JP3006026B2 - 可変ピツチプロペラのピツチ制御装置 - Google Patents

可変ピツチプロペラのピツチ制御装置

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JP3006026B2
JP3006026B2 JP2109275A JP10927590A JP3006026B2 JP 3006026 B2 JP3006026 B2 JP 3006026B2 JP 2109275 A JP2109275 A JP 2109275A JP 10927590 A JP10927590 A JP 10927590A JP 3006026 B2 JP3006026 B2 JP 3006026B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンにより回転される可変ピッチプロ
ペラの同ピッチを制御する可変ピッチプロペラのピッチ
制御装置に関する。
【従来技術】
従来、この種の装置として特開昭第60−76499号公報
に開示されたものが知られている。 同装置によれば、航空機の運行中におけるマッハ数、
高度、大気全温及びエンジン軸出力のデータに基づい
て、プロペラの作動効率(プロペラ効率)が最大となる
ようにプロペラピッチ及びプロペラ回転数を制御してい
る。
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の装置では、可変ピッチプロペラの性能
データだけに基づいてプロペラの作動効率を向上せしめ
ようとしており、エンジンの特性は考慮していない。エ
ンジン特性はエンジン出力にも表れるから、エンジン出
力とプロペラ作動効率の積で表される推力を考慮する
と、パイロットがあるスロットル開度に操作したとき
に、そのときの運航条件の下でプロペラ作動効率を最大
にしたとしても、必ずしも同スロットル開度における最
大推力を生じるものではなかった。 本発明は、上記課題に対処するためになされたもの
で、パイロットの操作したスロットル開度において最大
推力を生ぜしめ、操縦性を向上せしめることが可能な可
変ピッチプロペラのピッチ制御装置を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴
は、第1図に示すように、エンジンにより回転される可
変ピッチプロペラの同ピッチを制御する可変ピッチプロ
ペラのピッチ制御装置において、機体速度を検出する機
速検出手段1と、大気密度を検出する大気密度検出手段
2と、スロットル開度を検出するスロットル開度検出手
段3と、上記検出した機体速度、大気密度及びスロット
ル開度を入力し、同入力した機体速度、大気密度及びス
ロットル開度に基づき、予め定めた手順に従って同入力
したスロットル開度に対して最大推力を生じるエンジン
回転数を目標エンジン回転数として決定する目標回転数
決定手段4と、エンジン回転数を検出する回転数検出手
段5と、上記検出したエンジン回転数が上記決定した目
標エンジン回転数となるように上記可変ピッチプロペラ
のピッチを制御するピッチ制御手段6とを備えたことに
ある。 この場合、例えば、上記目標回転数決定手段は4は、
スロットル開度とエンジン回転数に対応するエンジン出
力を予め記憶した2次元マップを参照して、上記入力し
たスロットル開度に対するエンジン出力とエンジン回転
数の関係を定め、上記エンジン出力とエンジン回転数の
関係を、上記入力した機体速度及び大気密度を用いて上
記入力したスロットル開度に対する推力とエンジン回転
数の関係に変換し、上記変換した推力とエンジン回転数
の関係から推力が最大となるエンジン回転数を上記目標
エンジン回転数として決定するように構成される。 また、上記目標回転数決定手段4は、例えば、機体速
度と、大気密度と、スロットル開度との各組み合せに対
応した上記エンジンの最大推力回転数を予め記憶した3
次元マップを参照し、同3次元マップから上記入力した
機体速度、大気密度及びスロットル開度に対応した最大
推力回転数を読出して、同読出した最大推力回転数を上
記目標エンジン回転数として決定するように構成され
る。 また、上記目標回転数決定手段4は、例えば、機体速
