JP3006209B2 - カラーフィルタ用電子写真感光体組成物およびそれを用いたカラーフィルタ用基板 - Google Patents
カラーフィルタ用電子写真感光体組成物およびそれを用いたカラーフィルタ用基板Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式によって
製造されるカラーフィルタに用いる電子写真感光体基板
および光導電体組成物に関する。
製造されるカラーフィルタに用いる電子写真感光体基板
および光導電体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタの製造方法は数多く提案
され、幾つかの方法が実用化されている。例えば、透明
基板上に感光性樹脂を塗布し、常法にしたがって露光現
像を行い所望のパターンを形成し、該パターンを例えば
赤色に染色、以下同様にして、緑、青色のパターンを形
成してカラーフィルタを得る。(これを染色法と呼ぶ)
あるいは、予め顔料や染料等の色素を分散した感光性樹
脂を透明基板上にコートし、露光現像を行って所望のパ
ターンを形成し、これを赤、緑、青の3色繰り返してカ
ラーフィルタを得る方法がある。(本方法は、着色材と
して顔料が使われることが多く、顔料分散法と呼ばれ
る)この他にも、オフセット印刷等の印刷方式、透明基
板上に所望の着色パターンに対応した透明電極を形成し
て、着色すべきパターンにのみ通電して、色材を電着す
る方法(電着法)などがある。
され、幾つかの方法が実用化されている。例えば、透明
基板上に感光性樹脂を塗布し、常法にしたがって露光現
像を行い所望のパターンを形成し、該パターンを例えば
赤色に染色、以下同様にして、緑、青色のパターンを形
成してカラーフィルタを得る。(これを染色法と呼ぶ)
あるいは、予め顔料や染料等の色素を分散した感光性樹
脂を透明基板上にコートし、露光現像を行って所望のパ
ターンを形成し、これを赤、緑、青の3色繰り返してカ
ラーフィルタを得る方法がある。(本方法は、着色材と
して顔料が使われることが多く、顔料分散法と呼ばれ
る)この他にも、オフセット印刷等の印刷方式、透明基
板上に所望の着色パターンに対応した透明電極を形成し
て、着色すべきパターンにのみ通電して、色材を電着す
る方法(電着法)などがある。
【0003】上記方式以外にも、色材の真空蒸着によっ
て透明基板に着色パターンを形成する方法(蒸着法)、
カラー写真同様にハロゲン化銀乳剤によって着色パター
ンを形成する方法などが提案されている。
て透明基板に着色パターンを形成する方法(蒸着法)、
カラー写真同様にハロゲン化銀乳剤によって着色パター
ンを形成する方法などが提案されている。
【0004】従来から実用化されているカラーフィルタ
の製造方法のうち、染色法、顔料分散法などは必要な色
数の分だけ感光性樹脂のコート、プリベーク、露光、現
像、ポストベークを繰り返す。このため、工程が長くな
る。また、感光性樹脂を大型の基板に均一に塗布するこ
とが困難であるため大型のカラーフィルタを作ることが
難しい。
の製造方法のうち、染色法、顔料分散法などは必要な色
数の分だけ感光性樹脂のコート、プリベーク、露光、現
像、ポストベークを繰り返す。このため、工程が長くな
る。また、感光性樹脂を大型の基板に均一に塗布するこ
とが困難であるため大型のカラーフィルタを作ることが
難しい。
【0005】電着法では、色パターンに対応して透明電
極を形成しなければならず、この透明電極に通電して色
材を付着させることから、同色の画素は接続されていな
ければならず画素形状や画素配列に制約が生じる。ま
た、透明電極のパターン化には高度な微細加工技術が要
求される。
極を形成しなければならず、この透明電極に通電して色
材を付着させることから、同色の画素は接続されていな
ければならず画素形状や画素配列に制約が生じる。ま
た、透明電極のパターン化には高度な微細加工技術が要
求される。
【0006】これらの方法に比べて、印刷法では感光液
の塗布、露光、現像といった所謂フォトリソグラフィー
の必要がないため製造工程は比較的簡便である。しか
し、パターン形状や位置精度の面では他の方法にくらべ
てやや劣り、カラーフィルタに使用するためには高度で
特殊な印刷技術が要求される。
の塗布、露光、現像といった所謂フォトリソグラフィー
の必要がないため製造工程は比較的簡便である。しか
し、パターン形状や位置精度の面では他の方法にくらべ
