JP3007199U

JP3007199U - ３層共押出し二軸延伸ポリプロピレン合成紙

Info

Publication number: JP3007199U
Application number: JP1994010617U
Authority: JP
Inventors: 豐欽林
Original assignee: 南亜塑膠工業股▲ひん▼有限公司
Priority date: 1994-07-26
Filing date: 1994-07-26
Publication date: 1995-02-07
Anticipated expiration: 2000-07-26

Abstract

(57)【要約】【目的】３層共押出し二軸延伸ポリプロピレン合成紙
を提供すること。【構成】３層共押出し方式により、ポリプロピレン樹
脂組合物及び樹脂組合物を一台の主押出し機及び二台の
副押出し機で押出し、並びに同一のＴダイ圧出を経て、
紙面層／中間層／紙面層から構成するシートを形成し、
さらに冷却成形、二軸延伸、コロナ処理及び必要な厚さ
に応じて積層し、巻取ってなる、合成紙である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一種の二軸延伸ポリプロピレン合成紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、天然紙に代わるポリプロピレン合成紙は、ポリプロピレンの二軸延伸フィルムを基材層（中間層）とし、その背面と表面に無機微細粉末のポリプロピレン単軸延伸フィルムを貼り合わせて紙状層とした合成紙である。この種の合成紙は、無機微細粉末を核心とし、その周囲に微細な穴を有し、表面上に多数の長細い亀裂を有し、凹版印刷性を高めている。その表面上にはアクリル酸系共重合体及びポリパラ基イミド等の水溶液を塗布し、加熱乾燥後使用に供する。

【０００３】また、高結晶性ポリプロピレンとタルク粉及び雲母粉末を使用した樹脂は、二軸延伸を経たフィルムを基材層（中間層）とし、この基材層の一面に高結晶性ポリプロピレン及び無機微細粉末の樹脂を貼り合わせ、単軸延伸を経て形成する合成紙である。この種の合成紙は、剛性、機械強さを有し、印刷ヘッドの密着性が良好な優点を有するとはいえ、その不透明性、低密度、模造紙面摩擦係数などの点で理想的とはいえなかった。かつその基材層上の紙面層は縦向延伸装置及び横向延伸装置の間で、二台の押出し機を利用して上下に層を増やして完成されるため、紙面層に大して横向延伸（単軸延伸）され、その表面強度は比較的低く、且つ用いる炭酸カルシウムはその表面で多穴状を呈し、溶剤を簡単に進入させるため、紙面の変形及び寸法の変化を形成し易く、印刷用途には適合しなかった。且つ該表面上の炭酸カルシウムの形状は比較的不規則で、故に表面粗さを造成し質感が悪くなった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、紙面の霧状面の消光効果がポリプロピレン樹脂を主材とする一般の合成紙よりよく、さらに、天然の紙製品に近い、二軸延伸ポリプロピレン合成紙を提供することを課題とする。

【０００５】さらに、本考案はその紙面の白度及び遮蔽率が従来の炭酸カルシウムを用いた一般の合成紙よりも優れ、印刷加工時の紙粉の発生による不良な影響が発生しない二軸延伸ポリプロピレン合成紙を提供することを課題とする。

【０００６】さらに、本考案は、表面が油性インク溶剤を進入させにくく、従来のもののように、印刷用途に適した二軸延伸ポリプロピレン合成紙を提供することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、中間層及び二つの紙面層の結合構造を改良し、その中間層をポリプロピレン樹脂組合物とし、一台の主押出し機により押出して完成し、二つの紙面層は樹脂組合物とし、二台の副押出し機により押出して完成する。その中間層及び二つの紙面層の押出し物をそれぞれ同一のＴダイで共押出しし、結合して一体とし、この３層の構造の合成紙を冷却、二軸延伸、コロナ処理、巻取り、並びに厚さに応じて必要な積層を行い、完成する、３層共押出し二軸延伸ポリプロピレン合成紙である。

【０００８】本考案の３層構造合成紙は、その紙面層の原料をポリプロピレン及びポリエチレンを主とし紙面の霧状面消光効果を増し、紙面層には二酸化チタンを使用して増白し、本考案の紙面層は二軸延伸処理を経て成す。

【０００９】さらに、上記中間層のポリプロピレン組合物は、シス形高結晶性ポリプロピレン、炭酸カルシウム複合粒（ＭａｓｔｅｒＢａｔｃｈ）、二酸化チタン複合粒及び帯電防止剤よりなる組合せ物とする。

【００１０】上記二つの紙面層の樹脂組合物は、ポリプロピレン、ポリエチレン、二酸化チタン複合粒、帯電防止剤、抗粘着剤及び紫外線吸収剤からなる組合物とする。

【００１１】上記炭酸カルシウム複合粒は炭酸カルシウム及びポリプロピレン樹脂から組成する。

【００１２】上記二酸化チタン複合粒は二酸化チタン及びポリプロピレン樹脂から組成する。

【００１３】

【作用】

本考案は、紙面の霧状面の消光効果がポリプロピレン樹脂を主材とする一般の合成紙よりよく、さらに、天然の紙製品に近く、また、紙面の白度及び遮蔽率が従来の炭酸カルシウムを用いた一般の合成紙よりも優れ、印刷加工時の紙粉の発生による不良な影響が発生せず、表面が油性インク溶剤を進入させにくいため、印刷に適している。

