明の製造法において、(メタ)アクリ
ル酸系重合体の混合量は、所望とする多糖誘導体水溶液
中の多糖誘導体濃度及びその時の粘度に応じて適宜決定
できるが、多糖誘導体水溶液中の多糖誘導体100重量
部に対して、好ましくは10〜1000重量部、より好
ましくは10〜500重量部である。
【0027】本発明の製造法により得られる低粘度多糖
誘導体水溶液中の多糖誘導体濃度は、好ましくは0.1
〜20.0重量%、より好ましくは1.0〜10.0重
量%である。0.1重量%以上で増粘性等の多糖誘導体
の性能を発現し、20.0重量%以下では取り扱い上問
題のない粘度であるため好ましい。
【0028】本発明の多糖誘導体水溶液の粘度低減法
は、上記した多糖誘導体水溶液に(メタ)アクリル酸系
重合体を添加する方法であり、(メタ)アクリル酸系重
合体の添加量は目的とする多糖誘導体水溶液の粘度に応
じて適宜調整できるが、一例として、多糖誘導体濃度が
上記した低粘度多糖誘導体水溶液の製造法と同様の範囲
になるように調整できる。
【0029】本発明の製造法及び粘度低減法を適用して
得られる低粘度多糖誘導体水溶液は、原料となる多糖誘
導体水溶液の粘度の1/100〜1/600まで粘度を
低減できる(1重量%水溶液の25℃の粘度で比較)。
【0030】本発明の製造法を適用して得られる低粘度
多糖誘導体水溶液は、さらに膜分離又は電気透析を行う
ことにより、未反応単量体、重合禁止剤、重合開始剤、
無機塩及び有機塩等の低分子量水溶性不純物を除去して
精製することができる。
【0031】精製法として膜分離を適用する場合の低粘
度多糖誘導体水溶液の粘度は、処理効率の面から100
0mPa・s未満が好ましく、500mPa・s以下がより好まし
い。また、膜分離を行う場合は、分画分子量30000
の限外濾過膜を用いて、圧力0.5〜1.5MPaで濾過
を行うことが好ましい。
【0032】
【実施例】以下の実施例において、多糖誘導体の疎水性
置換基の置換度は、疎水性置換基が1位にオキソ基を有
しない場合(エーテルを形成している場合)には、Zeis
el法(D.G.Anderson,Anal.Chem.,vol.43,894(1971))
により定量し、疎水性置換基が1位にオキソ基を有する
場合(エステルを形成している場合)には、試料を酸で
加水分解し中和した後、ジアゾメタンでエステル化を行
ってガスクロマトグラフィーで定量した。また、親水性
置換基の置換度はコロイド滴定法により求めた。即ち、
濃度既知の増粘剤溶液を調製し、これに撹拌下、重量既
知のN/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純
薬(株)製、コロイド滴定用)を加え、さらにトルイジ
ンブルー指示薬溶液(和光純薬(株)製、コロイド滴定
用)を数滴加えた。これをN/400ポリビニル硫酸カ
リウム溶液(和光純薬(株)製、コロイド滴定用)によ
り逆滴定し、滴定量から置換度を算出した。なお、以下
の実施例において「%」は重量%を表す。また、粘度測
定は東京計器製造所社製B型粘度計(ローターNo.2、
12rpm)を用いて25℃で行った。
【0033】合成例1 (1)ガラス製反応容器に、重量平均分子量約80万、
ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチル
セルロース(HEC-QP4400、ユニオンカーバイド社製)5
0g、88%イソプロピルアルコール400g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液3.5gを加えてスラリー液
を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間撹拌した。これ
にステアリルグリシジルエーテル4.0gを加え、80
℃で7時間反応させて疎水化を行った。疎水化反応終了
後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反
応生成物を80%アセトン(水20%)500gで2
回、次いでアセトン500gで2回洗浄し、減圧下70
℃で1昼夜乾燥し、疎水化されたヒドロキシエチルセル
ロース誘導体49.4gを得た。 (2)ガラス製反応容器に(1)で得られた疎水化ヒド
ロキシエチルセルロース誘導体10.0g、イソプロピ
ルアルコール80.0g及び48%水酸化ナトリウム水
溶液0.33gを仕込んでスラリー液を調製し、窒素気
流下室温で30分間撹拌した。反応液に3−クロロ−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム6.4g、
48%水酸化ナトリウム水溶液2.7g及び水20.0
gからなる混合液を加え、50℃で9時間スルホン化を
行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し生成物を濾
別した。生成物を80%アセトン(水20%)500g
で3回、次いでアセトン500gで2回洗浄後、減圧下
70℃で1昼夜乾燥し、ステアリルグリセリルエーテル
基と3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基で置換され
たヒドロキシエチルセルロース誘導体粉末7.2gを得
た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のステ
アリルグリセリルエーテル基の置換度は0.002、3
−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.2
5であった。このヒドロキシエチルセルロース誘導体を
水に溶解して得られた透明な1%水溶液の粘度は100
00mPa・sであった。
【0034】合成例2 (1)重量平均分子量約150万のヒドロキシエチルセ
ルロース(HEC-QP100MH、ユニオンカーバイド社製)8
0g、80%イソプロピルアルコール640g、48%
水酸化ナトリウム水溶液5.5g、ステアリルグリシジ
ルエーテル0.84g、80%アセトンの代わりにイソ
プロピルアルコールを用いた以外は合成例1と同様にし
て、疎水化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体7
2.8gを得た。 (2)(1)で得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロ
ース誘導体20.0g、70%イソプロピルアルコール
200g、48%水酸化ナトリウム水溶液1.37gと
した以外は合成例1と同様にしてスラリー液を調整し、
3−クロロ2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウ
ム4.09g及び48%水酸化ナトリウム水溶液を1.