てやや劣り、カラーフィルタに使用するためには高度で
特殊な印刷技術が要求される。
【0007】そこで、より簡便で比較的良好な画素形状
が形成でき、大型のカラーフィルタも製造できる方式と
して、電子写真法によるカラーフィルタの製造方法が、
特開昭48ー16529号公報、特開昭56ー6960
4号公報、特開昭56ー117210号公報、特開昭6
3ー234203号公報に示されている。
が形成でき、大型のカラーフィルタも製造できる方式と
して、電子写真法によるカラーフィルタの製造方法が、
特開昭48ー16529号公報、特開昭56ー6960
4号公報、特開昭56ー117210号公報、特開昭6
3ー234203号公報に示されている。
【0008】これらの方法においては、支持体上に導電
体層と光導電体層を設け、光導電体層全面に帯電を行う
工程と、露光によってカラーフィルタの画素形状の静電
潜像を形成する工程と、静電潜像に着色トナーを付着さ
せる現像工程を、赤、緑、青の3回もしくは赤、緑、
青、黒の4回繰り返してカラーフィルタを製造する。
体層と光導電体層を設け、光導電体層全面に帯電を行う
工程と、露光によってカラーフィルタの画素形状の静電
潜像を形成する工程と、静電潜像に着色トナーを付着さ
せる現像工程を、赤、緑、青の3回もしくは赤、緑、
青、黒の4回繰り返してカラーフィルタを製造する。
【0009】電子写真方式のカラーフィルタにおいて
は、ガラス等の透明な基板上に透明導電層、光導電導層
を形成したものを基板に用い、この基板の上に赤、緑、
青色の画素を形成し、カラーフィルタを得る。従って、
光導電層は各画素の分光透過率を変化させないために可
視光域(400nmから700nm)において吸収のな
いものでなければならない。また、ガラス基板等に容易
に形成出来るものでなければならない。これらの要求を
満足できる光導電層としては、ポリビニルカルバソール
やポリビニルアントラセンなどの有機光導電体があげら
れる。
は、ガラス等の透明な基板上に透明導電層、光導電導層
を形成したものを基板に用い、この基板の上に赤、緑、
青色の画素を形成し、カラーフィルタを得る。従って、
光導電層は各画素の分光透過率を変化させないために可
視光域(400nmから700nm)において吸収のな
いものでなければならない。また、ガラス基板等に容易
に形成出来るものでなければならない。これらの要求を
満足できる光導電層としては、ポリビニルカルバソール
やポリビニルアントラセンなどの有機光導電体があげら
れる。
【0010】ポリビニルカルバソールやポリビニルアン
トラセンなどの有機光導電体は、通常の電子写真では、
増感剤を添加して可視光あるいは赤外線レーザー光に感
度を持たせて使用するが、カラーフィルタ用に使用する
場合には増感剤は添加せず、紫外光による露光で潜像を
形成する。
トラセンなどの有機光導電体は、通常の電子写真では、
増感剤を添加して可視光あるいは赤外線レーザー光に感
度を持たせて使用するが、カラーフィルタ用に使用する
場合には増感剤は添加せず、紫外光による露光で潜像を
形成する。
【0011】このようにして形成した電子写真方式のカ
ラーフィルタは、カラー液晶パネルを製造する工程のな
かで、配向膜を塗布する工程において、配向膜の溶剤と
して使用しているN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブ
チルラクトンによって、電子写真感光体にクラックやし
わが発生したり電子写真感光体が剥離してしまうという
問題が生じてしまい実用化されるには到っていない。
ラーフィルタは、カラー液晶パネルを製造する工程のな
かで、配向膜を塗布する工程において、配向膜の溶剤と
して使用しているN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブ
チルラクトンによって、電子写真感光体にクラックやし
わが発生したり電子写真感光体が剥離してしまうという
問題が生じてしまい実用化されるには到っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カラー液晶
パネルを製造する工程のなかで、配向膜を塗布する工程
において、配向膜の溶剤として使用しているN−メチル
−2−ピロリドンやγ−ブチルラクトンによって、電子
写真感光体にクラックやしわが発生せず、あるいは電子