度と大気密度に対応した引き数を予め記憶した第1の2
次元マップを参照して、同第1の2次元マップから上記
入力した機体速度及び大気密度に対応した引き数を読出
し、引き数とスロットル開度に対応した上記エンジンの
最大推力回転数を予め記憶した第2の2次元マップを参
照し、同第2の2次元マップから上記読出した引き数及
び上記入力したスロットル開度に対応した最大推力回転
数を読出して、同読出した最大推力回転数を上記目標エ
ンジン回転数として決定するように構成される。
【発明の作用及び効果】
上記した本発明においては、目標回転数決定手段4
が、機速検出手段1、大気密度検出手段2及びスロット
ル開度検出手段3によってそれぞれ検出された機体速
度、大気密度及びスロットル開度に基づき、予め定めた
手順に従って同検出したスロットル開度に対して最大推
力を生じるエンジン回転数を目標エンジン回転数として
決定する。そして、ピッチ制御手段6は、回転数検出手
段5によって検出されたエンジン回転数が上記決定した
目標エンジン回転数となるように上記可変ピッチプロペ
ラのピッチを制御する。したがって、本発明によれば、
常にパイロットの操作したスロットル開度における最大
推力を生ぜしめることが可能となり、操縦性が向上す
る。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。 第2図は単発飛行機に適用される本発明による可変ピ
ッチプロペラのピッチ制御装置を概略的に示していて、
当該装置は可変ピッチ機構10と油圧制御回路20と電子制
御装置30とにより構成されている。 可変ピッチ機構10は、第3図にて示したように、軸方
向へのみ移動可能なピストン11aとリターンスプリング1
1bとを備える油圧シリンダ11と、この油圧シリンダ11の
ピストン11aと一体的に軸方向へ移動するピン12と、こ
のピン12が嵌合するカム孔13aを有してエンジン(図示
省略)によって回転されるハウジング14に回転可能かつ
軸方向へ移動不能に組み付けられたハブ13と、このハブ
13の一端に一体的に形成されたギヤ13bと、ハウジング1
4に回転可能かつ軸方向へ移動不能に組み付けられたブ
レード15の一端に一体的に形成されて前記ギヤ13bに噛
合するギヤ15aなどによって構成されていて、油圧制御
回路20から油圧シリンダ11に付与される作動油によりピ
ストン11aが図示右方に移動すると、ブレード1が図示
矢印方向に回転して当該ブレード15のピッチ(プロペラ
ピッチ)が高ピッチに変更されるようになっている。 油圧制御回路20は、第2図に示したように、エンジン
によって駆動されるオイルポンプ21と、このオイルポン
プ21から吐出される油圧を一定にするレギュレータ弁22
と、前記油圧シリンダ11に供給される作動油の流量を制
御する電磁流量制御弁23及び絞り24などによって構成さ
れている。電磁流量制御弁23は、スプリングセンタ型の
3ポート電磁弁であって、電子制御装置30による各ソレ
ノイドa,bへの励磁電流の付与に応じて油圧シリンダ11
への作動油の供給及び排出を制御可能であり、各ソレノ
イドa,bの非励磁時には図示中立位置に保持されて、油
圧シリンダ11に接続されたポート23aがオイルポンプ21
に接続されたポート23b及び油溜25に接続されたポート2
3cから遮断され、ソレノイドaの励磁時には電磁弁が上
方へ移動してポート23aとポート23bとが連通され、ソレ
ノイドbの励磁時には電磁弁が下方へ移動してポート23
aとポート23cとが連通されるように構成されている。な
お、絞り24は、油圧シリンダ11に供給される作動油の一
部(小量)を常に油溜25に逃すものであり、電磁流量制
御弁23の非制御状態(例えば、電子制御装置30,ソレノ
イドa,bのショートまたは断線等の故障時)において油
圧シリンダ11内の作動油を逃してブレード15のピッチを
低ピッチ(一般に知られている単発飛行機におけるフェ
イルセーフ側)にするものである。 電子制御装置30は、当該飛行機の対気速度Vを検出す
る機速センサ31と、運航時の大気圧Pを検出する大気圧
センサ32と、運航時の大気温度Tを検出する大気温セン
サ33と、当該飛行機のプロペラを駆動するエンジンの回