7gを用い、スルホン化時間を3時間、洗浄を70%イ
ソプロピルアルコール340gで1回及びイソプロピル
アルコール120gで2回とした以外は合成例1と同様
にして、ヒドロキシエチルセルロース誘導体粉末18.
3gを得た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体のステアリルグリセリルエーテル基の置換度は0.0
01、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度
は0.080であった。このヒドロキシエチルセルロー
ス誘導体を水に溶解して得られた透明な1%水溶液の粘
度は15000mPa・sであった。
【0035】合成例3 (1)ヒドロキシエチルセルロースの代わりに重量平均
分子量約40万、メチル基の置換度1.8のメチルセル
ロース(メトローズSM-800、信越化学工業社製)50
g、イソプロピルアルコールを400g、48%水酸化
ナトリウム水溶液4.5g、ステアリルグリシジルエー
テル4.4gを用いた以外は合成例1と同様にして、疎
水化されたメチルセルロース48.5gを得た。 (2)(1)で得られた疎水化メチルセルロースを1
0.0gとした以外は合成例1と同様にしてスラリー液
を調整し、3−クロロ2−ヒドロキシプロパンスルホン
酸ナトリウム7.7g及び48%水酸化ナトリウム水溶
液3.2gを用い、スルホン化時間を8時間とした以外
は合成例1と同様にして、メチルセルロース誘導体粉末
8.3gを得た。得られたメチルセルロース誘導体のス
テアリルグリセリルエーテル基の置換度は0.008、
3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.
15であった。このヒドロキシエチルセルロース誘導体
を水に溶解して得られた透明な1%水溶液の粘度は60
00mPa・sであった。
【0036】合成例4 合成例1の(2)において、スルホン化反応後、中和、
濾過、洗浄、乾燥を行わない以外は同様にして、スルホ
ン化反応終了物を得た。
【0037】実施例1〜10 上記の合成例1〜3で得た多糖誘導体又は合成例4で得
たスルホン化反応終了物と、表1に示す(メタ)アクリ
ル酸系重合体を表2に示す組み合わせで混合し、透明な
低粘度多糖誘導体水溶液を得た。
【0038】実施例11 ヒドロキシエチルセルロース誘導体を4%水溶液(粘度
76mPa・s)とした以外は実施例2と同様にして、透明
な低粘度多糖誘導体水溶液を得た。
【0039】実施例12 ヒドロキシエチルセルロース誘導体を8%水溶液(粘度
500mPa・s)とした以外は実施例2と同様にして、透
明な低粘度多糖誘導体水溶液を得た。
【0040】比較例1〜3 表2に示す多糖誘導体単独の水溶液を得た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例2、実施例11、実施例12及び比
較例1における多糖誘導体水溶液中の多糖誘導体濃度と
粘度の関係を図1に示す。
【0044】実施例13 実施例10の低粘度多糖誘導体水溶液は、ヒドロキシエ
チルセルロース誘導体に対して140%量の不純物を含
んでいた。これを、分画分子量30000のセラミック
限外濾過膜(東芝セラミックス(株)社製)を用いて、
0.7MPaで濾過したところ、濃縮液中のヒドロキシエ
チルセルロース誘導体に対する不純物濃度は40%にな
った。結果を表3に示す。
【0045】実施例14 実施例3の低粘度多糖誘導体水溶液は、ヒドロキシエチ
ルセルロース誘導体に対して180%量の不純物を含ん
でいた。これを、実施例13と同様にして濾過したとこ
ろ、濃縮液中のヒドロキシエチルセルロース誘導体に対
する不純物濃度は45%になった。結果を表3に示す。
【0046】比較例5 比較例1の多糖誘導体水溶液を、実施例13と同様の限
外濾過膜を用いて、圧力を0.7MPaから1.5MPaに上
げて濾過したが、透過液は出ず、膜分離は不可能であっ
た。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、多糖誘導体の基本骨格
が破壊されることなく、粘度が低く、溶液中での高濃度
化が可能な低粘度多糖誘導体水溶液が提供される。その
結果、取り扱い性が向上すると共に、膜分離等の操作に
供する場合の操作性に優れ、生産性を向上させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 低粘度多糖誘導体水溶液中の多糖誘導体濃度
と粘度の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C09K 3/00 103 C09K 3/00 103G (72)発明者 植山 典男 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (72)発明者 岩崎 俊哉 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 11/193

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内の水酸基の水素原子の一部又は全
    部が疎水性置換基及びイオン性親水性置換基で置換され
    てなる、1重量%水溶液の25℃における粘度が100
    0mPa・s以上の多糖誘導体と、(メタ)アクリル酸系重
    合体とを混合する低粘度多糖誘導体水溶液の製造法。
  2. 【請求項2】 多糖誘導体濃度が、0.1〜20.0重
    量%である請求項1記載の低粘度多糖誘導体水溶液の製
    造法。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸系重合体の含有量
    が、多糖誘導体100重量部に対して10〜1000重
    量部である請求項1又は2記載の低粘度多糖誘導体水溶
    液の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかで得られる低粘
    度多糖誘導体水溶液を膜分離又は電気透析して、低分子
    量水溶性不純物を除去する低粘度多糖誘導体水溶液の精
    製法。
  5. 【請求項5】 分子内の水酸基の水素原子の一部又は全
    部が疎水性置換基及びイオン性親水性置換基で置換され
    てなる、1重量%水溶液の25℃における粘度が100
    0mPa・s以上の多糖誘導体に、(メタ)アクリル酸系重
    合体を添加する多糖誘導体水溶液の粘度低減法。
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