JP3005434U - 自動車内用小物入れ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引出しの様に収容部を手前に引き出して使用
でき、しかもダッシュボードの上面に損傷を与えること
なく強固に取り付けできる自動車内用小物入れを提供す
ること。 【構成】 この考案の自動車内用小物入れ１は、ダッシ
ュボード３の上面に載置され、小物類を収容する容器６
の一方に、自動車のフロントガラス２の内側面に着脱自
在な吸盤８を取り付け、さらに容器６が収容部４と、収
容部４を挿脱方向に移動可能に保持する保持部５から成
るものとしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車のダッシュボードの上面に載置して使用される小物入れに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車内に設置されるようにした小物入れとしては、特開平４−３４１ ３０号に開示されたような、本体の下面に設けた吸盤を利用して助手席前方のダ ッシュボードの上面に取り付けるものがあったが、単に上面の開口から物を出し 入れできるだけのもので、引出しのように収容部を保持部から手前に引き出して 使用できるようにした小物入れはなかった。

【０００３】 収容部を手前に引き出して使用できるようにするためには、容器の保持部をダ ッシュボードの上面に強固に固定しておく必要があるが、ダッシュボードの上面 は、吸盤の吸着にとって十分に滑らかに形成されているとは限らず、吸着させて も比較的短時間で脱落してしまうことが多い。

【０００４】 また、吸盤以外による取り付け方法としては、ボルトや両面テープを使用する 方法があるが、ダッシュボードにボルト用の穴を設ける必要が生じたり、両面テ ープの接着剤の後が残ってしまう等、ダッシュボードを損傷するという問題があ った。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案は、引出しの様に収容部を手前に引き出して使用でき、しか もダッシュボードの上面に損傷を与えることなく強固に取り付けできる自動車内 用小物入れを提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するため、この考案の自動車内用小物入れ１は、ダッシュボー ド３の上面に載置され、小物類を収容する容器６の一方に、自動車のフロントガ ラス２の内側面に着脱自在な吸盤８を取り付け、さらに容器６が収容部４と、収 容部４を挿脱方向に移動可能に保持する保持部５から成るものとしている。

【０００７】 容器６の保持部５が胴部11と回動自在な蓋部12から成り、蓋部12が収容部４の 挿脱方向の移動に応じて開閉動するようにしてもよい。

【０００８】 吸盤８がフロントガラス２の傾斜角度に対応して回動可能とし、且つ容器６の 下面に支持脚９を前後動自在に取り付けてもよい。

【０００９】

【作用】

上述の手段を採用した結果、この考案は次のように作用する。

【００１０】 この考案の自動車内用小物入れ１は、容器６の収容部４が、保持部５を挿脱方 向に移動可能に保持しているので、引出しのように使用できる。しかも容器６が ダッシュボード３の上面に載置された状態で、吸盤８がフロントガラス２の内側 面に吸着させられているので、ダッシュボード３の上面を損傷することなく、強 固に取り付けられる。

【００１１】 保持部５の蓋部12が収容部４の挿脱方向の移動に応じて開閉動するようにすれ ば、収容部４を引き出すと蓋部12が開くので、収容部４の奥の方にある物を楽に 取り出すことができる。

【００１２】 吸盤８がフロントガラス２の傾斜角度に対応して回動可能とし、且つ容器６の 下面に支持脚９を前後動自在に取り付ければ、吸盤８の角度をフロントガラス２ の傾斜角度に対応させたり、支持脚９を、容器６の下面とダッシュボード３の上 面との間に介在させて容器６が支持される部分を増やしたりすることができ、吸 盤８にかかる負担を軽減できる。

【００１３】

【実施例】

以下、この考案の構成を実施例として示した図面を参照して説明する。

【００１４】 図１は、この考案の自動車内用小物入れの第１実施例を示す図である。 この小物入れ１は、助手席前方のフロントガラス２の内側面とダッシュボード ３の上面を利用して自動車内に取り付けられるもので、収容部４と、収容部４を 挿脱自在に保持する保持部５とから成る容器６の左右に連結部７を突設し、この 連結部７に吸盤８を取り付け、さらに容器６の下面に支持脚９を取り付けたもの である。

【００１５】 図２に示されたように、この小物入れ１は、容器６をダッシュボード３の上面 に載置し、吸盤８をフロントガラス２の内側面に吸着させることにより、自動車 内に取り付けられるものである。また、支持脚９が、容器６の下面とダッシュボ ード３の上面との間に介在して、小物入れ１を支えている。

【００１６】 収容部４は浅型のトレー状のもので、小銭、紙幣、通行券、メモ用紙その他適 宜の小物を入れて使用することができる。また、収容部４内には、図１に示され たように、インナートレー10を嵌入させることができる。インナートレー10は、 眼鏡類の載置用凹部や皿、カップ等の載置用凹部を設ける等、適宜の形状に形成 するとよい。様々な形状のインナートレー10を作製し、用途に応じて選択できる ようにしてもよい。