転数NEを検出するエンジン回転数センサ34と、前記エ
ンジンの負荷を決定するスロットル開度θthを検出する
スロットル開度センサ35と、マイクロコンピュータ36な
どによって構成されており、各センサ31〜35はマイクロ
コンピュータ36にそれぞれ接続されている。 マイクロコンピュータ36は、各センサ31〜35との信号
の授受などを行なうインターフェイスと、演算処理を行
なうCPUと、同CPUが実行するフローチャート(第4図及
び第5図参照)に対応したプログラム及び同プログラム
の処理に必要なマップ(第6図及び第7図参照)などを
記憶するROMと、上記CPUが上記プログラムの実行時に変
数などを一時的に記憶せしめるRAMなどを共通のバスに
接続して構成されている。ROMに記憶されたマップは、
スロットル開度θthとエンジン回転数NEに対応するエ
ンジン出力Ps(第6図参照)、及びパワー係数Cpと進行
率Jに対応する推力係数Ct(第7図参照)を示す2種類
の二次元マップであり、スロットル開度θthとエンジン
回転数NEに対応するエンジン出力Psについてはエンジ
ン特性を考慮した理論的考察を経て実験的に確認された
データが記憶されている。 対気速度センサ31は実質的に機体速度を検出するもの
であり、機速Vを検出して同検出機速V0を表す機速信号
を出力する。大気圧センサ32は運航時の機体周囲の大気
圧Pを検出し、同検出大気圧P0を表す大気圧信号を出力
する。大気温センサ33は運航時の機体周囲の大気温Tを
検出し、同検出大気温T0を表す大気温信号を出力する。 エンジン回転数センサ34は、可変ピッチプロペラを駆
動せしめるエンジンの回転NEを検出するものであり、
本実施例ではレシプロエンジンを使用するため、同エン
ジンの点火信号に基づいて同エンジンにおけるクランク
軸の単位時間あたりの検出回転数NE0を表す回転数信号
を出力する。なお、同回転数は光学的に計測したり、磁
気的に計測することも可能である。 スロットル開度センサ35は、レシプロエンジンにおけ
るスロットル弁の開度を検出して同エンジンの出力を得
るものであり、同弁に取り付けたポテンショメータが同
検出開度θth0を表す開度信号を出力する。 なお、各センサ31〜35はいずれもアナログ値の検出信
号をマイクロコンピュータ36に出力し、マイクロコンピ
ュータ36のインターフェイスにてディジタル値に変換し
ている。 マイクロコンピュータ36には、これらの各センサ31〜
35が出力する検出信号が入力される信号線が接続される
とともに、電磁流量制御弁23の各ソレノイドa,bに対し
て励磁電流を通電せしめるか否かの制御信号を出力する
制御信号線が接続されている。 次に、上記のように構成した実施例の動作について説
明する。エンジンが始動されるとマイクロコンピュータ
36では、CPUが第4図に示す制御プログラムの実行を開
始し、ステップ1000にて各種変数の初期化などを行なう
初期設定処理を実行した後、ステップ1010〜1200からな
る一連の処理を繰り返し実行する。 初期設定処理の終了後、CPUはステップ1010にて各セ
ンサ31〜35からの検出信号より各検出データを読み込
む。すなわち、機速センサ31が検出した対気速度V0と、
大気圧センサ32が検出した大気圧P0と、大気温センサ33
が検出した大気温T0と、エンジン回転数センサ34が検出
したエンジン回転数NE0と、スロットル開度センサ35が
検出したスロットル開度θth0がインターフェイスを介
して読み込まれ、CPUは各データをRAMの所定領域に記憶
せしめる。 大気圧P0と大気温T0を読み込んだのは、大気密度ρ0
を検出するためであり、CPUは同大気圧P0と大気温T0を
読み込んだ後、ステップ1020にて大気密度ρ0を算出す
る。 本実施例において、あるスロットル開度における最大
推力を得るために必要な要素は、対気速度V0と大気密度
ρ0とスロットル開度θth0であり、各要素が得られた
後、ステップ1030〜1100にて同最大推力を得ることがで
きるエンジンの回転数NBESTを導出する。 まず、CPUは、ステップ1030にて、検出された現在の
スロットル開度θth0に基づいて第6図に示すエンジン
出力マップ(Ps(θth,NE)MAP)を参照し、当該スロッ