写真感光体が剥離することのない実用的な電子写真感光
体を提供しようとするものである。
パネルを製造する工程のなかで、配向膜を塗布する工程
において、配向膜の溶剤として使用しているN−メチル
−2−ピロリドンやγ−ブチルラクトンによって、電子
写真感光体にクラックやしわが発生せず、あるいは電子
写真感光体が剥離することのない実用的な電子写真感光
体を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真方式
によるカラーフィルタに使用される電子写真感光体組成
物において、該電子写真感光体がビニルカルバゾール
と、一般式(化1)で示されるヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートもしくは一般式(化2)で示される
(メタ)アクリル酸類の少なくとも一方を構成成分に持
つ共重合体と、官能基としてアミノ基、イミノ基、メチ
ロール基、アルキルエーテル基等を有するアルキル化メ
ラミン、もしくはイソシアネートの混合物から成ること
を特徴とするカラーフィルタ用電子写真感光体組成物で
ある。
によるカラーフィルタに使用される電子写真感光体組成
物において、該電子写真感光体がビニルカルバゾール
と、一般式(化1)で示されるヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートもしくは一般式(化2)で示される
(メタ)アクリル酸類の少なくとも一方を構成成分に持
つ共重合体と、官能基としてアミノ基、イミノ基、メチ
ロール基、アルキルエーテル基等を有するアルキル化メ
ラミン、もしくはイソシアネートの混合物から成ること
を特徴とするカラーフィルタ用電子写真感光体組成物で
ある。
【0014】本発明においては、電子写真方式のカラー
フィルタに使用する電子写真光導電体として、ビニルカ
ルバゾールおよびカルボキシル基やヒドロキシル基を有
するビニル化合物の共重合体に、これらのカルボキシル
基やヒドロキシル基と熱架橋反応を行なう、官能基とし
てアミノ基、イミノ基、メチロール基、アルキルエーテ
ル基などを有するアルキル化メラミンもしくはイソシア
ネートを混合した電子写真感光体組成物を用いることで
上記課題を解決した。
フィルタに使用する電子写真光導電体として、ビニルカ
ルバゾールおよびカルボキシル基やヒドロキシル基を有
するビニル化合物の共重合体に、これらのカルボキシル
基やヒドロキシル基と熱架橋反応を行なう、官能基とし
てアミノ基、イミノ基、メチロール基、アルキルエーテ
ル基などを有するアルキル化メラミンもしくはイソシア
ネートを混合した電子写真感光体組成物を用いることで
上記課題を解決した。
【0015】付け加えるに、本発明の電子写真感光体に
用いられるビニルカルバゾール共重合体は、ビニルカル
バゾールを40乃至80重量%含有する共重合体である
ことが好ましい。さらに言えば、透明基材上に透明導電
層、光導電層を形成した本発明のカラーフィルタ用電子
写真感光体基板にあっては、該光導電層が請求項1乃至
3記載の電子写真感光体組成物であり、該電子写真感光
体組成物を塗布したのちに150℃乃至280℃にて加
熱処理したことを特徴とするカラーフィルタ用電子写真
感光体基板である。
用いられるビニルカルバゾール共重合体は、ビニルカル
バゾールを40乃至80重量%含有する共重合体である
ことが好ましい。さらに言えば、透明基材上に透明導電
層、光導電層を形成した本発明のカラーフィルタ用電子
写真感光体基板にあっては、該光導電層が請求項1乃至
3記載の電子写真感光体組成物であり、該電子写真感光
体組成物を塗布したのちに150℃乃至280℃にて加
熱処理したことを特徴とするカラーフィルタ用電子写真
感光体基板である。
【0016】
【作用】本発明の電子写真感光体組成物は、ビニルカル
バゾールを含有しており、実用上十分な電子写真特性
(光導電性)を有する共重合体に該共重合体と架橋反応
を行う化合物を混合したものである。該電子写真感光体
組成物を、導電層としてITOや酸化スズなどの透明導
電膜を形成した透明基板に塗布した後、150乃至28
0℃に加熱することで共重合体と混合したアルキル化メ
ラミンもしくはイソシアネート間で熱架橋反応を行い電
子写真特性を維持しつつ溶剤耐性が著しく向上する。
バゾールを含有しており、実用上十分な電子写真特性
(光導電性)を有する共重合体に該共重合体と架橋反応