【００１７】 また、収容部４の手前側の部分は、幅広に形成されており、後述の保持部５の 胴部11内に収容されないようになっている。

【００１８】 保持部５は、中空に形成され、手前側に収容部４を挿脱するための開口を設け た胴部11と、前記胴部11の開口上部付近に枢着された蓋部12とから成り、蓋部12 は収容部４の挿脱に応じて回動し、開閉するようになっている。

【００１９】 蓋部12は、図３に示されたように、前記胴部11の開口上部付近に設けた穴（図 示せず）に嵌入した枢軸13と、収容部４の側壁14上面を摺動する円筒状の摺動ピ ン15を有している。枢軸13にはバネ16が取り付けられており、バネ16の一方16a は蓋部12に係止され、他方16b は胴部11に係止されている。

【００２０】 バネ16は、蓋部12及び胴部11に係止される前の自然な状態では、その開き角度 が鈍角になっているが、蓋部12が図３の２点鎖線で示された位置にあるときは、 Ｕ字状に曲げられた状態となっている。従って、蓋部12は、このバネ16により、 開こうとする方向に付勢されている。

【００２１】 収容部４の左右側壁14は、前部側壁14a 、中部側壁14b 及び後部側壁14c から 成り、手前側が最も高くなるように段を有している。

【００２２】 収容部４を保持部５の奥に押し込んだ状態では、摺動ピン15と収容部４の前部 側壁14a とが接触状態にあり、蓋部12は閉じた状態にある。

【００２３】 収容部４を手前に引き出すと、摺動ピン15は、収容部４の前部側壁14a との摺 動により、前部側壁14a に代わって、高さが一段低くなった中部側壁14b と接触 することとなる。すると、この低くなった分に応じて摺動ピン15が前記バネ16の 作用を受けて回動し、蓋部12が半開きとなる。

【００２４】 さらに収容部４を引き出すと、中部側壁14b に代わって、高さがさらに一段低 くなった後部側壁14c と接触することとなり、蓋部12が、図３の実線で示された ように、ほぼ垂直に開いた状態になる。

【００２５】 このような構造にすると、収容部４を引き出すだけで蓋部12が上方に回動して 開くため、収容部４の奥の方にある物を楽に取り出ことができる。なお、収容部 ４は後部に抜け止め17を有しており、この抜け止め17が前記垂直に開いた蓋部12 に当たることにより、収容部４の脱落を防いでいる。

【００２６】 収容部４を胴部11内に押し戻すと、前述の引き出す場合とは反対に、摺動ピン 15は、順次、次第に高くなる後部側壁14c,中部側壁14b,前部側壁14a に接触する ため、蓋部12が元通りに閉じる。

【００２７】 連結部７は、保持部５の左右後端に、螺子や接着剤等の固定手段により固定さ れ、又は保持部５と一体に形成されており、図２に示すように、その先端には球 状となった球状部18が形成されている。前記球状部18には、この球状部18に対応 する嵌合穴19を有する吸盤８が取り付けられている。

【００２８】 吸盤８は、可撓性のあるゴムや合成樹脂で形成されており、前記嵌合穴19は前 記球状部18に対してやや小さめに形成されている。即ち、前記球状部18は前記嵌 合穴19に圧入嵌合されており、吸盤８は、容易にぐらつかないが、一定以上の力 を加えることにより回動可能で角度変更できるようになっている。

【００２９】 通常、フロントガラス２は傾斜しているため、吸盤８が角度変更不能であれば 、前記小物入れ１を水平に取り付ける際に、吸盤８をフロントガラス２の内側面 に吸着させられない恐れがあるが、この吸盤８は角度変更可能なため、その角度 をフロントガラス２の傾斜角度に対応するよう調整することにより、吸盤８を無 理なく吸着させることができる。従って、フロントガラス２の傾斜角度は問題と ならない。

【００３０】 なお、この実施例では、吸盤８は、フロントガラス２の傾斜角度に対応するよ うに上向きに傾斜しており、角度変更することなく、そのままの状態でフロント ガラス２の内側面に吸着させても、小物入れ１はほぼ水平に取り付けられる。

【００３１】 吸盤８は、容器６に突設した連結部７を介して取り付けられているため、吸盤 ８と保持部５の後端との間には隙間が生じている。これにより、ダッシュボード ３の奥のデフロスター3aから送出される空気の流れを遮ることがなく、またこの 隙間に手を入れて吸盤８を容易に着脱できる。さらに、前記小物入れ１が使用者 側に近づくよう、容器６から使用者までの距離に応じ、連結部７を適宜の長さに 形成すると、小物入れ１がより使用しやすくなる。

【００３２】 フロントガラス２の内側面は、車種を問わず、滑らかであるため、吸盤８の吸 着に適している。従って、吸盤８は、フロントガラス２の内側面に強固に吸着す るため、自動車に少々の揺れが生じても、小物入れ１が脱落することは殆どない 。しかも、容易に着脱でき、フロントガラス２等、自動車内を損傷することがな い。