トル開度θth0におけるエンジン出力とエンジン回転数
との関係を表すPs−NEラインを算出する。 ここで、プロペラの回転数をNP、同プロペラの直径
をDとすると、エンジン出力Psはパワー係数Cpとの関係
より、次式で表される。 Ps=ρ0・Cp・NP・D5 ……(1) 但し、プロペラの回転数NPはエンジン回転数NEと係
数kより、 NP=k・NE ……(2) で表される。 従って、パワー係数Cpは、 Cp=f1(Ps,NE) ……(3) で表され、ステップ1030で算出したPs−NEラインよ
り、CPUはステップ1040にて、パワー係数とエンジン回
転数との関係を表すCp−NEラインを算出する。 一方、進行率Jは、機速Vとプロペラ回転数NPとプ
ロペラの直径Dより、 で表され、かつ(2)式に基づいてエンジン回転数NE
よりプロペラ回転数NPが導出されるので、CPUはステッ
プ1050にて、進行率Jとエンジン回転数NEとの関係を
次式のように算出しておく。 J=f3(NE) ……(5) この(5)式で表される進行率Jとエンジン回転数N
Eとの関係に、ステップ1040にて算出したCp−NEライン
を代入することにより、CPUはステップ1060にて、パワ
ー係数と進行率との関係を表すCp−Jラインが算出でき
る。 パワー係数Cpと進行率Jとの関係が算出されると、CP
Uはステップ1070にて第7図に示す推力係数マップ(CT
(Cp,J)MAP)を参照し、推力係数と進行率との関係を
表すCT−Jラインを算出する。 進行率Jについては、(4)(5)式より現機速V0に
おけるエンジン回転数NEとの関係が明らかにされてお
り、CPUはステップ1080にて、(5)式に上記ステップ1
070にて算出したCT−Jラインを代入して推力係数とエ
ンジン回転数との関係を表すCT−NEラインを算出す
る。 推力Tは、推力係数CTやプロペラ回転数NPなどか
ら、 T=ρ0・CT・NP・D4 ……(6) で算出されるから、CPUはステップ1090にて、(6)式
に(2)式を代入するとともに上記CT−NEラインを代
入して推力とエンジン回転数との関係を表すT−NEラ
インを算出する。 ここに、現運航状況下においてエンジン回転数を変化
させた場合に出力される推力が算出可能となり、CPUは
ステップ1100にて同推力が最大となるエンジン回転数
(最大推力回転数という。)NBESTを求める。 この最大推力回転数NBESTが求められたら、CPUはス
テップ1200にて、可変ピッチプロペラのピッチ制御ルー
チンを実行し、同ピッチ制御ルーチンにてエンジンの回
転数NEがこの最大推力回転数NBESTとなるようにピッ
チを制御する。 具体的には、CPUはステップ2000にてエンジン回転数
センサ34が検出したエンジン回転数NE0を読み込み、ス
テップ2010にてこの読み込んだ現在のエンジン回転数N
E0と上記のようにして算出した最大推力回転数NBESTと
を比較する。 いま、現在のエンジン回転数NE0が最大推力回転数N
BESTより小さかったとする。 ステップ2010における比較の結果、CPUはステップ202
0を実行することになり、ソレノイドaに接続された信
号線には当該ソレノイドaに励磁電流を通電せしめない
ような制御信号を出力するとともに、ソレノイドbに接
続された信号線に制御信号を出力して当該ソレノイドb
に励磁電流を通電せしめる。 ソレノイドbが励磁されると、第2図において電磁弁
は下方へ移動し、オイルポンプ21から吐出された作動油
は電磁流量制御弁23のポート23bにて遮断され、可変ピ
ッチプロペラ10内の油圧シリンダ11はポート23aよりポ
ート23cへと導かれて油溜25に連通する。油圧シリンダ1
1が油溜25に連通すると、同シリンダ11内の作動油が排
出され、リターンスプリング11bの押圧力によってピス
トン11aは第3図において左方向へ移動し、ピン12とカ
ム孔13aからなるカム機構、及びギヤ13bとギヤ15aとか
らなるギヤ機構によってブレード15は第3図に示す矢印
と反対の方向へ回転する。ブレード15が同矢印方向へ回
転した場合、ピッチは低ピッチ側になるため、ブレード
15による吸収馬力が減少してエンジンの回転数が増加す