を行う化合物を混合したものである。該電子写真感光体
組成物を、導電層としてITOや酸化スズなどの透明導
電膜を形成した透明基板に塗布した後、150乃至28
0℃に加熱することで共重合体と混合したアルキル化メ
ラミンもしくはイソシアネート間で熱架橋反応を行い電
子写真特性を維持しつつ溶剤耐性が著しく向上する。
【0017】
【発明の詳述】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
の電子写真感光体組成物は、光導電性を有するビニル化
合物とカルボキシル基やヒドロキシル基を有するビニル
化合物の共重合体と官能基としてアミノ基、イミノ基、
メチロール基、アルキルエーテル基などを有するアルキ
ル化メラミンもしくはイソシアネートを混合した組成物
からなる。
の電子写真感光体組成物は、光導電性を有するビニル化
合物とカルボキシル基やヒドロキシル基を有するビニル
化合物の共重合体と官能基としてアミノ基、イミノ基、
メチロール基、アルキルエーテル基などを有するアルキ
ル化メラミンもしくはイソシアネートを混合した組成物
からなる。
【0018】光導電性を有するビニル化合物は、ホモポ
リマーあるいはバインダーポリマーと混合した形で電子
写真感光体に使用されているビニルカルバゾール、ビニ
ルアントラセン、ビニルアクリジンなどのπ電子共鳴環
を有する化合物が使用できる。このなかでもビニルカル
バゾールが、優れた光導電性を有することから特に望ま
しい。
リマーあるいはバインダーポリマーと混合した形で電子
写真感光体に使用されているビニルカルバゾール、ビニ
ルアントラセン、ビニルアクリジンなどのπ電子共鳴環
を有する化合物が使用できる。このなかでもビニルカル
バゾールが、優れた光導電性を有することから特に望ま
しい。
【0019】上述の光導電性を有するビニル化合物に、
カルボキシル基やヒドロキシル基を有する各種ビニル化
合物を添加し、常法に従いラジカル重合を行ってその共
重合物を製造する。共重合体中のビニルカルバゾールの
重合比率は、その電子写真特性、すなわち光導電性が損
なわれない範囲で種々選定することができる。一般に電
子写真感光体では、帯電電位が半減するに要する露光エ
ネルギーは、数μJ/cm2 程度でなければばらない
が、カラーフィルタに使用する場合には数mJ/cm2
の感度を有すれば十分である。このため、共重合体中の
ビニルカルバゾールの重合比率は40%(モノマーの重
量比)以上であればよい。
カルボキシル基やヒドロキシル基を有する各種ビニル化
合物を添加し、常法に従いラジカル重合を行ってその共
重合物を製造する。共重合体中のビニルカルバゾールの
重合比率は、その電子写真特性、すなわち光導電性が損
なわれない範囲で種々選定することができる。一般に電
子写真感光体では、帯電電位が半減するに要する露光エ
ネルギーは、数μJ/cm2 程度でなければばらない
が、カラーフィルタに使用する場合には数mJ/cm2
の感度を有すれば十分である。このため、共重合体中の
ビニルカルバゾールの重合比率は40%(モノマーの重
量比)以上であればよい。
【0020】ビニルカルバゾールの比率が高い方が電子
写真特性が良いが、充分な溶剤耐性を得るためには熱架
橋を行なうモノマーがそれぞれ20重量%以上存しなけ
ればならず、このためビニルカルバゾールの重合比率は
40〜80重量%の範囲で任意に選定できる。さらに望
ましくは、電子写真特性と溶剤耐性の両者にとくに優れ
た電子写真感光体が得られる組成として、ビニルカルバ
ゾールの重合比率は60〜70重量%の範囲が望まし
い。
写真特性が良いが、充分な溶剤耐性を得るためには熱架
橋を行なうモノマーがそれぞれ20重量%以上存しなけ
ればならず、このためビニルカルバゾールの重合比率は
40〜80重量%の範囲で任意に選定できる。さらに望
ましくは、電子写真特性と溶剤耐性の両者にとくに優れ
た電子写真感光体が得られる組成として、ビニルカルバ
ゾールの重合比率は60〜70重量%の範囲が望まし
い。
【0021】熱架橋反応を行う各種ビニル化合物として
は、アクリル酸、メタアクリル酸などのカルボキシル基
を有するビニル化合物、もしくは2−ヒドロキシエチル
メアタクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレー
トなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステルや
メタアクリル酸エステルが利用できる。共重合体と架橋
反応を行わせる目的で添加する化合物としては、官能基
としてアミノ基、イミノ基、メチロール基、アルキルエ
ーテル基などを有するアルキル化メラミンもしくはイソ
シアネートを混合したものが使用できる。この場合に
は、共重合体のカルボキシル基やヒドロキシル基とアル
キル化メラミンやイソシアネートが熱架橋反応を起こ
す。
は、アクリル酸、メタアクリル酸などのカルボキシル基
を有するビニル化合物、もしくは2−ヒドロキシエチル
メアタクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレー
トなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステルや
メタアクリル酸エステルが利用できる。共重合体と架橋
反応を行わせる目的で添加する化合物としては、官能基
としてアミノ基、イミノ基、メチロール基、アルキルエ
ーテル基などを有するアルキル化メラミンもしくはイソ
シアネートを混合したものが使用できる。この場合に
は、共重合体のカルボキシル基やヒドロキシル基とアル
キル化メラミンやイソシアネートが熱架橋反応を起こ
す。
【0022】共重合体には、上記化合物以外にも基板と
の密着性や電子写真感光体膜の硬度等を適正化する目的
で、各種アクリル酸エステルやメタアクリル酸エステル
を添加することも可能である。
の密着性や電子写真感光体膜の硬度等を適正化する目的
で、各種アクリル酸エステルやメタアクリル酸エステル
を添加することも可能である。
【0023】上記の様にして作成した電子写真感光体組
成物は、良好な塗布特性を得るために通常シクロヘキサ
ノン等に溶解して使用することが望ましい。これらの溶
剤は共重合体を製造する際の重合溶媒として使用しても
良いし、共重合体を析出精製した後で上記溶剤に溶解し
ても良い。
成物は、良好な塗布特性を得るために通常シクロヘキサ
ノン等に溶解して使用することが望ましい。これらの溶
剤は共重合体を製造する際の重合溶媒として使用しても
良いし、共重合体を析出精製した後で上記溶剤に溶解し
ても良い。
【0024】官能基としてアミノ基、イミノ基、メチロ
ール基、アルキルエーテル基などを有するアルキル化メ
ラミンもしくはイソシアネートは、共重合体溶液に所定
量を添加し十分に混合すれば良い。添加量は、共重合体
に対し30重量%以上必要であるが、添加量が多くなる
ほど光導電性が低下することから30〜50重量%の間
が良く、通常は30重量%に設定する。とくに耐溶剤性
が要求される場合には必要に応じて添加量を増やせば良
い。
ール基、アルキルエーテル基などを有するアルキル化メ
ラミンもしくはイソシアネートは、共重合体溶液に所定
量を添加し十分に混合すれば良い。添加量は、共重合体
に対し30重量%以上必要であるが、添加量が多くなる
ほど光導電性が低下することから30〜50重量%の間
が良く、通常は30重量%に設定する。とくに耐溶剤性
が要求される場合には必要に応じて添加量を増やせば良
い。
【0025】上記の様にして製造したカラーフィルタ用
電子写真感光体組成物を、ITOやSnO2などの透明
導電膜を形成したガラス等の透明基材にスピンコート、
ロールコート、ディップコート、スクリーン印刷等の各
種方法で塗布する。塗布膜厚は、0.5〜10μmの範
囲が使用可能な範囲であるが、カラーフィルタとしては
膜厚は薄い方が好ましく、帯電電位が十分に得られる
事、帯電電位の暗減衰が許容範囲内であること、均一な
塗膜が形成出来る事などを考慮して1〜5μmの範囲が
最適といえる。
電子写真感光体組成物を、ITOやSnO2などの透明
導電膜を形成したガラス等の透明基材にスピンコート、
ロールコート、ディップコート、スクリーン印刷等の各
種方法で塗布する。塗布膜厚は、0.5〜10μmの範
囲が使用可能な範囲であるが、カラーフィルタとしては
膜厚は薄い方が好ましく、帯電電位が十分に得られる
事、帯電電位の暗減衰が許容範囲内であること、均一な
塗膜が形成出来る事などを考慮して1〜5μmの範囲が
最適といえる。
【0026】上述の手順で基板にカラーフィルタ用電子
写真感光体組成物を塗布したのち、ホットプレートや温
風循環式のオーブンで該基板を焼成して、カラーフィル
タ用電子写真感光体組成物の熱架橋反応をおこなわせ
