JP3005189U - スピニングリールのブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 釣り糸のバックラッシュ（絡み合い）を予防
し得るスピニングリールのブレーキ装置を提供する。 【構成】 装置本体が位置決めされる凹型ベース（８
ａ）が一端に設けられたスプール部（８）と該スプール
部（８）の回転を制動するドラム部（１０）と該ドラム
部（１０）の内壁を摺接するブレーキパッド（３）が連
結されたパッドフレーム（１）とスプール軸（９）とを
有し、前記ブレーキパッド（３）と前記パッドフレーム
（１）との連結は、前記ブレーキパッド（３）の一端に
連結された摺接の強度を制御するスプリング（５）が取
り付けられた調整板（６）を溝部（７）に挿着し、貫通
孔が設けられた他端を凹型切欠き部（１ａ）に挿入しブ
レーキパッド連結孔（２）と同軸上に整列させピン
（４）で固定することで行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、釣りに使用されるスピニングリールのブレーキ装置、特に、釣針や おもり等が取付けられた釣糸を投げるときに、スプール部の回転速度を制御する ようにしたスピニングリールのブレーキ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

海岸等から沖に向かって釣糸を投げる投げ釣に使用されるリールとしては、釣 糸の巻取り方の相違によりドラムリール方式とスピニングリール方式がある。

【０００３】 従来のスピニングリール方式のものとして、例えば、円周面にフレームを設け たスプール部とローラ形のパッドとドラム部をスプール軸に差し込んだ構造を有 するものがあり、スプール部が高速回転するとき、ローラ形のパッドがドラム部 の内壁を摩擦することにより、ブレーキ動作を引き起こす構成を有している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このようなリールは、複雑で高度の精密性が要求されるプロセスで製 造されているにも関わらず、ブレーキ動作が円滑に引き起こされない可能性を有 しており、釣り竿のおもりを投げるときに、釣り糸のバックラッシュ（絡み合い ）が発生する場合があった。

【０００５】 本考案は、上述した問題点に鑑みて成されたもので、釣り糸のバックラッシュ （絡み合い）を予防し得るスピニングリールのブレーキ装置を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するために、中央部分の外周に釣糸が卷回され釣り 糸が引き出されることにより回転するスプール部、該スプール部の端部に設けら れ該スプール部の回転を制動するドラム部、該ドラム部内に設けられ該ドラム部 の内壁を摺接し該ドラム部の回転を調整するブレーキパッドが連結されたパッド フレーム、及び、前記ブレーキパッドの摺接の強度を制御する一端がスプリング に連結された調整板を有する本体部と、該本体部を閉塞するように設けられるフ レームと、該フレームに端部が回動可能に支持され、前記本体部を軸通するスプ ール軸とを有し、前記スプール部は、前記本体部が位置決めされる凹型ベースが 設けられ、前記パッドフレームは、前記スプール軸に対し平行な円周面に前記ブ レーキパッドを挿入するための凹型切欠き部および前記調整板を挿着するための 相対した溝部を形成した凹部と、前記スプール軸に対し垂直な面にピンを介し前 記ブレーキパッドを取り付けるためのブレーキパッド連結孔とを設けられ、前記 ブレーキパッドは、一方の端部には前記スプリングの他端と連結するためのスプ リング取付部材と、他方の端部には前記ピンを介し前記パッドフレームに連結す るためのパッドフレーム連結孔とを設けられていることを特徴とするスピニング リールのブレーキ装置である。

【０００７】

【作用】

リール釣り竿のおもりを投げて釣り糸が放れて行く際に、釣り糸の引き出し速 度に対応しスプール部の回転速度を調整することができるため、釣り糸の引き出 し速度とスプール部の回転速度の差異に起因する釣り糸のバックラッシュ（絡み 合い）を予防することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面について説明する。

【０００９】 図１は本考案の一実施例を示すスピニングリールのブレーキ装置の要部分解斜 視図、図２は同実施例の縦断面図である。

【００１０】 本考案の係る実施例のブレーキ装置は、図１及び図２に示すように、中央部分 の外周に釣糸が卷回され釣り糸が引き出されることにより回転するスプール部８ 、該スプール部８の端部に設けられ該スプール部８の回転を制動するドラム部１ ０、該ドラム部１０内に設けられ該ドラム部１０の内壁を摺接し該ドラム部１０ の回転を調整するブレーキパッド３が連結されたパッドフレーム１、及び、前記 ブレーキパッド３の摺接の強度を制御する一端がスプリング５に連結された調整 板６を有する本体部と、該本体部を閉塞するように設けられるフレーム１２と、 該フレーム１２に端部が回動可能に支持され、前記本体部を軸通するスプール軸 ９とを有している。

【００１１】 前記パッドフレーム１は、回転軸に対し平行な面（円周面）の２カ所に前記ブ レーキパッド３を挿入するための凹型切欠き部１ａおよび前記調整板６を挿入す るための相対した溝部７を位置を変えて複数形成した凹部と、回転軸に対し垂直 な面の２カ所に前記ピン４を介し前記ブレーキパッド３を取り付けるためのブレ ーキパッド連結孔２とを設けている。

【００１２】 前記ブレーキパッド３は、前記パッドフレーム１の外周面及び前記凹型切欠き 部１ａに対応する形状を有しており、一方の端部には前記スプリング５の一端と 連結するためのスプリング取付孔と、他方の端部には前記ピン４を介し前記パッ ドフレーム１に連結するためのパッドフレーム連結孔とを設けている。