る。 エンジン回転数NE0が最大推力回転数NBESTより小さ
い間はこのステップ2000,2010,2020のルーチンが繰り返
され、エンジン回転数NE0が徐々に最大推力回転数NBE
STに近づいていく。 このルーチンが数回繰り返されることによりエンジン
回転数NE0は最大推力回転数NBESTに近づいていき、つ
いには両者が一致する。すると、ステップ2010における
比較ではエンジン回転数NE0と最大推力回転数NBESTが
等しいと判断されてステップ2030を実行することにな
る。 ステップ2030では、CPUは両ソレノイドa,bに接続され
た信号線に対して励磁電流を通電せしめないようにする
制御信号を出力する。この結果、電磁流量制御弁23はな
んら変位されず、電磁弁は中立位置に停止する。 同電磁弁が中立位置にある場合、オイルポンプ21から
吐出された作動油は電磁流量制御弁23のポート23bにて
遮断されるとともに、可変ピッチプロペラ10内の油圧シ
リンダ11もポート23aにて遮断される。従って、これ以
上は可変ピッチプロペラ10内の油圧シリンダ11から作動
油が流出されず、同シリンダ11内におけるピストン11a
は現状位置にて停止する。ただし、厳密にはフェイルセ
ーフ機能により絞り24より小量の作動油が流出するた
め、ピストン11aはわずかづつ左方向へ移動してブレー
ド15は低ピッチ側へ回転している。 この停止状態に至ったときにはエンジンの回転数NE0
が最大推力回転数NBESTとなったのであるから、当該ピ
ッチ制御ルーチンを終了してメインルーチンであるステ
ップ1200に戻る。 ステップ1200が終了すると、処理はステップ1010に移
行し、時々刻々と代わる運航状態をセンサ31〜35にて検
出し、上述した処理を繰り返し実行する。 上述した説明では、ステップ1010〜1100にて算出した
最大推力回転数NBESTよりエンジンの回転数NE0の方が
小さい場合であったが、最大推力回転数NBESTよりエン
ジンの回転数NE0の方が大きい場合は次のようになる。 ステップ1010〜1100にて最大推力回転数NBESTを算出
した後、ステップ1200でピッチ制御ルーチンを実行し、
同ピッチ制御ルーチン内のステップ2010にてエンジンの
回転数NE0と最大推力回転数NBESTとを比較すると、エ
ンジンの回転数NE0の方が最大推力回転数NBESTより大
きいと判断されてステップ2040を実行する。 同ステップでは、CPUはソレノイドaに接続された信
号線に制御信号を出力して当該ソレノイドaに励磁電流
を通電せしめるとともに、ソレノイドbに接続された信
号線には当該ソレノイドbに励磁電流を通電せしめない
ような制御信号を出力する。 ソレノイドaが励磁されると、第2図において電磁弁
は上方へ移動し、オイルポンプ21から吐出された作動油
が可変ピッチプロペラ10内の油圧シリンダ11へと導かれ
る。油圧シリンダ11へ作動油が供給されると、ピストン
11aは第3図において右方向へ移動し、ピン12とカム孔1
3aからなるカム機構、及びギヤ13bとギヤ15aとからなる
ギヤ機構によってブレード15は第3図に示す矢印方向へ
回転する。ブレード15が同矢印方向へ回転した場合、ピ
ッチは高ピッチ側になるため、ブレード15による吸収馬
力が増大し、エンジンの回転数が減少する。 このルーチンが数回繰り返されることによりエンジン
回転数NE0は最大推力回転数NBESTに近づいていき、つ
いには両者が一致する。すると、ステップ2010における
比較ではエンジン回転数NE0と最大推力回転数NBESTが
等しいと判断されてステップ2030を実行し、当該ピッチ
制御ルーチンを終了してメインルーチンへ戻ることにな
る。 このように、算出された最大推力回転数NBESTと現在
のエンジン回転数NE0が異なる場合にはピッチ制御ルー
チン内にて電磁流量制御弁23におけるソレノイドa,bの
励磁電流を制御し、油圧制御によって可変ピッチプロペ
ラ10におけるブレード15のピッチを変更せしめる結果、
エンジン回転数は算出された最大推力回転数に近づくよ
う制御され、当該運航状態において最大推力を発生せし
めることができる。 また、このように構成すると、エンジンのスロットル
開度制御を別個に設けることなく最大推力を得ることが