る。焼成温度は150℃以上であればよく、該カラーフ
ィルタ用電子写真感光体組成物の耐熱性から上限は28
0℃である。上記温度範囲にて5分乃至1時間の焼成を
行えば十分な熱架橋反応が進行し、耐溶剤性に優れた電
子写真方式カラーフィルタ用電子写真感光体基板が得ら
れる。
写真感光体組成物を塗布したのち、ホットプレートや温
風循環式のオーブンで該基板を焼成して、カラーフィル
タ用電子写真感光体組成物の熱架橋反応をおこなわせ
る。焼成温度は150℃以上であればよく、該カラーフ
ィルタ用電子写真感光体組成物の耐熱性から上限は28
0℃である。上記温度範囲にて5分乃至1時間の焼成を
行えば十分な熱架橋反応が進行し、耐溶剤性に優れた電
子写真方式カラーフィルタ用電子写真感光体基板が得ら
れる。
【0027】
<実施例1>ビニルカルバゾール78重量部、2−ヒド
ロキシエチルメタアクリレート11重量部、メタアクリ
ル酸11重量部を混合し、シクロヘキサノンを溶媒にし
て常法にしたがって共重合した。重合開始剤には、アゾ
ビスイソブチロニトリルを使用した。得られた共重合体
にアルキル化メラミンニッカラックMS21(株式会社
三和ケミカル製)を添加し充分に混合した。混合比は、
共重合体の固形分70重量部に対しニッカラックMS2
1が30重量部である。得られた電子写真感光体組成物
を透明導電膜としてITOを塗布したガラス基板にスピ
ンコート法にて塗布した。この後、クリーンオーブンに
て170℃1時間焼成した。電子写真感光体の膜厚は、
2.5μmにした。
ロキシエチルメタアクリレート11重量部、メタアクリ
ル酸11重量部を混合し、シクロヘキサノンを溶媒にし
て常法にしたがって共重合した。重合開始剤には、アゾ
ビスイソブチロニトリルを使用した。得られた共重合体
にアルキル化メラミンニッカラックMS21(株式会社
三和ケミカル製)を添加し充分に混合した。混合比は、
共重合体の固形分70重量部に対しニッカラックMS2
1が30重量部である。得られた電子写真感光体組成物
を透明導電膜としてITOを塗布したガラス基板にスピ
ンコート法にて塗布した。この後、クリーンオーブンに
て170℃1時間焼成した。電子写真感光体の膜厚は、
2.5μmにした。
【0028】本カラーフィルタ用電子写真感光体基板の
電子写真特性を測定した結果、ポリビニルカルバゾール
に比べて電荷保持能力が高く暗減衰が小さいものの、光
導電性に劣るものであった。しかしながら、本電子写真
感光体をコロトロン帯電器を用いて表面電位+300V
に帯電し紫外線ランプ(照度366nmにて0.7mW
/cm2 )で10秒間露光した結果表面電位置変更は5
0V以下に低下した。この光導電性はカラーフィルタ用
の電子写真感光体としては十分な電子写真特性といえ
る。
電子写真特性を測定した結果、ポリビニルカルバゾール
に比べて電荷保持能力が高く暗減衰が小さいものの、光
導電性に劣るものであった。しかしながら、本電子写真
感光体をコロトロン帯電器を用いて表面電位+300V
に帯電し紫外線ランプ(照度366nmにて0.7mW
/cm2 )で10秒間露光した結果表面電位置変更は5
0V以下に低下した。この光導電性はカラーフィルタ用
の電子写真感光体としては十分な電子写真特性といえ
る。
【0029】本カラーフィルタ用電子写真感光体基板に
コロナ帯電器を用いて+6kVを印加し光導電体層に正
のコロナ放電を行い、帯電を行った。帯電電位は+30
0Vであった。ついで、カラーフィルタの赤色画素パタ
ーンのマスクを介して露光を行い赤色トナー液に浸漬し
現像した。トナー液にはラテックス樹脂に赤色顔料を混
合してアイソパーG中に分散した特開昭62−2691
01号公報記載のトナー液を使用した。ついで、同様の
手順で帯電、露光、現像を繰り返して緑、青色画素パタ
ーンを形成した。使用したマスク、トナー液はそれぞれ
各色に対応したものを使用した。以上の工程によって製
造したカラーフィルタは、各画素形状、分光特性等十分
に優れたものであった。
コロナ帯電器を用いて+6kVを印加し光導電体層に正
のコロナ放電を行い、帯電を行った。帯電電位は+30
0Vであった。ついで、カラーフィルタの赤色画素パタ
ーンのマスクを介して露光を行い赤色トナー液に浸漬し
現像した。トナー液にはラテックス樹脂に赤色顔料を混
合してアイソパーG中に分散した特開昭62−2691
01号公報記載のトナー液を使用した。ついで、同様の