【００１３】 前記スプール部８は、回転軸に対し垂直な面に前記ドラム部１０やパッドフレ ーム１等から成るブレーキ装置本体を収容するための凹型ベース８ａを設けてい る。

【００１４】 このブレーキ装置は、例えば、パッドフレーム連結孔が設けられたブレーキパ ッド３の端部を凹型切欠き部１ａに挿入し、ブレーキパッド連結孔２とパッドフ レーム連結孔を同軸上に整列させてピン４を差し込み、次に、ブレーキパッド３ の別の端部に設けられているスプリング取付孔に調整板６が連結されていないス プリング５の他端を差し込み掛止し、調整板６をパッドフレーム１の凹部に設け られているの溝部７に挿着し、次に、これらを凹型ベース８ａに位置決めされる ようにスプール軸９に差し込み、さらに、ドラム部１０をスプール軸９に差し込 み、これら装置本体部をフレーム１２で閉塞することにより構成される。

【００１５】 このように構成された本考案に係るブレーキ装置を組み込んだスピニングリー ルは、釣り針が取り付けられたおもりを投げる場合、釣り糸がブレーキ装置のス プール部８から引き出され放れて行く際に、スプール軸９を介しパッドフレーム １を回転させる。

【００１６】 このとき、パッドフレーム１の回転により遠心力が発生し、パッドフレーム１ の外周面にピン４で一方の端部が連結されたブレーキパッド３は、ピン４位置を 支点として遠心力により外側へ伸ばされる。その結果、スピニングリール１１の フレーム１２により固定されたドラム部１０の内壁面に、ブレーキパッド３が摺 接し、ブレーキ動作が行なわれる。

【００１７】 また、ブレーキパッド３の他方の端部は、スプリング５及び調整板６を介しパ ッドフレーム１と連結しているため、スプリング５の弾性によりブレーキパッド ３を内側に引っ張る力を発生し、遠心力の効果を補正する結果、ドラム部１２と ブレーキパッド３との間の摺接による摩擦力を調節し、スプール部８の回転速度 を制御することになる。

【００１８】 従って、スピニングリールに組み込まれるブレーキ装置は、釣り糸の引き出し 速度に対応しスプール部８の回転速度を均一に調整する機能を有することになり 、スプール部８において発生する釣り糸のバックラッシュ（絡み合い）現象が解 消される。

【００１９】 また、ドラム部１２とブレーキパッド３との間の摺接による摩擦力は、パッド フレーム１とブレーキパッド３とを連結するスプリング５の挿着される位置を変 更し、スプリング５の弾性力を調節することにより制御される。具体的には、調 整板６を、別の位置に設けられた溝部７に挿着することにより行う。

【００２０】 つまり、調整板６をブレーキパッド３側に設けられた溝部７に挿着すれば、ス プリング５が伸ばされる距離が短くなり弾性力が弱まる結果、ブレーキパッド３ の摺接による摩擦力は大きくなり、逆側に設けられた溝部７に挿着すれば、スプ リング５が伸ばされる距離が長くなり弾性力が強まる結果、ブレーキパッド３の 摺接による摩擦力は小さくなる。

【００２１】 従って、投げる距離を考慮して摩擦力を調節することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、リール釣り竿のおもりを投げて釣り糸が放 れて行く際に、釣り糸の引き出し速度に対応しスプール部の回転速度を調整する ことができるため、釣り糸の引き出し速度とスプール部の回転速度の差異に起因 する釣り糸のバックラッシュ（絡み合い）を予防することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示すスピニングリールの
ブレーキ装置の要部分解斜視図である。

【図２】 同実施例の縦断面図である。

【符号の説明】

１…パッドフレーム、 １ａ…凹型切欠き部、２
…ブレーキパッド連結孔、 ３…ブレーキパッド、４…
ピン、 ５…スプリング、６…調整
板、 ７…相対した溝部、８…スプール
部、 ８ａ…凹型ベース、９…スプール軸、
１０…ドラム部、１１…スピニングリー
ル、 １２…フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中央部分の外周に釣糸が卷回され釣り糸が
   引き出されることにより回転するスプール部（８）、該
   スプール部（８）の端部に設けられ該スプール部（８）
   の回転を制動するドラム部（１０）、該ドラム部（１
   ０）内に設けられ該ドラム部（１０）の内壁を摺接し該
   ドラム部（１０）の回転を調整するブレーキパッド
   （３）が連結されたパッドフレーム（１）、及び、前記
   ブレーキパッド（３）の摺接の強度を制御する一端がス
   プリング（５）に連結された調整板（６）を有する本体
   部と、 該本体部を閉塞するように設けられるフレーム（１２）
   と、 該フレーム（１２）に端部が回動可能に支持され、前記
   本体部を軸通するスプール軸（９）とを有し、 前記スプール部（８）は、前記本体部が位置決めされる
   凹型ベース（８ａ）が設けられ、 前記パッドフレーム（１）は、前記スプール軸（９）に
   対し平行な円周面に前記ブレーキパッド（３）を挿入す
   るための凹型切欠き部（１ａ）および前記調整板（６）
   を挿着するための相対した溝部（７）を形成した凹部
   と、前記スプール軸（９）に対し垂直な面にピン（４）
   を介し前記ブレーキパッド（３）を取り付けるためのブ
   レーキパッド連結孔（２）とを設けられ、 前記ブレーキパッド（３）は、一方の端部には前記スプ
   リング（５）の他端と連結するためのスプリング取付部
   材と、他方の端部には前記ピン（４）を介し前記パッド
   フレーム（１）に連結するためのパッドフレーム連結孔
   とを設けられていることを特徴とするスピニングリール
   のブレーキ装置。