【００１４】

【実施例】

本考案のポリプロピレン合成紙の構造は、図１に示される。本考案は、ポリプロピレン樹脂組合物をその中間層（１）とし、樹脂組合物をその紙面層（２）、（３）とする。これらはそれぞれ一台の主押出し機及び二台の副押出し機で押出した後、合わせて同一のＴダイで共押出しを行い、結合して３層構造の合成紙シートとし、冷却、二軸延伸、コロナ処理、巻取り、並びに厚さの需要によりさらに積層貼合してなる。

【００１５】図２に示されるように、本考案のポリプロピレン合成紙の製造装置は、以下のの如くである、１．押出し装置（２１）：一台の主押出し機及び二台の副押出し機を包括し、合成紙の中間層（１）をポリプロピレン樹脂組合物を材料とし、該主押出し機で押出してなし、二つの紙面層（２）、（３）を樹脂組合物を材料とし、該二台の副押出し機で押出してなす。この３層の押出し物を合わせてＴダイで共押出しを行う。２．冷却ロール装置（２２）：水冷式或いは空冷式の装置とし、前述の３層共押出しにより得たシートに冷却定型加工を施す。３．縦向延伸装置（２３）：低速、高速の二段延伸及び焼もどし定型を行い、ポリプロピレン合成紙の縦向機械強度を増す。４．横向延伸装置（２４）：上述の縦向延伸処理を経て得た比較的薄いシートに予熱軟化し、並びに横向延伸を進行し、焼もどし定型を行い、ポリプロピレン合成紙に部分回縮を起こさせ、寸法の安定性を増す。５．コロナ処理装置（２５）：高周波放電装置を採用し、ポリプロピレン合成紙の表面特性を改善し、印刷、塗布、糊付けなど異なる用途に適応するための加工ステップをなす。６．巻取装置：一つの巻軸を利用し、上述のポリプロピレン合成紙を巻き取る。

【００１６】本考案の積層装置は、図３に示されるように、前述の製造装置より得られたポリプロピレン合成紙を、必要な厚さが１００μであるとき、本装置で積層するものである。本装置は、二巻きの厚さが１００μ以下の合成紙をそれぞれ糊付け発送段（３１）及び貼合発送段（３５）に置き、該糊付け発送段（３１）の合成紙は凹版糊ロール（３２）がのり溝（３３）から塗り付けたのり液を紙面に塗り、糊付け後の合成紙は乾燥箱（３４）を通過し、のり液中の溶剤を除去したのち、接着ロール（３６）に至り、貼合発送段（３５）から送られる合成紙と貼り合わせて積層し、さらに巻取り機（３７）より巻き取る。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の３層共押出し二軸延伸ポリプロピレン合成紙は、紙面の霧状面の消光効果がポリプロピレン樹脂を主材とする一般の合成紙よりよく、さらに、天然の紙製品に近い。さらに、本考案はその紙面の白度及び遮蔽率が従来の炭酸カルシウムを用いた一般の合成紙よりも優れ、印刷加工時の紙粉の発生による不良な影響が発生しない。さらに、本考案は、表面が油性インク溶剤を進入させにくく、従来のもののように、印刷用途に適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の断面図である。

【図２】本考案の製造装置を示す側面図である。

【図３】本考案の製造に供される積層装置の斜視図であ
る。

【符号の説明】

（１）中間層（２）、（３）紙面層（２１）押
出し装置（２２）冷却ロール装置（２３）縦向延伸装置
（２４）横向延伸装置（２５）コロナ処理装置（３１）糊付け発送段
（３２）糊ロール（３３）のり溝（３４）乾燥箱（３５）貼合発
送段（３６）接着ロール（３７）巻取り機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ３２Ｂ 35/00 7148−4Ｆ // Ｄ２１Ｈ 27/36 Ｂ２９Ｋ 23:00 105:16 Ｂ２９Ｌ 9:00

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】二つの紙面層とそれに挟まれた中間層か
らなし、上記中間層はシス形高結晶性ポリプロピレン樹脂、炭酸
カルシウム複合粒、二酸化チタン複合粒、帯電防止剤の
組合せよりなるポリプロピレン樹脂組合物を材料とし主
押出し機で押出し、及び上記二つの紙面層は、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン樹脂、二酸化チタン複合粒、帯電防止剤、粘着防止
剤、紫外線吸収剤を組み合わせてなる樹脂組合せ物を材
料とし副押出し機で押出し、その後合流して同一のＴダイ押出しを経て３層を結合し
て一体のシートとし、冷却、予熱、延伸、焼もどし処理
を行い、巻き取ってなる、３層共押出し二軸延伸ポリプ
ロピレン合成紙。
【請求項２】３層を結合として一体としたシートは、
さらに冷却成形ロールで冷却し、さらに縦向及び横向延
伸装置で予熱、延伸、焼もどし処理を順に行い、並び
に、縦向延伸及び横向延伸の順序に行い、さらに高周波
コロナ処理装置でコロナ処理を行い、最後に巻取り装置
で巻取り、巻取り後の合成紙の厚さを需要により増すときは、積層
装置により積層し、該積層装置は、糊付け発送段、加熱乾燥箱、接着ロール
及び巻取り機で構成し、以上の装置により２巻の合成紙
を貼合するときは、糊付け発送段の糊ロールで１巻の合
成紙に糊付けし、加熱乾燥後、接着ロールで貼合発送段
のもう１巻の合成紙と貼り合わせ、巻き取ってなる、３
層共押出し二軸延伸ポリプロピレン合成紙。