【００３３】 図４は、容器６の下面に支持脚９を取り付けた様子を示す図である。支持脚９ を取り付ければ、ダッシュボード３の上面に図２に示されたような起伏があるた めに、容器６の下面がその一部でしかダッシュボード３に接しない場合でも、支 持部分を増やし、吸盤８にかかる容器６の重量の負担を軽減することができる。

【００３４】 容器６の下面には、支持脚摺動用の窪み20が形成され、前記窪み20の左右側部 に、内方に若干突出した係合部21を設けており、支持脚９が脱落不能、摺動自在 になっている。支持脚９は、その上部の周縁部の左右辺22が前記係合部21に係合 し前後動自在となっているため、ダッシュボード３の上面の起伏に応じ、その取 り付け位置を調整することができる。

【００３５】 また、支持脚９の側面9aは、図４に示されたような、左右非対称の三角形とな っており、前後方向の向きを変えて取り付けることにより、ダッシュボード３と 接する支持脚９の先端の移動可能な距離を長くすることができる。

【００３６】 図５は、容器６の下面と支持脚９の上部を示す図である。係合部21の内方には 、前記窪み20上に、断面が三角形のリブを並列した掛止部23が形成され、支持脚 ９の上部には前記掛止部23に掛止される滑り止め24が形成されており、振動等に よる支持脚９の位置ずれを防止している。

【００３７】 支持脚９は、ダッシュボード３に対し、単に接するだけであって、螺子や接着 剤等の、ダッシュボード３を損傷する恐れのある取り付け手段でじかに取り付け られていないため、ダッシュボード３等、自動車内を損傷することがない。

【００３８】 なお、吸盤８の取り付け構造に関しては、図６に示すこの考案の第２実施例の ように変更することができる。この吸盤８の取り付け構造は、連結部７の一端に 切欠部25を形成し、吸盤８の後部を収容し、切欠部25を横方向に貫通する取り付 け軸26により、吸盤８を軸着したものである。この吸盤８は、上下方向に回動す ることにより取り付け角度を変更することができる。

【００３９】

【考案の効果】

この考案の自動車内用小物入れは、容器６の収容部４を、保持部５に対して挿 脱方向に移動させて、引出しのように使用できるため、収容部４の中の物の取り 出しが容易であり、しかも吸盤８をフロントガラス２に吸着させることにより取 付けられているので、ダッシュボード３の上面を損傷することなく、強固に取り 付けられており、使い勝手が良い。

【００４０】 保持部５の蓋部12が収容部４の挿脱方向の移動に応じて開閉動するようにすれ ば、収容部４を引き出すと蓋部12が開き、収容部４の奥の方にある物を楽に取り 出すことができるので、さらに使い勝手の良い自動車内用小物入れとなる。

【００４１】 吸盤８がフロントガラス２の傾斜角度に対応して回動可能とし、且つ容器６の 下面にダッシュボード３の上面に載置する支持脚９を前後動自在に取り付ければ 、吸盤８の角度をフロントガラス２の傾斜角度に対応させることにより、吸盤８ をフロントガラス２に無理なく吸着させたり、支持脚９を、容器６の下面とダッ シュボード３の上面との間に介在させて容器６が支持される部分を増やしたりす ることにより、吸盤８にかかる重量の負担を減らすことができるので、より強固 に取り付けられた自動車内用小物入れとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案に係る自動車内用小物入れの第１実
施例の斜視図。

【図２】 この考案に係る自動車内用小物入れの第１実
施例の側面図。

【図３】 この考案に係る自動車内用小物入れの第１実
施例の収容部を引き出した状態を示す側面図。

【図４】 この考案に係る自動車内用小物入れの第１実
施例を下方から見た斜視図。

【図５】 この考案に係る自動車内用小物入れの第１実
施例における支持脚の取り付け構造を示す説明図。

【図６】 この考案に係る自動車内用小物入れの第２実
施例における吸盤の取り付け構造を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 自動車内用小物入れ ２ フロントガラス ３ ダッシュボード ４ 収容部 ５ 保持部 ６ 容器 ８ 吸盤 ９ 支持脚 11 胴部 12 蓋部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダッシュボード（３）の上面に載置さ
   れ、小物類を収容する容器（６）の一方に、自動車のフ
   ロントガラス（２）の内側面に着脱自在な吸盤（８）を
   取り付け、さらに容器（６）が収容部（４）と、収容部
   （４）を挿脱方向に移動可能に保持する保持部（５）か
   ら成ることを特徴とする自動車内用小物入れ。
2. 【請求項２】 容器（６）の保持部（５）が胴部（11）
   と回動自在な蓋部（12）から成り、蓋部（12）が収容部
   （４）の挿脱方向の移動に応じて開閉動するようにした
   ことを特徴とする請求項１記載の自動車内用小物入れ。
3. 【請求項３】 吸盤（８）がフロントガラス（２）の傾
   斜角度に対応して回動可能であり、且つ容器（６）の下
   面に支持脚（９）を前後動自在に取り付けていることを
   特徴とする請求項１又は２記載の自動車内用小物入れ。