でき、制御系を簡素化できるほか、パイロットの操作す
るスロットルレバーとスロットル弁を機械的に直結する
ことができるから信頼性や確実性が増す。 なお、上記実施例においては、大気圧センサ32と大気
温センサ33の検出結果に基づいて大気密度を算出してい
るが、他の手段によって大気密度を検出する構成として
も良い。 また、上記実施例においては、各種制御要素より複雑
な計算過程を経て最大推力回転数NBESTを算出している
が、入力される3つの制御要素V0,ρ0,θth0に基づいて
三次元マップを作成しておく構成として上記計算過程を
省略することも可能である。 例えば、マイクロコンピュータ36内に備えられたROM
に、第8図に示すフローチャートに対応したプログラム
を記憶するとともに、第9図に示すように機速Vと大気
密度ρとスロットル開度θthのそれぞれの組み合わせに
対応した最大推力回転数NBESTの三次元マップNBEST
(V,ρ,θth)MAPを記憶させておく。この三次元マッ
プは、実際に生じ得る機速Vと大気密度ρとスロットル
開度θthの変化状態を想定して予め上記計算過程を経て
算出しておいた最大推力回転数NBESTを記憶するもので
ある。 エンジンが始動されると、マイクロコンピュータ36内
におけるCPUが第8図に示す制御プログラムの実行を開
始し、ステップ1000にて各種変数の初期化などを行なう
初期設定処理を実行した後、ステップ1010にて各センサ
31〜35からの検出信号より各検出データを読み込み、さ
らに、ステップ1020にて大気密度ρ0を算出する。 次なるステップ1110では、CPUは、上記検出された機
体速度V0とスロットル開度θth0、及び上記算出された
大気密度ρ0を引き数としてROMに記憶された三次元マ
ップNBEST(V,ρ,θth)MAPを参照し、最大推力を得
ることができるエンジンの最大推力回転数NBESTを読み
出す。この最大推力回転数NBESTが読み出されたら上記
実施例と同様にピッチ制御ルーチン1200を実行する結
果、エンジンの回転数は最大推力回転数に一致される。 かかる構成とすれば、上述した複雑な計算過程を経る
ことなく最大推力回転数が演算されるため、演算処理時
間が少なくなるほか、演算過程における誤差の累積を防
止することができる。 さらに、上記三次元マップを二つの二次元マップで構
成することもできる。 例えば、マイクロコンピュータ36内に備えられたROM
に、第10図に示すフローチャートに対応したプログラム
を記憶するとともに、第11図に示すように機速Vと大気
密度ρとによって所定の引き数Kを読み出す第1の二次
元マップK(V,ρ)MAPと、第12図に示すように同第1
のマップで読み出される引き数Kとスロットル開度θth
とによって最大推力回転数NBESTを読み出す第2の二次
元マップNBEST(K,θth)MAPとを記憶させておく。 先述の例では、エンジン始動時のステップ1000におけ
る初期設定処理後、ステップ1010,1020によって3つの
制御要素V0,ρ0,θth0を得、続いて三次元マップを読み
出している。 しかし、本実施例ではステップ1020を実行した後、ま
ずステップ1120にて機速V0と大気密度ρ0とから第1の
二次元マップK(V,ρ)MAPを参照して引き数K0を読み
出し、その後のステップ1130にて同読み出した引き数K0
とスロットル開度θth0とから第2の二次元マップNBES
T(K,θth)MAPを参照して最大推力回転数NBESTを読み
出す。 最大推力回転数NBESTが読み出されたらステップ1200
にて上述したピッチ制御ルーチンを実行する。 このようにして二次元マップを二枚用意する構成とす
れば、三次元マップを用意する場合に比べてROMの記憶
容量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は上記特許請求の範囲に記載した本発明の構成に
対応するクレーム対応図、第2図は単発飛行機の概略
図、第3図は可変ピッチプロペラにおけるピッチ変動機
構の要部断面図、第4図は制御プログラムのメインルー
チンに対応したフローチャート、第5図は制御プログラ
ムのピッチ制御ルーチンに対応したフローチャート、第