手順で帯電、露光、現像を繰り返して緑、青色画素パタ
ーンを形成した。使用したマスク、トナー液はそれぞれ
各色に対応したものを使用した。以上の工程によって製
造したカラーフィルタは、各画素形状、分光特性等十分
に優れたものであった。
【0030】得られた電子写真方式のカラーフィルタ
を、LCDの配向膜の溶剤であるN−メチル−2−ピロ
リドン、γ−ブチルラクトンにそれぞれ5分間浸漬した
結果、膜剥がれや表面の以上はまったく認められず、十
分な耐溶剤性が確認出来た。
を、LCDの配向膜の溶剤であるN−メチル−2−ピロ
リドン、γ−ブチルラクトンにそれぞれ5分間浸漬した
結果、膜剥がれや表面の以上はまったく認められず、十
分な耐溶剤性が確認出来た。
【0031】<実施例2、3>実施例1に記した共重合
体に、表1に示した配合比にてアルキル化メラミン(株
式会社三和ケミカル製商品名)ニッカラックMS11も
しくはイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社
製商品名)コロネートLを混合し十分に攪拌して電子写
真感光体組成物を得た。
体に、表1に示した配合比にてアルキル化メラミン(株
式会社三和ケミカル製商品名)ニッカラックMS11も
しくはイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社
製商品名)コロネートLを混合し十分に攪拌して電子写
真感光体組成物を得た。
【0032】
【表1】
【0033】次いで、実施例1と同様の方法で、電子写
真感光体基板を作成した。以下、実施例1と同様の手順
で帯電、露光、現像を繰り返して行ない、ブラックスト
ライプ、赤、緑、青の各パターンを形成し、カラーフィ
ルタを製造した。本方法によってカラーフィルタは、各
画素形状、分光特性等十分に優れたものであった。ま
た、実施例1と同様の耐溶剤性試験を実施し、いずれも
十分な溶剤耐性が確認された。
真感光体基板を作成した。以下、実施例1と同様の手順
で帯電、露光、現像を繰り返して行ない、ブラックスト
ライプ、赤、緑、青の各パターンを形成し、カラーフィ
ルタを製造した。本方法によってカラーフィルタは、各
画素形状、分光特性等十分に優れたものであった。ま
た、実施例1と同様の耐溶剤性試験を実施し、いずれも
十分な溶剤耐性が確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタ用電子写真感光
体組成物は、十分な電子写真特性を維持しながら、カラ
ーフィルタに要求される耐溶剤性を十分に満足できるも
のである。従って、本発明カラーフィルタ用電子写真感
光体組成物を使用した電子写真感光体基板を使用する事
で、簡便で比較的良好な画素形状が形成でき、大型のカ
ラーフィルタが製造できる方式である電子写真法による
カラーフィルタの製造が可能となった。
体組成物は、十分な電子写真特性を維持しながら、カラ
ーフィルタに要求される耐溶剤性を十分に満足できるも
のである。従って、本発明カラーフィルタ用電子写真感
光体組成物を使用した電子写真感光体基板を使用する事
で、簡便で比較的良好な画素形状が形成でき、大型のカ
ラーフィルタが製造できる方式である電子写真法による
カラーフィルタの製造が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−79359(JP,A) 特開 昭58−154848(JP,A) 特開 昭52−137340(JP,A) 特公 昭47−44816(JP,B1) 実公 昭49−16147(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/05
Claims (4)
- 【請求項1】電子写真方式によるカラーフィルタに使用
される電子写真感光体組成物において、該電子写真感光
体がビニルカルバゾールと、一般式(化1)で示される
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートもしくは一般
式(化2)で示される(メタ)アクリル酸類の少なくと
も一方を構成成分に持つ共重合体と、官能基としてアミ
ノ基、イミノ基、メチロール基、アルキルエーテル基等
を有するアルキル化メラミンの混合物から成ることを特
徴とするカラーフィルタ用電子写真感光体組成物。 【化1】 R1 ;HまたはCH3 R2 ;−(CH2)n − n=1乃至4 【化2】 - 【請求項2】電子写真方式によるカラーフィルタに使用