6図はスロットル開度とエンジン回転数とに対応したエ
ンジン出力のマップを示す図、第7図はパワー係数と進
行率とに対応した推力係数のマップを示す図、第8図は
他の制御プログラムに対応したフローチャート、第9図
は機速と大気密度とスロットル開度とに対応した最大推
力回転数の三次元マップを示す図、第10図はさらに他の
制御プログラムに対応したフローチャート、第11図は機
速と大気密度とに対応した引き数Kのマップを示す図、
第12図は引き数Kとスロットル開度とに対応した最大推
力回転数のマップを示す図である。 符号の説明 10……可変ピッチ機構、20……油圧制御回路、30……電
子制御装置、31〜35……センサ、36……マイクロコンピ
ュータ、V0……対気速度、ρ0……大気密度、θth0…
…スロットル開度、NE0……エンジン回転数、NBEST…
…最大推力回転数。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンにより回転される可変ピッチプロ
    ペラの同ピッチを制御する可変ピッチプロペラのピッチ
    制御装置において、 機体速度を検出する機速検出手段と、 大気密度を検出する大気密度検出手段と、 スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、 上記検出した機体速度、大気密度及びスロットル開度を
    入力し、同入力した機体速度、大気密度及びスロットル
    開度に基づき、予め定めた手順に従って同入力したスロ
    ットル開度に対して最大推力を生じるエンジン回転数を
    目標エンジン回転数として決定する目標回転数決定手段
    と、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、 上記検出したエンジン回転数が上記決定した目標エンジ
    ン回転数となるように上記可変ピッチプロペラのピッチ
    を制御するピッチ制御手段と を備えたことを特徴とする可変ピッチプロペラのピッチ
    制御装置。
  2. 【請求項2】上記請求項1に記載の目標回転数決定手段
    は、 スロットル開度とエンジン回転数に対応するエンジン出
    力を予め記憶した2次元マップを参照して、上記入力し
    たスロットル開度に対するエンジン出力とエンジン回転
    数の関係を定め、 上記エンジン出力とエンジン回転数の関係を、上記入力
    した機体速度及び大気密度を用いて上記入力したスロッ
    トル開度に対する推力とエンジン回転数の関係に変換
    し、 上記変換した推力とエンジン回転数の関係から推力が最
    大となるエンジン回転数を上記目標エンジン回転数とし
    て決定するようにした可変ピッチプロペラのピッチ制御
    装置。
  3. 【請求項3】上記請求項1に記載の目標回転数決定手段
    は、 機体速度と、大気密度と、スロットル開度との各組み合
    せに対応した上記エンジンの最大推力回転数を予め記憶
    した3次元マップを参照し、同3次元マップから上記入
    力した機体速度、大気密度及びスロットル開度に対応し
    た最大推力回転数を読出して、同読出した最大推力回転
    数を上記目標エンジン回転数として決定するようにした
    可変ピッチプロペラのピッチ制御装置。
  4. 【請求項4】上記請求項1に記載の目標回転数決定手段
    は、 機体速度と大気密度に対応した引き数を予め記憶した第
    1の2次元マップを参照して、同第1の2次元マップか
    ら上記入力した機体速度及び大気密度に対応した引き数
    を読出し、 引き数とスロットル開度に対応した上記エンジンの最大
    推力回転数を予め記憶した第2の2次元マップを参照
    し、同第2の2次元マップから上記読出した引き数及び
    上記入力したスロットル開度に対応した最大推力回転数
    を読出して、同読出した最大推力回転数を上記目標エン
    ジン回転数として決定するようにした可変ピッチプロペ
    ラのピッチ制御装置。
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