される電子写真感光体において、該電子写真感光体がビ
ニルカルバゾールと、一般式(化1)で示されるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートもしくは一般式(化
2)で示される(メタ)アクリル酸類の少なくとも一方
を構成成分に持つ共重合体と、イソシアネートの混合物
から成ることを特徴とするカラーフィルタ用電子写真感
光体組成物。 - 【請求項3】電子写真方式によるカラーフィルタに使用
される電子写真感光体において、該電子写真感光体に用
いられるビニルカルバゾール共重合体が、ビニルカルバ
ゾールを40乃至80重量%含有する共重合体であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ
用電子写真感光体組成物。 - 【請求項4】透明基材上に透明導電層、光導電層を形成
したカラーフィルタ用電子写真感光体基板において、該
光導電層が請求項1乃至3記載の電子写真感光体組成物
であり、該電子写真感光体組成物を塗布したのちに15
0℃乃至280℃にて加熱処理したことを特徴とするカ
ラーフィルタ用電子写真感光体基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23939591A JP3006209B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | カラーフィルタ用電子写真感光体組成物およびそれを用いたカラーフィルタ用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23939591A JP3006209B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | カラーフィルタ用電子写真感光体組成物およびそれを用いたカラーフィルタ用基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0580547A JPH0580547A (ja) | 1993-04-02 |
JP3006209B2 true JP3006209B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=17044145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23939591A Expired - Fee Related JP3006209B2 (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | カラーフィルタ用電子写真感光体組成物およびそれを用いたカラーフィルタ用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006209B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69519341T2 (de) | 1994-08-01 | 2001-03-15 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Überharter Verbundwerkstoff für Werkzeuge |
DE69527236T2 (de) | 1994-09-16 | 2003-03-20 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Mehrschichtfilm aus ultrafeinen Partikeln und harter Verbundwerkstoff für Werkzeuge, die diesen Film enthalten |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP23939591A patent/JP3006209B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0580547A (ja) | 1993-04-02 |
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